【活動報告】「自然体験活動を通じた郷土教育」活動 @ 芸北(2025.8.25)

活動概要

本活動は、北広島町芸北B&G海洋センターからの依頼を受け、NPO法人西中国山地自然史研究会が協力して実施しました。
講師には、北広島町環境生活課の 原竜也さん を迎え、身近な川「滝山川」を舞台に生きもの調査を行いました。参加者は小学1年生から6年生までの28名。川に入って生きものを探す体験を通じて、川の豊かさと生物多様性を学びました。

安全のために

活動の冒頭で、原さんから川での注意点が伝えられました。

  • 走らない

  • 自分のひざより深いところには行かない

  • はだしにならない

子どもたちはルールを守りながら調査に臨みました。

調査方法

川の生きものを捕まえるために「手網」を使いました。すくうのではなく、仲間と協力して追い込むようにして捕獲する方法も教わりました。
チームで協力しながら活動する姿も見られました。

調査結果リスト

今回の調査で確認できた主な生きものは以下の通りです。

  • ブユ類

  • カワニナ類

  • サワガニ

  • コオニヤンマのヤゴ

  • シマイシビル

  • アカハライモリ

  • アカザ

  • ドジョウ

  • ハグロトンボのヤゴ

  • ムギツク

  • コヤマトンボのヤゴ

  • カワヨシノボリ

  • ヒゲナガカワトビケラの幼虫

  • タカハヤ

  • アブラボテ

滝山川には、魚類・甲殻類・水生昆虫・両生類など、多様な生物が暮らしていることを実際に確かめることができました。

講師のまとめ

原さんからは、「滝山川にはきれいな水にすむ生物がいる。この川にすむ生物が、これからもずっと暮らせるような環境であってほしい」とのお話がありました。

特に、アブラボテと二枚貝との関係について説明が印象的でした。アブラボテはメスが産卵管を二枚貝に差し込み、貝の中に卵を産みつけます。その際、カワシンジュガイもその「ゆりかご」として使われています。カワシンジュガイは芸北地域が世界最南限の生息地であり、魚と貝という異なる生きもの同士が命をつなぎあっている姿は、生物多様性を象徴するものとして強調されました。

子どもたちの様子

川面を覗き込みながら網を一生懸命使う子、少しおそるおそる水の中に足を踏み入れる子、それぞれのスタイルで調査に取り組みました。
「全然とれん!」「バケツ持ってきてー!」と声をあげながらも、水生昆虫や魚をつかまえて大喜び。観察を通じて、自然とふれあう楽しさを味わっていました。

参加者の声

  • 絶滅危惧種がいたのがわかった。川をきれいにしたいと思った。

  • 住んでいる魚から水の状態がきれいかどうかがわかる、ということを知った。

  • 家の近くでもいきものをみたり、川の水を調べてみたい。

さいごに

本活動を通じて、子どもたちは川といきものが人の暮らしと深くつながっていることに気づき、「川を守りたい」「自分のまちが好き」という気持ちが強くなったように思います。
今後もこうした体験を積み重ねることで、自然を大切に思い、郷土に誇りをもつ心を次世代につないでいく活動を、地域で連携していきます。