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【イベント報告】エコカフェ@千代田

お菓子を食べながら、和やかな雰囲気で北広島町で始まっている「楽しくて豊かな活動」のお話を聞き、身近な自然や環境について考えるエコカフェの第一回目が、千代田にて開催されました。

この会場の世話人は、「里山まなぶ会」の宮本良朗さんです。
『南方の里山に集う・遊ぶ』というタイトルで活動の事例を聞き、私たちにもできることを考えました。
聞き手は、広島大学の近藤俊明ハカセです。
そして、それぞれの作り手からお菓子・お茶の紹介。味わいのある和みたっぷりなおやつでした。

最初に宮本さんのお話を聞くと、とにかく「自分たちでやってみる」「仲間をどんどん集める」「楽しむ」と、できそうでできないことを、簡単そうに、そして心から楽しんで活動されている様子がうかがえました。
本格的な木の伐採もあれば、子供もお手伝いできるピザ作りなど、「里山のめぐみ」をあらゆる方向から手に入れています。
その様子を聞きながら、会場からも「竹のチップってどんなものかみて見たい!」「活動をお手伝いするにはどうしたらいいのか?」といった質問も飛び出しました。

続いて、芸北の取り組み「芸北トレッキングガイドの会」の紹介を、ガイドの足利さんがユニークな話術でお話くださいました。
ガイドするときのコツや、芸北ならではの自然の紹介、ガイドとしての夢など、芸北の自然資源をめいいっぱい使い、自らが楽しんで活動している様子がとてもよく伝わってきました。
「ササユリが咲かなくなったのはなぜか?」「人面石ってほんもの?」などこちらも会場から質問が出ました。

休憩をはさみ、最後に放談会です。
活動発表をした宮本さん、足利さん、聞き手の近藤ハカセに加え、高原の自然館のしらかわハカセが登場。
2つの活動について、「自分の地域にはないおもしろさ」「活動がうらやましいというより、一緒にやりたい」「里山を使った活動がそこここにひろがればいい」といった意見が出されました。

会場の参加者と、発表者の距離がぐっと近くなり、リラックスしながら、北広島町の自然やまちづくりについて意見が出し合えたように感じました。
また「草刈りが重労働」「米作りの担い手がいない」「獣害対策について」など、みなさんが日々課題に感じている事柄が浮かび上がりました。

自分たちができる範囲で楽しみながらアクティブに活動されている「里山まなぶ会」の方をお手本に、そして仲間に入れてもらいながら「楽しくて豊かな活動」にトライしていきたいと思います。
「また来たいね」「次は友達を誘ってこよう」「あーおもしろかった」といいながら帰られる参加者の方の声を聞くことができました。
次回は芸北会場でお待ちしています。

※里山まなぶ会の活動はこちら→よしろう農園 _MG_4551 _MG_4563 _MG_4570 _MG_4577 _MG_4581 _MG_4592 _MG_4632 _MG_4636 _MG_4668 _MG_4687 _MG_4696 _MG_4714 _MG_4720 _MG_4727 _MG_4728 IMG_8246

【研修報告】真庭市バイオマスツアー

12月22日に、岡山県の真庭市で開催された「森里川海シンポジウム in 真庭」に参加、午前中のバイオマスツアーにも参加しました。10時集合ということで、芸北を出たのは朝の6時過ぎという早朝でしたが、その価値があったツアーでした。
真庭市に着いたのは9時ぐらいで、インターを降りてから、材木屋や工務店をとても多く目にし、昔から木材で栄えてきている場所なのだと景色から実感しました。集合時間まで少し時間があるから、周囲を散策しようということになり、街並み保存地域を全員で見学しました。歴史を感じられる、綺麗な街並みにも感銘を受けましたが、それよりも印象に残ったのは、各家々の玄関にかけられている「のれん」でした。それぞれに個性があって、のれんだけを見ているだけでも貴重な時間となりました。
最初に、環境省から趣旨説明があり、その後真庭市のバイオマスを担当されている職員のお話を聞きました。
真庭市役所はバイオマス燃料(ピンチップとペレット)を使った冷暖房設備を採用しているそうです。実際に使っているというチップとペレットをも見学しました。他にもヒノキの微粉末や、それをを利用した、車の部品に採用されて、軽量化や燃費の向上にも役立っているというバイオマスプラスチックというものも見ました。良く見れば、確かに木の微粉末かな?というものが混ざっていました。このようにプラスチックに木の微粉末を混ぜ、軽量化させても強度には全く問題がないということも聞き、木の万能さに驚きを隠せません。
このように、バイオマス燃料やプラスチックに使われている木材の大部分は、以前は捨てていた木材の端材や樹皮、あるいは製品にならないからと、山にそのまま打ち捨てられていた不要だった木から作られていると聞きました。かつては不用品だったものの活用法を見つけ、価値をつけた部分は、規模は全く違うけども、間伐材や、杉などと違って木材としてあまり利用のない広葉樹を、薪や椎茸の原木などに加工している、せどやま事業と少し似たところがあるなと感じました。
いろいろとお話を聞いた後は、実際にバイオマス燃料が利用されている場所や、木からバイオマス燃料へと加工されている場所などの見学ツアー開始です。
最初に訪問したのは、真庭市役所です。市役所に到着した私たちを出迎えてくれたのは、木で作られた大きなモニュメントでした。樹齢100年近いヒノキもあるという真庭市。そのヒノキを加工して作られたものだそうで、9本ある柱は、大合併前の9町村を表しているそうで、それぞれの柱の元に「八束村」「中和村」などといった旧町名、旧村名の描かれた石板がありました。これには合併後に生まれた子供たちにも、自分たちの生まれた場所の、かつての町村の名前を知っておいて欲しいという意味があるそうで、ふるさとを大切に思うこの発想に関心させられました。
モニュメントを見学した後は、CLT(集合材)で日本初となる建造物のバス停や、市役所の冷暖房を支えているというチップボイラーとペレットボイラーの見学をしました。ボイラーが設置されているところは、イラストが描かれたガラス張りとなっており、イラストとガラス越しに見る装置とで、ボイラーによる空調装置の仕組みがとても簡単に理解することができました。市役所の中にも少し入らせていただき、空調装置が実際に稼働しているところも見学させてもらいました。上からではなく、足元から温めるという仕組みを取っており、女性には大好評だそうです。
市役所を見学し終わった後は、ちょうどお昼時。少し移動して、地元の食材をふんだんに使ったお弁当をいただきました。おいしいものばかりでしたが、ツアーがかなりぎりぎりの行程で開催されているため、30分で食べてくださいというお達しがあって、あまりじっくりと味わえなかったのが残念です。
午後に一番にいった場所は、材木を加工し、チップを生産する工場です。第一工場と第二工場があるそうですが、今は第二工場がメインで稼働中ということで、車などの安全面を考慮して、バスを降車し、現場見学をしたのは第一工場のみでした。ここで作られているチップはかつては製紙用のチップだったそうですが、針葉樹は油分で製紙工場から嫌われる傾向にあるそうで、今ではバイオマス発電施設の燃料とするチップのみを生産しているというお話でした。ちょうどチップを積みにトラックが来ており、トラックへどのようにチップを積むのか実際に見ることができました。
トラックなど車の交通が多く危険だということで、バスの中からの少しだけ第二工場を見学し、次に向かったのは、1日の発電量で、真庭市の1日の電気使用量を賄える量を発電できるという、バイオマス発電所でした。1日に使うチップの量は、なんとせどやま事業で扱われる1年分相当の木材の量=300tと同じ量!規模の大きさに驚きつつも、現場のガイドに、運ばれてきたチップの量り方や発電の仕組みなどをしっかりと教えていただきました。発電所内の見学中、チップを燃やしているところを、小さな覗き窓を通して見させていただいたのですが、燃えるチップのなんとも言えない美しさに思わず感嘆。チップを包み込みながら燃え盛る、オレンジ色の炎が本当に綺麗でした。床が、目では確認できないくらいの速度でゆっくりと動いているそうで、3つのチップ投入口から、できるだけ遠くへ飛ばされたチップが効率よく燃えるようにきちんと考えて作られているということも説明していただきました。
規模の大きさやチップと薪という違いはあれど、地元の木材が、燃料として加工され、それがきちんと仕組みとしてなりたち、地域に受け入れられているというところは、芸北のせどやま事業と似通っていると感じました。
この後、森里川海シンポジウム in 真庭も開催され、リレーフォーラムでも学びの多い1日となりました。体験したバイオマスツアーの意義やテクニックを、芸北せどやま再生事業でも活かしていきたいです。


様々なのれん。中にはこんな個性的なのれんも。


今回のツアーで使用した資料。ツアーで行く予定の場所の紹介もしっかり載ってあり便利。


バイオマス燃料に使われているピンチップ。

これがペレット。木の匂いがふわっと漂ってきた。


木粉を混ぜてあるというプラスチック。車の部品にも使われているそうだ。


真庭市役所の前には木のモニュメントが。木の杜だということが一目瞭然ですね。


市役所で使われている、チップボイラーとペレットボイラーも見学。ガラスのイラストでとてもわかりやすい。


これが市役所の暖房装置だそうだ。足元からだととてもよく温まりそう。


第一工場を見学。後ろにある大量の木のクズにみえるものは、すべてチップとなり、バイオマス発電所の燃料になるのだとか。


ちょうど、発電所にチップを運んでいくトラックがやってきた。


これがバイオマス発電所。迫力がすごい。1日で、真庭市の1日分のエネルギーをまかなえるほどの発電が出来るそうだ。


発電所のチップ置き場。ここからベルトコンベヤーで発電室に運ばれていく。そして次々とトラックに積まれて新しいチップもやってくる。


赤々と燃えるチップ。とても綺麗だった。


午後からのシンポジウムにはたくさんの人が出席。


シンポジウム後半のパネルディスカッションも、色々と勉強になりました。

【イベント報告】千町原 秋の草刈り2015(2015.11.23)

2015年11月23日.
今年で11回目の千町原の草刈りがやってきました.春の火入れがなくなり,防火帯づくりではなく低木を切ることが今回の目的となります.
いつもより少ない38名の参加となりましたが,行動力があるメンバーで,とても頼もしくあります.
高原の自然館のしらかわハカセから、目的や気をつける事項の確認があり,班に分かれ現地へ移動します.
機械班が草刈り・伐採を進める傍ら,作業班が切られた低木を集めます.
予想以上に天気がよくなり,晴天のもと気持ちよく作業が進みました.
機械を使う時,ひやっとした場面もあったので,気を引きしめ,対策の必要性も感じました.

昼までに低木の整理を終え,お楽しみの昼食です.
かりお茶屋のお母さんたちが作ってくれたはらっぱー米のおむずび,はらっぱー大根の煮物・豚汁と盛りだくさんです.このメニューには,千町原で刈り取られた草の堆肥を使って栽培された,はらっぱー米とはらっぱー大根も使われています.

力をつけた後は,千町原の草刈りでは初の試み,「茅かり」に挑戦です.
芸北中学校1年生の挑戦科の授業で,茅を集め,茅を販売する「茅金市場」の取り組みがはじまり,茅の活路が開けたのです.
※詳しくはこちら→芸北「茅金市場」2015
機械や鎌を使い,規格である180センチ以上のススキを刈ります.束にし,茅ぼうとうにしました.
わずか1時間の作業で,たくさんの茅を作ることができました.
これらが町内で茅葺されることを考えると,この11年間の歩みの最大の成果のように思います.

たくさんのボランティアさんと積み上げてきた時間を思うと,心から嬉しくてたまりません.
2015年の秋も,草刈りを無事終えることができました.当日参加した下さった方,また普段からこの活動を支えて下さっている方みなさんに感謝します.

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【研修レポート】平成27年度太田川流域子ども交流事業自然体験学習リーダー研修

11月10日(火)に休館日を利用して,豊平のろうきんの森で行われた「平成27年度太田川流域子ども交流事業自然体験学習リーダー研修」に参加してきました.
講師は人間科学研究所所長の志賀誠治先生です.
実際にプログラムを体験して,自然体験学習とはどのようなものなのか,どのように参加者が楽しみながら学習できる,プログラムを作ればいいのかを学びました.
まず,1時間弱の座学で自然体験学習とは一体どのようなものなのかを簡単に学び,早速外に体験プログラムを体験しに出かけました.
一番最初に行ったのは,3つのグループに分かれての10thingsという,触感をつ買って遊ぶアクティビティでした.紙製の卵パックの裏に「つるつる」「ざらざら」などといった感触の擬態語が書いてあり,その感触のものを自然の中から探して,他チームに,その言葉を当ててもらうというゲームです.
私が入ったチームの擬態語は「ねばねば」と「さらさら」.さっそくみんなで分かれて自然界のねばねばとさらさらを探しますが,ねばねばがなかなか見つからない!!蜘蛛の巣を探して,小枝に絡め取ってみたり,うさぎのフンを見つけて「これ触れないけど,見た目がねばねばだよね?」とお互いに確認したりと,なんとか頭をひねって卵ケースを埋めることに成功.しかし他のグループの人たちから当ててもらえずで,感触の表現の難しさや面白さを改めて感じました.
次は,周囲を移動しながら自分が気に入った葉っぱを1枚見つけておくというゲーム.なんのためだろう?と疑問に思っていたのですが,途中でこれを「道を通過できるチケット」として扱い,それぞれのチケットを配布された,小さな正方形の空いた黒いスライドに挟み込み,チケットを光に透かして見てみるという「スライドショー」を行いました.自分が拾った葉っぱだけではなく,円になり順番にスライドを回し見していくという,まさに自然の「スライドショー」.光に透かして見る葉っぱは,思った以上に色とりどりで鮮やかであり,新しい発見となりました.
自然の色の多種多様さに驚いた後は,「色つながり」ということで,日本に古来からある「日本の伝統食」を名前と,その説明文から想像し,周囲の自然のなかからそれに近いだろうと思われる「色」を探し出してくるというゲームをしました.
与えられた色の名前は「洗朱(あらいしゅ)」「今様色(いまよういろ)」「利休鼠(りきゅうねず,りきゅうねずみ)」という色です.「洗朱は朱色よりも薄い朱色で,黄色味を帯びている」「今様色は平安時代に流行った赤系統の色で,紅梅よりも濃い色」「利休鼠は緑みがかった灰色.『利休鼠の雨が降る』と歌にも歌われたことがある」という文字だけのヒントで色を推測するというのは思った以上に難しくて,グループ内の全員が納得する色を見つけるのに一苦労.
答え合わせのときに想像していた色と全く違った!と,驚いた色もありました.
他の日本の伝統色の名前や,その色についての様々なバックグラウンドなどを教わり,日本人の感性の深さについて話が盛り上がったところで,本日最後のアクティビティが発表されました.「自然の中で俳句を作ろう」.自分の気に入った場所(他の場所と違うと感じられ,何かが降りてきそうな場所.マジックスポットというそうです)を見つけ,そこでしばらくパワーをもらって俳句を一句詠むというものです.作った後は,みんなで発表しあい,今日のまとめをして午前中の「体験」は終わりました.
午後からは,午前に行った「体験学習」を元に,体験学習の作り方を学びました.
実際に体験してからの座学だったので,「あのときのやり方はここに繋がっていたのか」「あの動きはこういう考えがあったのか」と,納得しながら学ぶことができ,大変勉強になりました.
人間の学習の仕方には,今回学んだ「体験学習」や,教室の授業で行われるような「系統学習」があるそうです.
体験学習とは,先に先生や講師が理屈や理論で教えてしまう系統学習とは違い,まず,受講者が「する」「みる」「考える」ことを行い,そして自分で「理解する」学習の方法で,実際に系統学習で学ぶよりも,体験学習で学んだことの方がしっかりと身につくそうです.
ただ,その体験学習も実施する人や団体が,体験学習というものをしっかりと理解し,きちんとプログラムをデザインしていなければ,身に付くものも身に付かないものになりかねません.プログラム(本体)は,それを作り上げる1つ1つのアクティビティ(パーツ)の組み合わせからなり,そのパーツの選び方や組み合わせ,順番や,その繋ぎも,自然体験学習プログラムをデザインするには重要だと教わりました.
例えば最初から難しいアクティビティにしてしまうと,受講生が付いていけないこと.受講生の年齢層によって,アクティビティを変えることなどです.
午前中に行った4つのアクティビティを振り返ると,最初は見知らぬメンバー同士が協力しあってできる単純な10thingsから入り,色への興味を誘い出し,日本の伝統色で古来からの日本文化を考え,最終的に俳句を詠むという,だんだんと大人ならではの高等なものへと変わっていっています.この繋ぎがとても自然で,改めてプログラムをデザインされた志賀先生の手腕に感銘を受けました.
座学でしっかりと体験学習について知識を深めたあとは,自分たちで体験学習プログラムのパーツとなるアクティビティを考案し,「自然あそび図鑑」を作るという実習を行いました.
森の中でヒントを探し,実習や座学で学んだことをしっかりと思い出しながらそれぞれのグループで案を出し合い,今回の研修の集大成である立派(?)な,あそび図鑑が完成しました!
落ち葉を使ってのファッションショーというものから,葉っぱで手紙を出すというものまで,多種多様のアクティビティがぎゅっと詰まっています.この図鑑は自然館に置いてあるので,興味のある方は是非おっしゃってくださいね.
今回の研修で,体験学習という学習法,その上手なプログラムの作り方やアクティビティの作り方などしっかりと学べたと思います.この経験をいかして,これからの活動に役立てていければと思います.[まえだふさ]


クマの爪痕の残る木を発見


さらさらとねばねばと…?


日本の伝統色を「文字」からだけで探すのは、案外難しい


こんな図鑑ができました!!

【活動報告】広島大学「たおやかプログラム」オンサイト研修についての報告発表会2015

11月6日に行なわれた“広島大学「たおやかプログラム」オンサイト研修についての報告発表会”についてレポートします。
10月16日に、広島大学「たおやかプログラム」オンサイト研修の受け入れを行ないました。
昨年に続き、学生さん達が感じた事や、事業に関する提案などをまとめた発表会を行なうということで、上田(芸北せどやま再生会議代表)・白川(高原の自然館主任学芸員)・河野(NPO法人西中国山地自然史研究会事務局)の3名で、出席しました。
プログラム担当の先生から「地域の事業を見学した学生が、現状把握・問題点の抽出・改善点の提案を発表するので、それについて助言をしてほしい。」との依頼でしたので、自分たちの事業がどのように映ったのか、どのような提案が飛び出してくるのか、楽しみにして広島大学に向かいました。
最初の発表者は「社会実装コース」から。
「社会実装」とは、「複合的な地域社会の課題を発掘、分析し、実装まで導く事」だそうです。
せどやま事業が地域で受け入れられている理由を、仕組みや恩恵などから分析し、メカニズムの解説も興味深く聞かせてもらいました。
薪ではなく、ペレットを使った場合の比較や、家具作り、木工ワークショップを取り入れたツアーの具体的な提案もありました。
次は、「文化創生」コースから。
せどやま事業を通して、新たに生まれた文化や価値観を見いだす視点から、発表がありました。
せどやま事業の強みとして、「省エネ・エコツアー・環境教育・文化的な生産品」などが挙げられ、改善点として「広島市内とのつながり・観光施設の少なさ・
事業と自治体との関係が弱いこと」などが挙げられました。
このグループからは、せどやま事業から新たに見いだす価値観をわかりやすく表現した「木を感じて、自然を感じる」言葉も提示されました。
課題については、私たちも考えさせられる内容でした。
最後に「技術創生」コースから。
せどやま事業をアシストする技術の提案があるとのことで、楽しみに聞きました。
最適な森づくりのために必要な森林データの「調査→情報→収集→シェア」の具体的な方法の提示がありました。
すでに実際に使われてる手法と重なりますが、この提案での評価は「個人が森林データ(知識)を使うことで、森林への意識が高まる」という点です。
技術そのものも大切ですが、技術が幅広く使われることで森林への価値観が高まるとしたら、大変素晴らしいことだと感じました。
3つのコースからのプレゼンテーションは、新鮮かつ大胆なものもあり、私たちの熱意や向上心も刺激されました。
可能であれば、実際にせどやま事業の中に入ってもらい、作業や対応なども共有できるともっと細かで現実的な提案や改善策が出てくるのではないかと思います。
発表くださった学生のみなさん、お招きいただいた大学の先生方、ありがとうございました。

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