少し曇り気味の空のもと,33名のみなさんが雲月山の駐車場に集合しました.この観察会は,翌日に行われた“はらっぱ談議”の関連行事だったため,県外からの参加者も多く集まりました.今回の講師は,和田先生,佐久間先生です.最初に雲月山の地図を見ながら,毎年の山焼きの状況や今日のコースなどの説明がありました.また,佐久間先生の調査によると,雲月山に生息する植物の種類は330種ということで,参加者のみなさんはその種類の多さに驚いていました.お話のあと,空模様を心配しつつ出発しました.秋の七草のうち,雲月山には6種生息しているということで,ハギ・クズ・オミナエシ・キキョウ・ススキ・カワラナデシコを見ることができました.登山道を登りながら,目に入る草花の名前を聞いたり,匂いをかいだりしました.和田先生は,「きれいに咲いている花だけでなく,草原をつくる植物にも目を向けて欲しい」とお話しされ,トダシバやオオアブラススキの紹介もありました.休憩をしながら,ゆっくりと歩き,ひとつひとつの植物をじっくりと観察しました.昔は葉の裏の綿毛を火口(ほくち)にしていたというハバヤマボクチや,ススキに寄生し,葉緑素を持たないオオナンバンギセルなど,草原ならではの花も楽しみました.また,山焼きが行われていない島根県側のササの丈が高かったり,火入れが行われた場所には花が増えていることに驚いたりと,山焼きの効果も目の当たりにしました.地元の参加者もいたため,次回の山焼きについての話題もでてきていたようです.車道に出て,白色のママコナや,釣り鐘型の花が可愛らしいサイヨウシャジンなどを観察し,参加者同士で感想を話したり,情報交換をしながら,駐車場に戻りました.まとめ時に佐久間先生より「観察会開始前は,雲月山に生息する植物は330種だったのですが,今日でまた増えました.」という,とてもうれしい報告がありました.毎年楽しみな雲月山の植物観察会ですが,今年も新たな植物に出会え,観察できたことに感謝しつつ帰路につきました.
はらっぱーも一緒に参加.
配られた地図を参考に,山焼きをした場所を確認.今回は2005年と2006年に焼いたところをぐるりと回るコースだった.
山上憶良の歌を思い出すことから始まり・・最初に見つけたのはハギの花.よい匂いがした.
オミナエシの匂いをかいでみる.どんな匂いかな??
一列になって登り始める.風が少し冷たく感じた.
カシワの葉を見て,カシワモチのお話.芸北ではカシワモチにはサルトリイバラの葉が使用され「まき」と呼ばれお盆に食べる風習がある.
ハバヤマボクチの葉を裏返して見る.白くてざらっとした感触だった.
こちらも葉裏が白いホクチアザミ.この葉を餅に入れると黄色いお餅になり,ウラジロモチと呼ばれていると参加者から教えてもらった.
オミナエシのお花畑.
休憩時間になにやら楽しそうな・・.何ができあがるんでしょう??
できあがったのは・・ススキバッタでした.
「ここから火入れをする山が3つ見えるんですよ」とぐるりと周りを見渡してみる.深入山・雲月山,この日は見えなかったけれど三瓶山.
「おぉーい」と皆を呼び戻して発見した花を順番に観察.
ススキの近くにひっそりと咲いていたオオナンバンギセル.
牛たちの姿が見える.のどかな風景.
白色のママコナ.
この日も和田先生のギャグが炸裂.新作も聞かせていただきました.
センブリの一年生.花が付く二年目の葉との違いに驚いた.
最後のまとめ.参加者より牛の放牧や,草原の昆虫について質問があがった.