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【イベント報告】カスミサンショウウオの産卵調査

  • 開催日時:2013年4月29日(月) 9:30
  • 講師:内藤順一

 毎年,霧ヶ谷湿原で行われているカスミサンショウウオの産卵調査に,9名の参加者が高原の自然館に集合しました.最初に館内で講師の内藤先生が,北広島町に生息するサンショウウオの種類や,今回調査するカスミサンショウウオの生態,これまでの調査見つかった卵塊の場所などを解説されました.卵塊の数を調べると,それを産みに来た親の数も分かり,産卵場所を記録することで湿原がどのように変化しているのかもわかるようになる,とカスミサンショウウオが湿原の指標を表すいきものであることもわかりました.解説の後は,調査に入ります.手順としては,水の流れがほとんどなく,少し深い水の溜まりを探すことから始めました.卵塊や成体を発見したら場所と数,卵塊なら中の胚の数と成長具合も調べて記録します.今回は2班に分かれて,霧ヶ谷湿原へ向かいました.私は内藤先生の班で,川の上流側を調査することになりました.調査する場所は,車道の近くのカンボクが立ち並ぶ周辺,川を渡った木道付近,そこから奥に進んだ山際の3箇所です.カンボクの周りでは見つけることができませんでしたが,木道付近と山際では卵塊を見つけることができました.どちらも卵塊を新しい場所で発見し,とくに山際に関しては「前回の調査ではここよりも木道に近い場所で卵塊が見つかり,ここでは見つからなかった,今回はその逆が起こっている.より適する場所が山際近くにできたのでそこで産卵するようになったのかもしれない」と内藤先生は話されました.カスミサンショウウオ以外にも色々なカエルの卵塊や成体を見つけることができ,卵塊の数や胚の成長具合を同様に記録していきました.変わらないように見えて,少しずつ変わっていく霧ヶ谷湿原を,文字通り肌で感じることのできた産卵調査となりました.[ありみつまさかず]

みなさんの印象に残った物

「カスミサンショウウオの親が見れたこと」「卵の中で幼生が育っていて,ちょうど生まれてきたのでおどろきました」「一番最初に卵塊を見つけたこと.あの「ムニョッ」とした感覚は忘れられないですね」「全員が卵塊を発見できた事.イバラの多さ」「落ち葉の小さな水たまりに,沢山卵?幼生が見つかったのでおどろきました.同じ所に数匹分のたまごがあるので,場所の好みが同じなんだなーと実感しました」「カスミさんしょうおをさわったこと」

参加したみなさんの感想(抜粋)

「探すのが楽しかったし,色んな生き物が見れて楽しかった」「普段は入れない所を歩いて貴重な体験でした.ありがとうございました.毎年の調査で,産卵場所が広がっていることがわかり,研究大切さを感じました.」「イバラに手こずりましたが,2時間,充実した時間が過ごせました.ありがとうございました」「今年は発生が早く,親個体が見れないと思ったが,親が見れてよかった」「イバラに刺されて痛かったです.貴重な体験ができて,とても楽しかったです」「おもしろかったからまたいきたい」

具体的に

自由記入

「また参加してみたいです」「調査は継続することが大切ですね.また来年も参加します!!お疲れ様でした.ありがとうございました」「次回も楽しみにしています」「とても楽しかったです.また,ちょうさをがんばってください」

写真

自然館内で座学中.カスミサンショウウオの個体毎の違いを写真で教えていただいた.
自然館内で座学中.カスミサンショウウオの個体毎の違いを写真で教えていただいた.調査開始.深すぎず浅すぎず,タカハヤなどがいないところを探す.
調査開始.深すぎず浅すぎず,タカハヤなどがいないところを探す.カスミサンショウウオの卵塊を発見!2対1組で産みつけられているのが特徴.
カスミサンショウウオの卵塊を発見!2対1組で産みつけられているのが特徴.地図を確認しながら,場所と胚の数,成長具合を記入する.
地図を確認しながら,場所と胚の数,成長具合を記入する.ここはどうだろう・・・?
ここはどうだろう・・・?アザミの中でじっとしていたアマガエル
アザミの中でじっとしていたアマガエル成体も見つかった.産卵してから移動したのか,同じ溜まりの中では卵塊が見つからなかった.
成体も見つかった.産卵してから移動したのか,同じ溜まりの中では卵塊が見つからなかった.胚の数を確認する.
胚の数を確認する.自然館に戻り,今回の調査で卵塊が確認された場所を報告し合った.
自然館に戻り,今回の調査で卵塊が確認された場所を報告し合った.

【イベント報告】ゴギの産卵の観察会

  • 開催日時:2012年11月11日(日) 9:30
  • 講師:内藤順一

 前日からの雨のなか,6名の参加者が大朝公民館に集合しました.うち2名は小学生の女の子です.夏休みにスケッチしたゴギのイラストを披露してくれました.実際川に潜った時に見かけたそうで,一瞬だったにもかかわらず,特長をよくとらえて描かれており,講師の内藤先生も絶讃のスケッチでした.
 ゴギは中国地方に生息するイワナの種類で日本の固有種です.一番大きな特長は,頭頂部に瞳大の白い斑点をもっていることです.生息地やゴギの発見,研究の経緯,名前の由来を,内藤先生が詳しく解説されました.
 またゴギは広島県では絶滅危惧Ⅰ類で,たいへん希少な種だそうです.
 ゴギが産卵する場所を産卵床といい,メスが川の底を掘って作ります.内藤先生が記録された産卵前後のゴギの行動も見せていただきました.長年観察されている内藤先生の視点での解説は,ゴギのメス・オスそれぞれの動きの特長が大変よくわかりました.例えば産卵前のメスは体をくの字にして腰をゆらすこと,オスがメスをつつき産卵を促す動きをすること,産卵後メスは30分〜1時間「舞」と呼ばれる行動をし,砂をかけて卵を守ることなどです.
 同じサケ科のサツキマスの産卵も見せていただきました.サツキマスは産卵後すぐ砂をかける行動が,ゴギと異なる点だそうです.そこには産卵環境の違いもあるとのことでした.
 「それぞれの種が工夫をして命のうけわたしをしているんだよ」という内藤先生の言葉が印象的でした.
 内藤先生が撮影したばかりの,大朝地域のゴギの映像も見せていただきました.特長は鼻やヒレが鮮やかなオレンジ色だそうです.
 ゴギの撮影のおまけで,これも絶滅危惧Ⅰ類のカワネズミが川底を横切るの映像もみせていただきました.
 座学が終わる頃,雨も弱まり現地へ向かうこととなりました.
 [こうのやよい]
 
 こどもたちも期待していた野生のゴギペアの姿を実際に目の当たりにでき,とてもうれしかったようです.実際に見てみると,白い斑紋だけでなく,黒点が意外に目立ったことが,印象に残りました.なんと言っても砂底の白を背景に,婚姻色の赤が一際きれいに映えていたのが印象的でした.短時間でしたが,メスが横になって産卵床を掘る姿も二度も見れ,興奮しました.[まつださとし]

みなさんの印象に残った物

「ゴギの色がとてもあざやかでおどろきました.」「ゴギの産卵行動と繁殖戦略」「ゴギの体の色がとてもきれいだったこと(2)」

参加したみなさんの感想(抜粋)

「また見たい」「とても貴重な体験でした.ありがとうございました.」「サケ科やイワナ全般のお話も聞け,全体像がよく分かりました.ゴギの不思議な生態がきれいな映像とともに説明を受け,とてもよく理解できました」「ゴギについてよく分かりました.ありがとうございました.」

写真

観察会開始前に,内藤先生にスケッチをみてもらう小学生.
観察会開始前に,内藤先生にスケッチをみてもらう小学生.夏休みに描いたスケッチをみせてもらった.細部まで描かれ,特長もつかめており,すごいスケッチ力!観察力にびっくり.
夏休みに描いたスケッチをみせてもらった.細部まで描かれ,特長もつかめており,すごいスケッチ力!観察力にびっくり.内藤先生からゴギの解説.江戸時代の書物「芸藩通史」には「呉岐」との表記があったらしい.
内藤先生からゴギの解説.江戸時代の書物「芸藩通史」には「呉岐」との表記があったらしい.全国的に見ると,ゴギの生息地はきわめて狭いことがわかった.
全国的に見ると,ゴギの生息地はきわめて狭いことがわかった.ゴギの特長は,頭頂に瞳大の白い斑点を有すること.学名にも反映されている.
ゴギの特長は,頭頂に瞳大の白い斑点を有すること.学名にも反映されている.ゴギの産卵の動画は何度見ても神秘的!命をつなぐ姿に感動した.
ゴギの産卵の動画は何度見ても神秘的!命をつなぐ姿に感動した.生息地の環境は,水深10〜20センチで,流れの淀むところ.
生息地の環境は,水深10〜20センチで,流れの淀むところ.現地にて.産卵床が見えた.
現地にて.産卵床が見えた.

【イベント報告】サツキマス保全の試み

  • 開催日時:2012年10月8日(月) 9:30
  • 講師:内藤順一

 聖湖から八幡高原に遡上してくるサツキマスは,農業堰があるために上流部までたどり着くことができず,堰の直下に集中して産卵していました.しかし,産卵に適した場所は限られているため,先に遡上した個体が産んだ卵を,後から遡上してきた個体が産卵のために掘り起こす,という状態が生じていました.そこで研究会では,サツキマスを一旦捕獲し,堰の上流部に放流することで,産卵場所を分散させ,繁殖率を高める取り組みを続けています.今回で3回目となるこの取り組みに,9人が参加しました.
 現地に向かう前に,高原センターで内藤先生が長年にわたって蓄積されてきた研究成果について講義していただきました.特に,サツキマスの水中撮影のビデオ映像は,様々な産卵パターンが克明に映っており,参加者全員が画面に見入っていました.
 約1時間の講義の後は現地に移動し,いよいよ捕獲作業です.内藤先生と補助の田村さんが,刺し網を3本張り,網にかかったサツキマスを捕獲していきました.概ね捕獲ができたところで,一匹ずつ体長と体重を計測しました.この日はサツキマスのオス10匹,メス12匹に加え,アマゴのオス1匹も捕獲しました.
 捕獲した全てのサツキマスおよびアマゴは,2つのコンテナに入れて軽トラックに乗せました.間近でサツキマスを見ながら,オスとメスの違いや大きさ,重さなどが観察できました.オスの鼻が曲がっていることや,赤い婚姻色を示していることを間近に見ることができました.手早く観察した後は,上流部に運んで全ての個体を放流しました.
 放流の翌日から,内藤先生と田村さんは八幡に通って放流個体の様子を観察しているので,おそらく数日中には産卵の報を聞くことができるでしょう.サツキマスという1種の生態から,人の活動と自然との関係を見つめ,色々なことを考えさせられた観察会でした.

写真

サツキマスの産卵は迫力がある.
サツキマスの産卵は迫力がある.現地に行く前に,室内で内藤先生に講義をしていただいた.
現地に行く前に,室内で内藤先生に講義をしていただいた.講義の後,現地へ移動.
講義の後,現地へ移動.群れになって泳ぐ魚影が見える.
群れになって泳ぐ魚影が見える.網を張る内藤先生.
網を張る内藤先生.かかったサツキマスを,網から丁寧にはずす.
かかったサツキマスを,網から丁寧にはずす.たくさん採れた.
たくさん採れた.体長を計測.この個体はメス.
体長を計測.この個体はメス.体長の計測と体重の計量を流れ作業で行う.
体長の計測と体重の計量を流れ作業で行う.軽トラに積まれたサツキマスに見入る参加者たち.
軽トラに積まれたサツキマスに見入る参加者たち.大きな「たいたい」
大きな「たいたい」そぉっと放す.
そぉっと放す.参加してくれた地元の子ども達に放流してもらった.
参加してくれた地元の子ども達に放流してもらった.放流は,2箇所で行った.
放流は,2箇所で行った.川は浅いけれど,川底は砂礫なので,産卵場所は何カ所もある.ちゃんと産んでくれるよう,みんなで見守った.
川は浅いけれど,川底は砂礫なので,産卵場所は何カ所もある.ちゃんと産んでくれるよう,みんなで見守った.

【イベント報告】可愛川の水生生物観察会

  • 開催日時:2012年8月5日(日) 13:00
  • 講師:内藤順一

 雲のおかげで日差しの弱まったお天気の中,25名の方が集まりました.まず千代田中央公民館で今回の講師である内藤先生の講義を聞きます.講義では可愛川に生息するオオサンショウウオを中心に,小型のサンショウウオの事も学びました.その中でサンショウウオの仲間は日本固有の種がたくさんあり,そのどれもが準絶滅危惧種などの貴重な生物である事を学びました.また,江戸時代末期の頃から海外では自国に持ち帰り,研究するほど貴重な存在であるという認識があったことには驚きました.生態や歴史を学んだ後は,実際に行われている調査がどのような方法であるかを聞きます.オオサンショウウオの生息を確認するマイクロチップの有無,全長や体重,胃の内容物にどんな物があるのかを調べるそうですが,胃の内容物を調べると,餌となる魚や虫だけでなく,白菜をほぼ丸ごと食べていたり,自らの脱皮片すら食べていたりと,すごい食欲に皆さん驚かれていました.
 講義終了後は観察場所である可愛川へ移動します.川の水は程よい冷たさでしたが,足を滑らせないように気をつけながら移動します.巣穴になりそうな場所を調べると,オオサンショウウオがいました!観察のために岸へ移動させます.同じ場所から7匹見つけることができました.発見した参加者は皆ほこらしそうな表情でした.オオサンショウウオ以外にも,イトモロコやムギツク,ヨシの中にはツチガエル,トノサマガエルがました.他にも,小さなサカマキガイやチチブ,スジエビなど.川に生息する生き物も確認できました.岸に戻ると,オオサンショウウオの目や鼻,足などを観察します.正面から見るオオサンショウウオの顔は迫力があり,時折口を開けて,少し暴れる様子には子どもも大人も少し驚いていました.
 最後に小さい個体にマイクロチップがついているかを確認します.今回は2匹のうち1匹が新たに発見された個体のようで,新しくマイクロチップを注射器で体に埋め込んだあと,オオサンショウウオを元の場所に戻しました.貴重な生きものだけでなく.身近にいる生きものも間近に見ることができて,思い出に残る有意義な観察会となりました.[はたもとやすひこ]
 ※写真記録や現地の観察を,奥山秀輝さんにお手伝いいただきました.ありがとうございました.

みなさんの印象に残った物

「実際にサンショウウオが見れたこと(4)」「今年もサンショウウオに会えて感動.初め見つからず,心配しました」「オオサンショウウオの大きさ」「最初なかなかみつからなかったが,オオサンショウウオが7匹も見つかってよかった」「オオサンショウウオを見たこと」「水温が高かったこと.一昨年と比べて,個体数が少なかったかな?」「オオサンショウウオの生息場所を見られたこと」

参加したみなさんの感想(抜粋)

「とても感動しました」「人間の2億3億年前より生きているオオサンショウウオ.絶滅を心配されるが人間の方が先かも!!...??」「子どもの頃はよく見ていたのでなつかしかったです」「なかなかみれないものを近くで見たりでき,とてもよかった.説明もわかりやすかったです」「オオサンショウウオが大きかった」「オオサンショウウオのにおいをかげて勉強になりました.手がとてもかわいかった」「オオサンショウウオがとてもかわいかった.(2)」「オオサンショウウオ以外の生きものも,たくさん調べたかった」「最初はなかなか見つからなかったけど,たくさん捕まえられてよかった」「大変楽しかった」

写真

まずは座学でサンショウウオの生態を学んだ.
まずは座学でサンショウウオの生態を学んだ.足を滑らせて転ばないように気をつけて.さぁ,探索開始!
足を滑らせて転ばないように気をつけて.さぁ,探索開始!ヨシの茂みに巣穴がないか探してみる.
ヨシの茂みに巣穴がないか探してみる.この日は大小あわせて7匹のオオサンショウウオを発見した.
この日は大小あわせて7匹のオオサンショウウオを発見した.小さなサカマキガイがいた.
小さなサカマキガイがいた.初めて見るオオサンショウウオをおそるおそる覗き込む.
初めて見るオオサンショウウオをおそるおそる覗き込む.オオサンショウウオの顔を正面から見る.大きな口が印象的.
オオサンショウウオの顔を正面から見る.大きな口が印象的.オオサンショウウオの上半身.顔は恐いけど,赤ちゃんの手のような前足はちょっとかわいい。
オオサンショウウオの上半身.顔は恐いけど,赤ちゃんの手のような前足はちょっとかわいい。大人も実物のオオサンショウウオを見てビックリ
大人も実物のオオサンショウウオを見てビックリマイクロチップの実物はとても小さい.
マイクロチップの実物はとても小さい.機械を使ってマイクロチップの有無を確認.新しい個体かな?
機械を使ってマイクロチップの有無を確認.新しい個体かな?調査が終わったら元の場所に返し,観察会は終了.
調査が終わったら元の場所に返し,観察会は終了.

【イベント報告】カワシンジュガイ探検隊

  • 開催日時:2012年7月29日(日) 9:30
  • 講師:内藤順一

 夏らしく晴れ上がった日に,子ども一人を含む6人でカワシンジュガイの観察を行いました.北広島町に棲息するカワシンジュガイは世界の分布南限に位置する個体群です.1986年に発見された時にはすでに絶滅の危機にありましたが,芸北町が天然記念物に指定し,環境庁も関わって保護増殖事業が進められたことで,2007年には約1,200個体が棲息していることが確認されました.現在もアマゴの放流や,工事の際には一時的に保護するなど,継続的に保護されているため,個体数は増加していると考えられています.今回の観察会では,既知の棲息地で観察を行った後,川の下流に移動して,まだ棲息が確認されていない場所で探索を行いました.もしもカワシンジュガイが見つかれば,カワシンジュガイの分布限界が,少しだけ南下することになります.
 カワシンジュガイを観察した棲息地は,護岸の工事が行われた場所ですが,水生生物が棲みやすいように流路内に土が残されています.カワシンジュガイの棲息密度も高く,簡単に見付けることができました.棲息地の水深や水の温度などを確認してから,いよいよ本流に向かいました.
 支流が流れ込むところから川に下りていきました.水際をガサガサと探ってみると,網にはタカハヤやドジョウに混じってアブラボテも入ってきます.アブラボテはカワシンジュガイに卵を託すので,カワシンジュガイの棲息が期待できます.潜ったり,箱メガネを使ったりして,調査を始めました.しかし,しばらく探しても,いくつかの殻が見つかったものの,生きている個体は見つかりませんでした.
 今回の調査で,棲息の確認はできませんでしたが,いくつかのことが分かりました.ひとつは,流れてくるカワシンジュガイの大きさが4cm〜5cmだということです.カワシンジュガイは自分で泳いだりできないので,上流に移動するのはアマゴに寄生している幼生時代に限られ,基本的には出水時に下流に流されることになります.この日に見つかった殻が4cm〜5cmだったということは,このサイズの個体が流されやすいということかもしれません.また,この日はオオサンショウウオの幼生が4個体見つかりました.まだ鰓のある幼生が見つかったということは,この流域で繁殖していることの証拠です.カワシンジュガイの生きている個体は見つからなかったものの,大きな収穫のある,充実した観察会になりました.[しらかわかつのぶ]
 ※写真記録や現地の観察を,奥山秀輝さんにお手伝いいただきました.ありがとうございました.

みなさんの印象に残った物

「滝山川本流でみつかったこと.オオサンショウウオの幼生が見つかったこと」「川真珠貝の実物をはじめて見ることができよかったです.オオサンショウウオの幼生に会えたのもよかったです」「川の中を歩き,その楽しさを発見したこと」

参加したみなさんの感想(抜粋)

「楽しかった.また行ってもらいたい」「とても楽しかったです」

写真

はじめに訪れた棲息地.
はじめに訪れた棲息地.白い壁は,改修されたところ.
白い壁は,改修されたところ.まずは箱メガネで観察.
まずは箱メガネで観察.すぐに,水底の大きなカワシンジュガイが見つかった.
すぐに,水底の大きなカワシンジュガイが見つかった.覗いてみると,石の間の砂地に体半分を埋めている.
覗いてみると,石の間の砂地に体半分を埋めている.手にとって,大きさや重さを実感.
手にとって,大きさや重さを実感.新たな棲息地を探して,本流に移動.
新たな棲息地を探して,本流に移動.ガサガサすると,アブラボテは見つかる.
ガサガサすると,アブラボテは見つかる.箱メガネでカワシンジュガイを探索中.
箱メガネでカワシンジュガイを探索中.そして時々魚とり.
そして時々魚とり.結局,殻だけが見つかった.
結局,殻だけが見つかった.見つかったからは,どれも同じくらいの大きさだった.
見つかったからは,どれも同じくらいの大きさだった.ガサガサの網に入ったオオサンショウウオの幼生.内藤先生が計測・記録をして,もとの場所に放流した.
ガサガサの網に入ったオオサンショウウオの幼生.内藤先生が計測・記録をして,もとの場所に放流した.