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雨がくるまえに(2025.6.22)

朝8時30分、水口谷(むなくとだに)湿原を歩いてみることにしました。梅雨とは思えない晴れ間が続いていましたが、天気予報では11時ごろから雨が降るとのこと。そんな予報を気にしつつ、どうしても“バイケイソウ”だけは見ておきたくて、足早に木道を目指しました。木道に入った途端、耳に飛び込んできたのは鳥たちの鳴き声でした。ホオジロ、ホトトギス、そして遠くからカッコウの声も聞こえてきます。雨の前だからか、鳥たちはいつも以上に活発で、森の中はにぎやかな雰囲気でした。ほんの数日前には見られなかったスイカズラやノアザミ、サワヒヨドリの花が、しっかりと姿を見せていました。反対に、前回は満開だったウツギの花は落ち着いていて、季節がまた一歩進んだことを感じさせます。湿原の花たちは、まるでバトンを渡すように、次々と主役を交代しているようです。目的のバイケイソウは、ハンノキ林の中に咲いていました。花は淡い緑色で、背丈があるため遠くからでもよく見えます。光の少ない林床にすっくと立つその姿には、静かで落ち着いた存在感がありました。「バイケイソウ(梅蕙草)」の“梅”は、花の姿が梅に似ているから──そんな説があるそうです。本家の梅の花びらは5枚ですが、バイケイソウは6枚。ひとつ多いだけで印象がずいぶん変わります。花の形はシャープなのに、実際に見るとやさしく感じられ、控えめながらもどこか気品のある佇まいでした。なお、バイケイソウの花には「異臭がある」とも言われています。今回はその香りを確かめる余裕がありませんでしたが、次に訪れるときには、そっと近づいて、静かに香ってみようと思います。

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サワヒヨドリ
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ノアザミ
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水口谷湿原のバイケイソウ
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バイケイソウの花

緑に誘われて、木道へ —初夏の水口谷湿原をゆく—(2025.6.18)

水口谷(むなくとだに)湿原を、ほんの少し歩いてみました。
やさしい風が通り抜け、なんともさわやか。濃くなった緑に囲まれながら、まずは遊歩道、そして木道を歩いていきます。

今の主役は、なんといってもウツギ。白い花が木々の中でもひときわ目立ち、まるで小さな灯りがともっているようです。
ウツギは、枝の中が空洞であることから「空木」と呼ばれます。別名「卯の花」とも言い、万葉集にも次のように詠まれています:
「卯の花の 咲きたる野辺を 行きめぐり かき折りかざし なづみ来る子ら」(巻八・一五〇六番)
現代語訳にすると“卯の花が咲いている野辺を行きめぐり、枝を折っては髪や頭に飾りながら、疲れた様子で戻ってくる子どもたち”だそうです。当時もたくさん咲いていたのでしょうね。

足元に気をつけて歩いていると、目を引く鮮やかな青緑の葉。バイケイソウが咲き始めていました。
バイケイソウの学名は *Veratrum album subsp. oxysepalum*。その名前の由来は、薬用植物「梅蕙」に似ていることからですが、実は強い毒をもつ植物で、誤って食べると中毒を起こすことがあります。
触れるだけで危険というわけではありませんが、観察はそっと、見るだけにしたほうがよさそうです。

葉の上では、ニホンカワトンボがひとやすみ中。半透明の翅が陽に透けて、とても涼やかです。

見上げれば、エンレイソウやクロモジ、カラコギカエデが、花のあとに実をつけています。
季節が着実に進んでいることを感じさせてくれます。

そして、下向きに花を咲かせる植物たち。近づいて、そっとのぞきこんでみると、その内側には思わず声が出るほどの華やかさ。
オオナルコユリやエゴノキの花が、控えめながらも凛と咲いていました。

水口谷湿原の初夏は、静かに、いきものがきらめく季節です。
ほんの少し歩くだけでも、こんなにたくさんの出会いがある。
そんな自然の豊かさに、心がほどけるひとときでした


 

モリアオガエルの季節!(2025.6.8)

曇天模様の八幡からおはようございます。
中国地方の梅雨入りはまだですが、高原の自然館近くのこうら池では、モリアオガエルたちの恋のシーズンが始まっているようですよー!!
枝にぴったりと張り付いて、メスを探すオス。

こちらにも、様子を伺っているオスが。

水の中にも、少し色が黒っぽい個体が潜んでいる。

アクロバティックな動きで葉っぱから葉っぱへと移動中。

よく見てみると、今まさに産卵中のグループが!!

今から大仕事に向かう子たちもいました!

かわいいお客さま(2025.6.6)

心地よいお天気に恵まれた八幡からおはようございます♪
今日は朝から、高原の自然館は賑やかでした。
芸北中学校の芸北ジュニアトレッキングガイドによる、芸北小学校の3,4年生のガイド授業!
芸北トレッキングガイドに見守られながら、頼もしい姿で館内案内をしていましたよ。

北広島町内、地元の学校に、高原の自然館をこのように活用してもらえるのは嬉しいですね♪♪

衣にすりし 昔の里か 燕子花(2025.6.1)

快晴!の八幡からおはようございます♪
日本植物学の父と呼ばれる、牧野富太郎博士が感動して「衣(きぬ)にすりし 昔の里か 燕子花(かきつばた)」と、句に詠んだという、八幡高原のカキツバタ。
それを再現した、カキツバタの里の花が綺麗に咲き始めてきましたよー!!
ホトトギスやサンショウクイの鳴き声をBGMに、カキツバタ鑑賞はいかがでしょう?

※2025年6月8日(日)には、カキツバタの里にて、カキツバタ祭りも行われます。