前日の雨がすっかり止み,秋晴れの観察会となりました.県境に近い駐車場に参加者33名が集合し,今回の講師,佐久間先生と和田先生からお話を聞きました.参加者の中には初めて雲月山に来られた方もあったようです.晴れ渡る空の下,一列になり観察しながらゆっくりと登ります.講師以外にも博識な方がたくさんおられて,興味深い話をたくさん聞きました.中でも印象的だったのは「山でうまいのはオケラにトトキ(ツリガネニンジン),里でうまいのはなす,かぼちゃ」という俚謡があると教えていただいたことです.オケラもツリガネニンジンも咲いており,食べられることがわかりびっくりしました.秋の七草もオミナエシ・ キキョウ・ハギ・オバナ(ススキ)・ナデシコと5種類登場しました.ススキなどの単子葉植物の根に寄生するオオナンバンギセル,他の植物からも栄養をとり自ら光合成もする半寄生植物のママコナやカナビキソウと,栄養の取り方に特長がある植物が目をひきました.また,出発前に佐久間先生から配られた地図を手にしながら歩くと,山焼きをしたところ,または全くしていないところ,島根県側と分けて見ると生えている植物たちが違うのがわかりました.全体的な印象としては,山焼きを始めてから草花が増えた,との声がありました.後半には牛も登場し,のんびりと草をはむ様子を見ると和みました.この牛たちは山の斜面に対して平行に歩くので,そのせいでくっきりと道がついていました.どんな植物でも食べるわけではなく,有毒成分を持つレンゲツツジやオキナグサなどは食べのこすそうです.和田先生はこの環境を「階段状植物群落の途中」だとお話しされました.最後に集合してまとめをし,今回の観察会で見た植物は50種類以上だということがわかりました.ススキの穂が風に揺れ,青空の下に秋の草花たちが咲き乱れる,楽しくて心地よい植物観察会となりました.
毎年晴れる雲月山の観察会.今年も晴れた〜!!
佐久間先生お手製の,山焼きをした区域・してない区域がわかる地図をいただいた.
とても暑い日だったため水分補給もこまめに・・.
子ども達に大人気のゴマダラカミキリムシ.
ホクチアザミの葉裏は綿毛をかぶり白色なのが特長.めくってたしかめた.
こちらがホクチアザミの花.
最初の休憩.広々とした景色に疲れも癒され,みなさん笑顔!
ススキの上にとまるトンボを観察.
一列に連なり歩く.写真を撮ったり,花に近づき観察したりと楽しみ方はイロイロ.
秋を代表するススキ.秋風に気持ちよさそうに揺れていた.
地理学者の方から雲月山の地形と昔さかんだった“たたら”についての説明.
和田先生から,雲月の植物や地形,山焼きの様子など多岐に渡るお話を聞いた.
今も昔もかわらず,ねこじゃらしは子どもにかかるとおもちゃに変身.
この日は晴れ渡り遠く日本海の波が見えた.
何かを発見.みんなで集まって観察.
みなさんのお目当てはこれ.キュウシュウコゴメグサ.
登山道わきでススキが優しく迎えてくれる.
ごはんつぶが2つついているように見えるママコナ.