活動報告」カテゴリーアーカイブ

【イベント報告】可愛川の水生生物観察会

  • 開催日時:2011年8月7日(日) 13:00
  • 講師:内藤順一

 主にオオサンショウウオの観察と調査をする可愛川の観察会に11名の方千代田公民館へ集合しました.講師は内藤先生です.最初に同館内でオオサンショウウオについての話がありました.オオサンショウウオは世界最大の両生類で大きさは150cmを超える個体もいることや,目の前で動いているものは何でも口に入れるので,様々なものが胃袋から出てくること.生息域は西日本に集中しており,岐阜県より東にはいないことなどを教えていただきました.
 話を終えた後は,車で観察場所まで移動しました,車から降りて川の横を歩いていると,内藤先生が「あそこにおるよ」と声をかけられました.その先には,堤の端に出てきているオオサンショウウオの姿が見られました.「遡上しようとする魚が,堤に沿って横へと移動する.あそこにいればその魚を楽に捕食できる」と解説されました.川に入り,まずは上から見たオオサンショウウオの所へと向かいました.2mほどまで接近しても逃げるそぶりを見せませんでした.「これくらいまで成長すると,この付近では生態系の頂点になる.敵がいないからあまり隠れたり逃げたりしなくなる」と話されました.
 その後,5匹を捕獲して,それらの個体の調査を始めました.捕獲した個体に,それぞれ違う番号をもつマイクロチップを注射器で身体に埋め込んで放し,次の調査の時に身体を調べて,マイクロチップをつけていない個体には新たに埋め込んでいく,という方法でこの周辺の個体数を数えていきます.この方法で,現在100匹を超える個体がこの流域に生息していることが判明しています.今回の調査では5匹のうち4匹が新たに発見された個体だということが分かりました.「たくさん生息しているようにみえるが,幼体は確認されていない.今いる成体がいなくなると,ここでオオサンショウウオ見ることは出来なくなるだろう」と,繁殖場所がないことに危機感をもたなければいけないことを教えていただきました.また調査中に,イトモロコ,ギギ,カワヨシノボリなどの魚や,スジエビなども見つけることができました.
 生息しているからと安心するのではなく,繁殖場所の確保や,遡上するための道の設置など,生物がきちんとしたサイクルを送れるようにすることが重要だと感じた観察会になりました.[ありみつまさかず]※観察会での採集は,広島県及び北広島町から許可を得て行っています.
みなさんの印象に残った物

「はじめてオオサンショウウオをみたこと」「オオサンショウウオの生態」「オオサンショウウオの大きさ」「自然に生きるオオサンショウウオが見ることができたこと」「太古の生物はすごい.河川で大きさと古さで食物連鎖の大玉です」「オオサンショウウオのにおい」

参加したみなさんの感想(抜粋)

「魚を捕まえられてうれしかった」「(毎年の調査により)人になれたオオサンショウウオはおとなしく,触れることもできる観察会でした.」「初めてオオサンショウウオを見て身近に感じた.」「身近な自然に触れることができてよかった.」「川の流れは変わらないように見えるが水質はどうなのか考えさせられた」「身近にオオサンショウウオがいることがわかったこと」

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公民館内でお話を聴く.写真は北広島町内での生息域について.
公民館内でお話を聴く.写真は北広島町内での生息域について.堤の端に出ていたオオサンショウウオ.息継ぎのために水面から鼻先を出している.
堤の端に出ていたオオサンショウウオ.息継ぎのために水面から鼻先を出している.調査中に見つけた魚をみる.魚だけではなくエビも見つかった.
調査中に見つけた魚をみる.魚だけではなくエビも見つかった.川のほとりでの解説.実物を見ながらなので,自然と熱が入る.
川のほとりでの解説.実物を見ながらなので,自然と熱が入る.脱皮中の個体の前足.薄く透明な皮が,指先についている.
脱皮中の個体の前足.薄く透明な皮が,指先についている.個体識別のために埋め込んだマイクロチップを探す.見つからなければ未発見の個体として,新たにチップを埋め込んでいく.
個体識別のために埋め込んだマイクロチップを探す.見つからなければ未発見の個体として,新たにチップを埋め込んでいく.調査を終えて元の場所へと放しに行く.
調査を終えて元の場所へと放しに行く.DSCN3718
DSCN3718

【イベント報告】カワシンジュガイの観察会

  • 開催日時:2011年7月31日(日) 9:30
  • 講師:内藤順一

 少し雲がかかり,外に出るにはちょうど良い気温の中,芸北文化ホールに5名が集合しました.今回の講師は内藤先生です.最初に会場内でカワシンジュガイについて話しをしました.1986年の工事中の河川で発見され,それより前に確認されたのは15年前だったこと.芸北地区が生息域の最南端で,県や町の天然記念物や絶滅危惧種に指定されていること.アマゴに幼生を寄生させ,しばらく成長したあとに再び川底に戻ってくること.繁殖方法の判明や保護活動により,発見当初33個体だったのが,1200個体まで増えたことなどを教えていただきました.
 その後,車で観察場所に移動して,カワシンジュガイを観察することになりました.川に入って間もなく,内藤先生がカワシンジュガイを発見されました.半身を川底に埋めている姿は,芸北地域で呼ばれている「立ち貝」という別名にふさわしいものでした.川の流れは思っていたよりも早く,貝の幼生が流されてしまわないか疑問に思いましたが「殻糸(かくし)とよばれる糸状のひものようなものを出し,石につけて,流されないように固定している」と説明されました.また流れの緩やかな川のふちにはアブラボテの幼生をみることが出来ました.「アブラボテはカワシンジュガイの殻内に卵を産みつけ,稚魚を守らせる方法で子孫を残し,そのカワシンジュガイはアマゴに幼生を寄生させることで,生息場所を広げていく.釣りや漁でアマゴが減ると,この2種類も減ってしまう」と内藤先生は言われました.この他にも,カワノボリやシュレーゲルアオガエル,ヒゲナガカワトビゲラの幼生などを観察することができました.生き物は単独で生きているのではなく,様々な別の生き物とつながることで生きていて,そのつながりを自分たちも感じることができた観察会となりました.[ありみつまさかず]※観察会での採集は広島県及び北広島町から許可を得て行っています.

みなさんの印象に残った物

「自然の姿のカワシンジュガイ,アブラボテ」「現地の川にいたカワシンジュガイ,小さい貝が殻糸をだして流されないようにしていること」「事前の座学(特に質問)」「今年もカワシンジュガイに会えて感激した」

参加したみなさんの感想(抜粋)

「目的の貝だけでなく,色んな魚もみることができました」「たくさんの方に聴いてほしい講座でした」「少人数だったので思ったこと質問することができ,その上で実際の川に行く,というのは事前知識が入って非常によかった」「毎年参加し,カワシンジュガイ,アブラボテ,アマゴの共生の深さが少しずつ分かってきた」

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文化ホールの教室でお話.写真は川に生息する二枚貝の種類について.
文化ホールの教室でお話.写真は川に生息する二枚貝の種類について.山の向こうを指差す内藤先生.似たような環境の川が流れているが,あちらにはカワシンジュガイは生息していないことを聴いた.
山の向こうを指差す内藤先生.似たような環境の川が流れているが,あちらにはカワシンジュガイは生息していないことを聴いた.川に入ってカワシンジュガイを探す.
川に入ってカワシンジュガイを探す.アブラボテの幼生をみつけた.
アブラボテの幼生をみつけた.2匹のカワシンジュガイを発見!うっすらと口を開いている
2匹のカワシンジュガイを発見!うっすらと口を開いている手に取って見てみる.左右で泥の付き方が違うのは,半身を川底に埋めている証.
手に取って見てみる.左右で泥の付き方が違うのは,半身を川底に埋めている証.小さなシュレーゲルアオガエル.目の周りを見ることでアマガエルと区別が出来る.
小さなシュレーゲルアオガエル.目の周りを見ることでアマガエルと区別が出来る.腹部から産卵管を出しているアブラボテのメス.
腹部から産卵管を出しているアブラボテのメス.

【イベント報告】千町原の保全活動

【イベント報告】千町原の保全活動

  • 開催日時:2011年7月30日(土) 8:00
  • 講師:

 八幡でもやっと夏らしくなった7月の終わりに,千町原の夏の草刈りが行われました.参加者は50名.早朝から元気いっぱいの姿をみせてくれました.何度も来られている方が多く,会話を交わしたり,スタッフを手伝ってくださったりと,みなさんのスムーズな動きで草刈りの開始を迎えることができました.
 今回も,外来種のオオハンゴンソウの除去および,草原維持のため刈り取りを続けている場所の草刈りを2班に分かれ,作業します.白川学芸員より,新しいパネルを使って,夏の草刈りの効果について説明があり,みなさん熱心に耳を傾けていました.この時期植物は花や茎に栄養をためているので,草刈りを刈る事によって翌年の成長をおさえることができ,夏に草刈りをすることは効果が大きいとのことです.また,栄養のある草が取れる,とのお話もありました.今回の試みはもうひとつ,「刈り取った草の持ち出し」です.今までは集めるだけでしたが,それを一カ所に集め,草を堆肥などに使う農家さん達が利用しやすいようにと考えました.
 今までの「草を刈る→集める」の作業に,「軽トラまで運ぶ→軽トラに積む→下ろす」という作業が加わりましたが,役割分担がされ,ブルーシートを使ってどんどん草が運ばれました.
 途中でざぁーっと雨が降りました.雨の中の作業は疲れますが,みなさんとの会話や冷やしたスイカ,八幡のおいしい野菜をおやつに,声をかけあい作業を続けました.
 みなさんが作業している場所までアメを配ってくださった方もおり,スタッフが慌ただしくしている中,大変助かりました.
 「千町原の草原を維持しよう」という目的を持ち,ボランティアのみなさんと気持ちをひとつにし作業をすることは毎回楽しみでもあり,経過や成果を共有できる感動も生まれます.
 毎年の草刈りの効果でしょうか?今年は千町原で,ユウスゲやノハナショウブ,クサレダマ.ミソハギ,ミズチドリなどが色とりどりの花をみせてくれました.
 草の利用方法やスタッフ不足などの課題もありますが,知恵を出し合い,行動することでよりよい活動を続けていきたいと思いました.
 次回は秋の草刈りです.「また秋に!」という嬉しいあいさつを交わし,千町原をあとにしました.

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山麓庵の前ではじめの会.
山麓庵の前ではじめの会.薄曇りのお天気の中,作業が進められた.
薄曇りのお天気の中,作業が進められた.環境省指定特定外来生物であるオオハンゴンソウ.
環境省指定特定外来生物であるオオハンゴンソウ.低木を切る八幡の川内さん.作業の中心人物のひとり.
低木を切る八幡の川内さん.作業の中心人物のひとり.切った木を整理中.けっこう重たい.
切った木を整理中.けっこう重たい.切った低木をひっぱりはしっこへ移動中.
切った低木をひっぱりはしっこへ移動中.刈られた草をブルーシートにのせる.
刈られた草をブルーシートにのせる.草刈りを見守るユウスゲ.
草刈りを見守るユウスゲ.雨をよけるため,テントの中はぎゅうぎゅう.おかげで会話がはずんだ.
雨をよけるため,テントの中はぎゅうぎゅう.おかげで会話がはずんだ.お待ちかねのスイカ.甘くておいしかった!
お待ちかねのスイカ.甘くておいしかった!バッタも休憩中?
バッタも休憩中?乗用の草刈り機でオオハンゴンソウをぐんぐん刈る八幡の高木さん.
乗用の草刈り機でオオハンゴンソウをぐんぐん刈る八幡の高木さん.雨が降ったのでさらに重くなった草をみんなで運ぶ.
雨が降ったのでさらに重くなった草をみんなで運ぶ.刈った草を一カ所に積み上げる.
刈った草を一カ所に積み上げる.白川学芸員も草集め.「よいしょー」
白川学芸員も草集め.「よいしょー」どんどん草を集める.
どんどん草を集める.草刈り機隊も休みなく作業.安全を考慮して,しっかりと距離を取る.
草刈り機隊も休みなく作業.安全を考慮して,しっかりと距離を取る.軽トラに積み込む坂井さん.堆肥にした草を使い,米や大根を作る八幡の農家さん.
軽トラに積み込む坂井さん.堆肥にした草を使い,米や大根を作る八幡の農家さん.ブルーシートの草を軽トラに移動させる.これがけっこう難しい.
ブルーシートの草を軽トラに移動させる.これがけっこう難しい.作業が進み,見通しがよくなった.
作業が進み,見通しがよくなった.

【イベント報告】こども観察会

  • 開催日時:2011年7月24日(日) 9:30
  • 講師:岩見潤治・佐久間智子

 元気いっぱいの小学生4人が高原の自然館に集合しました.今年のこども観察会は霧ヶ谷湿原にて川のいきもの調査です.現地である霧ヶ谷湿原につくと,調査道具を持ち,今回の講師である岩見先生,佐久間先生と一緒に川へ向かいます.調査方法を聞いた後,二班に分かれて早速調査です.堰のところからそろりそろりと水に入ります.一人が下流側に立ち川底にしっかりと固定するように網を持ち,もう一人がその近くの石をめくり石についているものを洗い流すようにして付着物をとります.その作業を何度か行い網をあげると石や砂などに混じって小さないきものがいました.バケツへ入れてじっくり観察はあとにして,堰のところを2カ所採集しました.次は堰の所より上流にあがります.上流にいくと,川の様子が違います.牧場形成によって三面張りになった川を自然再生事業により,川底のコンクリートを壊し自然に近い形にした堰のところに比べると,昔のままの川の姿があります.水の流れも速く気をつけないと足をとられます.ここでも2カ所から採集しました.
 川からあがり.バケツに入った中身をバットに出します.その中から同じ種類のいきものを見つけ.透明の容器に入れます.最初の予想では5〜10種類くらいのいきものがいるかな?と子ども達は言っていましたが,20近くにもなりました.一種類ずつ岩見先生に解説いただきました.ゲンジボタルの幼生,シマアメンボ,石や葉でくるまったトビケラの仲間,ヘビトンボの幼生,ムカシトンボのヤゴなどがおりそれぞれの特長を交えて生活史も聞き,子ども達は真剣に聞き入っていました.
 最後に印象に残ったいきものの絵を紙コップに描きました.これで岩見先生が川の生態系タワーを作ります.いきもののつながりがよく分かり,基盤となる環境が変われば生態系も崩れてしまう,ということを学びました.川に入り,いきものを自分の手で探し,知識を得て,自然について考えるということが楽しくできた最高のこども観察会となりました.[こうのやよい]

みなさんの印象に残った物

「大きなタカハヤ・ヘビトンボの幼虫」

参加したみなさんの感想(抜粋)

「思った以上に川の中にはいきものがたくさんいるんだなぁと思った.岩見先生の丁寧な解説としかけで,川のいきものがぐっと身近になりました.」

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今日の調査方法について,レクチャーを受ける.
今日の調査方法について,レクチャーを受ける.川に入り,岩見先生にお手本を見せていただく.
川に入り,岩見先生にお手本を見せていただく.2人一組で開始.網を固定しておくのが意外に難しい.
2人一組で開始.網を固定しておくのが意外に難しい.滑らないように気をつけながら川を移動.
滑らないように気をつけながら川を移動.こちらの班も力を合わせて作業中.
こちらの班も力を合わせて作業中.ここは先生が網を使ってキャッチ!動きの早いタカハヤを見事に網へ.
ここは先生が網を使ってキャッチ!動きの早いタカハヤを見事に網へ.大きなタカハヤが網にはいった!!
大きなタカハヤが網にはいった!!上流部は流れが速く,水が冷たかった.
上流部は流れが速く,水が冷たかった.さて,どんないきものがいるのかな?
さて,どんないきものがいるのかな?バットからいきものを選び,同じ種類毎にわけていく.
バットからいきものを選び,同じ種類毎にわけていく.ゲンジボタルの幼生.大きさからいって2年目だとのこと.成虫よりも大きいようで,驚いた.
ゲンジボタルの幼生.大きさからいって2年目だとのこと.成虫よりも大きいようで,驚いた.上流組と下流組に分かれていたものを,同じいきものがどれくらいいるか合わせてみる.
上流組と下流組に分かれていたものを,同じいきものがどれくらいいるか合わせてみる.紙コップに絵を描き,川の生態系ピラミッドを使って解説する 岩見先生.子ども達は突如現れたタワーに興味津々.
紙コップに絵を描き,川の生態系ピラミッドを使って解説する 岩見先生.子ども達は突如現れたタワーに興味津々.一番下の紙コップを抜くとがらがらと倒れたピラミッド.川の環境をしっかり守ろうと思った瞬間となった.
一番下の紙コップを抜くとがらがらと倒れたピラミッド.川の環境をしっかり守ろうと思った瞬間となった.最後のまとめをする岩見先生と,真剣に聞く子ども達.川のいきものに触れてたくさん学んだ.
最後のまとめをする岩見先生と,真剣に聞く子ども達.川のいきものに触れてたくさん学んだ.

【イベント報告】ブッポウソウの観察会

  • 開催日時:2011年7月16日(土) 9:30
  • 講師:上野吉雄

絶滅危惧種にも指定されているブッポウソウの観察会に10名が参加しました.今回の講師は上野先生と松田先生です.まずは会場内の研修室で,ブッポウソウについて講義を行いました.昔は,木製の電柱に営巣していたが,コンクリート製の電柱が増えて,巣を作れなくなっていること.ヒナ鳥には主にコガネムシなどの甲虫を与えるため,餌やりの回数は夕暮れ時が一番多いことなど,観察するだけでは分からないことも講義していただきました.
講義を終えて,フィールドに出て観察を始めることにしました.あらかじめ,何カ所か巣箱を設置しておいた場所のうちの,2カ所を観察することになりました.1カ所目は,人の行き来が多く,時々大きな音や声が響き渡る場所でした.上野先生によると「このような場所の方が,カラスやテンなどの天敵が,人を警戒して近寄って来ないため,かえって安全に子育てが出来る」と説明されました.しばらく観察していると,巣箱の中から何か出ているのが見えました.ヒナ鳥です.餌を催促するために入り口に近づいたのでした.親は,それをみると素早く入口まで飛んで行き,餌を与えてまた飛び立って行きました.あっと言う間の出来事でしたが,親からヒナ餌やりを見れた参加者からは歓声があがっていました.
続いて2カ所目に移動します.そこは,車の通りも少ない,静かな田園風景が広がっていました.また,巣箱は樹木ではなく,コンクリート製の電柱にかかっていました.実は,1カ所目でもそうだったのですが,そのことを先生達に聞いてみると「樹木より,電柱にかけた方が,天敵の1つであるヘビが登りにくい,これも安全に子育てをしてもらうための工夫の1つ」と解説されました.観察していると,突然「ピックィー,ピックィー」と高い鳴き声が聞こえました.周りを見渡してみると.枯れた松の木にサシバがとまっていました.「農薬散布や乾田化などで,カエルやそれを食べるヘビが少なくなっているため,それらを食べるサシバも減少してきている」と絶滅危惧種にまで指定されていることを教えていただきました.
巣箱に視線を戻すと,親鳥が餌を与えるために巣箱へと飛んで行きました.ですが,1カ所目と違い中に入ったまま出てきません.「雛鳥がまだ小さいため,餌を与えた後,抱きかかえている」との説明がありました.
今回の観察会を通して,人にとっては小さな生活の変化でも,他の生き物へ,大きな影響を与えているということを感じました.[ありみつまさかず]

みなさんの印象に残った物

「ブッポウソウが,高い山ではなくて,里山に来ること」「ブッポウソウの子育ての様子が見れたこと(2)」「ブッポウソウの飛ぶ姿」「ブッポウソウに会えたこと(3)」

参加したみなさんの感想(抜粋)

「人が横で活動していても,平気で巣に出入りするのに驚いた」「もう少し近くで見ることができたら最高です」「幅広いお話で概略もよく分かり,現地で実際に見れてよかったです」「きれいな青い色やサシバも見れてよかった」「ブッポウソウとサシバが生息出来る里山を体験できてよかった(2)」「人家に近い場所での巣箱に驚き!」

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ブッポウソウの営巣場所や保護活動について話をする上野先生.
ブッポウソウの営巣場所や保護活動について話をする上野先生.続いて松田先生が教壇に.ヒナ鳥の餌の内容や時間帯について説明があった.
続いて松田先生が教壇に.ヒナ鳥の餌の内容や時間帯について説明があった.外に出て観察場所へと向かう.近くからは,人の活動する音が聞こえてくる.
外に出て観察場所へと向かう.近くからは,人の活動する音が聞こえてくる.電柱の上から辺りを見回すブッポウソウ.日に反射したきれいな青色の姿にくちばしの橙色が映える.
電柱の上から辺りを見回すブッポウソウ.日に反射したきれいな青色の姿にくちばしの橙色が映える.ヒナに餌を与える親鳥.一瞬の出来事だった.
ヒナに餌を与える親鳥.一瞬の出来事だった.場所を移して観察を再開.まずは親鳥を探す.
場所を移して観察を再開.まずは親鳥を探す.木の上にとまっているサシバ.ゆっくりと旋回しながら山の向こうへと飛んでいった.
木の上にとまっているサシバ.ゆっくりと旋回しながら山の向こうへと飛んでいった.巣箱の中へと入る親鳥.中でヒナを抱いていたため,再び飛び立つまでに時間がかかった.
巣箱の中へと入る親鳥.中でヒナを抱いていたため,再び飛び立つまでに時間がかかった.