芸北せどやま再生プロジェクト」カテゴリーアーカイブ

【速報!】「平成31年緑化推進運動功労者内閣総理大臣表彰」の受賞者決定について(2019.4.19)

このたび、西中国山地自然史研究会の「平成31年緑化推進運動功労者内閣総理大臣表彰」の受賞が決定しました。
この表彰は、緑化推進運動で顕著な功績のあった個人又は団体に対し、関係各省庁からの推薦に基づき、内閣総理大臣が表彰を行うものです。
西中国山地自然史研究会の長年の研究活動や保全活動が評価され、中でも保全事業のひとつとして、「芸北せどやま再生事業」 を展開していることが功績と認められました。
第13回「みどりの式典」(内閣府主催)が、平成31年4月26日(金曜日)に憲政記念館において開催され、この式典の中で、緑化推進運動功労者内閣総理大臣表彰が行われます。
なお、この式典には、天皇皇后両陛下の御臨席が予定されており、本会からも理事長をはじめ、理事・スタッフで出席します。

まずはご報告まで。

 

【報告】せどやま報告会2018@iegoto(2018.12.6)

2018年12月5日(水)に、 せどやま報告会2018@iegotoを開催しました。 告知期間が短いにもかかわらず、東広島や三次からと合わせて12名にご参加いただきました。 Iegoto(安芸高田市吉田)を訪れると、ちょうど薪ストーブ(Maki式薪ストーブ)に薪をくべているところでした。徐々に火がおきていく様を見ながら、会場の準備を進め、スタートの時間になるととっぷりと日が暮れ、心地よい空気に包まれました。 店主の 南澤 克彦 (Katsuhiko Minamizawa)さんから、iegotoのご紹介と報告会に期待することを述べていただき、スタートしました。 報告者4名の自己紹介のあと、参加者同士でガヤガヤタイムをもっていただき、まずは、芸北せどやま再生事業の発起人でもある 高原の自然館 白川 勝信学芸員より、事業の内容や成果をお話させていただきました。続いて、芸北小学校で「せどやま教室」をスタートさせた藤田一友先生より、教育場面での報告をいただきました。 どちらも写真や図を使った説明で、「なぜそれが必要なのか」「どんな効果があるのか」がとてもわかりやすく伝わったのではないかと思います。 参加者からの感想として、次のようなものがあげられました。 ・実施している現場での生の声が聞けて、すばらしい取り組みだとわかった。 ・子どもたちの自然体験の話題では、教育現場で感じているギャップを痛感した。 ・せどやま事業の現在は、どんな課題があるのか知りたい。報告のグラフの中で木材の搬出が減っていることが気になった ・地域みんなで取り組んでいることがいいなぁと思った。自分もできることからやってみたい。 iegotoの柔らかで暖かな雰囲気のおかげで、少人数での報告会にも関わらず、芸北せどやま再生事業の取り組みをしっかりお伝えできたように思います。 また、今回広島県省エネ活動推進補助金よりご支援いただきました。私たちの住む地域の環境をよりよくするから、地球温暖化防止への動きを高めていきたいと思います。

 

【活動報告】せどやま教室2回目@芸北小学校(2018.10.27)

2018年10月24日(水)に実施された芸北小学校5年生のせどやま教室について、報告します。

5年生にとって2回目の野外での実践でした。「安全に」「笑顔で」「750kg切り出す」ことを心 に、活動をしました。
前回は6年生と一緒に活動し、6年生が主導して動いていましたが、今回は5年生のみ。4班に分かれ て作戦を練ってきており、作戦がうまくいったところも、うまくいかなかったところもあったようで す。常に試行錯誤しながらの活動になりました。
活動は、20分を3クール。長さ1.8m、太さ6cm以上の丸太を作っていきます。のこぎりの使い方も前回より上達しており、今日確認したルールを守りながら安全にスピーディーに木を切ることができ ていました。しかし、切った丸太を運び出すのがなかなか大変!みんなで持って運んでみたり、ロー プを結んで引っ張ってみたり、ロープの位置を変えてみたり、細い木を下にひいて転がしてみた り・・・色々なアイデアが溢れていました。1クオーター目には、黙々とそれぞれがそれぞれのことをやっていましたが、3クオーター目には、「ロープをこうやって結んで運んだほうがいいよ!」 「そっち手伝うよ!」などの声かけが増え、班を越えて協力し合うような状況がたくさん出ていまし た。

ふりかえりでは、「丸太をトラックに載せる時に、細い丸太で橋を作ったところがよかった」「頑 張れ、いいよ、などの声かけができてよかった」「“手伝うよ”と言ってくれて他の班との協力ができた」など、子どもたちからよかった点や他の班に共有しておきたい気付きがたくさん出てきました。

最後にしらかわハカセから「なぜ芸北ではせどやま事業をしているのか」という話も聞き、せどや ま市場に丸太を運びました。計量してもらった結果、694kg!前回の繰越分を足し、せどやま券を4枚もらっていました。750kgという目標には届きませんでしたが、次回の活動で目標達成できるよう、また作戦を立ててくるのではないでしょうか。

次回で野外での実践活動は最後になります。今日、しらかわハカセやせどやま(せどやま事業のスタッフ)さん、保サポ(芸北小学校の保護者で構成されている見守り制度)から教えてもらったこと、そして子どもたちの気付きが活かせるといいですね。今日たくさん考えて、たくさんの気付きを持って帰った子どもたちが、どれだけ成長できるか楽しみです!

記録:インターン花村育海(ひろしま自然学校)

【活動報告】2017.11.29 視察レポート

2017年11月29日(水)に受け入れた,芸北せどやま再生事業の視察に同行したのでレポートします.
芸北せどやま事業の取り組みの全容の見学を希望され,三菱総合研究所や県の職員の合計6名の方が来芸されました.
昔は山から肥料,燃料,建築材など,たくさんの恩恵を受けて生活していました.しかし今では山の木を切ってもお金にならない.山からもらっていたものが化学肥料や石油など,外部から手に入るようになったなどの理由で,放置林が増えてきています.その結果山林を維持するために,税金やボランティアといった人材が山に費やされるという,過去とは反対の現象が起きています.
その現状を変えるため,個人でも木を出しやすい仕組みを構成し,切り出された木を地域通貨で買い取り,加工販売し,山を保全しながら地域経済も活性化させようという取り組みが,芸北せどやま再生事業です.この取り組みの設立の経緯や,体制などを,スタッフより説明しました.
未来を担う地域の小学生たちが,真剣にせどやま授業に取り組んでいる姿をうつした動画では,教育の場面でも事業が活用されていることに驚いていました.
前日,庄原市の「東城木の駅」を視察されていたとのことで,木の駅で取り扱う針葉樹と,せどやまの広葉樹との扱いの違いや,地域経済の変化,芸北支所による「薪活」の取り組みについてなど,様々な質問も出て活発な意見交換となりました.
実際にせどやまの薪が使われている現場にも見学に行きました.
原油ではなく,主に薪を使って温泉を沸かしている,芸北オークガーデンの薪ボイラーや,同施設内の薪ストーブも,熱心に見学していました.薪が燃えた後の灰はどうしているのかなどの質問がありました.
昼食には芸北オークガーデンの「せどやま定食」をいただき,ほかの視察先や事例などの話で盛り上がりました.
細やかなヒアリングの時間もあり,視察は終了しました.
今回の視察で,各地の共通する課題や,視察の整理が協議できました.

【参加報告】みんなで育む「森づくりシンポジウム」@広島市(2017.8.13)

2017年8月11日(金)に広島市が主催する「森と人と暮らしをつなぐ」をテーマとし、市民が森づくりに参加するきっかけとなるように、取り組みを紹介するみんなで育む「森づくりシンポジウム」に参加しましたので、報告します。
基調講演は、横浜で活動されている松村正治先生(恵泉女学園准教授・NPO法人よこはま里山研究所理事長)です。
広島県では初めてのご講演ということでした。
森づくりのこれまで・今・これからをご自身の団体で実践されていることや、横浜市などのデータを示して、わかりやすくご講演いただきました。
森づくりのヒントは、「自発性・公共性の大切さ」「ボランティアから仕事とくらしづくりへ志向変換していることを認める」「文化・自然を自分たちの手で取りもどす」という3つのまとめで締めくくられました。
これからの森づくりで、若者と一緒にできる活動のコツも、いくつか示されていたので、取り入れたいなぁと思いました。
また。広島県、島根県で活動されている4名の方からの事例紹介もありました。時間が少ないのが残念でしたが、芸北せどやま再生事業を紹介した芸北 高原の自然館の白川ハカセの発表では、「経済とは、使った金額以上の価値」であるとの示唆から、山や木、地域やしくみの「価値」について改めて考える機会となりました。
(有)一場木工所の寺河さんからは、森と人をつなぐ木材コーディネートの柔軟さや重要性がお話されました。ご自身が意識されている「正しいことをひろく知る」ということにもハッとさせられました。
事例発表者と参加者が「人材育成」「組織の維持」「他分野との連携」「安全管理」と4つのグループに分かれ、討論を通じて、気づきを共有する時間もありました。
全体コーディネーターである中越先生のまとめでは、対面でのスタンダードの確認と、頻繁に継続して会うことが必要とはなされました。また森づくりには夢をもってほしい、というひとことで、シンポジウムのプログラムは締めくくられました。
広島では森づくりが各地で行われています。
8月11日の山の日に、有意義な時間を過ごすことができました。
いただいた気づきを、私たちの団体でも実践していきたいと思います。