2013年10月5日に予定していましたキノコの観察会が,都合により10月12日に変更となりました.
年間の観察会スケジュールはこちら
2013年10月5日に予定していましたキノコの観察会が,都合により10月12日に変更となりました.
年間の観察会スケジュールはこちら
毎年,霧ヶ谷湿原で行われているカスミサンショウウオの産卵調査に,9名の参加者が高原の自然館に集合しました.最初に館内で講師の内藤先生が,北広島町に生息するサンショウウオの種類や,今回調査するカスミサンショウウオの生態,これまでの調査見つかった卵塊の場所などを解説されました.卵塊の数を調べると,それを産みに来た親の数も分かり,産卵場所を記録することで湿原がどのように変化しているのかもわかるようになる,とカスミサンショウウオが湿原の指標を表すいきものであることもわかりました.解説の後は,調査に入ります.手順としては,水の流れがほとんどなく,少し深い水の溜まりを探すことから始めました.卵塊や成体を発見したら場所と数,卵塊なら中の胚の数と成長具合も調べて記録します.今回は2班に分かれて,霧ヶ谷湿原へ向かいました.私は内藤先生の班で,川の上流側を調査することになりました.調査する場所は,車道の近くのカンボクが立ち並ぶ周辺,川を渡った木道付近,そこから奥に進んだ山際の3箇所です.カンボクの周りでは見つけることができませんでしたが,木道付近と山際では卵塊を見つけることができました.どちらも卵塊を新しい場所で発見し,とくに山際に関しては「前回の調査ではここよりも木道に近い場所で卵塊が見つかり,ここでは見つからなかった,今回はその逆が起こっている.より適する場所が山際近くにできたのでそこで産卵するようになったのかもしれない」と内藤先生は話されました.カスミサンショウウオ以外にも色々なカエルの卵塊や成体を見つけることができ,卵塊の数や胚の成長具合を同様に記録していきました.変わらないように見えて,少しずつ変わっていく霧ヶ谷湿原を,文字通り肌で感じることのできた産卵調査となりました.[ありみつまさかず]
「カスミサンショウウオの親が見れたこと」「卵の中で幼生が育っていて,ちょうど生まれてきたのでおどろきました」「一番最初に卵塊を見つけたこと.あの「ムニョッ」とした感覚は忘れられないですね」「全員が卵塊を発見できた事.イバラの多さ」「落ち葉の小さな水たまりに,沢山卵?幼生が見つかったのでおどろきました.同じ所に数匹分のたまごがあるので,場所の好みが同じなんだなーと実感しました」「カスミさんしょうおをさわったこと」
「探すのが楽しかったし,色んな生き物が見れて楽しかった」「普段は入れない所を歩いて貴重な体験でした.ありがとうございました.毎年の調査で,産卵場所が広がっていることがわかり,研究大切さを感じました.」「イバラに手こずりましたが,2時間,充実した時間が過ごせました.ありがとうございました」「今年は発生が早く,親個体が見れないと思ったが,親が見れてよかった」「イバラに刺されて痛かったです.貴重な体験ができて,とても楽しかったです」「おもしろかったからまたいきたい」
「また参加してみたいです」「調査は継続することが大切ですね.また来年も参加します!!お疲れ様でした.ありがとうございました」「次回も楽しみにしています」「とても楽しかったです.また,ちょうさをがんばってください」

自然館内で座学中.カスミサンショウウオの個体毎の違いを写真で教えていただいた.
調査開始.深すぎず浅すぎず,タカハヤなどがいないところを探す.
カスミサンショウウオの卵塊を発見!2対1組で産みつけられているのが特徴.
地図を確認しながら,場所と胚の数,成長具合を記入する.
ここはどうだろう・・・?
アザミの中でじっとしていたアマガエル
成体も見つかった.産卵してから移動したのか,同じ溜まりの中では卵塊が見つからなかった.
胚の数を確認する.
自然館に戻り,今回の調査で卵塊が確認された場所を報告し合った.
2013年度のイベント計画をお知らせします.なお,日程は変更になる場合がありますので,毎回の苅尾電波塔にご注意ください.
※キノコの観察会の日程を変更しました.(2013.5.2)
27日 山焼き後の雲月山植物観察会
29日 カスミサンショウウオの産卵調査
6日 サクラソウの観察会
18日 大潰山の春植物観察会
19日 ブナ林の野鳥観察会
9日 龍頭山の野鳥観察会
15日 モリアオガエル観察会
22日 昆虫観察会
23日 霧ヶ谷湿原の植生調査(夏)
未定 霧ヶ谷湿原夏の生き物観察会
15日 ブッポウソウの観察会
21日 夏休み親子観察会
28日 カワシンジュガイ探検隊
3日 千町原 夏の保全活動
10日 可愛川の水生生物観察会
15日 霧ヶ谷湿原秋の生き物観察会
21日 霧ヶ谷湿原の植生調査(秋)
29日 深入山の植物観察会
5日 キノコ観察会→10月12日に変更
6日 サツキマス保全の試み
4日 紅葉・冬芽の観察会
10日 ゴギの産卵の観察会
17日 八幡高原の野鳥観察会
23日 千町原 秋の保全活動
1日 かんじき作り
18日 冬を生きる動物の生態
9日 雪原のトレッキング
8日 早春のトレッキング
※参加には事前申込が必要です.
※日程は変更になる場合がありますので,自然館ホームページにてご確認ください.
春霞の空で日差しの暖かさを感じる中,高原の自然館前に21名が集まりました.今回のトレッキングは自然館の裏を回り,千町原を通り,道路に出て一周するコースです.「今の時期にしか見えないものや,鳥が見られるかもしれませんよ」と,講師である上野先生の言葉に期待しながら出発しました.
出発してすぐ,ハタネズミの堀跡や,ウサギの糞など,冬に動物が生活をした跡を見つけました.「これらは日が進んでいくと見えなくなるため,見ることができるのは今だけ」と,上野先生が解説されました.他にもモグラの堀跡を見たり,コガラやウグイスの鳴き声を聞いたりしながら進んでいきます.進む先では,ホオジロもいましたが,すぐに飛んでしまい,見ることが出来なかった方もいました.千町原に着くと,イカルやトビをしっかり見ることができました.特にトビは,すぐ近くで急降下し,カエルを捕らえる瞬間観察しました.一瞬でしたが,とても印象に残りました.草原に生息する鳥ノスリが見れなかったのが少々残念でした.
他にも冬枯れのタムラソウや,レンゲツツジの果実と冬芽,ウスタビガの繭など冬と春の境目を感じるものを見つけました.観察していると少し離れた所からアカゲラのドラミングを聞くことが出来ました.「ドラミングは餌を捕るためではなく,縄張りの主張や求愛の時に鳴らす音」と,解説されました.観察会も終盤に近づき,千町原のシンボルであるヤマナラシの近くまで来ました.木製の車両止めの根本を観察してみると,ワラジムシ,ザトウムシなどを見つけました.地面との隙間を縫うように入り,冬をしのぐ姿に皆さん驚かれていました.虫の観察が終わると,上野先生がホオジロを見つけました.木の枝に長時間じっとしていたので,先ほど見ることが出来なかった方も見ることができました.肉眼で見たり,フィールドスコープを覗き込んだりと様々な楽しみ方をしました.しばらくすると,すぐ近くの空でオオタカも姿を見せてくれました.苅尾山の稜線を越え姿が見えなくなるまで観察しました.
去年と違い雪がなく,鳥,昆虫,動植物などからも,少しずつ八幡にも春が近づいて来ていることを感じられた観察会となりました.[はたもとやすひこ]
「トビがエモノをとりに急降下したこと」「イカルを見たことが良かった」「モグラの掘り起こした土が沢山あっておどろいた」「テンが巣を作るのに家の壁を登っている」「ハタネズミの通路,モグラ塚」「緑のマユ(2)」「ワシ,タカがネズミのおしっこが見えるというお話」「タカが見れたこと,ガのまゆ」「ヨシというものをみたこと」「ヤマナラシの大木」「ヤママユのことです」「トビがカエルをとったこと」「ホオジロをみたこと」「ヤマナラシの大木と花が見れた事,オオタカの飛ぶ姿」「ムカデ,虫たちの冬の隠れ場をひっくり返して面白かった」
「今年は雪も少ないのでビックリです」「天気に恵まれていい山歩きでした」「春の予感」「楽しかった(2)」「1月の雪の時と同じコースだったが,春の生き物の動きを感じることができた」「春らしさを感じられた」「おてんきがよくてあったかくてたのしかったです」「動物や植物がいっぱいあったこと」「楽しかったです.早春の木の芽勉強しました」「なかにさなぎがしんでいた」「色々な生き物が見れて良かったです」「雨の予報がいいお天気になって大変楽しく歩けて,たくさんの動物の跡が見られて良かったです」「もうすっかり春でトビも観察できてよかった」「鳥をいろいろ教えていただき良かったです」
「わかりやすく説明していただいてよかった.」「子供にもやさしく接して楽しそうでした」「かんじよく話しやすい先生なので」
「子供さんの観察力が素晴らしい」「糸を作りたいです」「講師が話されている時はみんな静かに聞いて欲しい」

例年なら残雪がある八幡もこの通り.上野先生からコースの説明を受ける参加者たち.
「あ,鳥がいる!」トビでした.
おーいの丘では草原に棲むノスリを待ち空を見上げるものの,今回は出会えなかった.
レンゲツツジも目立っていた.
子どもたちは観察の合間に遊んでみたり・・・.
ヤマナラシの樹皮は特徴的.ぜひ触って感じてみてほしい.
ザトウムシやムカデを観察.おそるおそる覗き込む子どもたち.
雪が時折降っては止む天候の中,高原の自然館前に16名が集まりました.
今回は霧ヶ谷湿原に向かい,湿原内を回って,道路から戻るコースで,かんじきやスノーシューを履いて出発しました.先月の観察会では50センチほどあった積雪量はだいぶ減り,新雪が積もっても40センチほどで,冬の八幡を知る参加者の方も驚いていました.
前日から降り始めた雪で動物たちの足跡が消えないか不安でしたが,「この降り方なら動物の足跡が見られるでしょう」という講師の上野先生の言葉に期待をしながら観察会が始まりました.
出発をしてすぐにテンの足跡を見つけました.テンの足跡は道路の雪面から小さな建物に続いており,建物の壁には隙間から内部に入ろうとした爪あとがありました.テンは非常に身軽で,人の背丈よりも高い建物もかんたんに登っていくようで,他の建物にもテンが侵入しようとしたあとを見つけました.
耳を澄ますとレンジャクの声が聞こえました.レンジャクは寄生植物であるヤドリギの実を食べて,その糞から種を運んでいく習性があるそうです.説明を聞いてる中で実際に姿を見ることが出来ました.誰も踏み込んでいない雪道には至る所にテンやウサギの足跡があり.行動範囲の広さを感じさせてくれます.他にも足跡の近くには食跡もあり,実を食べた枝先はナイフで切ったように鋭くなっていました.
霧ヶ谷湿原に入ると,木道がどこにあるのか分からないくらい白く染まっており,皆さんおそるおそると湿原を進んで行きます.
中腹にある川で,ユキクロカワゲラという昆虫や,カワモズクという藻類を水中で見つけました.カワゲラは,雪の上でも元気に歩き回り,参加者の皆さんを驚かせ,カワモズクは食べることができるらしく,実際に食べている方もおられました.味は無味に近いそうですが,食感はモズクによく似ているそうです.
少し広い場所まで歩くと,北海道とここ八幡地区でしか確認されていないカラフトゴマフトビゲラの説明を聞きました.特殊な分布の仕方をしているという話に皆さん驚いていました.
説明が終わり,自然館前まで戻ります.戻る道では,枯れた木にキツツキの一種であるアカゲラがエサを求めて木を突いた跡を見つけたり,川の近くでは,カワゲラの姿を先ほどよりも多く発見することが出来ました.
今回は雪の状態があまり良くなく,ネズミなど動物の足跡や,ガガンボやトビムシなどの昆虫を見ることはできませんでしたが,上野先生の詳しい解説により,冬を生きる生き物の生態を垣間見ることができた楽しく充実した観察会となりました.
「テンのおしっこ,マーキング」「レンジャク」「ウサギがトゲのある植物を食べる」「あしあと(2)」「ユキクロカワゲラ 雪の上を歩くすがた(2)」「ユキクロカワゲラ,カワモズクを食べれたこと」「水せい生物」「ユキクロカワゲラのただひらすら雪上を歩いて行く話,時期ではないけれど,カラフトゴマフトビケラの話」「カワゲラ,雪の仲を歩いて上流まで行くのだと知り,ガンンバっているなあと思いました.ウサギの足跡は後ろ足が前につくというのもなるほどと思いました」「新雪の中の高原や湿原,回りの山々の美しさを自分の足で歩いたこと」「雪の中を歩くカワゲラがなぜわざわざこの時期に出てくるのかが興味を持った」
「秋におとずれた湿原の冬の様子が見れてよかったです」「ありがとうございました(2)」「テンのあしあとがいっぱいあって楽しかった.けど,つかれた」楽しかったです.雪上を歩いたのが久しぶりでした(3)」「新雪の上は歩きにくかった.今年は雪が少ない」「説明が専門的.良くも,悪くも」「はじめてでしたが,とても楽しかったです!3月もまた 参加したいです.最初の方ではカンジキが外れてご迷惑をおかけしました」「今まで雪の中の動植物に興味を持ったことはなかったですが,今回を機会に勉強を一つずつして,色々なものが見えるように,発見できるようになりたくなりました,」「なかなか体験出来ないことで色々な足跡が見れてよかった」

霧ヶ谷に向けて,車道を歩く.この時期は除雪がされていないので,歩行者専用.
霧ヶ谷湿原に進む.雪は少ない.
羽のあるカワゲラの仲間.
キツツキがつついた痕.冬でもエサが取れるので,キツツキは移動しない.
ノウサギの食痕.クマイチゴを食べていた.
高原の自然館前でまとめをして解散.