今年は例年を比べて開花時期が遅くなっています。
お越しになられる方も「今年はまだカキツバタが咲いてないね」とおっしゃられていました。
写真の花はミツバツチグリです。
黄色い小さなかわいい花を咲かせます。
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5月の初めから自然館でお世話になっています。
まだまだ分からないことだらけですが、よろしくお願いします。
ありみつ

風は強く吹いていましたが雲はほとんどなく程良い気候の中,大佐スキー場の駐車場に16名が集合しました.車で登山口に移動し,「大潰山のスミレ」資料を配りました.今回の講師は暮町先生と佐久間先生です.簡単な説明を受けてから登山を開始しました.今年は開花時期が遅く,ツツジの花はあまり見られませんでしたが,佐久間先生によると,スミレを見るには丁度良いとのことでした.大潰山の入り口にはコシアブラやクロモジの木がありました.登り始めてすぐにチャルメルソウとコチャルメルソウを見つけ,葉の濃淡での見分け方を教えていただきました.しばらく登っていくとスミレを見つけました.葉や距を調べてみるとオオタチツボスミレやスミレサイシンだと分かりました.ヤマアカガエルも見つけることができました.まだ少し寒いせいか動きが鈍い感じがしました.中腹に差し掛かり,ミズナラとコナラが混生している付近では,タチツボスミレやシハイスミレが咲いていました.他にも,落ち葉の間から真っ白なギンリョウソウが姿を覗かせていました.また,キツツキが木を叩いている音を聞いたり,幹に穴を空けた跡を見つけました.炭焼きかまどの跡がある場所で,その当時の話を聞きながら,休憩をとりました,再び歩きだしてしばらくすると,不自然に枯れ葉が密集して残っている木がありました.佐久間先生によると,クマ棚と呼ばれ,クマが木に登り,そこで食事をした跡だと分かりました.また幹を見てみると.クマの爪痕も残っていました.山頂付近まで登っていくと,アケボノスミレを見つけることができました.他にも,数は少ないですが,ダイセンミツバツツジも咲いていました.山頂には正午ちょうどに着きました.登りきった私たちの周りをハシブトガラスが歓迎するかのように飛んでいました.下る道は日当たりが良いのか,登った道よりも多くツツジやスミレが咲いていました,しばらく下りていくとニオイタチツボスミレを見つけました.良い香りがするということなので,においをかいでみる人もいました.途中,キビタキと出会うことができました.しばらくの間近くの木に止まり,その姿を私たちに見せてくれました.ふもと付近まで下りると,前日に雨が降っていたせいか,道の所々に水が流れていました,その付近にはフモトスミレやニョイスミレ(ツボスミレ)が咲いていました.白く小さい花で非常に愛らしかったです.駐車場でまとめをしている途中で暮町先生が,日本に昔から咲いていた在来種と外来種のタンポポの違いについて話されました.今回の名目は植物の観察会でしたが,振り返ってみると植物だけでなく色んな動物の姿や痕跡などを見つけることが出来て,とても有意義な観察会となりました.[ありみつまさかず]
みなさんの印象に残った物
「花の名称。小さなものまでよく考えてある。」「スミレの種類が多く沢山見れた事。」「アケボノスミレが一番よい時でした。色んな種類のスミレがどれも観察できた」「スミレがこんなにかわいく思えたことはなかったです。」「スミレの花の種類の多さ、知らなかった。」「クマ棚の話、面白かったです。」「大きいミミズを見たこと。キビタキを見たこと。」「暮町先生達の雑談。」「佐久間先生と暮町先生のお話・説明がとても楽しくすばらしかったです。」「新しい木の名を知った.・ヤマウグイスカグラ・オオウラジロノキ(山ナシ)」
「山の空気がスバラシかった。」「先生方の説明を聞きながら大変楽しく歩けた事。
ツツジが咲くのが遅くてちょっと残念でしたが
スミレが沢山見れて楽しかったです。ありがとう。」「ツツジの開花が去年よりずいぶん遅い。」「天気が良く最高でした。」「初めての参加で、おっかなびっくりでしたが楽しく学習できました。」「アケボノスミレ、ニオイタチツボスミレ、などよくわかってよかったです。」「いろんな植物が見れてよかった。」「いつもながら途中でも会話がたのしく思う。」「とても楽しかったです。」
佐久間先生より今日の行程のお話.
ブナとイヌブナでは生息環境が違うと教えていただいた.
よく見ると花が咲いているコチャルメルソウ.
葉の裏が紫なのでシハイスミレ.葉を裏返して確かめてみる.
土の中から出始めていたギンリョウソウ.透き通るような色に驚いた.
葉っぱあてクイズ中.クリ,ミズナラ.コナラで出題もみなさん正解率高し!
ショウジョウバカマがどのように種をとばすのか,佐久間先生が解説中.
見上げるとクマ棚が.
小さくて可愛らしいフモトスミレ.
頂上では景色を楽しんだ.
お待ちかねのご飯.なんとコウダケだらけのお弁当を発見!
みんなで記念撮影.
昼食後,下山開始.
よい香りがするクロモジ.
黄色い模様がきれいなキビタキを見つけた.
たたずまいが美しいアケボノスミレ.
白い花が目立っていたムシカリ(オオカメノキ).
独特の樹皮で判明したヤマナラシ.
スキー場の駐車場に下山.おつかれさまでした〜.
在来と外来のタンポポを説明する暮町先生.
二年連続で山焼きが行われなかった雲月山ですが,山焼き後の春植物の観察会は予定通り開催されました.
天気はよいものの,強風が吹く中,17名の参加者が雲月山の駐車場に集合しました.今回の講師は,大竹先生と佐久間先生です.
最初に草原の成り立ちや,草原がなぜ大切なのか,といった内容を大竹先生からお話しいただき,次に佐久間先生からは「広島県における管理履歴の異なる半自然草原の比較」の資料をいただき,調査データをもとに,それぞれの草原の特長や植生のお話しをしていただきました.
雲月山が多様性に富んでいる貴重な場所だということを頭の片隅に入れて,登山を開始しました.
観察ポイントまでは,強風に注意しながら歩きました.ヤマヤナギの芽,オオバヤシャブシの花粉,トキワイカリソウの赤い葉,カラマツの芽吹き,アセビのつぼみなどをじっくり観察しました.登山道沿いに咲いていたショウジョウバカマが目を楽しませてくれました.
途中に見える景色の中では,たたら製鉄が行われていた跡や牛が放牧されている場所の牛道,山焼きを行っている場所とそうでない場所の違いを説明していただきながら歩きました.
参加者の中からも,15年前の山焼きの様子や50年前の草原の様子など,地元の方ならではの貴重なお話しを聞くことができました.
雲月山の頂上では,強風も弱まり気持ちのよいお弁当タイムをゆっくりと過ごしました.ここでも山菜の食べ方,マムシの捕まえ方など芸北ならではのお話しを聞かせてもらいました.
戻りは下の駐車場を目指して下山しました.昨年完成した登山道が一部雪のため崩れており,少しでも早い復旧が望まれます.
途中緑色が濃い場所があり,そこへいってみることにしました.エゾノギシギシ,コスズメノカタビラなど本来なら自生していない植物が多くありました.放牧された牛によって種子が運ばれ生育しているとのことでした.草原の管理をどうしていくか?ということを考えさせられる場所でもありました.
最後は道路を歩き,上の駐車場まで帰ります.ニオイタチツボスミレがひとつだけ咲いており,その姿を見ることができたのがとても嬉しかったです.
いつもの年より咲いている花が少なかったり,山焼き後の植物の姿をみることが出来ませんでしたが,草原の重要性を十分に感じ,冬から春への移ろう季節を楽しめた観察会でした.[こうのやよい]
「牛の休む場所が他と植物が違うことなど,初めて知りました.夏にしか来たことがなかったので,驚きました.」「牛が運んだ地元の植物群」「いろんな人の話を聞けてよかった.」「早春の花の観察,季節外れの残雪が印象的でした.」「車道を抜けて山に入ったときの寒さと風の強さ.まだまだ春には遠い感じがしたこと.」「アカマツとクロマツ」「地の人の話.」「牛のふんの中の様子.植生が大きくかわるのを知った.」「4/24にしては寒く,例年よりは2種間くらい遅れている.」
「説明がとても丁寧で,わかりやすかったです.地元の方の話が聞けてとてもよかったです.」「雲月の文化史が講師の方,地元の方の話で勉強になった.」「楽しいひとときをありがとうございました.」「好天に恵まれ.快適な観察会でした.」「寒く風が強かったですが,お弁当を食べる頃は大変気持ちよく観察会ができ,よいお話を地元の人,先生方に聞けてよかったです.」「たのしかった.」「先生方だけでなく,いろんな人の話が聞けるのでよかった.」「風が強かったけど,楽しかった.」「今年の雪の多さにおどろき.」
参加者がぞくぞく集合.やっぱり雲月山の観察会は人気度高し.
ヤマヤナギの説明をする佐久間先生.
旧芸北町の町章のマークを背中に岩倉山頂上をめざす.
山の中腹に残るたたら跡について説明する大竹先生.
過去の山焼きについて話す地元の参加者に皆耳をかたむける,
赤茶色のハート型がめだっていたトキワイカリソウの葉.
ショウジョウバカマを撮る少女.
小さいけれどマツムシソウの葉.今年の秋に花を咲かせる準備.
登山道沿いに可憐に咲くショウジョウバカマ.個体で色の違いがあるのがおもしろい.
キジムシロも花を咲かせていた.
島根県側には芽吹きのはじまったカラマツがあった.
濃い緑色の正体を確かめに,現地へ向かう.
雪で崩れてしまった登山道.
見たものを先生にすぐ聞くことができるのが,観察会の楽しいところ.
日当りがよい場所のためか,ひとつだけ咲いていたニオイタチツボスミレ.
谷筋にところどころある残雪.
雲月山を下る.帰り道が早いのはなぜだろう?
最後のまとめ.早春の草原を感じた観察会だった.
「夏休み企画」ということで,子ども限定の標本作り教室を開催しました.講師の佐久間先生は,普段から,お仕事でも自分の調査でも標本を作っている専門家です.今回は北広島町内外から6組9人の子どもさんと保護者の方たちが参加されました. はじめに,山麓庵で植物標本についての説明を聞きました.標本を作る目的や,どのように活用されるのかなど,実際に携わっている佐久間先生の話は,とても興味深いものでした.特に「標本にすれば100年でも保存できる」ということに,子ども達もびっくりしていたようです.実物の植物標本も見せて頂き,花や種が付いている方が良いこと,葉の裏側も見えるように工夫することなどを説明していただきました. 一通りの説明を聞いたら,いよいよ植物体の採取です.草本は根から掘り取ること,樹木は適当な大きさで枝を切り取ることなど,実演を見せてもらった後は,親子で力を合わせて標本を集めました.一人20種が目標です.大きな草本は腕の長さで折れば新聞に収まること,よけいな木の枝を切り落とす時には,枝の付き方が分かるように少し残して切り落とすことなど,ちょっとした工夫も守りながら採取しました. 採取ができたら,もう一度山麓庵に戻って,いよいよ標本を挟んでいきます.ただ挟むのではなく,新聞紙の破り方,置くときの新聞紙の向き,葉の広げ方など,細かい点にも注意しながら進めていきます.保護者の方に手伝ってもらいながら,みんな頑張っていました.大きな草がとくにたいへんそうでした.標本が出来上がったら,挟んだ標本の管理や台紙への張り方について説明があり,最後に先生から全員にラベル用紙が配られました.このラベル用紙は,先生が実際に使っているもので,参加者からは「カッコイイ」という声も上がっていました.それぞれの家で,きっと良い標本が出来上がったことでしょう.
山麓庵で説明をする佐久間先生.
実物の標本を持ってきてくださった.
初めて見る植物標本に,みんな興味津々.
並べると,植物標本はやっぱり美しい.
講義を受けたら,いよいよ植物採取.
採取のしかたをしっかり聞く.
草本は根から掘り取る.
長い標本は腕の長さで折る.
子どもの腕はまだ短いので,お母さんの腕を拝借.
半分にした新聞紙に挟んでいく.
大物は,みんなで力を合わせて.
完成したら,ダンボールで挟んで縛ってできあがり.
上手く挟めているかな・・・?