【イベント報告】ブナ林の野鳥観察会

  • 開催日時:2013年5月19日(日) 5:00
  • 講師:上野吉雄

まだうす暗い早朝5時に,14名の参加者が臥竜山の雪霊水前に集合しました.鳥の専門家,上野先生が講師です.
雨が降りそうで気温が低い時間帯なので,鳥は活動していないだろう・・と思ったら,にぎやかなミソサザイの鳴き声が私たちを迎えてくれました.
ミソサザイは名前の通り,「味噌」の色をした小さな野鳥で,鳴き声が早口で高い声でさえずり,一度聞いたら覚えやすいような気がします.この観察会が実施された3時間の間,どの場所でもミソサザイのさえずりを聞くことができました.
アカショウビンの声も聞こえたので,しばらく観察していましたが,残念ながら姿をみつけることはできませんでした.
車道を歩き進みながら,上野先生の解説を聞きました.
参加者の方から,「トビくらいの大きい鳥がいた!」との声があがり,みんなで見ていると,確かに大きめの鳥が翼をひろげ,木の間をぬうように飛んでいました!中型の猛禽類のオオタカでした.オオタカは開けた山野に生息し,ハトなどをえさにしているそうです.
一瞬でしたが,観察できたのでとても幸運でした.
観察した場所は臥竜山の8合目あたりで,車道沿いの林床はササがほとんどなく,クロツグミなどの大型ツグミにとってはミミズなどがよく捕とれるとのことでした.
ミミズをえさにしているクロツグミもいました.フィールドスコープでクロツグミを見ると,黒い体に黄色いくちばし,アイリング(目のまわりのふちどり)が可愛らしく,何度も覗き込んだり,写真を撮ったりして,観察を楽しみました.
他にも,短い鳴き声が特徴的なクロジ,おなじみのウグイスやヤマガラ,最近増えている特定外来生物のソウシチョウなど,全部で21種類の野鳥を確認しました.
参加者の方から,「昔はおみくじ引きのヤマガラがいた」という話を聞きました.鳥と人間の関わりが興味深かったです.こういったお話を聞けるのも,観察会の醍醐味です.
今回も早朝のブナ林で野鳥を楽しむことができました.(こうのやよい)

みなさんの印象に残った物

「鳥の姿が少ないものの,声を聞くが出来て良かった.特にクロジのさえずりがめずらしい」「虫こぶ」「クロジがよく見れた」「虫こぶ」「アカショウビンの鳴き声が近くて感動」「木の穴から顔を出したミソサザイ」「雨」「虫コブ」「ホトトギスの声を初聴したこと」「クロツグミをしっかり見られた」

参加したみなさんの感想(抜粋)

「雨と思ったが,以外に天候良く,見晴らしがきき良い観察会でした.でに終了時はやっぱり雨!でも良かった」「人数が多いと山の探鳥会はむずかしいことが多いですが,よく取りが出ました」「楽しかった」「葉がたくさんでていて,みえにくかったかな」「アカショウビンが見れなくて残念!」「雨もまたたのし」「寒いし,雨でしたが,クロジのさえずりが聞けたのがよかったです」「色々な鳥の声が聞くことができて楽しかった」「アカショウビンは声のみ,残念」

具体的に

「鳥,植物に関する詳しい説明があり理解しやすい」「生態系を教えてもらえて,興味深い」

自由記入

「また来年を楽しみにしています」「小声で個人的に話している.質問にもよく答えていただいた.」「ありがとうございました」「雨の中ありがとうございました

写真

例年のごとく雨で始まる観察会となった.
例年のごとく雨で始まる観察会となった.鳴き声が聞こえるものの,姿を捉えるには根気が必要.
鳴き声が聞こえるものの,姿を捉えるには根気が必要.フィールドスコープと携帯電話のカメラを組み合わせて撮影にトライ.
フィールドスコープと携帯電話のカメラを組み合わせて撮影にトライ.キツツキの仲間が開けたと思われる穴.
キツツキの仲間が開けたと思われる穴.ウスギヨウラクの花がきれいに咲いていた.
ウスギヨウラクの花がきれいに咲いていた.ブナの葉の上で見つけたムシコブ.きれいなピンク色だった.
ブナの葉の上で見つけたムシコブ.きれいなピンク色だった.