早春のトレッキング

  • 開催日時:2013年3月24日(日) 10:00
  • 講師:上野吉雄

 春霞の空で日差しの暖かさを感じる中,高原の自然館前に21名が集まりました.今回のトレッキングは自然館の裏を回り,千町原を通り,道路に出て一周するコースです.「今の時期にしか見えないものや,鳥が見られるかもしれませんよ」と,講師である上野先生の言葉に期待しながら出発しました.
 出発してすぐ,ハタネズミの堀跡や,ウサギの糞など,冬に動物が生活をした跡を見つけました.「これらは日が進んでいくと見えなくなるため,見ることができるのは今だけ」と,上野先生が解説されました.他にもモグラの堀跡を見たり,コガラやウグイスの鳴き声を聞いたりしながら進んでいきます.進む先では,ホオジロもいましたが,すぐに飛んでしまい,見ることが出来なかった方もいました.千町原に着くと,イカルやトビをしっかり見ることができました.特にトビは,すぐ近くで急降下し,カエルを捕らえる瞬間観察しました.一瞬でしたが,とても印象に残りました.草原に生息する鳥ノスリが見れなかったのが少々残念でした.
 他にも冬枯れのタムラソウや,レンゲツツジの果実と冬芽,ウスタビガの繭など冬と春の境目を感じるものを見つけました.観察していると少し離れた所からアカゲラのドラミングを聞くことが出来ました.「ドラミングは餌を捕るためではなく,縄張りの主張や求愛の時に鳴らす音」と,解説されました.観察会も終盤に近づき,千町原のシンボルであるヤマナラシの近くまで来ました.木製の車両止めの根本を観察してみると,ワラジムシ,ザトウムシなどを見つけました.地面との隙間を縫うように入り,冬をしのぐ姿に皆さん驚かれていました.虫の観察が終わると,上野先生がホオジロを見つけました.木の枝に長時間じっとしていたので,先ほど見ることが出来なかった方も見ることができました.肉眼で見たり,フィールドスコープを覗き込んだりと様々な楽しみ方をしました.しばらくすると,すぐ近くの空でオオタカも姿を見せてくれました.苅尾山の稜線を越え姿が見えなくなるまで観察しました.
 去年と違い雪がなく,鳥,昆虫,動植物などからも,少しずつ八幡にも春が近づいて来ていることを感じられた観察会となりました.[はたもとやすひこ]

みなさんの印象に残った物

「トビがエモノをとりに急降下したこと」「イカルを見たことが良かった」「モグラの掘り起こした土が沢山あっておどろいた」「テンが巣を作るのに家の壁を登っている」「ハタネズミの通路,モグラ塚」「緑のマユ(2)」「ワシ,タカがネズミのおしっこが見えるというお話」「タカが見れたこと,ガのまゆ」「ヨシというものをみたこと」「ヤマナラシの大木」「ヤママユのことです」「トビがカエルをとったこと」「ホオジロをみたこと」「ヤマナラシの大木と花が見れた事,オオタカの飛ぶ姿」「ムカデ,虫たちの冬の隠れ場をひっくり返して面白かった」

参加したみなさんの感想(抜粋)

「今年は雪も少ないのでビックリです」「天気に恵まれていい山歩きでした」「春の予感」「楽しかった(2)」「1月の雪の時と同じコースだったが,春の生き物の動きを感じることができた」「春らしさを感じられた」「おてんきがよくてあったかくてたのしかったです」「動物や植物がいっぱいあったこと」「楽しかったです.早春の木の芽勉強しました」「なかにさなぎがしんでいた」「色々な生き物が見れて良かったです」「雨の予報がいいお天気になって大変楽しく歩けて,たくさんの動物の跡が見られて良かったです」「もうすっかり春でトビも観察できてよかった」「鳥をいろいろ教えていただき良かったです」

具体的に

「わかりやすく説明していただいてよかった.」「子供にもやさしく接して楽しそうでした」「かんじよく話しやすい先生なので」

自由記入

「子供さんの観察力が素晴らしい」「糸を作りたいです」「講師が話されている時はみんな静かに聞いて欲しい」

写真

例年なら残雪がある八幡もこの通り.上野先生からコースの説明を受ける参加者たち.
例年なら残雪がある八幡もこの通り.上野先生からコースの説明を受ける参加者たち.「あ,鳥がいる!」トビでした.
「あ,鳥がいる!」トビでした.おーいの丘では草原に棲むノスリを待ち空を見上げるものの,今回は出会えなかった.
おーいの丘では草原に棲むノスリを待ち空を見上げるものの,今回は出会えなかった.レンゲツツジも目立っていた.
レンゲツツジも目立っていた.子どもたちは観察の合間に遊んでみたり・・・.
子どもたちは観察の合間に遊んでみたり・・・.ヤマナラシの樹皮は特徴的.ぜひ触って感じてみてほしい.
ヤマナラシの樹皮は特徴的.ぜひ触って感じてみてほしい.ザトウムシやムカデを観察.おそるおそる覗き込む子どもたち.
ザトウムシやムカデを観察.おそるおそる覗き込む子どもたち.