【イベント報告】八幡高原の野鳥観察会

冬の雲が空を覆い,気温も低い中での観察になりました.講師を含め,総勢5人という少人数で,自然館前・霧ヶ谷・大歳神社・尾崎谷・三島・滝ノ平・千町原と,テンポ良く回りました.自然館の前では,アトリの群れとツグミの群れを比べながら,ツグミの方がちょっとぷっくりしていること,群をつくることで天敵に襲われた時のリスクを下げられること,などを聞きました.湿原再生が進んでいる霧ヶ谷では,セグロセキレイが3羽,追いかけっこをしており,めずらしく木の枝に止まる姿も見られました.少し歩いていると,コガモが4羽ほど飛び立っていきました.ここではオシドリやアオシギなども確認されており,再生事業の影響がすでに現れているそうです.大歳神社では,目当てのシラガホオジロがいたそうですが,少し遠かったので,「アトリよりすこし大きいかなぁ」というくらいしか分かりませんでした.尾崎谷に移動すると,コガモが100羽以上の群れを作っていましたが,他の鳥は見られませんでした.それでも,堰堤の影から見ていると,近くの水面までやってきて,ゆっくり滑っていく姿を観察できました.羽の鮮やかな緑色も,しっかり見ることができました.三島郷ではカシラダカを間近に見ることができました.双眼鏡で見てみると,なかなかきれいな小鳥です.滝ノ平では期待した猛禽類は観察できませんでしたが,千町原に戻ると,ハイタカが扇谷の上あたりを飛んでいました.レンジャクが居ないなど,全体的には鳥が少なかった印象ですが,声を聞いたものも含めて数え上げると,19種類もの鳥を観察していました.アトリやカシラダカなどは,繁殖地のロシアで環境悪化が進んでいるために,数が激減したそうです.逆に,日本の環境が渡り鳥の数に影響することはないのだろうか,と少し考えさせられた観察会でした.これからも環境を整えながら,観察を続けていきたいものです.[しらかわかつのぶ]

高原の自然館前に集合.
高原の自然館前に集合.
枝に止まったツグミの群れを観察中.
枝に止まったツグミの群れを観察中.
これはアトリの群れ.
これはアトリの群れ.八幡湿原自然再生事業が進む霧ヶ谷湿原.
八幡湿原自然再生事業が進む霧ヶ谷湿原.
ここではセグロセキレイやコガモを確認.
ここではセグロセキレイやコガモを確認.
木の枝に止まるセグロセキレイ.
木の枝に止まるセグロセキレイ.
シラガホオジロを観察.社叢林の中に,アトリもやってきた.
シラガホオジロを観察.社叢林の中に,アトリもやってきた.
スコープで見ても,良く分かりません.
スコープで見ても,良く分かりません.
図鑑を手に,説明する上野先生.
図鑑を手に,説明する上野先生.
尾崎沼にやってきた.
尾崎沼にやってきた.
堰堤に隠れてカモを観察中.
堰堤に隠れてカモを観察中.
コガモが近くにやってきた.羽の青色が特徴.
コガモが近くにやってきた.羽の青色が特徴.
振り返ると八幡湿原は冬模様.
振り返ると八幡湿原は冬模様.
高原の自然館に戻り,観察した鳥についておさらいをした.
高原の自然館に戻り,観察した鳥についておさらいをした.