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【イベント報告】夏休み親子観察会 −水辺の生きものを観察しよう!−

  • 開催日時:2012年7月22日(日) 9:30
  • 講師:内藤順一・佐久間智子

 夏休みが始まり,すっきりとした快晴のなか親子合わせて24人が自然館前に集合しました.
 最初の会のあと今回の観察場所である霧ヶ谷湿原に向かいます.湿原に到着すると.講師である内藤先生と佐久間先生から.今回の調査について「水の中にはどのような生きものがいて,どんなふうにくらしているのかを自分たちで実際に探して,図鑑で見たり,質問したりして調べてみましょう」というお話がありました.
 そのあと.4班にわかれてそれぞれ上流,下流の調査を開始しました.最初は堰を降りて下流に向かいました.班それぞれにバケツを持って,2カ所で調査を開始します.水の冷たさに少し驚きつつも,一人が網を持ち,もう一人が近くの石をめくり上げては,洗い流すように石についた付着物を網に落としていきます.それを何度か繰り返していくと,バケツの中には砂や泥に混じって色々なものが動いています.
 ある程度時間が経った所で上流と場所を交代します.上流は下流に比べて.流れが急の場所もあれば.水の流れがほとんど止まったように感じる場所もあり.下流とはまた違った生物に出会えそうに感じました.ここでもそれぞれの班が2カ所の調査を行いました.
 川から上がり,4班全員が合流すると,バケツの中身をバットに出して.同じ種類は一緒の容器に,違う物は新しい容器へと見つけた生物を分けていきます.タカハヤに気を取られ,バケツの中に他の生物がいるのか分からないと言っていた班の子ども達も,じっくり探すと色々な生物を見つけることができました.容器に分けるのが終わると,内藤先生が1種類ごとに解説してくださいます.様々なヤゴやヘビトンボの幼虫,姿のよく似たカゲロウやトビゲラの見分け方などです.中でも普段見つけることが難しい.ボルボックスの発見には皆さん驚いていました.これは群体とよばれる生態を持つそうです.
 最後に今日一番印象に残ったいきものの絵を紙コップに描きました.そのコップを使って佐久間先生が川の生態系を表したタワーを作りました.「生物は他の様々な生物とつながっており.環境が崩れれば生態系も崩れてしまう」という事を分かりやすく解説してもらい,自然の大切さを学びました.
 自分で探すことで興味をより持てたり,どういった場所にどんな生物が生きているのかを自分の目で見ることができて有意義な親子観察会となりました.

みなさんの印象に残った物

「自然の美しさ」「いっきに魚を8ぴきとれたこと」「ヘビトンボをみたこと(2)」「魚などをとった時」「川に入って色々な生物を捕まえて,観察したこと(2)」「川でカニをとれたこと(4)」「水がきれいだったこと」「ボルボックスを見たこと(2)」「川の水が冷たくてびっくりしました.上流,下流で生き物が違うことも勉強になりました」「川にこんなにたくさんの生き物がいるというのがすごかったです(2)」

参加したみなさんの感想(抜粋)

「普段目にしない水の中の小さな生き物に注目できて良かったです」「楽しく,いろいろ学ぶことができました」「川にはいっていろいろな生物をとれたから,楽しかったです(4)」「とりのこえがきれいでした」「いろんな生きものがいてすごかった」「親の方が勉強になりました(生きものの名前をほとんど知らなかったので)」「図かんを見ながら説明してくれたので分かりやすい(2)」「ふだんはしないことができてよかったです.家でも水の中の虫や魚等をとってかん察したいです」「なかなかこういうきかいはないので,とてもよかったです」「楽しかった(4)」

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冷たい水もなんのその.突き進んでいく男子たち.
冷たい水もなんのその.突き進んでいく男子たち.網を立てて,足下に気をつけながら,二人で協力して川下の石を動かして探索中.
網を立てて,足下に気をつけながら,二人で協力して川下の石を動かして探索中.石の裏をそろりとめくる.
石の裏をそろりとめくる.石の裏にいたヤゴ.トンボの種類はあとで先生に聞いてみよう!
石の裏にいたヤゴ.トンボの種類はあとで先生に聞いてみよう!網の中になにかいる!どんな生きものかな?
網の中になにかいる!どんな生きものかな?サワガニを発見!上流では多く発見.
サワガニを発見!上流では多く発見.みんなで生きものを分けていくよ.どんな生きものがどれだけいるかな?
みんなで生きものを分けていくよ.どんな生きものがどれだけいるかな?小さい生きものも見逃さないように,みんな真剣に探している.
小さい生きものも見逃さないように,みんな真剣に探している.虫めがねを使うのは楽しいなぁ.
虫めがねを使うのは楽しいなぁ.生きものの特長や生息地を,内藤先生が図鑑を使って教えてくれたよ!
生きものの特長や生息地を,内藤先生が図鑑を使って教えてくれたよ!佐久間先生の解説中.
佐久間先生の解説中.子どもだけではなく,大人も初めて見る生きものに興味津々.
子どもだけではなく,大人も初めて見る生きものに興味津々.調査して,印象に残った生きものを紙コップに描く.何を描こうか思案.
調査して,印象に残った生きものを紙コップに描く.何を描こうか思案.生きものを描いた紙コップでできたピラミッド.いったい何が始まるのかな?
生きものを描いた紙コップでできたピラミッド.いったい何が始まるのかな?ピラミッドを川の生態系に見立てて,佐久間先生が一つ一つの生きものが大事だということを教えてくれた.
ピラミッドを川の生態系に見立てて,佐久間先生が一つ一つの生きものが大事だということを教えてくれた.観察会が終わっても子どもたちみんな,まだまだ元気.
観察会が終わっても子どもたちみんな,まだまだ元気.

【イベント報告】カスミサンショウウオの産卵調査

  • 開催日時:2012年4月29日(日) 9:30
  • 講師:内藤順一

 モニタリングを続けている霧ヶ谷湿原で今年もカスミサンショウウオの産卵調査を行いました.年を追うごとに産卵場所が増えていますが,さて今年はどうでしょうか?高原の自然館の中で内藤先生よりサンショウウオについてのレクチャーを受けた後,4人の小学生を含む●人で調査に向かいました.今回は岡山県からの参加者もいらっしゃいました.
 はじめに霧ヶ谷湿原の向いの実験地で「カスミサンショウウオの産卵環境」で観察し,どのような場所に,どのような状態で産卵するのかを確認し,卵塊のありそうなところ,どのように探したらよいのかを教えていただきました.卵塊を守る親も見ることができ,参加者から驚きの声があがっていました.ヤマアカガエルやタゴガエルの姿もありました.
 要領がわかった後は,霧ヶ谷湿原での調査開始です.3班に分かれて,産み付けられた卵塊を探しました.GPSを使って位置を記録し,卵塊数や状態を調査票へ記入します.私たちの班は霧ヶ谷湿原の木道付近の水辺を調査しました.例年に比べ,水がある場所が少なく,干上がったような導水路もありました.また,昨年は同じ調査地でヤマアカガエルの卵塊をたくさんみつけたのですが,今回はオタマジャクシの姿になっていたところが多かったです.他には,コオイムシやヤゴも見つけました.
 カエルの卵塊ばかりではありません.「こんなところにいそう・・」という山際で,カスミサンショウウオの卵塊を見つけました!去年は確認されていない場所です.湿原化されていることが,実感できた瞬間でもありました.それぞれの地点で調査を終え,班ごとに調査結果を発表しました.2班では越冬幼生も確認できたということでした.毎年行っている調査のおかげで,どの場所にどのように両生類が棲息しているか知ることができます.データをとっているおかげで,様々な比較ができます.これらはまた内藤先生が解析をし,発表があることでしょう.そういった調査のお手伝いができたこと,湿原の再生化を間近で感じることができたことがとても嬉しい調査となりました.[こうのやよい]

みなさんの印象に残った物

「サンショウオの卵は1個々だと思っていましたが.」「ニホンアカガエルの婚いん色がきれいだった.」「サンショウウオをさわったり,卵子をさわったりしてとても楽しかったです.(2)」「この時期の越冬幼生(カスミ)」「昨年と違って,カスミサンショウウオの卵が発見できたこと.オオコオイムシを大量に見たこと」「湿地でのカスミサンショウウオを見ることが出来,ありがとうございました.」「卵塊(カスミサンショウウオ)がたくさん見つかってよかったです」「湿原の手入れが良くされていること.多くののカスミサンショウウオの卵,成体,カエルを見ることができた.」「たまごをみつけたこと.」「たくさんのカスミと,ツキノワグマのふんを観察したこと.」「オスのハコネサンショウウオが1匹でいた事,卵を見つけられた事.」「カスミサンショウウオを見たこと(2)」

参加したみなさんの感想(抜粋)

「野イバラで大変でしたが楽しかったです(3)」「湿地が広がり,カスミサンショウウオがふえてほしい」「私の班でお一人卵子を見つけられなかったので,見つけさせてあげたかった.」「今年はあたたかく,活動しやすかったので,良かったです.」「たのしかった.」「ありがとうございました.」「湿原がいい感じに変化していってるので,嬉しいです.」「親切にわかりやすく教えていただき良かった.」「カエルがいっぱいいた.」「天候も良く,とても楽しい時間をいただきました.
岡山からやって来てよかったです!」「天候が良く観察が良くできて楽しかった.
でも野イバラには参りました.オオヤマザクラがきれいでした.」「楽しかった.(2)」

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高原の自然館内でレクチャーを受ける.
高原の自然館内でレクチャーを受ける.自然再生事業を行った霧ヶ谷湿原の概要や,カスミサンショウウオの生息環境についてお話をきいた.
自然再生事業を行った霧ヶ谷湿原の概要や,カスミサンショウウオの生息環境についてお話をきいた.最初は参加者全員で同じ場所で調査方法や注意点を教えていただく.
最初は参加者全員で同じ場所で調査方法や注意点を教えていただく.卵塊の近くにいたカスミサンショウウオの成体.
卵塊の近くにいたカスミサンショウウオの成体.オタマジャクシがいっぱい!ヤマアカガエルかな??
オタマジャクシがいっぱい!ヤマアカガエルかな??子供たちも調査に参加.足取り軽やか.
子供たちも調査に参加.足取り軽やか.あ,そこにカエルがいるよー.
あ,そこにカエルがいるよー.カスミサンショウウオの卵塊を発見!卵数は49個だった.
カスミサンショウウオの卵塊を発見!卵数は49個だった.カスミサンショウウオがいそうな環境の場所を調査.水がとても冷たかった.
カスミサンショウウオがいそうな環境の場所を調査.水がとても冷たかった.間近で観察できるのも調査ならでは.
間近で観察できるのも調査ならでは.それぞれの班の報告.どの班からもカスミサンショウウオが見つかったのはすごい!
それぞれの班の報告.どの班からもカスミサンショウウオが見つかったのはすごい!最後のまとめ.来年も継続して調査しましょう,と内藤先生から.
最後のまとめ.来年も継続して調査しましょう,と内藤先生から.

【イベント報告】ゴギの観察会(大朝)

  • 開催日時:2011年11月3日(木) 9:30
  • 講師:内藤順一

 少し雲がかかって,過ごしやすい気温の中,大朝公民館に12名の方が集合しました.今回の講師は内藤先生です.備北では,広島県の天然記念物に指定されている,ゴギの産卵の様子を見てみよう,という今回の観察会,まずは,公民館内で先生のお話を聞きました.瞳大の白い斑紋が,頭部まであるのが特徴であること,澪筋から外れた,砂礫が堆積しているところに産卵すること,河川の開発などで,産卵場所が少なくなったり,川の遡上ができなくなったりして,数が減少していることなど,色々なことを話されました.また,産卵している様子をビデオに撮影したものを上映していただきました.オスとメスが並んで泳いでいる姿や,オスがメスにすり寄って産卵を促しているところ,口を大きく開けて産卵している瞬間や,産卵後に,「舞の行動」と呼ばれる,メスが身体をくねらせながら周囲を泳いている様子などを見ることができました.お話を聞いた後は,実際にゴギを観察しに行きます.車で現場まで向かいました.川岸から覗いてみると,ゆったりと泳いでいるゴギの姿を見ることができました.体長などから,2年目の個体だということが分かりました.内藤先生は「これくらいの大きさの溜まり(?)だと4,5匹くらいは泳いでいる」と言われました.また「今年は,まだ気温があまり下がっていないから,本格的に産卵を始めるのはもう少し先になるだろう」と話されました.引き続き観察していると「小さい個体もいますね」と,白川学芸員が,観察していた場所からすこし離れた場所を指し示しました.先ほどの個体よりもかなり小さく,まだ1年目の個体だということが分かりました.今年は産卵しないためか,泳いでいる場所も,川の流れが早くなる瀬頭周辺を泳いでいました.内藤先生が「ちょっと頭上を見てください」と言われました.見上げてみると,そこには植樹されたスギがありました.「ゴギは基本的に何でも食べるが,その大部分は誤って木から水面に落ちてしまった落下昆虫などを食べている.木が伐採されると,その昆虫が落ちてこなくなる.スギやヒノキなどの植樹されたものは昆虫の幼虫が少なく,枝を横に広げていくものの方がよいので,そのような樹木を残していくのが重要だ」と話されました.参加された方々は,ゴギが泳ぐ姿を写真におさめたり,ゴギの理解を深めようと積極的に内藤先生に質問されたりしました.河川工事や,森林の伐採,別の魚の放流などにより,その個体数が減っているゴギを,守るためにはどうすればよいのか,考える機会となった観察会でした.[ありみつまさかず]

みなさんの印象に残った物

「ゴギがイワナの仲間だと知ったこと」「ゴギとサツキマスの産卵場所の区別がついたこと」「ゴギの生息環境が見れたこと」「山の空気はおいしい」「ゴギのオスのきれいなオレンジ色.」「ビデオの産卵の画像の説明にこもる先生の熱意」「二年目,一年目のゴギが見られた事」「尾びれの橙色がきれいだった」

参加したみなさんの感想(抜粋)

「里山の自然を大切にしたい」「ゴギという魚に興味が持てた」「ゴギの状況がきびしいことがわかった.内藤先生の話しはわかりやすかった」「ゴギを見ることができて良かった」「八幡に比べてゴギが見やすかったです.」「はじめてゴギを知りました」「今後いつまでもゴギの住める場所が残る事を望んでいます」「環境を守持して命をつないでほしい」

写真

公民館でゴギについて学習する.内藤先生がどの辺りに産卵するかを黒板に書かれている.
公民館でゴギについて学習する.内藤先生がどの辺りに産卵するかを黒板に書かれている.観察場所に到着.ゴギはいるかな?
観察場所に到着.ゴギはいるかな?ゆっくりと泳ぐ2年目のゴギ.ヒレの端がきれいなオレンジ色に染まっていた.
ゆっくりと泳ぐ2年目のゴギ.ヒレの端がきれいなオレンジ色に染まっていた.川の上に張り出した樹木.観察場所からは少し離れていたが,このような樹木があることが,ゴギにとって重要.
川の上に張り出した樹木.観察場所からは少し離れていたが,このような樹木があることが,ゴギにとって重要.こちらは1年目のゴギ.流れが速くなる瀬頭を行ったり来たりしていた.
こちらは1年目のゴギ.流れが速くなる瀬頭を行ったり来たりしていた.内藤先生お手製の水中撮影機器.産卵の瞬間などを,多数撮影してきた自慢の一品.
内藤先生お手製の水中撮影機器.産卵の瞬間などを,多数撮影してきた自慢の一品.撮影機器の話しをする内藤先生.家には,これまでの試作品がたくさんあるそう.
撮影機器の話しをする内藤先生.家には,これまでの試作品がたくさんあるそう.

【イベント報告】サツキマス保全の試み

  • 開催日時:2011年10月10日(月) 9:30
  • 講師:内藤順一

 秋風が気持ち良く吹く八幡高原で,サツキマスの保全活動を実施しました.八幡高原の柴木川には,高さ1メートルほどの堰があります.この堰が妨げとなり,登ってきたサツキマスは,堰のすぐ下で産卵しています.しかし,産卵に適した場所が限られているため,たくさんのサツキマスが登ってきても,後から来た個体が,先に産卵された卵を掘り返してしまうため,たくさんの卵が無駄になっていました.そこで研究会では,遡上してきたサツキマスを捕獲し,一部を堰の上に放流することで,産卵場所を分散させ,個体群を維持する取り組みをしています.
 講師は内藤順一先生,参加者は9名です.フィールドに出る前に,八幡高原センターでサツキマスの産卵生態について講義していただきました.内藤先生が長年にわたって蓄積されたデータや,ご自身で撮影された写真・ビデオを使ってのお話しは,臨場感があり,非常に興味深いものでした.特に産卵シーンの撮影は,産卵場所が分かっていることに加え,一日中待ち続ける必要があるため,とても根気の要る調査です.そんな,写真を見ただけではわからない苦労話も,講座の中で聞かせて頂きました.
 事前に学習をした後は,現地での観察と捕獲・放流の見学です.作業を始める前に,護岸から「そ〜っ」と覗いてみると,堰の下をサツキマスが行き来している様子が見えました.昨年,保全活動を実施したときよりも,個体数はすこし少ないようです.
 いよいよ捕獲の開始です.内藤先生と,協力者の田村さんが川の中に入って「刺し網」を設置していきます.水は冷たいはずですが,ウェットスーツの内藤先生は,あまり気にしていない様子で,時々潜って観察しながら魚を探していました.程なく,サツキマスがかかりはじめました.丁寧に網からはずし,一匹ずつ体調と体重を量っては,移送用のコンテナに移しました.オス2個体,メス4個体の合計6個体を捕獲することができました.
 サツキマスを放流するのは,少し上流です.ここは,昨年度の産卵実績がある場所であり,上流部へも移動できます.内藤先生が放流したサツキマスは,みんなの前を泳ぎ去っていきました.最後に,川についての意見や感想を言い合って,今年の保全作業を終了しました.[しらかわかつのぶ]

みなさんの印象に残った物

「オスがメスのマネをする」「サツキマスの産卵ビデオ見て祖先を残す為一生けん命な事」「上からしか見た事がなかった産卵期の魚を間近で見る事が出来た」「サツキマスさわれたこと.」

参加したみなさんの感想(抜粋)

「地道な調査,観察活動が重要であると思いました.」「内藤先生,高原の自然館の方,地元の方の協力によってサツキマスが沢山育つと良いと思います.」「また機会が有れば参加したい」「人の手をかして環境を守って行く大切さを知りました.」

写真

現地に行く前に,サツキマスについて学習.分類上の位置付けや繁殖生態を学んだ.
現地に行く前に,サツキマスについて学習.分類上の位置付けや繁殖生態を学んだ.水中で撮影された,貴重な写真.
水中で撮影された,貴重な写真.網を張る前に,そーっと覗き込むと,サツキマスがいた.
網を張る前に,そーっと覗き込むと,サツキマスがいた.当日はテレビの取材もやってきた.網を張るところをみんなで見学中.
当日はテレビの取材もやってきた.網を張るところをみんなで見学中.網を張っていく内藤先生と田村さん.
網を張っていく内藤先生と田村さん.サツキマスの遡上を阻む堰の直下で,水中観察をする内藤先生.
サツキマスの遡上を阻む堰の直下で,水中観察をする内藤先生.捕獲したサツキマスは,すべて体重と体長を計測した.
捕獲したサツキマスは,すべて体重と体長を計測した.捕獲したサツキマス.間近で体の模様などを見学できた.
捕獲したサツキマス.間近で体の模様などを見学できた.実際に手に持ってみて,重さを実感する.
実際に手に持ってみて,重さを実感する.堰の上流側に移動して,捕獲した6個体を放流した.
堰の上流側に移動して,捕獲した6個体を放流した.「しっかり産卵してくれよー」.
「しっかり産卵してくれよー」.最後に,質問や感想をお互いに言い合った.
最後に,質問や感想をお互いに言い合った.

【イベント報告】可愛川の水生生物観察会

  • 開催日時:2011年8月7日(日) 13:00
  • 講師:内藤順一

 主にオオサンショウウオの観察と調査をする可愛川の観察会に11名の方千代田公民館へ集合しました.講師は内藤先生です.最初に同館内でオオサンショウウオについての話がありました.オオサンショウウオは世界最大の両生類で大きさは150cmを超える個体もいることや,目の前で動いているものは何でも口に入れるので,様々なものが胃袋から出てくること.生息域は西日本に集中しており,岐阜県より東にはいないことなどを教えていただきました.
 話を終えた後は,車で観察場所まで移動しました,車から降りて川の横を歩いていると,内藤先生が「あそこにおるよ」と声をかけられました.その先には,堤の端に出てきているオオサンショウウオの姿が見られました.「遡上しようとする魚が,堤に沿って横へと移動する.あそこにいればその魚を楽に捕食できる」と解説されました.川に入り,まずは上から見たオオサンショウウオの所へと向かいました.2mほどまで接近しても逃げるそぶりを見せませんでした.「これくらいまで成長すると,この付近では生態系の頂点になる.敵がいないからあまり隠れたり逃げたりしなくなる」と話されました.
 その後,5匹を捕獲して,それらの個体の調査を始めました.捕獲した個体に,それぞれ違う番号をもつマイクロチップを注射器で身体に埋め込んで放し,次の調査の時に身体を調べて,マイクロチップをつけていない個体には新たに埋め込んでいく,という方法でこの周辺の個体数を数えていきます.この方法で,現在100匹を超える個体がこの流域に生息していることが判明しています.今回の調査では5匹のうち4匹が新たに発見された個体だということが分かりました.「たくさん生息しているようにみえるが,幼体は確認されていない.今いる成体がいなくなると,ここでオオサンショウウオ見ることは出来なくなるだろう」と,繁殖場所がないことに危機感をもたなければいけないことを教えていただきました.また調査中に,イトモロコ,ギギ,カワヨシノボリなどの魚や,スジエビなども見つけることができました.
 生息しているからと安心するのではなく,繁殖場所の確保や,遡上するための道の設置など,生物がきちんとしたサイクルを送れるようにすることが重要だと感じた観察会になりました.[ありみつまさかず]※観察会での採集は,広島県及び北広島町から許可を得て行っています.
みなさんの印象に残った物

「はじめてオオサンショウウオをみたこと」「オオサンショウウオの生態」「オオサンショウウオの大きさ」「自然に生きるオオサンショウウオが見ることができたこと」「太古の生物はすごい.河川で大きさと古さで食物連鎖の大玉です」「オオサンショウウオのにおい」

参加したみなさんの感想(抜粋)

「魚を捕まえられてうれしかった」「(毎年の調査により)人になれたオオサンショウウオはおとなしく,触れることもできる観察会でした.」「初めてオオサンショウウオを見て身近に感じた.」「身近な自然に触れることができてよかった.」「川の流れは変わらないように見えるが水質はどうなのか考えさせられた」「身近にオオサンショウウオがいることがわかったこと」

写真

公民館内でお話を聴く.写真は北広島町内での生息域について.
公民館内でお話を聴く.写真は北広島町内での生息域について.堤の端に出ていたオオサンショウウオ.息継ぎのために水面から鼻先を出している.
堤の端に出ていたオオサンショウウオ.息継ぎのために水面から鼻先を出している.調査中に見つけた魚をみる.魚だけではなくエビも見つかった.
調査中に見つけた魚をみる.魚だけではなくエビも見つかった.川のほとりでの解説.実物を見ながらなので,自然と熱が入る.
川のほとりでの解説.実物を見ながらなので,自然と熱が入る.脱皮中の個体の前足.薄く透明な皮が,指先についている.
脱皮中の個体の前足.薄く透明な皮が,指先についている.個体識別のために埋め込んだマイクロチップを探す.見つからなければ未発見の個体として,新たにチップを埋め込んでいく.
個体識別のために埋め込んだマイクロチップを探す.見つからなければ未発見の個体として,新たにチップを埋め込んでいく.調査を終えて元の場所へと放しに行く.
調査を終えて元の場所へと放しに行く.DSCN3718
DSCN3718