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【イベント案内】サツキマス保全の試み(2)

  • 開催日時:2013年10月6日(日) 9:30
  • 集合場所:八幡高原センター
  • 講師:内藤順一
  • 準備:基本セット,長ぐつ
  • 定員数:30名
  • 参加費:
    • 一般=300円
    • 賛助会員=100円
    • 正会員・中学生以下=無料

農業堰直下に溜まっているサツキマス降湖型を捕まえて,上流へ運びます.近年,河川の連続性が重視されていますが,ヒトが遮断した堰はヒトが手助けをしてのぼらせてやる取組みです.9月28日に実施された「産卵床造り」により,多くの個体が繁殖できればと願うばかりです.

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【イベント案内】サツキマス保全の試み(1)産卵床作り

  • 開催日時:2013年9月28日(土) 9:30
  • 集合場所:八幡高原センター
  • 講師:内藤順一
  • 準備:基本セット,着替え,長ぐつ,雨具,軍手,タオル
  • 定員数:30名
  • 参加費:無料
  • 損保ジャパンの後援により実施します

北広島町八幡地区には聖湖からサツキマス降湖型が,10月上旬に還ってきます.しかし,集落には農業堰が多く,上流には行けません.そこで,溜まっている個体を採捕し,上流へ運んでやりますが(10月6日に予定),上流域は水量が少なく,水深が浅くなり,また,アオサギが狙っているために,なかなか産卵まで至らないのが現状です.今回,繁殖リスクを軽減させるために,産卵床を人力で整備します.2週間後,自分の作った産卵床にサツキマスが産卵するかもしれませんよ.川に入ります.濡れる場合がありますので,着替えをご用意ください.

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【イベント報告】サツキマス保全の試み

  • 開催日時:2012年10月8日(月) 9:30
  • 講師:内藤順一

 聖湖から八幡高原に遡上してくるサツキマスは,農業堰があるために上流部までたどり着くことができず,堰の直下に集中して産卵していました.しかし,産卵に適した場所は限られているため,先に遡上した個体が産んだ卵を,後から遡上してきた個体が産卵のために掘り起こす,という状態が生じていました.そこで研究会では,サツキマスを一旦捕獲し,堰の上流部に放流することで,産卵場所を分散させ,繁殖率を高める取り組みを続けています.今回で3回目となるこの取り組みに,9人が参加しました.
 現地に向かう前に,高原センターで内藤先生が長年にわたって蓄積されてきた研究成果について講義していただきました.特に,サツキマスの水中撮影のビデオ映像は,様々な産卵パターンが克明に映っており,参加者全員が画面に見入っていました.
 約1時間の講義の後は現地に移動し,いよいよ捕獲作業です.内藤先生と補助の田村さんが,刺し網を3本張り,網にかかったサツキマスを捕獲していきました.概ね捕獲ができたところで,一匹ずつ体長と体重を計測しました.この日はサツキマスのオス10匹,メス12匹に加え,アマゴのオス1匹も捕獲しました.
 捕獲した全てのサツキマスおよびアマゴは,2つのコンテナに入れて軽トラックに乗せました.間近でサツキマスを見ながら,オスとメスの違いや大きさ,重さなどが観察できました.オスの鼻が曲がっていることや,赤い婚姻色を示していることを間近に見ることができました.手早く観察した後は,上流部に運んで全ての個体を放流しました.
 放流の翌日から,内藤先生と田村さんは八幡に通って放流個体の様子を観察しているので,おそらく数日中には産卵の報を聞くことができるでしょう.サツキマスという1種の生態から,人の活動と自然との関係を見つめ,色々なことを考えさせられた観察会でした.

写真

サツキマスの産卵は迫力がある.
サツキマスの産卵は迫力がある.現地に行く前に,室内で内藤先生に講義をしていただいた.
現地に行く前に,室内で内藤先生に講義をしていただいた.講義の後,現地へ移動.
講義の後,現地へ移動.群れになって泳ぐ魚影が見える.
群れになって泳ぐ魚影が見える.網を張る内藤先生.
網を張る内藤先生.かかったサツキマスを,網から丁寧にはずす.
かかったサツキマスを,網から丁寧にはずす.たくさん採れた.
たくさん採れた.体長を計測.この個体はメス.
体長を計測.この個体はメス.体長の計測と体重の計量を流れ作業で行う.
体長の計測と体重の計量を流れ作業で行う.軽トラに積まれたサツキマスに見入る参加者たち.
軽トラに積まれたサツキマスに見入る参加者たち.大きな「たいたい」
大きな「たいたい」そぉっと放す.
そぉっと放す.参加してくれた地元の子ども達に放流してもらった.
参加してくれた地元の子ども達に放流してもらった.放流は,2箇所で行った.
放流は,2箇所で行った.川は浅いけれど,川底は砂礫なので,産卵場所は何カ所もある.ちゃんと産んでくれるよう,みんなで見守った.
川は浅いけれど,川底は砂礫なので,産卵場所は何カ所もある.ちゃんと産んでくれるよう,みんなで見守った.

【イベント報告】サツキマス保全の試み

  • 開催日時:2011年10月10日(月) 9:30
  • 講師:内藤順一

 秋風が気持ち良く吹く八幡高原で,サツキマスの保全活動を実施しました.八幡高原の柴木川には,高さ1メートルほどの堰があります.この堰が妨げとなり,登ってきたサツキマスは,堰のすぐ下で産卵しています.しかし,産卵に適した場所が限られているため,たくさんのサツキマスが登ってきても,後から来た個体が,先に産卵された卵を掘り返してしまうため,たくさんの卵が無駄になっていました.そこで研究会では,遡上してきたサツキマスを捕獲し,一部を堰の上に放流することで,産卵場所を分散させ,個体群を維持する取り組みをしています.
 講師は内藤順一先生,参加者は9名です.フィールドに出る前に,八幡高原センターでサツキマスの産卵生態について講義していただきました.内藤先生が長年にわたって蓄積されたデータや,ご自身で撮影された写真・ビデオを使ってのお話しは,臨場感があり,非常に興味深いものでした.特に産卵シーンの撮影は,産卵場所が分かっていることに加え,一日中待ち続ける必要があるため,とても根気の要る調査です.そんな,写真を見ただけではわからない苦労話も,講座の中で聞かせて頂きました.
 事前に学習をした後は,現地での観察と捕獲・放流の見学です.作業を始める前に,護岸から「そ〜っ」と覗いてみると,堰の下をサツキマスが行き来している様子が見えました.昨年,保全活動を実施したときよりも,個体数はすこし少ないようです.
 いよいよ捕獲の開始です.内藤先生と,協力者の田村さんが川の中に入って「刺し網」を設置していきます.水は冷たいはずですが,ウェットスーツの内藤先生は,あまり気にしていない様子で,時々潜って観察しながら魚を探していました.程なく,サツキマスがかかりはじめました.丁寧に網からはずし,一匹ずつ体調と体重を量っては,移送用のコンテナに移しました.オス2個体,メス4個体の合計6個体を捕獲することができました.
 サツキマスを放流するのは,少し上流です.ここは,昨年度の産卵実績がある場所であり,上流部へも移動できます.内藤先生が放流したサツキマスは,みんなの前を泳ぎ去っていきました.最後に,川についての意見や感想を言い合って,今年の保全作業を終了しました.[しらかわかつのぶ]

みなさんの印象に残った物

「オスがメスのマネをする」「サツキマスの産卵ビデオ見て祖先を残す為一生けん命な事」「上からしか見た事がなかった産卵期の魚を間近で見る事が出来た」「サツキマスさわれたこと.」

参加したみなさんの感想(抜粋)

「地道な調査,観察活動が重要であると思いました.」「内藤先生,高原の自然館の方,地元の方の協力によってサツキマスが沢山育つと良いと思います.」「また機会が有れば参加したい」「人の手をかして環境を守って行く大切さを知りました.」

写真

現地に行く前に,サツキマスについて学習.分類上の位置付けや繁殖生態を学んだ.
現地に行く前に,サツキマスについて学習.分類上の位置付けや繁殖生態を学んだ.水中で撮影された,貴重な写真.
水中で撮影された,貴重な写真.網を張る前に,そーっと覗き込むと,サツキマスがいた.
網を張る前に,そーっと覗き込むと,サツキマスがいた.当日はテレビの取材もやってきた.網を張るところをみんなで見学中.
当日はテレビの取材もやってきた.網を張るところをみんなで見学中.網を張っていく内藤先生と田村さん.
網を張っていく内藤先生と田村さん.サツキマスの遡上を阻む堰の直下で,水中観察をする内藤先生.
サツキマスの遡上を阻む堰の直下で,水中観察をする内藤先生.捕獲したサツキマスは,すべて体重と体長を計測した.
捕獲したサツキマスは,すべて体重と体長を計測した.捕獲したサツキマス.間近で体の模様などを見学できた.
捕獲したサツキマス.間近で体の模様などを見学できた.実際に手に持ってみて,重さを実感する.
実際に手に持ってみて,重さを実感する.堰の上流側に移動して,捕獲した6個体を放流した.
堰の上流側に移動して,捕獲した6個体を放流した.「しっかり産卵してくれよー」.
「しっかり産卵してくれよー」.最後に,質問や感想をお互いに言い合った.
最後に,質問や感想をお互いに言い合った.

【イベント報告】芸北の水辺のいきもの〜北広島町学術調査結果から〜

まだまだ雪の多い中,30名の参加者が文化ホールに集まってくださいました.内藤順一先生による水生生物の勉強会も3回目を迎え,今回は「芸北の水辺の生き物たち」と題し,多くの種類の水生動物の紹介から始まりました.スナヤツメ,ゴギ,サツキマス,アマゴなどの北広島町での分布域を地図で見ながら解説していただきました.またアカザ,イシドジョウ,アブラボテ(石鮒),カジカ,オヤニラミ,カワムツの写真を見ながら,北広島町の川には希少な魚が生息していることを実感しました.川だけでなく,湿地やため池にすむ生き物もいます.クサガメ,イシガメ.モ
リアオガエル,ヒキガエル,シュレーゲルアオガエル,そしてサンショウウオ類です.見たことある種類からそうではない種類まで,参加者は興味深く話を聞いていました.なかなか見ることのできないサンショウウオ類の卵のうの写真が映し出されたときには,びっくした様子もうかがえました.それから1986年に発見されて以来,内藤先生が調査や保全に関わってきたカワシンジュガイのお話も聞きました.最初は33個体だったものが,現在では約1,200個体ほどに増えているそうです.カワシンジュガイの繁殖に欠かせないアマゴとの相利共生の関係,そしてアブラボテとカワシンジュガイの片利共生の関係が,調査が進むうちに解明されたおかげで,芸北の川の多様性が守られています.内藤先生がお話しされた「当時の地元の方の生物に対する意識の高さが今につながっている」という言葉がとても印象的でした.さらに「命のうけわたしができないと,川からいきものがいなくなる」という言葉の重みがひしひしと伝わってきました.参加者からもたくさんの質問が飛び出し,現在でも「生物に対する意識」が高いことを感じました.
今回学んだことをしっかりと自分たちの財産にして,地元や愛着のある場所で,生き物の環境を見守りたいと感じた,生き物勉強会となりました.[こうのやよい]
「芸北の水辺の生き物たち」と題した勉強会の始まり.さて,どんな生き物が登場するのだろう?
「芸北の水辺の生き物たち」と題した勉強会の始まり.さて,どんな生き物が登場するのだろう?アブラボテはカワシンジュガイの貝の中に産卵する.産卵期のメスは長い産卵管を持っていることも教えていただいた.
アブラボテはカワシンジュガイの貝の中に産卵する.産卵期のメスは長い産卵管を持っていることも教えていただいた.2年前に行ったカワシンジュガイの保護活動も紹介された.
2年前に行ったカワシンジュガイの保護活動も紹介された.川にすむ色々な生き物の写真を見て.「これはみたことある!」「昔はようけおった」などと会場からも声があがった.
川にすむ色々な生き物の写真を見て.「これはみたことある!」「昔はようけおった」などと会場からも声があがった.内藤先生の著著である「太田川水族館」の紹介もあった.高原の自然館で絶賛発売中.
内藤先生の著著である「太田川水族館」の紹介もあった.高原の自然館で絶賛発売中.日本初のスナヤツメの繁殖行動を撮った写真も紹介.
日本初のスナヤツメの繁殖行動を撮った写真も紹介.内藤先生の熱心なお話に参加者は熱心に聞き入り,質問も多く飛びだした.
内藤先生の熱心なお話に参加者は熱心に聞き入り,質問も多く飛びだした.