カテゴリー別アーカイブ: 活動報告

【活動報告】エコカフェ@芸北(2017.12.18); ?> )

エコカフェは「楽しもう!北広島町の生物多様性」を目的とした、誰でも参加できるトークイベントです。今年で3年目となり、町内4カ所にて実施を予定しています。
12月17日(日)に深々と雪が降り積もる芸北で、1回目のエコカフェが、「地域の食」をテーマに開催されましたので、レポートします。
遠くは島根県松江市からも参加があり、32名のみなさんと、お話とカフェを楽しみました、
今回の話し手は、大朝にある「ふぁーむbuffo」の岩崎奈穂さんと、芸北にある淨謙寺の淨謙恭子さんのお二方です。聞き手は広島大学の近藤俊明さんで、お菓子と飲み物は昭和レトロ雑貨と喫茶のお店「コルビジェ」による出張カフェで、おいしいコーヒーと緑茶、パウンドケーキ2種類をいただきました。
岩崎さんの農園の名前である「buffo」とは、イタリア語で楽しむという意味があり、農業を楽しみたいとの岩崎さんの思いから名付けた、というエピソードが披露されました。岩崎さんは大の動物好きだそうで、進学した北海道の大学で、牛にかかわる実習をしていた時に「あれ?牛のえさは輸入なんだ・・」と疑問に思ったことをきっかけに、自分で農業しようと考え、埼玉県で有機農法の勉強をし、1999年に大朝にUターンをして自然循環型の農業をスタートされました。現在は、鶏・鴨・ヤギ・犬・ねこなど約700匹の従業員に囲まれて、農場を運営されています。ここで従業員と表現したのは、ヤギは除草のため、犬は番犬、猫はエサなどを狙うネズミ対策とともに働く仲間だからという理由で、人間の従業員は岩崎さんだけ、というお話では参加者の笑いを誘っていました。鶏を平飼いし、合鴨農法で稲や鴨を育て、地域の人に卵を配達しながら、くず野菜を集めて鶏のエサにするという方法を聞く中で、農園を始める前から「鶏に人間の食べないものを食べてもらって農業をしていこう」との岩崎さんの考えも教えていただきました。
「地球上に生き物は1千種類いるが、その中で分けると生産者・消費者・分解者しかいない」と聞き手の近藤さんが相づちを打ち、参加者の興味をさらに引き出していました。

次は、淨謙寺でイタリアン精進料理を提供している淨謙恭子さんのお話です。嫁ぎ先であるお寺で精進料理をだしており、当時はカルチャーショックを受けられたそうです。
料理は「出汁も動物性のものを使わず作る」よう教えられことから話が始まり、かねてから自分の住む奥原地域で「何かできないか」と考えてた淨謙さんは、子育てが落ち着いた10年前、娘さんがきっかけで本願寺出版のイタリアン精進料理の本に出会ったそうです。
淨謙さんは、地元の野菜を使った自家製ソース・うつわ・癒しの空間の3つにこだわり、また食材を無駄にすることなく最後まで食べきることをポリシーとされています。
たとえば柚子、皮はピールや柚子胡椒に、種は種酒・最後のカスはお風呂へ入れて入浴剤としているそうです。また、野菜も、クズはお宝袋に入れて出汁をとったり、たい肥にしたりと最後まで使っています。
地元野菜を大切にして、本来なら捨てられてしまう「受粉のために育てたリンゴ」や広島在来の豆など、地域の人に作ってもらい料理を作られています。
たくさんの野菜が使われ、美しく盛られたお料理の数々に、会場のあちこちから「行ってみたいね。」「食べてみたい」という声があがっていました。
最近、お客様から「ごき(器)ねぶり」といううつわも舐りたくなるほどおいしい豆を紹介してもらったというお話もあり、食材や地域をたいせつにする淨謙さんの思いがあふれ出ていました。「精進料理は動物性を使わないことで、命の有難さに感謝するもの」近藤さんからの言葉に、大きく頷く場面も見られました。
参加者からの感想では、「淨謙寺の取り組みは、地域の者も元気が出ていて、とてもありがたい!」との言葉もありました。
最後に、主催の北広島町教育委員会の新中さんより、お二人の取り組みへの感想があり、「地域の中で資源を循環させ、地元の食材を使うことで、食から考える生物多様性保全となり、低酸素ライフスタイルを目指したい」という締めくくりで、第1回目エコカフェは閉会しました。
次回は、来年2月に実施予定とのアナウンスがありました。こちらも楽しみにしています。
(インターン:NPO法人三段峡-太田川流域研究会 本宮宏美)

【活動報告】支所カフェ(5)「世界をひろげよう!」〜新しい側面から貧困や環境の問題を考える〜(2017.11.29); ?> )

モデルであり、エシカルファッションプランナーである鎌田安里紗さんが、大学の研究のため、芸北に来られたましたので、お話をしていただく機会を「支所カフェ」として設けました。進路を考える一環として、加計高校芸北分校のみなさんも参加してくださり、会場は100名以上の参加者となりました。

「エシカル」という聞き慣れない言葉でしたが、「きょう着ている服 どこで、誰が、どんな風につくったか、知っていますか?」という問いかけから、お話が始まりました。
「ファッション」と聞くと敷居が高い気がしますが、「服」と聞くと毎日の生活に欠かせないもので、食べ物やすみかと同じように考えます。
「自分の服がどこでだれがつくったか」を確実に答えられる人は、会場にはひとりもいませんでした。
ファッション業界で現在問題になっていること、貧困問題や、地球温暖化の問題など地球規模で起きている問題が提示され、驚きを隠せませんでした。
エシカルファッションとは「論理的なファッション」と言われますが、鎌田さんご自身は、「洋服が自分のところにやってくるまでの過去と、買ってから捨てるまでの未来を含めてファッションをたのしむこと」と定義されているそうです。おしゃれの楽しみ方、自分の生き方、周りへの意識付けの仕方が、とても等身大で「手に負えないことをあきらめない」やり方が大切だというメッセージが響きました。
高校生からは自分の夢が語られ、それについてコメントやアドバイスがあり、会場が沸きました。
鎌田さんが企画されている海外へのスタディツアーはとても興味深く、「行ってみたい!」と考えた高校生も何人かいたようです。
また「生きていく上での優先順位は?」という問いかけにも鎌田安里紗さんの考える指針を聞かせていただきました。
今回のお話から、自分の選択に納得しながら心地よい暮らしを目指し、それがエコロジーにつながる行動を起こしたいなぁと学びを得ました。
ファッションから考える「生物多様性」や「地球温暖化防止」そして「貧困問題」は簡単な問題ではないけれど、たくさんの人が少しづつ行動することで解決が実現するのではないかという希望のある未来が垣間見えた講演で、とても勇気のでる時間を持てたことに感謝します。

【活動報告】千町原草刈り隊!〜11月の巻〜; ?> )

2017年11月17日(木)に、ボランティアの草刈り隊作業が実施されました。
レポートが届きましたので報告します。

今年一番の寒さの中で、毎月第3木曜日の定例作業であるオオハンゴンソウ駆除がおこなわれました。
今回の参加は9名です。
草刈り機でオオハンゴンソウの根塊を粉砕する班と、粉砕し残した破片から芽生えた小苗を掘りだす班の、平行作業です。
根の粉砕駆除法を試し始めて一年が過ぎました。
この作業区域は、道路際からもひと目で見分けられます。
八幡高原の千町原を通られましたら、ぜひ車窓から、または散策がてらご覧下さいね。

 

【活動報告】千町原草刈り隊 9月(2017.9.23); ?> )

毎月第3木曜日は特定外来種のオオハンゴンソウ駆除を目的とした「千町原草刈り隊」の作業日です。
ボランティアの方から報告をいただきましたので、紹介します。

2017年9月21日(水)に作業が行われました。
参加ボランティアは12名です。
根を粉砕する・伸びたオオハンゴンソウを刈る・新芽を掘りだす作業に分かれました。
草刈り機に取り付けた工具を使って、土中のオオハンゴンソウの根塊を粉砕して、枯らしてしまおうと試みました。
さすがのオオハンゴンソウも、根を砕かれては絶えてしまうだろうと思いましたが、飛び散った2グラムの破片からも芽をだし再生を始める、という実験の結果より、粉砕作業からひと月後に芽を出した子株を掘りだして、駆除することになりました。
今回、子株の掘りだし作業に参加した女性陣は5名で、8月に根削りした区画で根気のいる作業に当たりました。
午前中だけでコンテナ4杯分の子株が掘りだされました。
12名という大勢で作業したのは「千町原草刈り隊」では初めてでしたが、やはり大人数で作業する方が、にぎやかで楽しいですね。
この区画のオオハンゴンソウはひとまず見えなくなりましたが、まだまだ2番芽・3番芽が顔を出してきます。
日本全国で駆除の試みがされているオオハンゴンソウとの闘いは、そう簡単ではなさそうです。

 

※「千町原草刈り隊」は毎月第3木曜日にオオハンゴンソウ駆除作業を行っております。
草原復活に力を貸してみたい!とう方は、芸北 高原の自然館のスタッフまでお問い合わせくださいね。

 

高知大学植物地理学実習受け入れ(2017.8.25); ?> )

高知大学の植物地理学実習の受け入れを行いましたので、報告します。
大学生6名と、先生3名の合計9名で、高知から来てくださいました。
北広島町の半自然草地、二次林とその利用見学、湿地、ブナ林の観察が主な実習内容です。

8/21(月:植生についての講義や、湿原での観察を実施しました。

8/22(火):「芸北での里山保全」について、高原の自然館 白川 勝信ハカセより講義がありました。
サイエンスカフェ方式での講義としたため、気軽にお話を聞いてもらえたように思います。
高知大学の石川先生が聞き手となり、講義が進みます。
「フィールドミュージアムの役割」「自然保護を進めるための指針」「地域づくりとの関わり」などをテーマに、写真や図でのわかりやすい解説がある中で、次のような質問が出ました。
・「どんなことが美しいか」というのはとても難しい。
・C材って何ですか?
・里山保全のために、クマとの関係はどのように考えているのか?
・自然再生をするときにめざしているのは、緊急度なのか?規模なのか?
・地域へのアプローチでの苦労はどんなところか?どのように解消しているのか?
しらかわハカセは、ひとつずつ丁寧に答えていました。
自然保護について、全体の1パーセントの人がするのではなく、全員が1パーセントの時間を使う、例えれば「歯磨きをすること」のように進めていければいいと思う、というお話が、印象に残りました。
また、「人間の営み」についても触れ、このあとの実習にも関わる大きな視点が示されました。
学生からは、里山の利用や教育との関わりを聞き、お金だけではない価値観を見つけることができた、との感想がありました。
その後、せどやま市場の様子、炭焼き小屋、使われているせどやま、茅葺き民家、テングシデを周り、実際の活動の場所や、地域の暮らしを学びました。

8/23(水:雲月山へ行き、火入れ草地での植生や、人と自然の関わりを学びます。
ストレッチをして、まずは車道を歩きます。
しらかわハカセからの「みんな秋の七草は知ってる?」の問いかけに、答えはかえってきませんでした。ということで、テーマを「自分たちの秋の七草見つけ」として、学生同士でバディを組み、最後に発表することとしました。
車道を抜けると、景色が広がり、雲月山が見え、歓声があがります。秋晴れの空と、気持ちのいい風が吹き、日差しはつよいものの、最高の登山日和です。植物を観察したり、たたらあとの解説を聞いたりしました。しらかわハカセからは、「植物を見て写真をとるだけではなく、触れてみよう」との促しがあり、オミナエシの匂いを嗅いだり、サルトリイバラの葉をさわったりしました。
同行していた職場体験中の中学生からは、オトギリソウの名前の由来の解説があり、黒点を見て関心を寄せていました。
植生の違いや、火入れの効果がどのようなものか、を実際の場所に立ち、そこで考える時間があり、生きた授業になったのではないでしょうか。
アサギマダラが舞い、マルバハギ、サイヨウシャジン、オミナエシ、ゲンノショウコ、ホソバシュロソウ、オケラ、リュウノウギクなどなど、たくさんのいきものを観察しました。
それぞれの「秋の七草」を発表では、「印象が強かった」「たくさんあった」「先生のテンションがあがっていた」花がそれぞれ選ばれました。
万葉でも歌われる花たちに思いを寄せ、観察を通して知識を得て、この地域ならではの自然環境や人の暮らしにも触れていただきました。

植物学を地理学的,地史学的,または生態学的に研究するみなさんに、北広島町の自然環境や、人と自然の関わりを実際にみていただき、その背景にあるものを講義を通じて学ぶ時間をご案内させていただきました。
学生のみなさんの学ぶ姿勢や、先生方の自然に対する熱意がとてもうれしかったです。
遠いところまで実習に来ていただき、ありがとうございました。