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【イベント報告】ブナ林の野鳥観察会

早起きのプレッシャーと風の音であまり眠れないまま,早朝5時に雪霊水前へと集合しました.悪天候のためか,参加者は6人と少人数でした.観察会を始めるとすぐにキビタキの鳴き声が聞こえました.車道をゆっくりと歩きます.次第にクロツグミ,ミソサザイ,コルリの鳴き声も聞こえました.今回の講師である上野先生いわく,クロツグミは「深みのある声」だそうで.他の鳥の鳴き声を真似て鳴くというおもしろい特性を持っています.ミソサザイは,高い声で賑やかに「ピピピ,チリリリ」とさえずりを繰り返していました.コルリの鳴き方もおもしろく,鳴き声に慣れてくると,虫の鳴き声のような「チ,チ,チ・・」という前奏が聞こえてきます.これは繁殖期の雄のさえずりだそうです.日本三鳴鳥のオオルリとウグイス,カラ類ではヒガラ・シジュウカラ・ゴジュウカラ,キツツキの仲間のアオゲラの鳴き声も確認できました.最後に雪霊水前まで帰ってくると,「キョロロロ・・」というアカショウビンの鳴き声も聞くことができました.雨が降る中だったので,鳥の姿をあまり見ることができないのが残念でしたが,鳥のすんでいる環境や,習性のお話をたくさん聞くことができました.また,雨の中で見たブナ,ユキザサの花は大変きれいでした.上野先生が「マミジロやジュウイチは今回確認できなかった.少なくなっているのだろうか」ということをお話されました.鳥をとりまく環境が悪くなっているのかなぁと気になりました.このブナ林で,たくさんの鳥が生息し続けるようにと願います.

参加者からの質問に答える上野先生. 参加者からの質問に答える上野先生.車道沿いを耳をすませて歩く.

車道沿いを耳をすませて歩く.ウリハダカエデの芽鱗がたくさん落ちていた.

ウリハダカエデの芽鱗がたくさん落ちていた.

鳴き声だけじゃなく,姿が・・見えるかな? 鳴き声だけじゃなく,姿が・・見えるかな?

影は見えたが,確認できず.残念・・!? 影は見えたが,確認できず.残念・・!?雨の中,木々が美しい.

雨の中,木々が美しい.ブナ林をゆく.

ブナ林をゆく.

ウグイスの鳴き声がきこえたところ.ササがあるところに生息している. ウグイスの鳴き声がきこえたところ.ササがあるところに生息している.ユキザサが咲いていた.

ユキザサが咲いていた.最後のまとめ.今日確認できた鳥は11種類.(鳴き声だけも含む)

最後のまとめ.今日確認できた鳥は11種類.(鳴き声だけも含む)

【イベント報告】八幡高原の野鳥観察会

冬の雲が空を覆い,気温も低い中での観察になりました.講師を含め,総勢5人という少人数で,自然館前・霧ヶ谷・大歳神社・尾崎谷・三島・滝ノ平・千町原と,テンポ良く回りました.自然館の前では,アトリの群れとツグミの群れを比べながら,ツグミの方がちょっとぷっくりしていること,群をつくることで天敵に襲われた時のリスクを下げられること,などを聞きました.湿原再生が進んでいる霧ヶ谷では,セグロセキレイが3羽,追いかけっこをしており,めずらしく木の枝に止まる姿も見られました.少し歩いていると,コガモが4羽ほど飛び立っていきました.ここではオシドリやアオシギなども確認されており,再生事業の影響がすでに現れているそうです.大歳神社では,目当てのシラガホオジロがいたそうですが,少し遠かったので,「アトリよりすこし大きいかなぁ」というくらいしか分かりませんでした.尾崎谷に移動すると,コガモが100羽以上の群れを作っていましたが,他の鳥は見られませんでした.それでも,堰堤の影から見ていると,近くの水面までやってきて,ゆっくり滑っていく姿を観察できました.羽の鮮やかな緑色も,しっかり見ることができました.三島郷ではカシラダカを間近に見ることができました.双眼鏡で見てみると,なかなかきれいな小鳥です.滝ノ平では期待した猛禽類は観察できませんでしたが,千町原に戻ると,ハイタカが扇谷の上あたりを飛んでいました.レンジャクが居ないなど,全体的には鳥が少なかった印象ですが,声を聞いたものも含めて数え上げると,19種類もの鳥を観察していました.アトリやカシラダカなどは,繁殖地のロシアで環境悪化が進んでいるために,数が激減したそうです.逆に,日本の環境が渡り鳥の数に影響することはないのだろうか,と少し考えさせられた観察会でした.これからも環境を整えながら,観察を続けていきたいものです.[しらかわかつのぶ]

高原の自然館前に集合.
高原の自然館前に集合.
枝に止まったツグミの群れを観察中.
枝に止まったツグミの群れを観察中.
これはアトリの群れ.
これはアトリの群れ.八幡湿原自然再生事業が進む霧ヶ谷湿原.
八幡湿原自然再生事業が進む霧ヶ谷湿原.
ここではセグロセキレイやコガモを確認.
ここではセグロセキレイやコガモを確認.
木の枝に止まるセグロセキレイ.
木の枝に止まるセグロセキレイ.
シラガホオジロを観察.社叢林の中に,アトリもやってきた.
シラガホオジロを観察.社叢林の中に,アトリもやってきた.
スコープで見ても,良く分かりません.
スコープで見ても,良く分かりません.
図鑑を手に,説明する上野先生.
図鑑を手に,説明する上野先生.
尾崎沼にやってきた.
尾崎沼にやってきた.
堰堤に隠れてカモを観察中.
堰堤に隠れてカモを観察中.
コガモが近くにやってきた.羽の青色が特徴.
コガモが近くにやってきた.羽の青色が特徴.
振り返ると八幡湿原は冬模様.
振り返ると八幡湿原は冬模様.
高原の自然館に戻り,観察した鳥についておさらいをした.
高原の自然館に戻り,観察した鳥についておさらいをした.

【イベント報告】龍頭山の野鳥観察会

今回が初めてとなる龍頭山野鳥観察会ですが,18名の参加者が集まりました.どんぐり村の駐車場に集合し,目的地である龍頭山へと移動しました,最初の駐車場ではゴジュウカラの鳴き声が賑やかに迎えてくれました,しばらくするとピー,ピーという特長のある鳴き声が耳に入りました.この鳴き声の正体はトラツグミで,夜によく鳴くことから,昔の人は架空の動物「ヌエ」の声だと思い恐ろしがっていたそうです.今回の観察会では姿こそ見れませんでしたが,鳴き声を良く聞くことができたので,印象に残った方も多いようでした.またイカルの姿と鳴き声も確認できました.イカルは別名マメマワシといって,種子食であり,固い種子を食べるために強いくちばしと強い筋肉を持っている,というお話も聞きました.長い間,姿と鳴き声を披露してくれたのはホオジロです.メスを呼ぶためにオスは高い木の枝などにとまってさえずります.この鳴き声を「ゲンペイツツジ,シロツツジ」や「一筆啓上仕り候」と表すそうです.そう思って聞いていると,そう聞こえるような・・・.カラ類の特長としては,体が小さな鳥は高音で早くさえずり,大きくなるほど低音でゆっくりと鳴くそうです.実際にコガラはツッピーツッピーと甲高く忙しげにさえずっていました.一方ヤマガラは同じようにツツピーと聞こえてもややゆっくりと,そして低くさえずっていました.他にはものまねをして鳴くクロツグミ,コロコロコロと鳴くカワラヒワ,ギーギーと鳴くコゲラ・・とたくさんの種類の鳥を見たり,鳴き声を聞いたりすることができました.頂上付近にあるブナ林ではエナガ・コガラ・ゴジュウカラの混群を見ることもでき,短い時間で手軽に観察できる龍頭山を満喫することができました.鳥以外にも昆虫や植物,ヘビなど多岐に渡りじっくりお話を聞き,また触れることのできた内容の濃い観察会となりました.

朝6時に集合.車で駐車場にあがる途中もにぎやかに鳥たちのさえずりが聞こえた.
朝6時に集合.車で駐車場にあがる途中もにぎやかに鳥たちのさえずりが聞こえた.
イワツバメ.一見ツバメと見まがうが,違うところは足まで毛が生えているところ.
イワツバメ.一見ツバメと見まがうが,違うところは足まで毛が生えているところ.
車を止めたあたりで聞こえたイカルについての説明.甲高くゆっくりとしたテンポで鳴く.
車を止めたあたりで聞こえたイカルについての説明.甲高くゆっくりとしたテンポで鳴く.
「ツピツピツピ・・」とリズミカルに鳴いていたシジュウカラ.
「ツピツピツピ・・」とリズミカルに鳴いていたシジュウカラ.
鳴き声はするものの,なかなか姿が見つからない.そんな時は先生のフィールドスコープを見させてもらう.
鳴き声はするものの,なかなか姿が見つからない.そんな時は先生のフィールドスコープを見させてもらう.
今回の龍頭山のコースは歩きやすかったので,ゆったりのんびりと鳥の姿や声を探しながら歩くことができた.
今回の龍頭山のコースは歩きやすかったので,ゆったりのんびりと鳥の姿や声を探しながら歩くことができた.
途中の開けたところで見えた景色.朝の空気が清々しかった.
途中の開けたところで見えた景色.朝の空気が清々しかった.
あと数歩で頂上!!どんな景色が待っているのだろう!?
あと数歩で頂上!!どんな景色が待っているのだろう!?
頂上に到着.この日は晴れ渡り宮島の方まで見ることができた.
頂上に到着.この日は晴れ渡り宮島の方まで見ることができた.
頂上で展望を楽しんだあとは,ブナ林にいるカラ類の混群を見に下って移動.
頂上で展望を楽しんだあとは,ブナ林にいるカラ類の混群を見に下って移動.昆虫類・クモ類・草木の種子を採食する.その時に逆さになって木の幹を回るように歩く.
昆虫類・クモ類・草木の種子を採食する.その時に逆さになって木の幹を回るように歩く.仲良く戯れていたコガラ.この日はカラ類の鳴き声が良く聞こえた.
仲良く戯れていたコガラ.この日はカラ類の鳴き声が良く聞こえた.
落ちていないオトシブミ.
落ちていないオトシブミ.
長い間姿と声を披露してくれたホオジロ.
長い間姿と声を披露してくれたホオジロ.
そのホオジロを間近で見る.手に持っているのはミヤコグサ?
そのホオジロを間近で見る.手に持っているのはミヤコグサ?毒を持つヘビ,ヤマカガシ登場.毒がでるしくみを聞いたり,うろこをさわらせてもらった.
毒を持つヘビ,ヤマカガシ登場.毒がでるしくみを聞いたり,うろこをさわらせてもらった.
最後に集まり今日のまとめをした.今回は約20種類の鳥の鳴き声を聞くことができた.
最後に集まり今日のまとめをした.今回は約20種類の鳥の鳴き声を聞くことができた.

【イベント報告】ブナ林のバードウォッチング

心配された前日の雨はすぐ止み,気温も10℃と「暖かい」と思って出かけたのですが,苅尾山の上は強風で,寒い寒い観察会でした.
まずはマミジロがさえずっているのを長時間観察しました,マミジロは1000m以上のブナ林に夏鳥として渡来し,ここ4・5年は毎年やってくる鳥だそうです.「チョボイ,ツルリー」と一声ずつ鳴くのが特徴だそうです.ヒガラ,クロツグミを見た人もいたようですが,ほとんどの人は鳴き声だけを聞きました.
場所を変えて今度は雪霊水より車道を下りました.「青いのを見に行きましょう」と誘われて行くと,コルリの鳴き声を聞きましたが,姿はみられません.現れたマヒワの群れは,今から朝鮮半島経由でシベリアに帰る冬鳥だそうです.オオルリ・キビタキも鳴き声だけで残念でしたが,ミソサザイは今年も目の前でさえずってくれました.その他観察したのは,シジュウカラ・ゴジュウカラ・(声のみ)アカショウビン・ウグイスでした.
鳥の観察会ではマイクを使うわけにもいかず,早朝のため気温も上がらず,なかなか大変でしたが,その分色々な鳥に出会えました.
今回は集合時間の連絡ミスがあり,遅くに到着した方々にはたいへん失礼しました.

最初のポイントではマミジロを観察.声は聞こえるものの,姿を見つけるのに苦労した.
最初のポイントではマミジロを観察.声は聞こえるものの,姿を見つけるのに苦労した.
「あ,あそこにいるよ!」とお互いに教え合う.
「あ,あそこにいるよ!」とお互いに教え合う.
次のポイントへと移動中も,カラ類の鳴き声が聞こえてくる.
次のポイントへと移動中も,カラ類の鳴き声が聞こえてくる.
頭上の鳥も気にしつつ,足元にも注目.葉の形がおもしろい,ツクバネソウ.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

頭上の鳥も気にしつつ,足元にも注目.葉の形がおもしろい,ツクバネソウ.

ゴジュウカラ・シジュウカラ・ヒガラの鳴き声を聞く.カラ類は巣穴探しをめぐり熾烈な戦いがあるそう.
ゴジュウカラ・シジュウカラ・ヒガラの鳴き声を聞く.カラ類は巣穴探しをめぐり熾烈な戦いがあるそう.
枯れ木にあけられた巣穴.今は使われているのだろうか?
枯れ木にあけられた巣穴.今は使われているのだろうか?
モモンガが食べた残した葉.道のところどころに落ちていた.
モモンガが食べた残した葉.道のところどころに落ちていた.
よく見ると,葉を少しだけかじっている.全部食べていないのが食痕の特徴,
よく見ると,葉を少しだけかじっている.全部食べていないのが食痕の特徴,
車道に沿って歩きながら,鳥の姿を探す.オオルリ・コルリ・アカショウビン・ウグイスなど声は聞くものの姿が見えず.
車道に沿って歩きながら,鳥の姿を探す.オオルリ・コルリ・アカショウビン・ウグイスなど声は聞くものの姿が見えず.
冬鳥であるマヒワの生息地域を確認.越冬地域,繁殖地域がちがう.
冬鳥であるマヒワの生息地域を確認.越冬地域,繁殖地域がちがう.
鳴き声をたよりに姿を見つける.
鳴き声をたよりに姿を見つける.
フィールドスコープをのぞき込むと鳥の姿がよりよく分かる.
フィールドスコープをのぞき込むと鳥の姿がよりよく分かる.
こちらは鳴き声の方向を検索中.集中しています.
こちらは鳴き声の方向を検索中.集中しています.
観察会開始より2時間が経過.風は冷たかったが,青空が広がった.
観察会開始より2時間が経過.風は冷たかったが,青空が広がった.
車道沿いではウリハダカエデの花が咲いていた.
車道沿いではウリハダカエデの花が咲いていた.
体がミソ色のミソサザイ.とても小さな鳥だが,鳴き声はわりと大きく,長い間さえずりを披露していた.
体がミソ色のミソサザイ.とても小さな鳥だが,鳴き声はわりと大きく,長い間さえずりを披露していた.
最後に集合し,今日姿を見た鳥,声を聞いた鳥の名前を確認した.
最後に集合し,今日姿を見た鳥,声を聞いた鳥の名前を確認した.

【イベント報告】冬鳥の観察

前日からの雨が残り,カッパを着たり傘をさしての観察会が始まりました.今回の講師は上野先生です.自然館の中の展示パネルを使って,今よく見ることができる冬鳥を中心に,鳥の名前,何を食べているか,今年の鳥の飛来状況などを聞きました.
はじめに土嶽地区へと歩きながら,道路沿いで見ることができる木や草の実を観察し,どんな鳥がその実を食べるかのお話を聞きました.エサによる鳥のくちばしの形の違いや,鳥によって運ばれる種のお話から,植物と鳥の密接な関係を知ることができました.また,冬鳥と留鳥との違いはエサとの関係が深く,冬でも食べることができる木の実や昆虫をエサとしている鳥は留まり,そうでない鳥は移動するため姿が見えなくなるそうです.土嶽地区ではところどころで足を止め,鳥の鳴き声を聞いたり姿を探したりし,先生に名前を教えて頂きました.
続いて尾崎谷湿原に移動し,新川ため池で水鳥を観察しました.コガモ・カイツブリ・トモエガモを見ることができました.また,湿原ではホオジロの美声を長い間聞くことができ,他にもキクイタダキ・キジバト・ノビタキ・ヒヨドリの姿を見ることができました.
最後に田んぼの中でタゲリの姿をみた,との情報があり参加者全員でその場所に移動しました.少しの間でしたがタゲリが田んぼの中を歩き,飛び立っていく姿を観察することができました.
鳥の姿を見て,鳴き声を聞き,生態を知ることによって,よりいっそう鳥を身近に感じることができるようになったと思います.図鑑でしか見たことのない鳥たちを間近に見ることができ,これから鳥を観察することが楽しくなりそうです.

出発前,高原の自然館館内の展示を見ながら話を聞いた.
出発前,高原の自然館館内の展示を見ながら話を聞いた.
自然館近くのヤマボウシに作られたクマ棚を観察した.
自然館近くのヤマボウシに作られたクマ棚を観察した.
雨の中を歩く.
雨の中を歩く.土嶽でベニマシコ,ホオジロ,ミヤマホオジロなどを探す.
土嶽でベニマシコ,ホオジロ,ミヤマホオジロなどを探す.
コナラの黄葉はピークを迎えていた.
コナラの黄葉はピークを迎えていた.
続いて尾崎谷に移動.
続いて尾崎谷に移動.
尾崎沼ではコガモやトモエガモが浮かんでいた.
尾崎沼ではコガモやトモエガモが浮かんでいた.
カモに気付かれないように,そーっと観察.
カモに気付かれないように,そーっと観察.
それでも気付かれてしまった!
それでも気付かれてしまった!
最後は水田地帯でタゲリを観察した.
最後は水田地帯でタゲリを観察した.