ゴールデンウイークの真ん中,快晴の観察会は,6人のパーティーとコンパクトなものになりました.佐久間先生の観察会では恒例となった「植物の見分け方」,今回のテーマはスミレです.大潰山で見られるスミレのリーフレットを持って,登山口から主発しました.
登り初めてすぐに,オオタチツボスミレ,コタチツボスミレ,シハイスミレ,スミレサイシンと,次々にスミレが出てきました.それらを丁寧に観察していきますが,すぐには覚えられません.山を登りながら,とにかく見つけたスミレの名前を確認しながら進むうちに,少しずつ分かるようになっていきました.コチャルメルソウ,チャルメルソウ,マムシグサなど,形のおもしろい植物や,モモンガの食痕も確認できました.
道が急峻な中腹に差し掛かると,全く色が違うスミレが出てきました.確認するとアケボノスミレでした.また,ニオイタチツボスミレとフモトスミレも同じころに現れました.ニオイタチツボスミレは匂いがするというので,みんなで順番に嗅いでみましたが「匂った」という人と「分からない!」という人がいて,ワイワイ言いながら登りました.休憩を挟み,山頂にはお昼を少し過ぎたころに着きました.
山頂のツツジは全く開いていませんでしたが,腰掛けたまわりはアケボノスミレがたくさん咲いていました.独特の曙色と花びらの質感は,一度見たら忘れられないスミレです.山頂付近にはアケボノスミレ,ニオイタチツボスミレ,フモトスミレが多いようでした.まだ展葉していないカシワの林を抜けると,下りはとても急な道でした.まっすぐに下るので注意しながら下山しました.
スキー場が見える所まで降りてくると,ニョイスミレ(ツボスミレ)とタチツボスミレが見つかりました.これで,今回観察したスミレは9種類になりました.何気なく見過ごすのではなく,一つ一つを確認していくことで,なんだかスミレと仲良くなれたような気がしました.今回はスミレに注意しながら歩いたのですが,駐車場で観察したものをまとめてみると,ツクバネソウやエンレイソウ,ツツドリやトラツグミなど,色々なものを同時に見ていたことに気付きました.春の大潰山は,里山の要素が残る楽しい山でした.
資料を手に出発!
早速スミレが現れた.これは何だろう?
茎があるタチツボスミレの仲間で,距が白いのはオオタチツボスミレ.
林の中で目立つのはオオカメノキ.
足下には,カエデの実生がたくさんあった.まだ双葉が残っている.
テンナンショウも出たばかり.
こちらはタガネソウ.葉の幅が広いスゲの仲間.
エゾユズリハの雄株.これから雄しべが成熟する.
アケボノスミレがたくさん咲いていた.
ニオイタチツボスミレの匂いを嗅いでみる.
山頂が近づくと,登山道が少し急になった.
登りで見たツツジは,このコバノミツバツツジ一輪だけ.
リョウブとナツツバキはよく似ているが,枝の付き方で見分けることができる.
山頂では,アセビがまだ花を付けていた.
緑が鮮やかなカラマツの芽生え.
山頂で記念撮影.少し霞んでいたが,遠くの山も見えた.暑くも寒くもなく,登山日和.
草丈の低い山頂部を歩く.
山裾にも山頂付近にも見られたコタチツボスミレ.
ニオイタチツボスミレも群生していた.
カシワはまだ芽吹いていなかった.
小さな小さなフモトスミレ.
西側の山裾では,コバノミツバツツジが咲いていた.
最後に出てきたタチツボスミレ.
山裾で,本日最後のスミレ2種が登場.
よく群生するニョイスミレ.