- 開催日時:2011年7月24日(日) 9:30
- 講師:岩見潤治・佐久間智子
元気いっぱいの小学生4人が高原の自然館に集合しました.今年のこども観察会は霧ヶ谷湿原にて川のいきもの調査です.現地である霧ヶ谷湿原につくと,調査道具を持ち,今回の講師である岩見先生,佐久間先生と一緒に川へ向かいます.調査方法を聞いた後,二班に分かれて早速調査です.堰のところからそろりそろりと水に入ります.一人が下流側に立ち川底にしっかりと固定するように網を持ち,もう一人がその近くの石をめくり石についているものを洗い流すようにして付着物をとります.その作業を何度か行い網をあげると石や砂などに混じって小さないきものがいました.バケツへ入れてじっくり観察はあとにして,堰のところを2カ所採集しました.次は堰の所より上流にあがります.上流にいくと,川の様子が違います.牧場形成によって三面張りになった川を自然再生事業により,川底のコンクリートを壊し自然に近い形にした堰のところに比べると,昔のままの川の姿があります.水の流れも速く気をつけないと足をとられます.ここでも2カ所から採集しました.
川からあがり.バケツに入った中身をバットに出します.その中から同じ種類のいきものを見つけ.透明の容器に入れます.最初の予想では5〜10種類くらいのいきものがいるかな?と子ども達は言っていましたが,20近くにもなりました.一種類ずつ岩見先生に解説いただきました.ゲンジボタルの幼生,シマアメンボ,石や葉でくるまったトビケラの仲間,ヘビトンボの幼生,ムカシトンボのヤゴなどがおりそれぞれの特長を交えて生活史も聞き,子ども達は真剣に聞き入っていました.
最後に印象に残ったいきものの絵を紙コップに描きました.これで岩見先生が川の生態系タワーを作ります.いきもののつながりがよく分かり,基盤となる環境が変われば生態系も崩れてしまう,ということを学びました.川に入り,いきものを自分の手で探し,知識を得て,自然について考えるということが楽しくできた最高のこども観察会となりました.[こうのやよい]
みなさんの印象に残った物
「大きなタカハヤ・ヘビトンボの幼虫」
参加したみなさんの感想(抜粋)
「思った以上に川の中にはいきものがたくさんいるんだなぁと思った.岩見先生の丁寧な解説としかけで,川のいきものがぐっと身近になりました.」
写真
今日の調査方法について,レクチャーを受ける.
川に入り,岩見先生にお手本を見せていただく.
2人一組で開始.網を固定しておくのが意外に難しい.
滑らないように気をつけながら川を移動.
こちらの班も力を合わせて作業中.
ここは先生が網を使ってキャッチ!動きの早いタカハヤを見事に網へ.
大きなタカハヤが網にはいった!!
上流部は流れが速く,水が冷たかった.
さて,どんないきものがいるのかな?
バットからいきものを選び,同じ種類毎にわけていく.
ゲンジボタルの幼生.大きさからいって2年目だとのこと.成虫よりも大きいようで,驚いた.
上流組と下流組に分かれていたものを,同じいきものがどれくらいいるか合わせてみる.
紙コップに絵を描き,川の生態系ピラミッドを使って解説する 岩見先生.子ども達は突如現れたタワーに興味津々.
一番下の紙コップを抜くとがらがらと倒れたピラミッド.川の環境をしっかり守ろうと思った瞬間となった.
最後のまとめをする岩見先生と,真剣に聞く子ども達.川のいきものに触れてたくさん学んだ.