1月30日に、広島市湯来交流体験センターで行われた、三段峡-太田川流域研究会主催の「エコツーリズム推進法と地域循環共生圏を学ぶ会」に参加したので報告します。湯来や江田島、安芸太田町など様々な地域から、約30名ぐらいの参加者がありました。自治体の人や自然体験活動を行なっている人など様々な顔ぶれでした。
環境省の職員より、エコツーリズム推進法と、地域循環共生圏の意味や現状、各地での取り組みを聞くことができるという、とても良い学びの機会となりました。
平成に入って、よく耳にするようになった言葉の一つに、エコツアー、エコツーリズムという言葉があります。エコツーリズムとは一体どういう観光形態なのか、そしてエコツーリズムを推進するために、政府が平成19年6月に制定したエコツーリズム推進法や地域循環共生圏について、用意された資料を元に丁寧に解説を聞きながら、勉強会は進みました。
エコツーリズムと地域活性化は、一見全く違う分野に思えるかもしれません。しかし、実際はお互いに強く結びついているものだとわかりました。エコツアーの参加者の目的は、その地域の自然に触れ、学び、体験することです。地域資源である自然を使って行われるエコツーリズムは、ガイドや関係者の雇用、地域の宿泊施設の利用など、地域活性化に役立つ1つのツールだと感じました。
また、エコツーリズム推進法では、自治体と市民団体などが協力して、「自然環境の保全」「観光振興」「地域振興」「環境教育の場としての活用」の4つを生かしたエコツーリズムを実現させるため、「エコツーリズム推進全体構想」を認定し、地域の取り組みを応援しているとのことです。
認定された地域は、北は北海道から南は沖縄まで様々でした。残念ながら広島県にはまだ認定地域はありませんでしたが、廿日市市が宮島周辺をフィールドとした、エコツーリズム推進全体構想を考えているとのことでした。
地域循環共生圏という考えは、日本初の脱炭素化・SDGs構想であり、「自立分散」「相互連携」「循環・共生」の3つが、これを形成する重要なキーワードということでした。
難しい言葉でしたが、マンダラ図という関係する言葉を一枚の図にした資料があり、地域全体で持続可能な生活を目指すという意味だと理解できました。
後半のグループディスカッションでは、北広島町は安芸太田町と同じグループに参加しました。
安芸太田町と北広島町は自治体が違うだけで、聖湖と三段峡など一緒に楽しめる場所も多く、町同士の連携となると難しいところもあるだろうが、連携できればいいねという話も出ました。
エコツーリズムと、地域循環共生圏は、共に地域に根ざした考えであり、二つを組み合わせれば単独以上に、地域の環境保全や活性化に繋がる可能性について理解が進んだ勉強会となりました。
西中国山地自然史研究会で定期的に行なっている自然観察会は、地域の自然を知ってもらうこと、親しんでもらうことなど、エコツアーに似通っているところがあると思います。今回学んだことを糧に、北広島町の地域社会や自然に還元できるような、一歩進んだより良い観察会やイベントを提唱できるようになればと思います。[前田芙紗]
エコツーリズムとは?地域循環共生圏とは?
真剣な眼差しで聞き入る参加者。
グループディスカッションでは色々な意見が出た。
最後にそれぞれのグループで話し合われたことを発表しあって、勉強会は終わった。