芸北せどやま再生プロジェクト」カテゴリーアーカイブ

シンポジウム「北広島の未来を語る」@大朝

11月30日(日)「北広島の未来を語る」が大朝にて開催されましたので、レポートします。
シンポジウムに先立ち、エコロジーツアーも行なわれ、芸北せどやま再生事業の見学がトップバッターでした。

定員を超えた30名のみなさんが、バスにてせどやま市場まで来てくださいました。NPO法人西中国山地自然史研究会の近藤理事長から事業の説明、芸北せどやま再生会議の上田代表からせどやま市場の状況説明がありました。

町内外から集まった参加者は熱心に聞き入り、興味深く見学されていました。
計量のデモンストレーションでは、原木を見て「1トンくらい?」「いやいやそんなに重たくないだろう」とコナラの重さを予想されていました。(実際は770kgでした)
薪割りの様子も見ていただきました。

受け入れた木の販売先として、芸北オークガーデンの薪ボイラー設置の様子も見に行きました。
ここでは芸北オークガーデンの松田支配人が、わかりやすい解説をしてくださいました。
今薪のストックヤードに置いてあるのは約4ヶ月分で、ひと束が約600kgだとのこと。来春からこの薪でわかした温泉に入れるかと思うと、とっても楽しみです。
レストラン内にある薪ストーブも見学しました。

その後、一行はわさ環境講演見学メガソーラ&BDF燃料見学へと向かわれました。

このシンポジウムと同時開催で、「わさまち通り商店街プロジェクト」もあり、大朝の商店街を復活させる取り組みも熱く進んでいました。
少しおじゃましたのですが、人の多さ、楽しそうな笑顔、活気にあふれていました。
大朝はアートな方が多い印象でしたが、その方たちの作品の展示、ワークショップ、カフェなどが存分に味わえ、また商店街の建物の特性を活かしたすばらしいプロジェクトだと感じました。

午後からは、シンポジウムです。
NPO法人INE OASA堀田さんの言葉で開会しました。
オープニング、エンディングともにメッセージ性があり、クオリティの高いビデオが流され、ここでも「田舎のよさ」がしっかりとPRされていました。

今回のシンポジウム開催となったメガソーラ設置の事業効果などの説明が、広島県の方からありました。
「地域と連携し、これからの事業を進めていきたい」と述べられていたのが印象的でした。

次の発表は、北広島町長から、新エネビジョンの取り組みとして、北広島町が取り組む政策や地域資源の活用についてお話がありました。
今からの具体的な事業として、「エコツアー事業」を挙げられており、これからの取り組みに期待がふくらみました。

3番目に、高原の自然館のしらかわハカセから「芸北せどやま再生事業と生物多様性」というテーマで発表がありました。
芸北で始まった「薪活!」や全国の自治体に先駆けて始まった「北広島町の生物多様性の取り組み」について、具体的な例を挙げながらの紹介は、会場の参加者みんなが話に引き込まれました。「ふるさと教育」についても、芸北の子ども達の授業風景が紹介され、状況や特性がとてもよくわかりました。
地域活性化に重要な「深み」のお話では、とても重要なことがお話されたのではないかと思います。
最後の5つの問いかけ、とてもよかったですね。このことは高い関心が寄せられたように感じました。

発表の最後は、NPO法人INE OASAの堀田さんから「おおあさの未来」と題して、大朝の状況や、ふるさとを大切に思い、その思いをどうやって未来につなげていくか、どうやっていい未来を実現させていくか、といったお話がありました。
視察にいった報告や、NPOで進められている事業を例に示しながら、参加できる場づくりから人とのつながりが生まれ、みんなが元気にがんばれる地域になるように、考えて動かれている事がわかりました。
また、たくさんの仲間に恵まれていることもわかりました。

会場からはいくつか質問もあがりました。
このシンポジウムで、地域での取り組みや、町の政策にも関心が寄せられ、そこでがんばっている方々の姿が見えたのではないかと思います。
きたひろしまスタイルで、自然資源を活かした持続可能な取り組みが実現し、町民のみなさんが本当の意味での「豊かな生活」が送れることになりますよう、もう一度しっかりと今日のお話を思い返しながら、シンポジウムの会場をあとにしました。

開催にあたって準備などをしてくださったみなさま、お世話になりました。
すばらしい機会をありがとうございました。
商店街のにぎわいも、続きますように。

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大阪自然史フェスティバルにてブース出展

11月16日(日)に行なわれた大阪自然史フェスティバルでのブース出展の模様をレポートします。
西中国山地自然史研究会の情報発信事業として、大阪市立自然史博物館にて開催される「大阪自然史フェスティバル2014」にてブースを出す事となりました。
大阪自然史フェスティバル」は、自然関連のサークル、地域の自然保護団体等が一堂に会して出展する文化祭だそうです。
関連の企業や団体が、活動紹介やワークショップ等を通じて、来場者に大阪の自然の現状や自然に関わる楽しさを知っていただくために、博物館と認定特定非営利活動法人大阪自然史センターの共催で開催するイベントと聞きました。
今回は「里山の利用と生物多様性」をテーマにしたブース展開やシンポジウム「2010年代の里山管理シンポジウムII 薪のある暮らしは何を変えるのか」が開催され、その中でしらかわハカセが発表をするとのことで、応援がてら、理事2名と事務局1名で、遠征しました。
二日間の日程で行なわれるフェスティバルなのですが、千町原の草刈りがあったため、一日のみの参加となりました。
とにかく驚いたのは、博物館の大きさと、人の多さ、そして自然に関わる団体の熱気です。
地域の自然保全、特定のいきものを守る会、企業など本当に様々な団体がブースを出展し、それぞれの活動や商品をPRしていました。
ずっとみていたかったのですが、私たちの研究会では、団体のPRに加え、フェスティバルのテーマである「里山の利用と生物多様性」に合わせ、「芸北せどやま再生事業」に関連した展示をしました。
丸太のくらべっこや、ネームプレート作り、年輪さがしを通して、地域の森林の利用や状況をお伝えすることとしました。
親子連れの方を中心に、年輪を見てもらった小さな輪切りの木材に、名入れをしてもらうのが好評でした。
せどやまの材で作った1/f(エフぶんのいち)さんの雑貨も、みなさん手にとって見てくださいました。
大阪といういつもとは違うフィールドでしたが、博物館の学芸員さんや、NPOのスタッフの方が暖かく迎えてくださり、安心しました。

そして、しらかわハカセの講演にも応援にいきました。高原の自然館のフィールドミュージアムとしての役割や、保全活動の数々、芸北せどやま再生事業や、行政が始めた薪活!の取り組みについて、テンポよく紹介がありました。
「せどやま」という地域に根付く里山を指す言葉ばあったからこそ、「どんな里山にしたいか」という共通の認識を持つ事ができ、めざす生態系の姿も共有できたことや、木材の利用の出口を作り、個々のつながりをつなげる事でいっそう木の利用が促されること、そして子ども達に「体験」させる場面を作ることが重要だというまとめがありました。
その後のディスカッションは見る事ができませんでした。
「薪のある暮らしは何を変えるのか」というテーマの結論が出たのかどうか気になるところです。

一日だけの参加でしたが、他の団体の展示を見させていただいたことは大きな糧となりました。
西中国山地の豊かな自然の中で、地域の方たちと連携しながら里山文化を継承し,持続可能な地域社会の実現できるよう、この経験をしっかり活かしたいと思います。

西中国山地自然史研究会のブースの様子 

西中国山地自然史研究会のブースの様子

せどやまの木を使った雑貨

せどやまの木を使った雑貨

人だかりのブース

人だかりのブース

親子連れが多かった

親子連れが多かった

今回のテーマ

今回のテーマ

シンポジウム「2010年代の里山管理シンポジウムII 薪のある暮らしは何を変えるのか」

シンポジウム「2010年代の里山管理シンポジウムII 薪のある暮らしは何を変えるのか」

薪活!はっぴでPR

薪活!はっぴでPR

しらかわハカセの発表

しらかわハカセの発表

ディスカッションは森林組合の方も参入

ディスカッションは森林組合の方も参入

広島大学「たおやかプログラム」オンサイト研修についての報告発表会

10月31日に行なわれた“広島大学「たおやかプログラム」オンサイト研修についての報告発表会”についてレポートします。

10月14日に、広島大学「たおやかプログラム」オンサイト研修の受け入れを行ないました。
その中で、学生さん達が感じた事や、事業に関する提案などをまとめた発表会を行なうということで、近藤(NPO法人西中国山地自然史研究会理事長)・上田(芸北せどやま再生会議代表)・白川(高原の自然館主任学芸員)・河野(NPO法人西中国山地自然史研究会事務局)の4名で、出席しました。
プログラム担当の先生から「地域の事業を見学した学生が提案などを発表するので、それについて助言をしてほしい。」との依頼でしたので、自分たちの事業がどのように映ったのか、どのような提案が飛び出してくるのか、楽しみにしていました。
会場に入ると、学生さんたちはみんな笑顔で迎えてくれ、緊張感が少し和らぎました。
最前列の席に案内していただき、発表を待ちました。
英語での発表なので、通訳の先生がついて下さいました。

「芸北せどやま再生事業」に関連する事柄が主になるようです。

最初の発表者からは、事業の概要や、発表の流れについての説明がありました。事業効果として直接的なインパクトと間接的なインパクトに分けて示していました。これらがあとの発表で、細かく説明されるとのことです。

この「たおやかプログラム」の特徴は、3つのコースに分けられ「たおやかで平和な共生社会創出のため」に人材が育成されることです。様々な専門性を持った学生さんたちが多角的な切り口を持ち、問題解決に挑む事できる人材を育成することがミッションだそうです。
ここでも、3つのコースから発表者がプレゼンテーションしてくださいました。

【技術創生の視点から】
このグループからは、「技術」をつかって、せどやま事業に何ができるか?という提案がありました。(コストも調べてありました)

・木材からとれるエネルギー
・薪割り機を使う作業負担軽減のためにローラーベッドシステム
・含水率を手軽に計る為ための機械
・せどやま券の電子化

【文化創生の視点から】
このグループからは、「文化的な見解」からせどやま事業や環境保全活動について、「評価・途上国と先進国の違い・問題点・改善・結論」という流れで発表がありました。

・文化の維持と自然活用のバランスの難しさ
・せどやまの木材製品への文化的な価値付けの必要性
・人的資源の不足
などが事業の改善点で挙げられました。

提案として
・新しいライフスタイルや文化の提案
・木材使用の促進
・市場の海外への拡大
などが挙げられました。

また、一日の研修の中では見えなかったこともあるので、関わりをもっと持ちたいとの感想もありました。
このグループは、印刷した資料があり、あとで見返すことができてよかったです。

【社会実装の視点から】
「社会実装」とは、「複合的な地域社会の課題を発掘、分析し、実装まで導く事」だそうです。このグループからは、他のグループとも重なる部分を示しながら、事業全体の改善点などをまとめてくださいました。
次世代へ自然環境をつなぐ活動としての方向性がすばらしい、との強調してのスタートでした。
また、「様々な視点や違った見方をすることの大切さ」も述べられました。

・木製品の価値付けをする(家具や小物など)
・エコツアーのメニュー拡大(子どもや家族向け・自然体験に加え、昔からの知恵を教えるなど)
・地域の生産品の開発やお土産作り
・せどやま券使用範囲の拡張

以上、とてもボリュームのある発表と熱心さに、参加した私たちはとても嬉しく思いました。
何よりも、「自分たちならどうするか」という観点でとらえて下さったことが、研修を受け入れ、つながりを持つ事ができた私たちの喜びでもあります。

また、立場や役割が違う視点、専門性を持つ学生さんの視点、外国からの視点と、普段にはない切り口で、事業の評価や提案を聞く事ができました。
もう少し時間をかけて、つながりや情報共有を深く持つ事で、こちらの課題の理解を得てもらい、もっと具体的な提案が聞けると、より奥深いプログラムに結びつくのではないかなぁと期待します。

発表くださったみなさん、お招きいただいた大学の先生方、ありがとうございました。

発表がスタート。スライドに「sedoyama」の文字を見つけた!

発表がスタート。スライドに「sedoyama」の文字を見つけた!

技術創生グループからの発表

技術創生グループからの発表

せどやま券の電子化の提案スライド

せどやま券の電子化の提案スライド

先生方も熱心に見守り

先生方も熱心に見守り

文化創生グループからの発表

文化創生グループからの発表

学生さんたちも聞き入る会場

学生さんたちも聞き入る会場

社会実装グループからの発表

社会実装グループからの発表

最前列で参加させていただいた

最前列で参加させていただいた

広島大学「たおやかプログラム」オンサイト研修の受け入れ

10月14日の研修受け入れについて、レポートします。
広島大学の「たおやかプログラム」のオンサイト研修として、北広島町芸北が選ばれ、「高原の自然館の活動」や「草原・湿原の保全活動」、「芸北せどやま再生事業」の話題を中心に、しらかわハカセが案内役で見学と講義を行いました。参加者は、文学研究科・国際協力研究科・先端物質科学研究科・工学研究科の所属で、ベトナム・日本・タイ・中国・バングラデシュ・アメリカ・ラオス・インドネシアと様々な国から来た学生さん16名、教員7名、通訳1名と、総勢25名でした。

最初は高原の自然館と山麓庵の見学から。
サンショウウオとツキノワグマの展示に興味を持った方が多かったようです。
山麓庵では、日本の伝統的なスタイルに「どのくらい前の建物なのか?」「どんな材料を使っているのか?」などと好奇心をもって見学されていました。
次は霧ヶ谷湿原へ。
自然再生事業という日本の中でもめずらしい事例の解説を聞きながら、湿原を歩きました。イノシシが出て穴を掘っているところをみたり、赤い実をみて「食べれるのかな?」と会話するなど、楽しい時間でした。
バスで移動して、ランチタイム。
大仙さんのおいしいお弁当を食べて、充電し、午後からの講義へ。
しらかわハカセによる講義は、北広島町で行なわれている自然保全活動や、生物多様性の取り組みの紹介です。
いつもは日本語で行なわれる講義も、英語を交えて、熱の入ったものとなりました。
「文化とは?」「自然の資源を使うこと」「資源を売買する人の動き・マーケット」「山焼きをした時の種の生息がどのようにかわるのか?」などいつもの視察とはひとあじ違う質問や議論もたくさん飛び出しました。
休憩をはさみ、芸北せどやま事業の紹介となりました。
「地域通貨は法律ではどのような位置づけなのか?」など、せどやま券に関する質問や興味も多かったように感じました。

最後に、せどやま市場の見学です。
ここでは、芸北せどやま再生会議代表の上田さんが説明を行ないます。
木材の種類や薪の値段について、また行政からの具体的支援や林家さんをどのように増やしているのかという質問が相次ぎました。
実際の事業地を見る事で、参加者の興味が刺激されたようです。
薪割りの実演を見て、今日のプログラムはすべて終了しました。

記念撮影をして、見送りをしました。
またこのフィールドに来てくださることを期待します。
参加者のみなさんの研究が実を結び、各地での活躍や技術の開発の成功を祈念します。
またお会いできますように!!

まずは芸北の地形や気候を解説するしらかわハカセ。

まずは芸北の地形や気候を解説するしらかわハカセ。

自由に見学。アカショウビンの声を聞いたり、サルノコシカケを触ったり。

自由に見学。アカショウビンの声を聞いたり、サルノコシカケを触ったり。

苔むす屋根。

苔むす屋根。

川の流れをみながら、自然再生事業の取り組み紹介。

川の流れをみながら、自然再生事業の取り組み紹介。

しらかわハカセが講義中。

しらかわハカセが講義中。

地域活性化のキモのお話

地域活性化のキモのお話

外国の方ならではの質問もたくさん。

外国の方ならではの質問もたくさん。

せどやま券には興味津々。

せどやま券には興味津々。

薪の値段ってどれくらい?という質問が。

薪の値段ってどれくらい?という質問が。

せどやま市場で受け入れた木にブナが!!

せどやま市場で受け入れた木にブナが!!

木の活用はどんなものがあるのか?という質問に答える上田代表

木の活用はどんなものがあるのか?という質問に答える上田代表

上田代表が薪割りを実演

上田代表が薪割りを実演

参加者、スタッフともに輪になって最後のお話。

参加者、スタッフともに輪になって最後のお話。

合い言葉は「せどやま!」で。

合い言葉は「せどやま!」で。

【イベント案内】芸北せどやま再生事業 研修会について(軽架線・作業道)

概要:

芸北せどやま再生会議では,『土佐の森方式』の軽架線を使った搬出作業の研修会と,山から木を運び出すための作業道づくりの研修会を企画しました.
高知県の土佐の森救援隊中嶋健造さんを中心に,専門の講師より指導いただきます.
詳細は,事務局までお問い合わせください.

日程:

軽架線研修会:平成25年10月1日(火)・2日(水)9時〜16時
作業道づくり研修会:平成25年10月9日(水)・10日(木)9時〜16時

対象者:

・ 芸北せどやまプロジェクトへ参加している又は参加しようとしている方
・ その他,芸北せどやま再生会議が認めた方
※ご希望に添えない場合もあります.ご了承ください.

定員

20名
※申し込みが多い際は,お断りする場合もあります.ご了承ください.

運営体制

実施主体:特定非営利活動法人西中国山地自然史研究会
運営協力:太田川森林組合・土佐の森救援隊

申し込み:

9月24日までに,下記事務局へご連絡ください.申し込み用紙を送付します.

〒731-2551
広島県山県郡北広島町東八幡原119-1 高原の自然館内
電話:080-6334-8601 FAX:0826-36-2008
e-mail: staff@shizenkan.info
担当:河野弥生