- 開催日時:2012年8月5日(日) 13:00
- 講師:内藤順一
雲のおかげで日差しの弱まったお天気の中,25名の方が集まりました.まず千代田中央公民館で今回の講師である内藤先生の講義を聞きます.講義では可愛川に生息するオオサンショウウオを中心に,小型のサンショウウオの事も学びました.その中でサンショウウオの仲間は日本固有の種がたくさんあり,そのどれもが準絶滅危惧種などの貴重な生物である事を学びました.また,江戸時代末期の頃から海外では自国に持ち帰り,研究するほど貴重な存在であるという認識があったことには驚きました.生態や歴史を学んだ後は,実際に行われている調査がどのような方法であるかを聞きます.オオサンショウウオの生息を確認するマイクロチップの有無,全長や体重,胃の内容物にどんな物があるのかを調べるそうですが,胃の内容物を調べると,餌となる魚や虫だけでなく,白菜をほぼ丸ごと食べていたり,自らの脱皮片すら食べていたりと,すごい食欲に皆さん驚かれていました.
講義終了後は観察場所である可愛川へ移動します.川の水は程よい冷たさでしたが,足を滑らせないように気をつけながら移動します.巣穴になりそうな場所を調べると,オオサンショウウオがいました!観察のために岸へ移動させます.同じ場所から7匹見つけることができました.発見した参加者は皆ほこらしそうな表情でした.オオサンショウウオ以外にも,イトモロコやムギツク,ヨシの中にはツチガエル,トノサマガエルがました.他にも,小さなサカマキガイやチチブ,スジエビなど.川に生息する生き物も確認できました.岸に戻ると,オオサンショウウオの目や鼻,足などを観察します.正面から見るオオサンショウウオの顔は迫力があり,時折口を開けて,少し暴れる様子には子どもも大人も少し驚いていました.
最後に小さい個体にマイクロチップがついているかを確認します.今回は2匹のうち1匹が新たに発見された個体のようで,新しくマイクロチップを注射器で体に埋め込んだあと,オオサンショウウオを元の場所に戻しました.貴重な生きものだけでなく.身近にいる生きものも間近に見ることができて,思い出に残る有意義な観察会となりました.[はたもとやすひこ]
※写真記録や現地の観察を,奥山秀輝さんにお手伝いいただきました.ありがとうございました.
みなさんの印象に残った物
「実際にサンショウウオが見れたこと(4)」「今年もサンショウウオに会えて感動.初め見つからず,心配しました」「オオサンショウウオの大きさ」「最初なかなかみつからなかったが,オオサンショウウオが7匹も見つかってよかった」「オオサンショウウオを見たこと」「水温が高かったこと.一昨年と比べて,個体数が少なかったかな?」「オオサンショウウオの生息場所を見られたこと」
参加したみなさんの感想(抜粋)
「とても感動しました」「人間の2億3億年前より生きているオオサンショウウオ.絶滅を心配されるが人間の方が先かも!!...??」「子どもの頃はよく見ていたのでなつかしかったです」「なかなかみれないものを近くで見たりでき,とてもよかった.説明もわかりやすかったです」「オオサンショウウオが大きかった」「オオサンショウウオのにおいをかげて勉強になりました.手がとてもかわいかった」「オオサンショウウオがとてもかわいかった.(2)」「オオサンショウウオ以外の生きものも,たくさん調べたかった」「最初はなかなか見つからなかったけど,たくさん捕まえられてよかった」「大変楽しかった」
写真
まずは座学でサンショウウオの生態を学んだ.
足を滑らせて転ばないように気をつけて.さぁ,探索開始!
ヨシの茂みに巣穴がないか探してみる.
この日は大小あわせて7匹のオオサンショウウオを発見した.
小さなサカマキガイがいた.
初めて見るオオサンショウウオをおそるおそる覗き込む.
オオサンショウウオの顔を正面から見る.大きな口が印象的.
オオサンショウウオの上半身.顔は恐いけど,赤ちゃんの手のような前足はちょっとかわいい。
大人も実物のオオサンショウウオを見てビックリ
マイクロチップの実物はとても小さい.
機械を使ってマイクロチップの有無を確認.新しい個体かな?
調査が終わったら元の場所に返し,観察会は終了.