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【イベント報告】ブナ林の野鳥観察会

さすが人気の春の野鳥観察会です.早朝にもかかわらず,当日飛び込み参加も含め,35名の観察会となりました.すこし霧がかかり,あいにくの天気でしたが,思ったほどの冷え込みもなく,たくさんの鳥がさえずっていました.開会挨拶途中からはお目当てのアカショウビンの声も頭上付近でよく聞こえ,みんな「どこだろう」と声の主を捜すのに必死でした.そして,キビタキを見つけ,ツツドリに托卵される話を聞きました.マミジロがよくさえずっていて,図鑑の写真で名前の由来など聞きながら,「キョロイ」と一声ずつ鳴くこと,雌雄両方が鳴くこと,ミミズをたくさんくわえて巣へ運ぶことなどを詳しく話していただきました.ミソサザイも目の前の枝先でさえずる姿を,ゆっくり見ることができてよかったです.霧のせいもあり,オオルリは高い枝先でおなかの白さが目立つばかりでしたが,しっかり見ることができました.ヒガラが小枝をチョンチョン飛びわたるのも確認できました.4人の小学生の参加者も,たくさんの鳥声と,先生からの説明を聞くことができて楽しかったようです.時々雨も降り出したりと,下り坂の天候でしたが,8時までなんとか,無事観察会を楽しむができました.終了後の読み合わせで18種の鳥を見たり,声を聞いたりしたことが確認できました.[やなぎざきのぶこ]

上野先生の説明を熱心に聞く小学生たち.
上野先生の説明を熱心に聞く小学生たち.
霧が出て来て,幻想的な森の風景に.参加者は鳥を待つ.
霧が出て来て,幻想的な森の風景に.参加者は鳥を待つ.
わからない鳥は即図鑑で調べる.取り合いをしつつも,仲良し小学生組.
わからない鳥は即図鑑で調べる.取り合いをしつつも,仲良し小学生組.
ミソサザイの声が聞こえるものの,姿が見えず.みんなで待つのもまた楽し.
ミソサザイの声が聞こえるものの,姿が見えず.みんなで待つのもまた楽し.
チョロロロ・・・とにぎやかにさえずっていたミソサザイ.
チョロロロ・・・とにぎやかにさえずっていたミソサザイ.
途中,雨に降られてしまったが,植物にとっては恵みの雨.
途中,雨に降られてしまったが,植物にとっては恵みの雨.
双眼鏡を覗くのも上手になってきた.
双眼鏡を覗くのも上手になってきた.

【イベント報告】大潰山の春植物観察会

朝からお天気も良く,観察会にはもってこいの日和となりました.集合場所の大佐スキー場には18名の参加者が集まり,講師の紹介,行程の確認をして,登山道がある場所へと移動しました.今日登る大潰山は,かつて炭焼きが行われており,人の手が入っていた里山でした.現在は林の遷移が進んでいますが.里山ならではの春の植物が観察できるだろうという佐久間先生のお話から観察会は始まりました.登山口ではイヌブナが咲いており,ブナとの違いや,生息環境のお話を聞きました.なかなか見ることのない,イヌブナの小さな花がかわいらしかったです.オオタチツボスミレ,チャルメルソウ,ナツトウダイ,ギンリョウソウなど,ひとつひとつの植物をていねいに観察し,ゆっくりと登山しました.途中で,ミソサザイ,ツツドリ,ゴジュウカラの鳴き声も聞くことができました.山頂付近ではダイセンミツバツツジが見頃を迎え,キレイに咲いていました.頂上でお弁当を食べ,休憩し,記念撮影をしました.見晴らしが良く,掛頭山や臥竜山も見えました.その後,ニオイタチツボスミレの匂いを確かめたり,クマ棚を見つけたりしながら下山しました.最後のまとめで,今日観察した植物の種類を確かめると,30以上もありました.たくさんの植物を観察し,いい汗をかいた観察となりました.別の時期に登山しても楽しめそうです.[こうのやよい]

イヌブナの説明から観察会はスタートした.
イヌブナの説明から観察会はスタートした.
若葉が美しく,気持ちがよかった.ミソサザイやツツドリの鳴き声も聞こえた.
若葉が美しく,気持ちがよかった.ミソサザイやツツドリの鳴き声も聞こえた.
オオタチツボスミレを観察中.
オオタチツボスミレを観察中.
ユリ科の植物ツクバネソウ.葉の様子が羽根つきの羽のようなことから名付けられたそう.
ユリ科の植物ツクバネソウ.葉の様子が羽根つきの羽のようなことから名付けられたそう.
落ち葉にかくれていたギンリョウソウ.「少しだけ観察させてね」.
落ち葉にかくれていたギンリョウソウ.「少しだけ観察させてね」.
参加者同士の情報交換も,観察会の楽しみのひとつ.
参加者同士の情報交換も,観察会の楽しみのひとつ.
ヤマウルシの花.赤い茎の色がひときわ目立つ.
ヤマウルシの花.赤い茎の色がひときわ目立つ.
日差しは強かったが,森の中は涼しかった.
日差しは強かったが,森の中は涼しかった.
ガマズミの仲間,オトコヨウゾメ.
ガマズミの仲間,オトコヨウゾメ.
大潰山の見所のひとつ,ダイセンミツバツツジ.
大潰山の見所のひとつ,ダイセンミツバツツジ.
山頂からの眺め.お昼ご飯もここで.
山頂からの眺め.お昼ご飯もここで.
山頂で恒例の記念撮影.
山頂で恒例の記念撮影.
エゾユズリハ花が咲かせていた.雄花と雌花があるので,違いを観察した.
エゾユズリハ花が咲かせていた.雄花と雌花があるので,違いを観察した.
ニオイタチツボスミレもよく咲いていた.
ニオイタチツボスミレもよく咲いていた.
たくさん花をつけていたゴヨウアケビ.
たくさん花をつけていたゴヨウアケビ.
ウリハダカエデの花.
ウリハダカエデの花.
大佐スキー場で,最後のまとめをして解散した.
大佐スキー場で,最後のまとめをして解散した.

【イベント報告】カスミサンショウウオの産卵調査

霧ヶ谷湿原に導水路が張り巡らされる工事が終了して,はじめてのモニタリングです.昨年の調査では,補助導水路にたくさんの卵塊が見られました.また,カスミサンショウウオも湿原内に産卵していました.さて,今年はどうでしょうか?高原の自然館でサンショウウオについてのレクチャーを受けた後,3人のキッズを含む10人で調査に向かいました.
はじめに,「カスミサンショウウオの産卵環境」を観察し,どのような場所に,どのような状態で産卵するのかを確認しました.このときに,卵塊を守る親も見ることができました.自然状態での産卵を確認した後は,いよいよ再生事業地での調査開始です.2班に分かれて,川の両岸を上りながら,導水路の中に産み付けられた卵塊を探しました.今回はGPSを使って位置を記録したので,調査票への記入が楽にできました.お昼までに調査した,約1/3程度の範囲では,ヤマアカガエルの幼生とアカガエルの卵塊が多く見られ,アマガエルも産卵していました.ただ,昨年は見られたヒキガエルや,水路内のカスミサンショウウオの卵塊は確認できませんでした.ちなみに,午後から内藤先生,スタッフなど数人で行った補足調査では,ヒキガエルの幼生が確認できました.カスミサンショウウオも,最整地内にできた湿地に,本来の姿で産卵していました.一昨年までならば排水升に落ちて無駄になっていたはずの個体が,再生事業によって,産卵場所を得たというのは嬉しい結果でした.参加した子供達にとってはミズカマキリやオオコオイムシを観察できたことが,卵塊が増えていることよりも嬉しかったようですが・・・.
内藤先生からは,時間はかかるだろうが湿地内へのカスミサンショウウオ個体群の再生も可能だろうというコメントをいただきました.これからも研究会でしっかりと見守っていきましょう.[しらかわ]

高原の自然館で,広島県のサンショウウオについて説明を聞いた.
高原の自然館で,広島県のサンショウウオについて説明を聞いた.
卵塊と親が見つかった.
卵塊と親が見つかった.恐る恐る触ってみる.
恐る恐る触ってみる.
いよいよ調査開始.こちらは左岸チーム
いよいよ調査開始.こちらは左岸チーム
水路をくまなく探していく.
水路をくまなく探していく.
ヤマカガシがいたので,束の間,しっかり観察.
ヤマカガシがいたので,束の間,しっかり観察.
「カスミおったよー」の内藤先生の声に向かう右岸チーム.
「カスミおったよー」の内藤先生の声に向かう右岸チーム.
産み付けられたばかりのニホンアカガエルの卵塊.
産み付けられたばかりのニホンアカガエルの卵塊.
ヒキガエルは,ひも状の卵塊を生む.幼生は尾芽胚の状態で孵化する.
ヒキガエルは,ひも状の卵塊を生む.幼生は尾芽胚の状態で孵化する.
茶色くて大きいのがヤマアカガエル,真っ黒で小さいのがヒキガエル.
茶色くて大きいのがヤマアカガエル,真っ黒で小さいのがヒキガエル.
P4290004
この卵塊は胚が育った状態
最後に各班の状況を報告した.報告中もヤマカガシに見入る子ども達.
最後に各班の状況を報告した.報告中もヤマカガシに見入る子ども達.
卵塊を探しながら,カスミサンショウウオの産卵環境を観察する.
卵塊を探しながら,カスミサンショウウオの産卵環境を観察する.

【イベント報告】雪原のトレッキング

ちょっと冷え込みましたが,その分日中は晴天で気持ちよく観察会の始まりです.雪のすっかり消えたパークゴルフ場を横切り,まずはモグラのお話.そこここにモグラ塚(モグラがトンネルを掘り進んで途中とこどころ地上に土を出した跡)がありました.このあたりにいるのはコウベモグラだそうです.ミミズを食べるモグラは歯がすり減ると寿命がつきるそうです.ホオジロの♀がノリウツギの小枝にとまり,チチっと地鳴きしていました.ハタネズミの掘り進んだ溝跡にはフンがありました.ほんのり草色をしていました.アカゲラがキッキッキと鳴き,♀の姿を確認できました.そしてオオアカゲラも双眼鏡で姿を確認でき,大きさ・色の違いをはっきり見ることができました.ウサギのフンも雪解けでまるで一カ所でしたように多数見ることができました.クマイチゴは1メートル以上上の枝がすっぱり喰いきられていて,冬の積雪量を知ることができます.常緑のエゾユズリハも冬はネズミやヤマドリのエサになり,所々食いちぎられていました.登り切って千町原を見渡せるあたりではイノシシの堀跡も見られました.雪が解け日差しも暖かいのでちょこちょこ動き回るジグモも観察できました.まだ動きの鈍いカナヘビは捕まえられてみんなの注目を浴びていました・ホオジロの♂が二足歩行でエサをついばんでいる姿やソングポストで春の縄張り宣言をしている姿も数カ所見ることでき,ノスリは2羽が交互に空中で交差し,急降下して波状ディスプレイする姿を観察できました.その他にウソ・ツグミ・ヒヨドリ・トビを観察できました.ハシバミの雄花はまだ固そうでしたが,ハンノキの雄花はもうかなり伸びきって今春の受粉も間近です.クロモジの花芽と葉芽,ホオノキの冬芽,雪解けで緑の姿を現したコバノフユイチゴなど,春に備える植物の姿も色々観察できました.昨年使用のメジロの巣・カラスの巣も見ることができました.残念ながら雪は所々に残るだけでしたが,冬の痕跡と春の訪れをゆっくり楽しめた観察会でした.(やなぎざきのぶこ)

モグラが活動したことがわかるモグラ塚がいたるところにあった.
モグラが活動したことがわかるモグラ塚がいたるところにあった.
コチラはハタネズミの活動跡.塚がないので,モグラと違うことが分かる.
コチラはハタネズミの活動跡.塚がないので,モグラと違うことが分かる.
丸くて常緑の葉が目立っていたコバノフユイチゴ.
丸くて常緑の葉が目立っていたコバノフユイチゴ.
クマイチゴの枝を見ると,高いところまでかじられた跡があり,積雪の高さが窺える.
クマイチゴの枝を見ると,高いところまでかじられた跡があり,積雪の高さが窺える.
ホオジロの姿を図鑑で確認中.
ホオジロの姿を図鑑で確認中.
雪がないので,足取りも軽やかにトレッキング.
雪がないので,足取りも軽やかにトレッキング.
上野先生の説明を聞きながら,ノスリのディスプレイを観察中.
上野先生の説明を聞きながら,ノスリのディスプレイを観察中.
まだ動きが鈍いカナヘビ.おかげでじっくり観察できた.
まだ動きが鈍いカナヘビ.おかげでじっくり観察できた.
いちはやくナワバリを張るためにさえずるホオジロ(♂).
いちはやくナワバリを張るためにさえずるホオジロ(♂).
地面に張り付いているのが,栄養葉,冬でも目立っている方が胞子葉と2つの葉をもつイヌガンソク.
地面に張り付いているのが,栄養葉,冬でも目立っている方が胞子葉と2つの葉をもつイヌガンソク.
テンが登った爪痕を発見.
テンが登った爪痕を発見.
カマキリの卵をゲット!おうちには持ち込まないようにと,みんなが心配.
カマキリの卵をゲット!おうちには持ち込まないようにと,みんなが心配.
メジロの巣を発見.巣材の一部にナイロン製のロープが使われるようになり,ヒナの巣立ち時の事故があることを聞いた.
メジロの巣を発見.巣材の一部にナイロン製のロープが使われるようになり,ヒナの巣立ち時の事故があることを聞いた.
最後のまとめ.今回の観察会では,鳥をたくさん見ることができた.
最後のまとめ.今回の観察会では,鳥をたくさん見ることができた.
恒例のアンケートに記入中.みなさんからの声は,来年度の活動に活用する予定.
恒例のアンケートに記入中.みなさんからの声は,来年度の活動に活用する予定.

【イベント報告】雪原のトレッキング

早い春一番の後,さすがの八幡もすっかり雪が解け,数日前の15cmの積雪でかろうじて雪上を歩ける状態でした.かんじき初体験の方を含め15名で出発です.しっかり冷え込んだ朝,動物の足跡はたくさん観察することができました.まず見つかったのは,積雪がたくさんだった頃のウサギの食痕で,ずいぶん高い位置にありました.食べているのはカラスザンショウやノイバラ,クマイチゴなどです.小さいウサギのものと見られる足跡やおしっこの跡など,昨夜の行動を想像できるものが多数ありました.木の幹にはキツツキがカミキリムシの幼虫を突いた穴もありました.この時期でもイタチは川に下りて捕食しているようで,上り下りの足跡もみられました.ネズミ(アカネズミ?)の雪上移動の跡.タヌキが食べたと思われるヒヨドリの残骸は初めて見ました.積雪があるので再生地の中へも入り,観察することができました.霧ヶ谷の歴史,事業の目的など話を聞きました.再生地内の池もまわりにはカモの足跡が見られました.これも事業後の変化のひとつです.その他,ウソやコゲラ・ユスリカ・トビケラ・ウスタビガやクスサンの繭(抜け殻)を見ることができました.キツネ・テン・アカネズミ(しっぽの跡も有り)・ホンドイタチ・ホオジロの足跡を観察しました.積雪は少なかったのですが,昨夜の天候のせいも有り,動物たちはよく行動したようです.その痕跡をたくさん見ることができて,水際では氷の芸術も鑑賞し,晴天に恵まれた楽しい観察会でした.[やなぎざきのぶこ]

かんじき希望者に履き方をレクチャー中.
かんじき希望者に履き方をレクチャー中.
ウサギの食痕を説明する上野先生.
ウサギの食痕を説明する上野先生.
ひたすらまっすぐなキツネの足跡.
ひたすらまっすぐなキツネの足跡.
雪の上にカラコギカエデノの種子がぽつんと.
雪の上にカラコギカエデノの種子がぽつんと.
タヌキの足跡は指が5本で全体が丸っこい.
タヌキの足跡は指が5本で全体が丸っこい.
セッケイカワゲラの仲間.
セッケイカワゲラの仲間.
おたまじゃくしのような形のネズミの足跡.しっぽの跡がユーモラス!
おたまじゃくしのような形のネズミの足跡.しっぽの跡がユーモラス!みんなの視線の先には・・
みんなの視線の先には・・
タヌキが食べたヒヨドリの残骸.足跡だけでなく,食べ方で猛禽類ではなくほ乳類が食べたことがわかるそう.
タヌキが食べたヒヨドリの残骸.足跡だけでなく,食べ方で猛禽類ではなくほ乳類が食べたことがわかるそう.
雪の中は何をやっても楽しい!顔の型取り中.
雪の中は何をやっても楽しい!顔の型取り中.
自然再生地を行く.
自然再生地を行く.
氷の芸術作品を発見.
氷の芸術作品を発見.
水辺を歩き回っている様子がわかる,カモの足跡.
水辺を歩き回っている様子がわかる,カモの足跡.
トビケラのすみか.中は空でした.
トビケラのすみか.中は空でした.
自然再生事業について説明する白川学芸員.
自然再生事業について説明する白川学芸員.
ホオジロの足跡.ススキをついばみに歩いたことがわかる.
ホオジロの足跡.ススキをついばみに歩いたことがわかる.
この日はウソをじっくり観察できた.
この日はウソをじっくり観察できた.
2月の観察会でこんなに雪が少ないなんて・・
2月の観察会でこんなに雪が少ないなんて・・
最後のまとめを自然館前で.
最後のまとめを自然館前で.