高原の自然館の開館前の短い時間を利用して、水口谷湿原を歩きました。
高原の自然館の「いきもの伝言板」にどれくらいの種類が書けるかな?と予想しながら、歩き始めました。
日々、ニュースは暑さの話題であふれていますが、湿原では木々の陰や風の通り道が心地よく、場所によっては体感的に涼しさを感じられました。ノリウツギやヒヨドリバナ、ノアザミ、オトギリソウなどが花を咲かせており、湿原の植生が季節の進行を伝えてくれます。
6月に花をつけていたオオナルコユリはすでに結実し、植物たちがそれぞれの時間を歩んでいることを実感しました。
鮮やかな黄色のハンカイソウの周りでは、カラスアゲハが吸蜜する様子も観察できました。
また、ハンノキ林に入ると空気が一段と冷たく感じられ、木漏れ日がやさしく差し込んでいました。林床に目をやると、オニスゲのトゲトゲの棍棒のような実が見えました。
耳を澄ませるとカッコウやアカショウビンがないています。
帰り道では、オカトラノオやワルナスビも確認できました。
散策は短時間ではありましたが、夏の入り口にある湿原の変化をしっかりと感じることができました。
もしお時間があれば、ぜひ水口谷湿原を歩いてみてください。季節の移ろいや小さな生きものの気配に、ささやかな発見があるはずです。