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【イベント報告】千町原の保全活動

【イベント報告】千町原の保全活動

  • 開催日時:2011年7月30日(土) 8:00
  • 講師:

 八幡でもやっと夏らしくなった7月の終わりに,千町原の夏の草刈りが行われました.参加者は50名.早朝から元気いっぱいの姿をみせてくれました.何度も来られている方が多く,会話を交わしたり,スタッフを手伝ってくださったりと,みなさんのスムーズな動きで草刈りの開始を迎えることができました.
 今回も,外来種のオオハンゴンソウの除去および,草原維持のため刈り取りを続けている場所の草刈りを2班に分かれ,作業します.白川学芸員より,新しいパネルを使って,夏の草刈りの効果について説明があり,みなさん熱心に耳を傾けていました.この時期植物は花や茎に栄養をためているので,草刈りを刈る事によって翌年の成長をおさえることができ,夏に草刈りをすることは効果が大きいとのことです.また,栄養のある草が取れる,とのお話もありました.今回の試みはもうひとつ,「刈り取った草の持ち出し」です.今までは集めるだけでしたが,それを一カ所に集め,草を堆肥などに使う農家さん達が利用しやすいようにと考えました.
 今までの「草を刈る→集める」の作業に,「軽トラまで運ぶ→軽トラに積む→下ろす」という作業が加わりましたが,役割分担がされ,ブルーシートを使ってどんどん草が運ばれました.
 途中でざぁーっと雨が降りました.雨の中の作業は疲れますが,みなさんとの会話や冷やしたスイカ,八幡のおいしい野菜をおやつに,声をかけあい作業を続けました.
 みなさんが作業している場所までアメを配ってくださった方もおり,スタッフが慌ただしくしている中,大変助かりました.
 「千町原の草原を維持しよう」という目的を持ち,ボランティアのみなさんと気持ちをひとつにし作業をすることは毎回楽しみでもあり,経過や成果を共有できる感動も生まれます.
 毎年の草刈りの効果でしょうか?今年は千町原で,ユウスゲやノハナショウブ,クサレダマ.ミソハギ,ミズチドリなどが色とりどりの花をみせてくれました.
 草の利用方法やスタッフ不足などの課題もありますが,知恵を出し合い,行動することでよりよい活動を続けていきたいと思いました.
 次回は秋の草刈りです.「また秋に!」という嬉しいあいさつを交わし,千町原をあとにしました.

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山麓庵の前ではじめの会.
山麓庵の前ではじめの会.薄曇りのお天気の中,作業が進められた.
薄曇りのお天気の中,作業が進められた.環境省指定特定外来生物であるオオハンゴンソウ.
環境省指定特定外来生物であるオオハンゴンソウ.低木を切る八幡の川内さん.作業の中心人物のひとり.
低木を切る八幡の川内さん.作業の中心人物のひとり.切った木を整理中.けっこう重たい.
切った木を整理中.けっこう重たい.切った低木をひっぱりはしっこへ移動中.
切った低木をひっぱりはしっこへ移動中.刈られた草をブルーシートにのせる.
刈られた草をブルーシートにのせる.草刈りを見守るユウスゲ.
草刈りを見守るユウスゲ.雨をよけるため,テントの中はぎゅうぎゅう.おかげで会話がはずんだ.
雨をよけるため,テントの中はぎゅうぎゅう.おかげで会話がはずんだ.お待ちかねのスイカ.甘くておいしかった!
お待ちかねのスイカ.甘くておいしかった!バッタも休憩中?
バッタも休憩中?乗用の草刈り機でオオハンゴンソウをぐんぐん刈る八幡の高木さん.
乗用の草刈り機でオオハンゴンソウをぐんぐん刈る八幡の高木さん.雨が降ったのでさらに重くなった草をみんなで運ぶ.
雨が降ったのでさらに重くなった草をみんなで運ぶ.刈った草を一カ所に積み上げる.
刈った草を一カ所に積み上げる.白川学芸員も草集め.「よいしょー」
白川学芸員も草集め.「よいしょー」どんどん草を集める.
どんどん草を集める.草刈り機隊も休みなく作業.安全を考慮して,しっかりと距離を取る.
草刈り機隊も休みなく作業.安全を考慮して,しっかりと距離を取る.軽トラに積み込む坂井さん.堆肥にした草を使い,米や大根を作る八幡の農家さん.
軽トラに積み込む坂井さん.堆肥にした草を使い,米や大根を作る八幡の農家さん.ブルーシートの草を軽トラに移動させる.これがけっこう難しい.
ブルーシートの草を軽トラに移動させる.これがけっこう難しい.作業が進み,見通しがよくなった.
作業が進み,見通しがよくなった.

【イベント報告】こども観察会

  • 開催日時:2011年7月24日(日) 9:30
  • 講師:岩見潤治・佐久間智子

 元気いっぱいの小学生4人が高原の自然館に集合しました.今年のこども観察会は霧ヶ谷湿原にて川のいきもの調査です.現地である霧ヶ谷湿原につくと,調査道具を持ち,今回の講師である岩見先生,佐久間先生と一緒に川へ向かいます.調査方法を聞いた後,二班に分かれて早速調査です.堰のところからそろりそろりと水に入ります.一人が下流側に立ち川底にしっかりと固定するように網を持ち,もう一人がその近くの石をめくり石についているものを洗い流すようにして付着物をとります.その作業を何度か行い網をあげると石や砂などに混じって小さないきものがいました.バケツへ入れてじっくり観察はあとにして,堰のところを2カ所採集しました.次は堰の所より上流にあがります.上流にいくと,川の様子が違います.牧場形成によって三面張りになった川を自然再生事業により,川底のコンクリートを壊し自然に近い形にした堰のところに比べると,昔のままの川の姿があります.水の流れも速く気をつけないと足をとられます.ここでも2カ所から採集しました.
 川からあがり.バケツに入った中身をバットに出します.その中から同じ種類のいきものを見つけ.透明の容器に入れます.最初の予想では5〜10種類くらいのいきものがいるかな?と子ども達は言っていましたが,20近くにもなりました.一種類ずつ岩見先生に解説いただきました.ゲンジボタルの幼生,シマアメンボ,石や葉でくるまったトビケラの仲間,ヘビトンボの幼生,ムカシトンボのヤゴなどがおりそれぞれの特長を交えて生活史も聞き,子ども達は真剣に聞き入っていました.
 最後に印象に残ったいきものの絵を紙コップに描きました.これで岩見先生が川の生態系タワーを作ります.いきもののつながりがよく分かり,基盤となる環境が変われば生態系も崩れてしまう,ということを学びました.川に入り,いきものを自分の手で探し,知識を得て,自然について考えるということが楽しくできた最高のこども観察会となりました.[こうのやよい]

みなさんの印象に残った物

「大きなタカハヤ・ヘビトンボの幼虫」

参加したみなさんの感想(抜粋)

「思った以上に川の中にはいきものがたくさんいるんだなぁと思った.岩見先生の丁寧な解説としかけで,川のいきものがぐっと身近になりました.」

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今日の調査方法について,レクチャーを受ける.
今日の調査方法について,レクチャーを受ける.川に入り,岩見先生にお手本を見せていただく.
川に入り,岩見先生にお手本を見せていただく.2人一組で開始.網を固定しておくのが意外に難しい.
2人一組で開始.網を固定しておくのが意外に難しい.滑らないように気をつけながら川を移動.
滑らないように気をつけながら川を移動.こちらの班も力を合わせて作業中.
こちらの班も力を合わせて作業中.ここは先生が網を使ってキャッチ!動きの早いタカハヤを見事に網へ.
ここは先生が網を使ってキャッチ!動きの早いタカハヤを見事に網へ.大きなタカハヤが網にはいった!!
大きなタカハヤが網にはいった!!上流部は流れが速く,水が冷たかった.
上流部は流れが速く,水が冷たかった.さて,どんないきものがいるのかな?
さて,どんないきものがいるのかな?バットからいきものを選び,同じ種類毎にわけていく.
バットからいきものを選び,同じ種類毎にわけていく.ゲンジボタルの幼生.大きさからいって2年目だとのこと.成虫よりも大きいようで,驚いた.
ゲンジボタルの幼生.大きさからいって2年目だとのこと.成虫よりも大きいようで,驚いた.上流組と下流組に分かれていたものを,同じいきものがどれくらいいるか合わせてみる.
上流組と下流組に分かれていたものを,同じいきものがどれくらいいるか合わせてみる.紙コップに絵を描き,川の生態系ピラミッドを使って解説する 岩見先生.子ども達は突如現れたタワーに興味津々.
紙コップに絵を描き,川の生態系ピラミッドを使って解説する 岩見先生.子ども達は突如現れたタワーに興味津々.一番下の紙コップを抜くとがらがらと倒れたピラミッド.川の環境をしっかり守ろうと思った瞬間となった.
一番下の紙コップを抜くとがらがらと倒れたピラミッド.川の環境をしっかり守ろうと思った瞬間となった.最後のまとめをする岩見先生と,真剣に聞く子ども達.川のいきものに触れてたくさん学んだ.
最後のまとめをする岩見先生と,真剣に聞く子ども達.川のいきものに触れてたくさん学んだ.

【イベント報告】ブッポウソウの観察会

  • 開催日時:2011年7月16日(土) 9:30
  • 講師:上野吉雄

絶滅危惧種にも指定されているブッポウソウの観察会に10名が参加しました.今回の講師は上野先生と松田先生です.まずは会場内の研修室で,ブッポウソウについて講義を行いました.昔は,木製の電柱に営巣していたが,コンクリート製の電柱が増えて,巣を作れなくなっていること.ヒナ鳥には主にコガネムシなどの甲虫を与えるため,餌やりの回数は夕暮れ時が一番多いことなど,観察するだけでは分からないことも講義していただきました.
講義を終えて,フィールドに出て観察を始めることにしました.あらかじめ,何カ所か巣箱を設置しておいた場所のうちの,2カ所を観察することになりました.1カ所目は,人の行き来が多く,時々大きな音や声が響き渡る場所でした.上野先生によると「このような場所の方が,カラスやテンなどの天敵が,人を警戒して近寄って来ないため,かえって安全に子育てが出来る」と説明されました.しばらく観察していると,巣箱の中から何か出ているのが見えました.ヒナ鳥です.餌を催促するために入り口に近づいたのでした.親は,それをみると素早く入口まで飛んで行き,餌を与えてまた飛び立って行きました.あっと言う間の出来事でしたが,親からヒナ餌やりを見れた参加者からは歓声があがっていました.
続いて2カ所目に移動します.そこは,車の通りも少ない,静かな田園風景が広がっていました.また,巣箱は樹木ではなく,コンクリート製の電柱にかかっていました.実は,1カ所目でもそうだったのですが,そのことを先生達に聞いてみると「樹木より,電柱にかけた方が,天敵の1つであるヘビが登りにくい,これも安全に子育てをしてもらうための工夫の1つ」と解説されました.観察していると,突然「ピックィー,ピックィー」と高い鳴き声が聞こえました.周りを見渡してみると.枯れた松の木にサシバがとまっていました.「農薬散布や乾田化などで,カエルやそれを食べるヘビが少なくなっているため,それらを食べるサシバも減少してきている」と絶滅危惧種にまで指定されていることを教えていただきました.
巣箱に視線を戻すと,親鳥が餌を与えるために巣箱へと飛んで行きました.ですが,1カ所目と違い中に入ったまま出てきません.「雛鳥がまだ小さいため,餌を与えた後,抱きかかえている」との説明がありました.
今回の観察会を通して,人にとっては小さな生活の変化でも,他の生き物へ,大きな影響を与えているということを感じました.[ありみつまさかず]

みなさんの印象に残った物

「ブッポウソウが,高い山ではなくて,里山に来ること」「ブッポウソウの子育ての様子が見れたこと(2)」「ブッポウソウの飛ぶ姿」「ブッポウソウに会えたこと(3)」

参加したみなさんの感想(抜粋)

「人が横で活動していても,平気で巣に出入りするのに驚いた」「もう少し近くで見ることができたら最高です」「幅広いお話で概略もよく分かり,現地で実際に見れてよかったです」「きれいな青い色やサシバも見れてよかった」「ブッポウソウとサシバが生息出来る里山を体験できてよかった(2)」「人家に近い場所での巣箱に驚き!」

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ブッポウソウの営巣場所や保護活動について話をする上野先生.
ブッポウソウの営巣場所や保護活動について話をする上野先生.続いて松田先生が教壇に.ヒナ鳥の餌の内容や時間帯について説明があった.
続いて松田先生が教壇に.ヒナ鳥の餌の内容や時間帯について説明があった.外に出て観察場所へと向かう.近くからは,人の活動する音が聞こえてくる.
外に出て観察場所へと向かう.近くからは,人の活動する音が聞こえてくる.電柱の上から辺りを見回すブッポウソウ.日に反射したきれいな青色の姿にくちばしの橙色が映える.
電柱の上から辺りを見回すブッポウソウ.日に反射したきれいな青色の姿にくちばしの橙色が映える.ヒナに餌を与える親鳥.一瞬の出来事だった.
ヒナに餌を与える親鳥.一瞬の出来事だった.場所を移して観察を再開.まずは親鳥を探す.
場所を移して観察を再開.まずは親鳥を探す.木の上にとまっているサシバ.ゆっくりと旋回しながら山の向こうへと飛んでいった.
木の上にとまっているサシバ.ゆっくりと旋回しながら山の向こうへと飛んでいった.巣箱の中へと入る親鳥.中でヒナを抱いていたため,再び飛び立つまでに時間がかかった.
巣箱の中へと入る親鳥.中でヒナを抱いていたため,再び飛び立つまでに時間がかかった.

【イベント報告】霧ヶ谷湿原 夏の生き物観察会

  • 開催日時:2011年7月10日(日) 9:30
  • 講師:岩見潤治・大竹邦暁・和田秀次

 暑い日となることを予想させる青空のもと,21名が高原の自然館に集合しました.今回の講師は,岩見先生,大竹先生,和田先生です.自然館内で行程や諸注意を聞いたあと,湿原に向かって出発しました.歩き始めて間もなく,岩見先生が何かを捕まえました,アカウシアブです.捕まえたアブを見ながら「ハチは羽が4枚あるが,アブは2枚.後ろの羽は,退化してバランスを取るための器官になっている」とアブとハチの違いを教えていただきました.湿原に入る少し手前には,オカトラノオが小さな白い花をたくさん咲かせていてました.大竹先生が「尻尾状になっているように見えるが,空を向いている部分にだけ花を付けている」と,花の付いていない地面を向いている部分を見せながら解説されました.他にも,ザトウムシの仲間やトウキョウコマチグモ,ジキジキ…と鳴いているナキイナゴやコオニヤンマなどが姿を見せてくれました.
 水口谷湿原に入ると,涼やかな空気が私達を包んでくれました.たくさんの大きなハンノキが日差しを遮ってくれているからです.木道の傍では,ニホンカワトンボが.木道の傍にある植物に止まって,身体を休めていました.岩見先生が「カワトンボのオスは,羽に色があるものと透明なものがあり,色の有無がそのまま縄張りの有無になっている」と解説されました.植物に目を向けると.赤い実を付けたクマイチゴや,黄色い花がまぶしいハンカイソウなどが見られました.広い木道に出て一息ついていると「真上の木を見てみよう」と白川学芸員が声をかけました.見上げてみると,枝が折れて一カ所に引き寄せられた部分がありました.クマ棚です.見上げていた木はヤマザクラで,クマ棚は,実を付けていたサクランボを食べた時に作られたものでした.霧ヶ谷湿原と水口谷湿原をつなぐ道でも色々な生き物をみることが出来ました.きれいに葉っぱを巻いて,幼虫が育つ家を作るオトシブミの仲間,ノリウツギの花やクロツグミのさえずりを聞くこともできました.
 霧ヶ谷湿原に入って,最初に目に飛び込んできたのは,たくさんのクサレダマやサワヒヨドリの花が咲いている,花の絨毯のような光景でした.しばらく木道を進むと,川の水をせき止めている堤が見えてきました.和田先生が「霧ヶ谷湿原は,昔に行われた牧場開発で,水はけがよくなり,薮に変わってしまった.今はその川をせき止めて溢れさせ,導水路を伝って水が全体に広がるようにしている」と,水路の図を見せながら説明されました.木道を歩いていると,子ども達がトンボの抜け殻を見つけました.岩見先生に見せると,特徴的な大きなアゴの形からオニヤンマの抜け殻だということが分かりました.他にも,キセルアザミのつぼみやノハナショウブ,植物の上にはフキバッタの幼生やシオヤトンボ,水の中ではタカハヤやオタマジャクシなどが見られました.木道の終わりに差し掛かった時,参加者の一人が,近くの水たまりに向かって指差しています.よく目を凝らしてみると,胴の細いトンボがいました.グンバイトンボです.オスとメスが繋がっていて,水際に生える植物の茎の中に産卵している様子が確認できました.2つの湿原を時間をかけてじっくりと観察し,様々な生き物との触れ合いを通じて,自然がたくさんの生命を育んでいることを学んだ観察会になりました.〔ありみつまさかず〕※観察会での採集は,広島県及び北広島町から許可を得て行っています.

みなさんの印象に残った物

「クマシデ」「青りんごのにおいがするカメムシが印象にのこりました」「ゴマダラオトシブミが中にいる葉をみたこと(2)」「夏空のもと,生き物が生き生きしている姿に感動しました.」「ノハナショウブ,ミズチドリ,クサレダマ,ヌマトラノオが沢山咲いていたこと」「動くサナギ」「オトシブミの仲間.きれいに家をつくっていて驚きました」「ヒロシマサナエをはじめてみれてうれしかった」「グンバイトンボの産卵が見られた」「講師の優しさ」「注意して見ると沢山虫がいたこと」

参加したみなさんの感想(抜粋)

「べんきょうになり,楽しかったです.知らないことが多いです」「八幡湿原も所によってちがいがわかってよかったと思います」「いろいろな昆虫や植物が見れてよかったです(4)」「ファミリーな気分で楽しかったです.」「湿原にもどりつつあって良かったです.」「いろいろ見られたり教えて下さってよかった(2)」「楽しい観察会でした(3)」

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ヤマザクラに出来ていたクマ棚.木には真っ赤なサクランボがなっていた.
ヤマザクラに出来ていたクマ棚.木には真っ赤なサクランボがなっていた.オトシブミについて話す岩見先生.葉の巻き方や使う枚数によって種類を見分けられる.
オトシブミについて話す岩見先生.葉の巻き方や使う枚数によって種類を見分けられる.出発前にお話を.アブに気をつけよう.
出発前にお話を.アブに気をつけよう.オカトラノオの解説をする大竹先生.下側を見ると花がついていなかった.
オカトラノオの解説をする大竹先生.下側を見ると花がついていなかった.両手にカワトンボ!
両手にカワトンボ!ヒメジョオンにとまるヒメシジミ.
ヒメジョオンにとまるヒメシジミ.導水路について説明する和田先生.
導水路について説明する和田先生.オニヤンマのヤゴの抜け殻.あごが大きく前に突き出している.
オニヤンマのヤゴの抜け殻.あごが大きく前に突き出している.

【イベント報告】霧ヶ谷湿原の植生調査(夏)

  • 開催日時:2011年6月25日(土) 9:30
  • 講師:佐久間智子・白川勝信

 梅雨を吹き飛ばすような快晴のなか,14人が高原の自然館に集合しました.自然館の横手で打ち合わせをしたあと,車で霧ヶ谷湿原に向かいました.木道入り口付近にある立て看板の前で,白川学芸員より調査の仕方と,霧ヶ谷湿原がどのような方法で,やぶから湿原へと変わっていくのかを解説していただきました.その後,木道に入って調査を開始しました.最初に,湿原の中に1mに区切った場所を設けます.その区切った中を,どれくらい植物が覆っているのか,どんな種類の植物が,どのくらいの割合で,どの程度の高さまで成長しているのか,などを調べます.3班に分かれて12箇所を調査しました.日差しが強く,気温も高い中での調査でしたが,時折湿原を吹き抜ける涼やかな風が,暑さを和らげてくれました.その後,調査が終わってまとめに入り,それぞれの班が調査の報告をしました.最も多い場所では29種類の植物が記録されました.一方,水があまり行き届いてない場所では,フランスギクやハルザキヤマガラシなどの外来種が多く残っていました,どの班からも,「去年と比べて湿原生の植物が増えている」との意見が出ていました.少しずつ湿原へとその姿を変えている霧ヶ谷湿原に,参加者は,植生調査への確かな手応えを感じているようでした.[ありみつまさかず]
 
 ※西中国山地自然史研究会会員の廣森幹一さんには班長をつとめていただきました.

みなさんの印象に残った物

「湿地の植物をじっくり見たのは初めてでしたが,まだまだ知らない植物が多く楽しかったです.」「最初に参加したときと非常に草花が多くなっているのに驚きました.」「昨年度と比較し,種数が目に見えて増加したこと.」「昨年よりフランス菊が少なかった.」「活動の中で多くの植物に触れながら,鳥のさえずりなのも聞こえたこと.」「トモエソウ」「前回来させてもらった時より,種数も増え見違えた.その変化が印象深かった.」「湿地性の植物がたくさん増えて驚いた.」「霧ヶ谷湿原の様子.初めて見ました.」「種類が増えたプロットがあった.」「湿地の植物の種多様性が意外にあって興味深かった.」「みんなずいぶんと手際が良くなりました.」

参加したみなさんの感想(抜粋)

「楽しく参加できたことは良かったです.」「アットホームな雰囲気で調査できてよかった.」「外来種が多い.」「わからないことばかりでしたが,グループで活動することで楽しくできたので,また来たいと感じました.」「参加してとてもよかったと思いました.」「やっぱり楽しい.」「引き続き素晴らしい湿原に変わっていくことを楽しみに,また参加したいと思います.」「また参加します.」「植物がしだいに変化しているのを感じることができました.」「湿地の植物も奥が深くておもしろかった.」「暑かったです.高原を渡る風が心地よかったでーす!」

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集合場所ではヒキガエルがお出迎え.
集合場所ではヒキガエルがお出迎え.ミゾソバが群生.この辺りは湿原に戻ってきている.
ミゾソバが群生.この辺りは湿原に戻ってきている.フランスギクの高さを計測中.足が埋まる程の高さのなので動きにくかった.
フランスギクの高さを計測中.足が埋まる程の高さのなので動きにくかった.調査終了.木陰で涼んだ.
調査終了.木陰で涼んだ.調査の前に手順の説明.調査場所の1つ.外来種であるフランスギクが目立つ.
調査の前に手順の説明.調査場所の1つ.外来種であるフランスギクが目立つ.植物の高さを計測中.
植物の高さを計測中.これは何の植物だろう?みんなで考えた.
これは何の植物だろう?みんなで考えた.小さなハンノキ(写真左下)に見守られながら調査を継続.
小さなハンノキ(写真左下)に見守られながら調査を継続.調査の結果は,冊子となって公表されている.
調査の結果は,冊子となって公表されている.水量が多い調査箇所も.
水量が多い調査箇所も.調査場所の1つ.外来種であるフランスギクが目立つ.
調査場所の1つ.外来種であるフランスギクが目立つ.