2月13日(土)に,広島の県民文化センターで開催された森里川海・流域全体から豊かな瀬戸内海を実現するためのシンポジウムに参加しましたので報告します.
最初に,海洋学者である上嶋先生による,瀬戸内海の島々の現状(無人島化や,過疎化など)についてのお話や,フランスで実際に行われている,離島観光事業,瀬戸内海でのエコツアーについてのお話がありました.
里山も,人の手入れがないとどんどん荒れていってしまいますが,島もそれと同じく,人が入らないと荒れてしまうそうです.しかし,瀬戸内海の島々の大半は,どんどん人口が減少していっており,島によっては,島の家屋の大半が空き家という島もあるということでした.
日本と同じく,離島のあるフランスでも人口の減少,無人島化の問題があるそうです.
しかし,そのフランスで行われている,無人島化を防ぐ面白いプロジェクトを紹介していただきました.
それは公募で離島に住む人を募集し,そこに住んでもらって,離島を宿泊のできる観光地にしてしまおうという取り組みでした.公募で決まった人は,小さな子供がいる若い夫婦.今では寛骨となった離島で,観光客に宿泊場所を提供し,畑でとれるオーガニックポテトを販売して生計を立てており,きちんと不自由なく暮らしていける収入も入ってきているとか.確かに,日本でもこのような取り組みがあると,離島に人の管理の手が入り,収入にもなり,雇用も生まれるという良い循環が生まれるのではないかと,感心しました.また,離島を過疎地に置き換えても,十分通用するのではないかと深く考えさせられました.
他,瀬戸内海ならではのエコツアーも興味を引くものでした.
第二部の事例紹介では,高原の自然館のしらかわハカセによる「芸北せどやま再生事業」を含め,瀬戸内周辺の森里川海で活躍される4名のお話を聞きました.
岡山県日生町のアマモ再生の取り組みが特に印象に残りました.数十年に渡って,日生町周辺のアマモを再生させている関係者や,地元の方々の努力に感銘を受けました.なかなか成果は見えなくても,続けていくことがとても大切なのだとも痛感しました.最近では,林業の人たちも協力して,アマモ再生事業を行っているそうです.
中山間地域である芸北で暮らしていると,身近な存在である「森」「里」「川」について考えることはあっても,あまり海のことは普段考えないような気がします.
今回のシンポジウムに参加して,改めて「森」は「海」と繋がっているということに気がつけました.
上嶋先生による,基調講演.色々と勉強になった.
高原の自然館のしらかわハカセの講演は,きいていて面白い!
会場は,たくさんの人たちであふれていた.
高梁川のお話は,川への愛情たっぷり.
日生のアマモ再生.長い年月をかけての取り組みに感銘を受ける.
広島県の,これからの瀬戸内海に対する姿勢もしっかりと聞く.
最後はパネルディスカッションで.森里川海は確かにつながっていると感じた.