- 開催日時:2011年11月26日(土) 9:30
- 講師:斎藤隆登
紅葉と冬芽の観察会は,快晴に加えてほとんど風もない絶好の散策日和の中での開催となりました.高原の自然館に7名の方が集合しました.今回の講師は斎藤先生です.出発の前に自然館でお話を聞きました.「冬芽」といいながら夏の終わり頃から芽が出来ていること,冬の寒さを乗り越えるために様々な方法で芽を守っていることなどを話されました.その後,車で観察場所まで向かいました.今回の観察場所である苅尾の中腹に車を停めて,観察を始めました.まずはミズナラに注目しました.先生お手製の道具で冬芽のついた枝を引き寄せ,手にとりながら「冬芽を守る1つとして,芽鱗(がりん)というもので芽を覆う方法がある.また,芽鱗が剥がれ落ちてできた痕を芽鱗痕(がりんこん)と呼び,それを見ることで若い枝の年齢を知ることが出来る」と解説されました.この他にも,1つの場所に2つの冬芽をつけるエゴノキや,落ちた枝の痕がふくらんで目立つウワミズザクラ,つやのある赤紫色の枝先が特徴的なミズキなど,冬芽以外の特徴も交えながら,19種類の樹木について教えていただきました.参加者は,先生が引き寄せた枝を,ルーペを使って観察したり,先生が描かれた,冬芽の線画集を見て特徴を調べるなど,思い思いに冬芽の観察を楽しんでいました.また2本の木を見比べて,「まっすぐ成長している大きな木と,その方向に枝をのばさず道路に向かっている若い木など.日光を求めて成長している様子が,この時期になるとよく分かる」と,葉を落としている時期の楽しみ方も教えていただきました.すっかり冬支度を終えた苅尾の木々を,いつもより1歩踏み込んで見ることができた観察会となりました.[ありみつまさかず]
みなさんの印象に残った物
「冬は樹木が夏と全く違う感じでびっくりです.」「キハダの身をかいだがサンショウ?みたいでした.食べられた方はにがいとのコメントがありました」「ミズキの枝が赤く印象に残りました.」「オトコヨウゾメの冬芽と果実」
参加したみなさんの感想(抜粋)
「天気に恵まれて楽しかったです.」「冬の山の楽しみ方が1つ出来たと思いますがもっと多くの人達が参加されると良いと思います」「風もなく気持ちが良かった.キハダの実がにがかった」「情報量の少ない時にどう特徴ををつかまえるか新しい視点で植物を見ることができました」
具体的に
「時間もっと長くても良いと思います.多くの樹木もみたいです」「観察のポイントがよくわかりました」
自由記入
「天気が良く気持ちよく参加できました.」
写真
自然館内でお話を聞く.配られた資料は,斎藤先生が描かれた冬芽の線画集.
観察場所付近の側溝に積もった様々な落ち葉.今年は暖かく,雪もわずかに積もっている程度.
ミズナラの冬芽を観察.先生お手製の道具で枝を引き寄せる.
ミズナラの冬芽.先端には複数の冬芽ができていた.
ルーペを使ってじっくりと観察.
途中で出会ったザトウムシの仲間.暖かいせいか,もう1匹見かけた.
道路側に向かって成長している木を見上げる.
ミズキの冬芽.赤紫色の枝が葉の落ちた山に華やかさを与える.