今回の観察会の場所は豊平町牛が首山.西中国自然史研究会では初めて観察する場所です.どんぐり村に集まった参加者は有志の自動車に分乗して登山口へ移動しました.講師は佐久間先生です.今回は特にツツジ科の植物に注目してみようということで,色刷りのわかりやすい資料をもとに説明がありました.ツツジ科の植物は漏斗型の花をもつ種がよく知られていますが,他につりがね型の花をもつ種もあることを教わって歩き始めました.登山道入り口付近は栗林が広がっています.クリの木には熊棚がありました.このあたりには熊棚が多いとのこと.明るい登山道を歩いていると白い花が目につきました.コバノガマズミとミヤマガマズミです.コバノガマズミの葉っぱはふわふわ.つい触ってしまいます.足下にはヒメハギです.萩のような紫の小さな花ですが,よく見ると凝った作りでかわいらしい花です.森の中に入ってしばらく歩くと,足下にはチゴユリ,ギンリョウソウ,シュンラン,ミヤマシキミが咲いています.ミヤマシキミは花と同時に赤い実もなっていました.一年かけて実が成熟するようです.ツツジの仲間は,まずカンサイスノキの花が目にとまりました.黄緑色に赤い線のはいったつりがね型の花が葉に隠れるようにして咲いています.スノキとは酸っぱい木のこと.葉をかむと納得します.他に赤紫色のダイセンミツバツツジが残り,朱色のヤマツツジも咲いていて,コバノミツバツツジもありました.つりがね型のウスギヨウラクの花は咲き残りの花が少し見られました.白い筒の先に桃色のそばかすがあります.尾根にはベニドウダンの花が咲いていました.朱色の丸い花が鈴なりになって垂れ下がっていました.お昼に山頂に着きました.北斜面にはブナ林があり下の方に広がっています.目の高さにはオトコヨウゾメの花が咲いています.林床に目をやるとオオイワカガミが花盛りです.つややかな丸い葉っぱと先の切れ込んだラッパ状の薄桃色の花がたくさんありました.帰り道ではキンランみつかり,大撮影会も行われました.最後に観察したものを分かち合い解散しました.ツツジの仲間を中心として,とてもたくさんの花をみせていただきました.
登山口まで車で移動し,最初にレクチャーを受けた.
登り始めてすぐのクリの木に,たくさんのクマ棚が見られた.
カンサイスノキ
ギンリョウソウ
ヤマツツジ
枝の先,わずかに出ている新芽から樹種の同定をする.
途中まで登って一休憩.ここから急な登りになる.
ミヤマシキミ.実ができつつあるが,花も残っていた.
バイカツツジはまだ蕾.
ダイセンミツバツツジの花.少しだけ,まだ残っていた.
ベニドウダンがよく咲いていた.
ベニドウダンの花.
ユズリハ.芸北で見られるエゾユズリハは低木だが,こちらは大きくなる.
山頂では,ブナがたくさんの実を付けていた.
キツツキの食事跡.
コバノガマズミ
駐車場所に戻って観察した種を再確認.
講師お手製の「ツツジリーフレット」が配布された.