【研修報告】プロ編集者から学ぶ¨伝わる¨文章を書く7つのポイント

3月19日(土)に,「プロ編集者から学ぶ¨伝わる¨文章を書く7つのポイント」に参加したので報告します.NPO法人これからの学びネットワークの主催で,合同会社耕文舎代表である赤羽博之講師による,県民文化センターで開催されました.

この研修は、大きく分けて2部構成となっており,まず行われたのは,事前に提出していた150文字の課題文を,赤羽講師に添削してもらいながらコツを学んでいくという前半です.
伝わる文章は「スッと読める」「意味・内容がしっかりとわかる」.この2つが,同時に実現されているもので,書くためのポイントが7つあると教わりました.

1:「短く書く」 日本語は,結論が最後にくる言語.文が長いほど,相手に結論を伝えることが遅くなってしまい,分かりにくくなる.
2:「重複を省く」 言葉が重複すると物理的に文が長くなる.同じ文字が繰り返されると,くどい印象になり,スッと読めない文章に.
3:「具体的に書く」 特に数字や五感を使うことで,イメージが掴みやすくなるとか
4:「文末でリズムを生む」 同じ表現だけで文末を締めくくると,単調になり読み辛い.
5:「ポイントを絞る」 色々なことを書きすぎると,どれもが印象に残らず伝わらない.
6:「句読点は考えて打つ」 意味の切れ目で使い,読みやすくするのが役目である.
7:「客観視する」 自分が書いたものを推敲するには客観視が必要.音読やプリントアウト,時間をおいてからの読み返しが効果あり.

午前中にこの7つを学び,後半は自分が書いた150文字の課題文を80文字に書き直すという実習を行いました.重複やリズムなど,習ったことをいろいろと考えながら書き上げた文章は,なるほど,確かに最初の文章よりもシンプルで,理解しやすくなっています.分かりやすい文章とはこのようなものなのだと実感しました.
また,赤羽講師曰く「7つのポイントも重要だが,¨ことばの森¨というものも,文章を書くときには必要だ.この二つが合わさると,確実に文章力は上がる」ということです.
「ことばの森」とは?それは,日本語のボキャブラリーやフレーズのこと.日本語の中には,単語と単語がセットになっているものもあります.例えば「飛行機が運休する」ではなく「飛行機が欠航する」,「行きつけの病院」ではなく「かかりつけの病院」などです.フレーズごと覚えることにより,不自然な言い回しがなくなり読みやすい文章となると学びました.
ことばの森はすぐには育ちません.長期的にじっくりと身に付けるものだそうです.お勧めの方法は新聞のコラムを音読し,書き写すことだと教わりました.
文章は読んでもらうもの.相手は自分が書いた文章を「読みたい」とは思っていない.だから,簡潔に読んでもらえる文章を書くのが重要だというまとめで,確かにその通りだと実感です.
これからは少しでも多くの人に楽しんで読んでもらえるよう,今回学んだことをしっかりと心がけて書いていこうと思います.

この研修の成果はこちらです.

お題は「好きな食べ物」

150文字(研修前)
リンツのリンドールこそ,至上のチョコレート.まんまる球形の,カリッとした外殻チョコを噛み砕いた後に,中に入っていたとろりとしたチョコが,口内で優しく広がるのだ.二つの食感を楽しみながら味わう甘さも,また格別だ.味の種類は多いが,どの味も甘すぎない柔らかな味であり,何個でも食べたくなるチョコなのだ.

80文字(研修後)
至上のチョコレート,リンドール.まんまるカリリの外側と,柔らかトロリの中身が二重に楽しい.種類は多いが,どれも甘すぎず上品で,何個でも食べたいと思ってしまうのだ.

※「まんまるカリリ」「柔らかトロリ」のリズムがいい,愛情が伝わって来ると褒めて頂きました.


赤羽講師.文章はもちろん,喋りも一流でわかりやすい.


参加者は老若男女さまざまでした.


ひとつひとつ丁寧に,しっかりと教わる.


ときには周囲の人たちと,協力しあうグループワークも.