10月31日に行なわれた“広島大学「たおやかプログラム」オンサイト研修についての報告発表会”についてレポートします。
10月14日に、広島大学「たおやかプログラム」オンサイト研修の受け入れを行ないました。
その中で、学生さん達が感じた事や、事業に関する提案などをまとめた発表会を行なうということで、近藤(NPO法人西中国山地自然史研究会理事長)・上田(芸北せどやま再生会議代表)・白川(高原の自然館主任学芸員)・河野(NPO法人西中国山地自然史研究会事務局)の4名で、出席しました。
プログラム担当の先生から「地域の事業を見学した学生が提案などを発表するので、それについて助言をしてほしい。」との依頼でしたので、自分たちの事業がどのように映ったのか、どのような提案が飛び出してくるのか、楽しみにしていました。
会場に入ると、学生さんたちはみんな笑顔で迎えてくれ、緊張感が少し和らぎました。
最前列の席に案内していただき、発表を待ちました。
英語での発表なので、通訳の先生がついて下さいました。
「芸北せどやま再生事業」に関連する事柄が主になるようです。
最初の発表者からは、事業の概要や、発表の流れについての説明がありました。事業効果として直接的なインパクトと間接的なインパクトに分けて示していました。これらがあとの発表で、細かく説明されるとのことです。
この「たおやかプログラム」の特徴は、3つのコースに分けられ「たおやかで平和な共生社会創出のため」に人材が育成されることです。様々な専門性を持った学生さんたちが多角的な切り口を持ち、問題解決に挑む事できる人材を育成することがミッションだそうです。
ここでも、3つのコースから発表者がプレゼンテーションしてくださいました。
【技術創生の視点から】
このグループからは、「技術」をつかって、せどやま事業に何ができるか?という提案がありました。(コストも調べてありました)
・木材からとれるエネルギー
・薪割り機を使う作業負担軽減のためにローラーベッドシステム
・含水率を手軽に計る為ための機械
・せどやま券の電子化
【文化創生の視点から】
このグループからは、「文化的な見解」からせどやま事業や環境保全活動について、「評価・途上国と先進国の違い・問題点・改善・結論」という流れで発表がありました。
・文化の維持と自然活用のバランスの難しさ
・せどやまの木材製品への文化的な価値付けの必要性
・人的資源の不足
などが事業の改善点で挙げられました。
提案として
・新しいライフスタイルや文化の提案
・木材使用の促進
・市場の海外への拡大
などが挙げられました。
また、一日の研修の中では見えなかったこともあるので、関わりをもっと持ちたいとの感想もありました。
このグループは、印刷した資料があり、あとで見返すことができてよかったです。
【社会実装の視点から】
「社会実装」とは、「複合的な地域社会の課題を発掘、分析し、実装まで導く事」だそうです。このグループからは、他のグループとも重なる部分を示しながら、事業全体の改善点などをまとめてくださいました。
次世代へ自然環境をつなぐ活動としての方向性がすばらしい、との強調してのスタートでした。
また、「様々な視点や違った見方をすることの大切さ」も述べられました。
・木製品の価値付けをする(家具や小物など)
・エコツアーのメニュー拡大(子どもや家族向け・自然体験に加え、昔からの知恵を教えるなど)
・地域の生産品の開発やお土産作り
・せどやま券使用範囲の拡張
以上、とてもボリュームのある発表と熱心さに、参加した私たちはとても嬉しく思いました。
何よりも、「自分たちならどうするか」という観点でとらえて下さったことが、研修を受け入れ、つながりを持つ事ができた私たちの喜びでもあります。
また、立場や役割が違う視点、専門性を持つ学生さんの視点、外国からの視点と、普段にはない切り口で、事業の評価や提案を聞く事ができました。
もう少し時間をかけて、つながりや情報共有を深く持つ事で、こちらの課題の理解を得てもらい、もっと具体的な提案が聞けると、より奥深いプログラムに結びつくのではないかなぁと期待します。
発表くださったみなさん、お招きいただいた大学の先生方、ありがとうございました。