八幡の日々」カテゴリーアーカイブ

真夏の花々(2025.8.3.)

今日もよく晴れている八幡からこんにちは(・∀・)!!
影は涼しいですが、八幡でも暑い日が続いていますので、周辺を散策される際にはくれぐれも熱中症や日焼けにお気をつけを!

高原の自然館周辺には、いろいろな植物が咲いていますよ♪
緑の中に目立つオレンジ色のコオニユリ。そっくりさんのオニユリとの見分け方は、ムカゴかあるかどうかだそう。

ぐるぐると捩れながら、かわいい小さな花をつけるのはネジバナ。

白だったり薄桃色だったりと、花によって色が多少違ってくるチダケサシ。それぞれの違いを見比べてみるのも楽しいかも…?

白い大きな花をたくさんつける、ウバユリ。

枯れ枝の先には、赤とんぼの一種、ノシメトンボが止まっていた。

夏の霧ヶ谷湿原(2025.7.21)

青空の広がる八幡からこんにちは(・∀・)!!
今朝は久しぶりに、高原の自然館近くにある、自然再生事業地である霧ヶ谷湿原をじっくりと回ってみました。
一度は牛の放牧地として水を抜き、乾燥していた場所ですが、再生事業により水が回るようになった場所では、湿原の植物が、しっかりと咲いていましたよ♪

深い青と緑の生える霧ヶ谷湿原。

緑の中に、スッと立つ白は、植物なのに「チドリ」と名前がつく「ミズチドリ」。湿原ならではの花の一つだ。

きのこの「チダケ」を集める時に使っていたという、「チダケサシ」。少しピンクがかった、白いふわふわの花がかわいい。

トラの尾に似ている…?オカトラノオも咲いていた。

花びらが少し捻れたように咲くのはトモエソウ。

備中地方で初めて見つかったということから名付けられたという、ビッチュウフウロ。

ビッチュウフウロより、小ぶりの花のゲンノショウコ。かつてはとてもよく効く胃薬として使われたという。

淡い青紫が綺麗なコバギボウシ。こちらも湿原や湿気た場所に咲く花の一つ。

霧ヶ谷湿原の木道を覆うような植物。散策の際には、怪我防止のために長ズボンがお勧めです。

湿原に生えるハンノキの木漏れ日を感じながら歩くのも、気持ちの良いひととき。

周辺の花々(2025.7.12)

薄曇りで、心地よいお天気の八幡からこんにちは!
夏の深緑の中、黄色や濃い紫、薄ピンクなど、周辺は色とりどりの花々が咲き誇っていますよ。
どんな花が、どんな環境に咲いているのか確認してみるのも面白いかもしれませんね♪

深い緑の霧ヶ谷湿原に、黄色いアクセントのように咲いているハンカイソウ。小さなヒマワリのような、キク科の仲間。

終わりかけてきているけれど、ノハナショウブもまだ綺麗。

牧野富太郎博士の逸話で有名な、カキツバタとの見分け方は、花びらの中の筋。カキツバタは白だけれど、ノハナショウブは綺麗な黄色。

淡い黄色の、クサレダマ。「くされ だま」ではなく「くさ れだま」。レダマという低木に似た草だから、というのが由来だそう。

足元をよく見ると、可愛い薄ピンクのビッチュウフウロも咲いていました。

まだつぼみの多いヒヨドリバナには、アクセントのようにヒョウモンチョウの仲間がやってきていましたよ♪

\千町原 夏の装い/(2025.7.7)

快晴が続く八幡高原。日中の強い陽ざしに、そろそろ一雨ほしいところです。
そんな中、千町原では夏の草原らしい風景が広がってきました。今、とりわけ目を引くのがハンカイソウ。大きな葉を広げ、鮮やかな黄色の花を高く咲かせています。道沿いにも多く見られるため、車の中からでもその存在感がはっきりわかります。
対照的に、その隣で静かに、けれど力強く背を伸ばしているのがススキです。いまはまだ穂が出る前。茎も葉も青々とし、夏の光を受けて風にそよぐその姿には、凛とした美しさがあります。秋には黄金色に染まるススキ原ですが、この季節の「青さ」は、いまだけのもの。
広い空の青と、風にそよぐ草原の緑。そして、ところどころに咲くハンカイソウの黄色。その取り合わせが、千町原の夏の装いを見せてくれています。

 

つぼみから花へ〜ウリノキ観察〜(2025.6.27)

初夏の八幡高原。雨あがりの朝、歩いていると、葉のかげにひっそりとつぼみをつけたウリノキを見つけました。
それから数日後、同じ場所を訪ねると、美しい花が咲いていました。
今回は、そんなウリノキのつぼみと開花の様子をレポートします。

ウリノキは、湿った森の中や川沿いなどのやや暗い環境を好む落葉低木です。
6月ごろになると、葉の付け根から細長く白い花を咲かせます。
この日見つけたのは、まだつぼみの状態でした。葉のかげに隠れるようにして、静かに咲く準備をしているように見えました。
咲くと花びらは外側に巻きこみ、雄しべ雌しべがよく見えるようになります。

ウリノキの葉はとても特徴的で、掌(てのひら)を広げたような形をしています。
広い葉にへこみがあり、3つか5つに切れ込んで手のひらのように広がります。
食用のウリの葉に似ていることからウリノキと名付けられました。
この独特な葉の形は、ウリノキを見分けるときの大きな手がかりになります。

また、ウリノキの樹皮は、若いころは滑らかで薄い灰色をしていますが、成長すると縦に細かな割れ目が入り、少しざらついた質感になるそうです。
木の成長とともにその様子も変わっていくのが観察の楽しみですね。

それから3日後の朝、同じ場所を再び訪ねると、ウリノキの花が咲いていました。
ウリノキの花は細く巻いた花びらの奥に、長く突き出すようにおしべとめしべが垂れ下がっています。
その姿は七夕飾りのようにも見え、花全体が重力に逆らわずぶら下がるような構造になっています。
風にゆれるこの形には、受粉のしくみに関係する意味があるのかもしれません。

花は大きな葉の下に垂れ下がるように咲き、地面には落ちた花がいくつも見られました。
拾い上げて触ってみると、花びらのカールは思った以上にしっかりとしており、形が崩れにくいのも印象的でした。

白い花弁に、ほんのり黄色がアクセントとして入っており、楚々とした美しさがあります。
その造形はまるでアクセサリーのようで、自然の造形の巧みさに感嘆させられます。
花の下には鮮やかな緑の葉、そして雨上がりのやわらかな光。
そんな情景が広がっていました。この一瞬の美しさを、いつまでも見ていたくなる——そんな朝でした。

ウリノキの花は、ひっそりと咲き、知らなければ通り過ぎてしまいそうな存在です。
しかし、観察してみると、その生態や造形の一つひとつに驚きや発見があり、自然の奥深さを感じることができます。
次は果実の季節にいってみようかな。