自然観察会」カテゴリーアーカイブ

【イベント報告】夜のモリアオガエル観察会(豊平)

  • 開催日時:2011年6月10日(金) 19:00
  • 講師:内藤順一

 雨がしとしとと降っている夕暮れ時に,原東生活改善センターに11人が集合しました.今回の講師は内藤先生です.モリアオガエルは雨が降っている夜に産卵するので,観察するにはとても良い時だと仰りました.最初に,センター内で座学を行いました.その中で,モリアオガエルの特徴や生息域,他の緑色の体をしたカエルとの違いや見分け方などを教えていただきました.座学を終えて,外がすっかり夜の景色になった頃,観察場所の溜め池に向かいます.付近まで車で移動して,そこからは歩きとなりました.溜め池へと歩いている途中,いくつかのカエルの鳴き声が聞こえてきました.先生の解説で,ツチガエルやシュレーゲルアオガエル,ニホンアマガエルだということが解りました.溜め池に到着してすぐ,モリアオガエルが産卵している場面を観察することができました.水上に張り出した木の枝の先にいる出来ている,ソフトボールほどの大きさの泡の中に,1匹のメスに5匹のオスが抱きついていました.専制の解説によると,泡は,産卵巣と呼ばれるもので,カエルの体液や排泄物などで出来ており,その中に産卵をして,孵化するまで保護するためのものだということでした.溜め池のほとりを歩いていると,先ほどの産卵場所と同じような枝のあちこちに,モリアオガエルがたくさんとまっていました.先生の話では,これらは全てオスのカエルで,産卵をするためにやって来るメスのカエルを待っているとのことでした.最初に見た産卵場所に戻ってみると,先ほどはじっとしていたカエル達が盛んに足を動かしていました.産卵巣を大きくするために,足でかき混ぜているのだ.と先生は仰りました.雨の中の観察会でしたが,普段見ることができないモリアオガエルの産卵を見ることができて,参加された方達はとても晴れやかな表情をしていました.(ありみつまさかず)

みなさんの印象に残った物

「あちこちでじっと待っているモリアオガエル」「産卵のシーンが見られたことです.(2)」「モリアオガエルが可愛かった.」「無数のカエルを見れました.」「モリアオガエルの産卵(抱接)を実際に見られて,カエルに触れたこと.」「モリアオガエル.」

参加したみなさんの感想(抜粋)

「またイベントに参加します.(2)」「もう少し見たかったです.」「みなさんに助けていただき,子ども達と楽しい夜を過ごせました.特別な夜になって嬉しいです.ありがとうございました.」「これほどの良い会をもっとみんなに伝えればよかった.」「雨だから見られたと聞きました.」「多くの卵を見られてよかったです.」

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内藤先生がカエルについて解説中.
内藤先生がカエルについて解説中.溜め池のほとりにはモリアオガエルがいっぱい.
溜め池のほとりにはモリアオガエルがいっぱい.手に取ってじっくりと観察中.
手に取ってじっくりと観察中.身体に斑点模様のある個体も.
身体に斑点模様のある個体も.複数のカエルが塊になっているのを発見,期待が高まる.
複数のカエルが塊になっているのを発見,期待が高まる.モリアオガエルの産卵を見ることができた!
モリアオガエルの産卵を見ることができた!雨が降る中でも,笑顔が見られた.
雨が降る中でも,笑顔が見られた.

【イベント報告】ブナ林の野鳥観察会

  • 開催日時:2011年5月22日(日) 5:00
  • 講師:上野吉雄

 昨年に続き雨の中での野鳥観察会となりました.小学生5人を含めた19名のみなさんが,朝5時に雪霊水前に集合しました.まだ夜が明けず薄暗い中でしたが,キビタキの鳴き声から観察会が始まりました.講師は上野先生です.車道をゆっくりと歩きながら耳をすませ鳥声を聞き,近くにいそうなときは目をこらして姿を探しました.にぎやかにさえずるミゾサザイ,鳴き声の最後に「ジジッ」という低音が入るオオルリ,日本3大鳴鳥のひとつコルリ,「キョロンキョロン」と鳴き,他の鳥声のものまねが上手なクロツグミがいました.また,オシドリのペアも観察しました.オシドリといえば水辺の鳥なのに,なぜ山の中にいたかというと,大木のウロに営巣するためだそうです.姿をみたのはわずかな時間でしたが,とても貴重な瞬間でした.鳥だけでなく,モリアオガエルのメス,サワガニ,ダイセンニシキマイマイも見つけました.これらは鳥のえさとなるそうです.こういった多様性に富む環境があるため,様々な動植物が生息しているんだなぁと改めて感じました.ひととおり観察を終え,雪霊水前に戻りました.するとなじみのある「キョロロロロ・・」という鳴き声が聞こえてきました.アカショウビンです.しばらく静かに観察していると目の前の梢に止まり,アカショウビンが姿を見せてくれました.雨上がりのブナ林の中,くちばしと体の赤さがひときわ目立っていました.最後に参加者で鳥合わせをした結果,11種類の鳥を観察したことがわかりました.上野先生の詳しく熱心な解説のおかげで,鳥の鳴き声や特長をはじめ,生息環境やその大切さがわかった観察会となりました.[こうのやよい]
みなさんの印象に残った物

「アカショウビンの声を初めて聞きました.2羽姿も見えました.」「今季初,アカショウビンが近くでみえた.」「オシドリ,アカショウビン」「モリアオガエル」

参加したみなさんの感想(抜粋)

「さむかった.」「もう少し天気がよければ.」「鳥の種類が多くていい.」「雨だったのが残念.」「雨の中でも気持ちがよかった.」「鳥以外でもモリアオガエルやサワガニ,ブナの実生が観察できてよかったです.」「雨の中もまた良かった.」「小鳥の声のシャワーが美しかったですが.見えなかったのが残念.」「雨天でしたが声を楽しめました.」「つかれたけど,楽しかった.」「いろいろな鳥が見られてよかった.」

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雨と霧の中,観察会が始まった.
雨と霧の中,観察会が始まった.「みて!ダイセンニシキマイマイだよ!!」
「みて!ダイセンニシキマイマイだよ!!」ミソサザイを探して目をこらす.
ミソサザイを探して目をこらす.車道を横切っていたサワガニ.上野先生に雄雌の見分け方を教わった.
車道を横切っていたサワガニ.上野先生に雄雌の見分け方を教わった.寒さのためか動かなかったモリアオガエルをじっくりと観察.
寒さのためか動かなかったモリアオガエルをじっくりと観察.鮮やかなオレンジ色の樹液酵母をみつけた.かすかに甘い香りがした.
鮮やかなオレンジ色の樹液酵母をみつけた.かすかに甘い香りがした.小さな花がかわいいクロモジ.
小さな花がかわいいクロモジ.雨の中,浮かび上がるように咲いていたウスギヨウラク.
雨の中,浮かび上がるように咲いていたウスギヨウラク.大雪の影響で折れた木がたくさんあった.
大雪の影響で折れた木がたくさんあった.最後のまとめ.観察した鳥の名前を挙げていく.
最後のまとめ.観察した鳥の名前を挙げていく.姿を現してくれたアカショウビン!
姿を現してくれたアカショウビン!

【イベント報告】大潰山の春植物観察会

  • 開催日時:2011年5月14日(土) 9:30
  • 講師:暮町昌保・佐久間智子

 風は強く吹いていましたが雲はほとんどなく程良い気候の中,大佐スキー場の駐車場に16名が集合しました.車で登山口に移動し,「大潰山のスミレ」資料を配りました.今回の講師は暮町先生と佐久間先生です.簡単な説明を受けてから登山を開始しました.今年は開花時期が遅く,ツツジの花はあまり見られませんでしたが,佐久間先生によると,スミレを見るには丁度良いとのことでした.大潰山の入り口にはコシアブラやクロモジの木がありました.登り始めてすぐにチャルメルソウとコチャルメルソウを見つけ,葉の濃淡での見分け方を教えていただきました.しばらく登っていくとスミレを見つけました.葉や距を調べてみるとオオタチツボスミレやスミレサイシンだと分かりました.ヤマアカガエルも見つけることができました.まだ少し寒いせいか動きが鈍い感じがしました.中腹に差し掛かり,ミズナラとコナラが混生している付近では,タチツボスミレやシハイスミレが咲いていました.他にも,落ち葉の間から真っ白なギンリョウソウが姿を覗かせていました.また,キツツキが木を叩いている音を聞いたり,幹に穴を空けた跡を見つけました.炭焼きかまどの跡がある場所で,その当時の話を聞きながら,休憩をとりました,再び歩きだしてしばらくすると,不自然に枯れ葉が密集して残っている木がありました.佐久間先生によると,クマ棚と呼ばれ,クマが木に登り,そこで食事をした跡だと分かりました.また幹を見てみると.クマの爪痕も残っていました.山頂付近まで登っていくと,アケボノスミレを見つけることができました.他にも,数は少ないですが,ダイセンミツバツツジも咲いていました.山頂には正午ちょうどに着きました.登りきった私たちの周りをハシブトガラスが歓迎するかのように飛んでいました.下る道は日当たりが良いのか,登った道よりも多くツツジやスミレが咲いていました,しばらく下りていくとニオイタチツボスミレを見つけました.良い香りがするということなので,においをかいでみる人もいました.途中,キビタキと出会うことができました.しばらくの間近くの木に止まり,その姿を私たちに見せてくれました.ふもと付近まで下りると,前日に雨が降っていたせいか,道の所々に水が流れていました,その付近にはフモトスミレやニョイスミレ(ツボスミレ)が咲いていました.白く小さい花で非常に愛らしかったです.駐車場でまとめをしている途中で暮町先生が,日本に昔から咲いていた在来種と外来種のタンポポの違いについて話されました.今回の名目は植物の観察会でしたが,振り返ってみると植物だけでなく色んな動物の姿や痕跡などを見つけることが出来て,とても有意義な観察会となりました.[ありみつまさかず]
みなさんの印象に残った物

「花の名称。小さなものまでよく考えてある。」「スミレの種類が多く沢山見れた事。」「アケボノスミレが一番よい時でした。色んな種類のスミレがどれも観察できた」「スミレがこんなにかわいく思えたことはなかったです。」「スミレの花の種類の多さ、知らなかった。」「クマ棚の話、面白かったです。」「大きいミミズを見たこと。キビタキを見たこと。」「暮町先生達の雑談。」「佐久間先生と暮町先生のお話・説明がとても楽しくすばらしかったです。」「新しい木の名を知った.・ヤマウグイスカグラ・オオウラジロノキ(山ナシ)」

参加したみなさんの感想(抜粋)

「山の空気がスバラシかった。」「先生方の説明を聞きながら大変楽しく歩けた事。
ツツジが咲くのが遅くてちょっと残念でしたが
スミレが沢山見れて楽しかったです。ありがとう。」「ツツジの開花が去年よりずいぶん遅い。」「天気が良く最高でした。」「初めての参加で、おっかなびっくりでしたが楽しく学習できました。」「アケボノスミレ、ニオイタチツボスミレ、などよくわかってよかったです。」「いろんな植物が見れてよかった。」「いつもながら途中でも会話がたのしく思う。」「とても楽しかったです。」

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佐久間先生より今日の行程のお話.
佐久間先生より今日の行程のお話.ブナとイヌブナでは生息環境が違うと教えていただいた.
ブナとイヌブナでは生息環境が違うと教えていただいた.よく見ると花が咲いているコチャルメルソウ.
よく見ると花が咲いているコチャルメルソウ.葉の裏が紫なのでシハイスミレ.葉を裏返して確かめてみる.
葉の裏が紫なのでシハイスミレ.葉を裏返して確かめてみる.土の中から出始めていたギンリョウソウ.透き通るような色に驚いた.
土の中から出始めていたギンリョウソウ.透き通るような色に驚いた.葉っぱあてクイズ中.クリ,ミズナラ.コナラで出題もみなさん正解率高し!
葉っぱあてクイズ中.クリ,ミズナラ.コナラで出題もみなさん正解率高し!ショウジョウバカマがどのように種をとばすのか,佐久間先生が解説中.
ショウジョウバカマがどのように種をとばすのか,佐久間先生が解説中.見上げるとクマ棚が.
見上げるとクマ棚が.小さくて可愛らしいフモトスミレ.
小さくて可愛らしいフモトスミレ.頂上では景色を楽しんだ.
頂上では景色を楽しんだ.お待ちかねのご飯.なんとコウダケだらけのお弁当を発見!
お待ちかねのご飯.なんとコウダケだらけのお弁当を発見!みんなで記念撮影.
みんなで記念撮影.昼食後,下山開始.
昼食後,下山開始.よい香りがするクロモジ.
よい香りがするクロモジ.黄色い模様がきれいなキビタキを見つけた.
黄色い模様がきれいなキビタキを見つけた.たたずまいが美しいアケボノスミレ.
たたずまいが美しいアケボノスミレ.白い花が目立っていたムシカリ(オオカメノキ).
白い花が目立っていたムシカリ(オオカメノキ).独特の樹皮で判明したヤマナラシ.
独特の樹皮で判明したヤマナラシ.スキー場の駐車場に下山.おつかれさまでした〜.
スキー場の駐車場に下山.おつかれさまでした〜.在来と外来のタンポポを説明する暮町先生.
在来と外来のタンポポを説明する暮町先生.

【イベント報告】山焼き後の雲月山植物観察会

  • 開催日時:2011年4月24日(日) 9:30
  • 講師:大竹邦暁・佐久間智子

 二年連続で山焼きが行われなかった雲月山ですが,山焼き後の春植物の観察会は予定通り開催されました.
 天気はよいものの,強風が吹く中,17名の参加者が雲月山の駐車場に集合しました.今回の講師は,大竹先生と佐久間先生です.
 最初に草原の成り立ちや,草原がなぜ大切なのか,といった内容を大竹先生からお話しいただき,次に佐久間先生からは「広島県における管理履歴の異なる半自然草原の比較」の資料をいただき,調査データをもとに,それぞれの草原の特長や植生のお話しをしていただきました.
 雲月山が多様性に富んでいる貴重な場所だということを頭の片隅に入れて,登山を開始しました.
 観察ポイントまでは,強風に注意しながら歩きました.ヤマヤナギの芽,オオバヤシャブシの花粉,トキワイカリソウの赤い葉,カラマツの芽吹き,アセビのつぼみなどをじっくり観察しました.登山道沿いに咲いていたショウジョウバカマが目を楽しませてくれました.
 途中に見える景色の中では,たたら製鉄が行われていた跡や牛が放牧されている場所の牛道,山焼きを行っている場所とそうでない場所の違いを説明していただきながら歩きました.
 参加者の中からも,15年前の山焼きの様子や50年前の草原の様子など,地元の方ならではの貴重なお話しを聞くことができました.
 雲月山の頂上では,強風も弱まり気持ちのよいお弁当タイムをゆっくりと過ごしました.ここでも山菜の食べ方,マムシの捕まえ方など芸北ならではのお話しを聞かせてもらいました.
 戻りは下の駐車場を目指して下山しました.昨年完成した登山道が一部雪のため崩れており,少しでも早い復旧が望まれます.
 途中緑色が濃い場所があり,そこへいってみることにしました.エゾノギシギシ,コスズメノカタビラなど本来なら自生していない植物が多くありました.放牧された牛によって種子が運ばれ生育しているとのことでした.草原の管理をどうしていくか?ということを考えさせられる場所でもありました.
 最後は道路を歩き,上の駐車場まで帰ります.ニオイタチツボスミレがひとつだけ咲いており,その姿を見ることができたのがとても嬉しかったです.
 いつもの年より咲いている花が少なかったり,山焼き後の植物の姿をみることが出来ませんでしたが,草原の重要性を十分に感じ,冬から春への移ろう季節を楽しめた観察会でした.[こうのやよい]

みなさんの印象に残った物

「牛の休む場所が他と植物が違うことなど,初めて知りました.夏にしか来たことがなかったので,驚きました.」「牛が運んだ地元の植物群」「いろんな人の話を聞けてよかった.」「早春の花の観察,季節外れの残雪が印象的でした.」「車道を抜けて山に入ったときの寒さと風の強さ.まだまだ春には遠い感じがしたこと.」「アカマツとクロマツ」「地の人の話.」「牛のふんの中の様子.植生が大きくかわるのを知った.」「4/24にしては寒く,例年よりは2種間くらい遅れている.」

参加したみなさんの感想(抜粋)

「説明がとても丁寧で,わかりやすかったです.地元の方の話が聞けてとてもよかったです.」「雲月の文化史が講師の方,地元の方の話で勉強になった.」「楽しいひとときをありがとうございました.」「好天に恵まれ.快適な観察会でした.」「寒く風が強かったですが,お弁当を食べる頃は大変気持ちよく観察会ができ,よいお話を地元の人,先生方に聞けてよかったです.」「たのしかった.」「先生方だけでなく,いろんな人の話が聞けるのでよかった.」「風が強かったけど,楽しかった.」「今年の雪の多さにおどろき.」

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参加者がぞくぞく集合.やっぱり雲月山の観察会は人気度高し.
参加者がぞくぞく集合.やっぱり雲月山の観察会は人気度高し.ヤマヤナギの説明をする佐久間先生.
ヤマヤナギの説明をする佐久間先生.旧芸北町の町章のマークを背中に岩倉山頂上をめざす.
旧芸北町の町章のマークを背中に岩倉山頂上をめざす.山の中腹に残るたたら跡について説明する大竹先生.
山の中腹に残るたたら跡について説明する大竹先生.過去の山焼きについて話す地元の参加者に皆耳をかたむける,
過去の山焼きについて話す地元の参加者に皆耳をかたむける,赤茶色のハート型がめだっていたトキワイカリソウの葉.
赤茶色のハート型がめだっていたトキワイカリソウの葉.ショウジョウバカマを撮る少女.
ショウジョウバカマを撮る少女.小さいけれどマツムシソウの葉.今年の秋に花を咲かせる準備.
小さいけれどマツムシソウの葉.今年の秋に花を咲かせる準備.登山道沿いに可憐に咲くショウジョウバカマ.個体で色の違いがあるのがおもしろい.
登山道沿いに可憐に咲くショウジョウバカマ.個体で色の違いがあるのがおもしろい.キジムシロも花を咲かせていた.
キジムシロも花を咲かせていた.島根県側には芽吹きのはじまったカラマツがあった.
島根県側には芽吹きのはじまったカラマツがあった.濃い緑色の正体を確かめに,現地へ向かう.
濃い緑色の正体を確かめに,現地へ向かう.雪で崩れてしまった登山道.
雪で崩れてしまった登山道.見たものを先生にすぐ聞くことができるのが,観察会の楽しいところ.
見たものを先生にすぐ聞くことができるのが,観察会の楽しいところ.日当りがよい場所のためか,ひとつだけ咲いていたニオイタチツボスミレ.
日当りがよい場所のためか,ひとつだけ咲いていたニオイタチツボスミレ.谷筋にところどころある残雪.
谷筋にところどころある残雪.雲月山を下る.帰り道が早いのはなぜだろう?
雲月山を下る.帰り道が早いのはなぜだろう?最後のまとめ.早春の草原を感じた観察会だった.
最後のまとめ.早春の草原を感じた観察会だった.

【イベント報告】芸北の水辺のいきもの〜北広島町学術調査結果から〜

まだまだ雪の多い中,30名の参加者が文化ホールに集まってくださいました.内藤順一先生による水生生物の勉強会も3回目を迎え,今回は「芸北の水辺の生き物たち」と題し,多くの種類の水生動物の紹介から始まりました.スナヤツメ,ゴギ,サツキマス,アマゴなどの北広島町での分布域を地図で見ながら解説していただきました.またアカザ,イシドジョウ,アブラボテ(石鮒),カジカ,オヤニラミ,カワムツの写真を見ながら,北広島町の川には希少な魚が生息していることを実感しました.川だけでなく,湿地やため池にすむ生き物もいます.クサガメ,イシガメ.モ
リアオガエル,ヒキガエル,シュレーゲルアオガエル,そしてサンショウウオ類です.見たことある種類からそうではない種類まで,参加者は興味深く話を聞いていました.なかなか見ることのできないサンショウウオ類の卵のうの写真が映し出されたときには,びっくした様子もうかがえました.それから1986年に発見されて以来,内藤先生が調査や保全に関わってきたカワシンジュガイのお話も聞きました.最初は33個体だったものが,現在では約1,200個体ほどに増えているそうです.カワシンジュガイの繁殖に欠かせないアマゴとの相利共生の関係,そしてアブラボテとカワシンジュガイの片利共生の関係が,調査が進むうちに解明されたおかげで,芸北の川の多様性が守られています.内藤先生がお話しされた「当時の地元の方の生物に対する意識の高さが今につながっている」という言葉がとても印象的でした.さらに「命のうけわたしができないと,川からいきものがいなくなる」という言葉の重みがひしひしと伝わってきました.参加者からもたくさんの質問が飛び出し,現在でも「生物に対する意識」が高いことを感じました.
今回学んだことをしっかりと自分たちの財産にして,地元や愛着のある場所で,生き物の環境を見守りたいと感じた,生き物勉強会となりました.[こうのやよい]
「芸北の水辺の生き物たち」と題した勉強会の始まり.さて,どんな生き物が登場するのだろう?
「芸北の水辺の生き物たち」と題した勉強会の始まり.さて,どんな生き物が登場するのだろう?アブラボテはカワシンジュガイの貝の中に産卵する.産卵期のメスは長い産卵管を持っていることも教えていただいた.
アブラボテはカワシンジュガイの貝の中に産卵する.産卵期のメスは長い産卵管を持っていることも教えていただいた.2年前に行ったカワシンジュガイの保護活動も紹介された.
2年前に行ったカワシンジュガイの保護活動も紹介された.川にすむ色々な生き物の写真を見て.「これはみたことある!」「昔はようけおった」などと会場からも声があがった.
川にすむ色々な生き物の写真を見て.「これはみたことある!」「昔はようけおった」などと会場からも声があがった.内藤先生の著著である「太田川水族館」の紹介もあった.高原の自然館で絶賛発売中.
内藤先生の著著である「太田川水族館」の紹介もあった.高原の自然館で絶賛発売中.日本初のスナヤツメの繁殖行動を撮った写真も紹介.
日本初のスナヤツメの繁殖行動を撮った写真も紹介.内藤先生の熱心なお話に参加者は熱心に聞き入り,質問も多く飛びだした.
内藤先生の熱心なお話に参加者は熱心に聞き入り,質問も多く飛びだした.