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【イベント報告】エコカフェ@芸北

お菓子を食べながら、和やかな雰囲気で北広島町で始まっている「楽しくて豊かな活動」のお話を聞き、身近な自然や環境について考えるエコカフェの第2回目が、芸北にて開催されました。
この会場の世話人は、「芸北トレッキングガイドの会」の足利和英さんです。
『トレッキングをガイドする』というタイトルで活動の事例が報告されました。
聞き手は、1回目の千代田会場に続き、広島大学の近藤俊明ハカセです。
みなさんお楽しみのお菓子・お茶は地元川小田のおかあさんグループ「いろどり」さんによる、「甘酒」「あられ」です。どちらも地元産のお米を使ったてづくりのもで、温かみのあるなつかしいおやつは大好評でした。
足利ガイドさんのジョークの混じったガイドの活動報告は笑いもあり、質問もあり、「このガイドを受けてみたいな!」というような内容でした。
芸北の自然を守るだけでなく、活用することで芸北の自然の大切さが周知され、またこの自然を守ろう、という意識づけにつながっているなぁと感じました。
事例ふたつめは、豊平両生爬虫類研究所の奥山秀輝さんから、「水田に学ぶ・食べる豊平小5年生」というテーマでお話しを聞きました。
収穫にまつわる作業だけでなく、水田のいきものを学ぶことで、その大切さや人間といきもの、環境のつながりといった生物多様性について知識を得て、ふるさとを愛する人材に育って欲しいというねらいもあり、学校・地域・家庭が一体となっている授業の紹介でした。
そこに込められた思いや、学習のねらいを聞き、会場のみなさんも真剣に聞きいっていました。
お米のネーミングやコマーシャルについてはもっと知りたい、という声もありました。
会場からは「うちの田んぼも調べて欲しい」「ひよせについて聞きたい」など、質問なども相次ぎました。
活動発表をした足利さん、奥山さんと、聞き手の近藤ハカセに加え、高原の自然館のしらかわハカセも登場した放談会も最後にありました。
ここでは各地域で活発な活動が継続され、よりよい取り組みになるような工夫や意気込みも語られ、今回のエコカフェ@芸北も閉店となりました。
会場に問いかけると、芸北地域の方が6割くらい。残り4割は千代田・大朝・豊平に加え、町外からの来場者も。
とても嬉しいことです。
次回は豊平会場でお待ちしています。

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【イベント報告】森里川海・流域全体から豊かな瀬戸内海を実現するためのシンポジウム

2月13日(土)に,広島の県民文化センターで開催された森里川海・流域全体から豊かな瀬戸内海を実現するためのシンポジウムに参加しましたので報告します.
最初に,海洋学者である上嶋先生による,瀬戸内海の島々の現状(無人島化や,過疎化など)についてのお話や,フランスで実際に行われている,離島観光事業,瀬戸内海でのエコツアーについてのお話がありました.
里山も,人の手入れがないとどんどん荒れていってしまいますが,島もそれと同じく,人が入らないと荒れてしまうそうです.しかし,瀬戸内海の島々の大半は,どんどん人口が減少していっており,島によっては,島の家屋の大半が空き家という島もあるということでした.
日本と同じく,離島のあるフランスでも人口の減少,無人島化の問題があるそうです.
しかし,そのフランスで行われている,無人島化を防ぐ面白いプロジェクトを紹介していただきました.
それは公募で離島に住む人を募集し,そこに住んでもらって,離島を宿泊のできる観光地にしてしまおうという取り組みでした.公募で決まった人は,小さな子供がいる若い夫婦.今では寛骨となった離島で,観光客に宿泊場所を提供し,畑でとれるオーガニックポテトを販売して生計を立てており,きちんと不自由なく暮らしていける収入も入ってきているとか.確かに,日本でもこのような取り組みがあると,離島に人の管理の手が入り,収入にもなり,雇用も生まれるという良い循環が生まれるのではないかと,感心しました.また,離島を過疎地に置き換えても,十分通用するのではないかと深く考えさせられました.
他,瀬戸内海ならではのエコツアーも興味を引くものでした.
第二部の事例紹介では,高原の自然館のしらかわハカセによる「芸北せどやま再生事業」を含め,瀬戸内周辺の森里川海で活躍される4名のお話を聞きました.
岡山県日生町のアマモ再生の取り組みが特に印象に残りました.数十年に渡って,日生町周辺のアマモを再生させている関係者や,地元の方々の努力に感銘を受けました.なかなか成果は見えなくても,続けていくことがとても大切なのだとも痛感しました.最近では,林業の人たちも協力して,アマモ再生事業を行っているそうです.
中山間地域である芸北で暮らしていると,身近な存在である「森」「里」「川」について考えることはあっても,あまり海のことは普段考えないような気がします.
今回のシンポジウムに参加して,改めて「森」は「海」と繋がっているということに気がつけました.


上嶋先生による,基調講演.色々と勉強になった.


高原の自然館のしらかわハカセの講演は,きいていて面白い!


会場は,たくさんの人たちであふれていた.


高梁川のお話は,川への愛情たっぷり.


日生のアマモ再生.長い年月をかけての取り組みに感銘を受ける.


広島県の,これからの瀬戸内海に対する姿勢もしっかりと聞く.


最後はパネルディスカッションで.森里川海は確かにつながっていると感じた.

【イベント報告】エコカフェ@千代田

お菓子を食べながら、和やかな雰囲気で北広島町で始まっている「楽しくて豊かな活動」のお話を聞き、身近な自然や環境について考えるエコカフェの第一回目が、千代田にて開催されました。

この会場の世話人は、「里山まなぶ会」の宮本良朗さんです。
『南方の里山に集う・遊ぶ』というタイトルで活動の事例を聞き、私たちにもできることを考えました。
聞き手は、広島大学の近藤俊明ハカセです。
そして、それぞれの作り手からお菓子・お茶の紹介。味わいのある和みたっぷりなおやつでした。

最初に宮本さんのお話を聞くと、とにかく「自分たちでやってみる」「仲間をどんどん集める」「楽しむ」と、できそうでできないことを、簡単そうに、そして心から楽しんで活動されている様子がうかがえました。
本格的な木の伐採もあれば、子供もお手伝いできるピザ作りなど、「里山のめぐみ」をあらゆる方向から手に入れています。
その様子を聞きながら、会場からも「竹のチップってどんなものかみて見たい!」「活動をお手伝いするにはどうしたらいいのか?」といった質問も飛び出しました。

続いて、芸北の取り組み「芸北トレッキングガイドの会」の紹介を、ガイドの足利さんがユニークな話術でお話くださいました。
ガイドするときのコツや、芸北ならではの自然の紹介、ガイドとしての夢など、芸北の自然資源をめいいっぱい使い、自らが楽しんで活動している様子がとてもよく伝わってきました。
「ササユリが咲かなくなったのはなぜか?」「人面石ってほんもの?」などこちらも会場から質問が出ました。

休憩をはさみ、最後に放談会です。
活動発表をした宮本さん、足利さん、聞き手の近藤ハカセに加え、高原の自然館のしらかわハカセが登場。
2つの活動について、「自分の地域にはないおもしろさ」「活動がうらやましいというより、一緒にやりたい」「里山を使った活動がそこここにひろがればいい」といった意見が出されました。

会場の参加者と、発表者の距離がぐっと近くなり、リラックスしながら、北広島町の自然やまちづくりについて意見が出し合えたように感じました。
また「草刈りが重労働」「米作りの担い手がいない」「獣害対策について」など、みなさんが日々課題に感じている事柄が浮かび上がりました。

自分たちができる範囲で楽しみながらアクティブに活動されている「里山まなぶ会」の方をお手本に、そして仲間に入れてもらいながら「楽しくて豊かな活動」にトライしていきたいと思います。
「また来たいね」「次は友達を誘ってこよう」「あーおもしろかった」といいながら帰られる参加者の方の声を聞くことができました。
次回は芸北会場でお待ちしています。

※里山まなぶ会の活動はこちら→よしろう農園 _MG_4551 _MG_4563 _MG_4570 _MG_4577 _MG_4581 _MG_4592 _MG_4632 _MG_4636 _MG_4668 _MG_4687 _MG_4696 _MG_4714 _MG_4720 _MG_4727 _MG_4728 IMG_8246

【研修報告】真庭市バイオマスツアー

12月22日に、岡山県の真庭市で開催された「森里川海シンポジウム in 真庭」に参加、午前中のバイオマスツアーにも参加しました。10時集合ということで、芸北を出たのは朝の6時過ぎという早朝でしたが、その価値があったツアーでした。
真庭市に着いたのは9時ぐらいで、インターを降りてから、材木屋や工務店をとても多く目にし、昔から木材で栄えてきている場所なのだと景色から実感しました。集合時間まで少し時間があるから、周囲を散策しようということになり、街並み保存地域を全員で見学しました。歴史を感じられる、綺麗な街並みにも感銘を受けましたが、それよりも印象に残ったのは、各家々の玄関にかけられている「のれん」でした。それぞれに個性があって、のれんだけを見ているだけでも貴重な時間となりました。
最初に、環境省から趣旨説明があり、その後真庭市のバイオマスを担当されている職員のお話を聞きました。
真庭市役所はバイオマス燃料(ピンチップとペレット)を使った冷暖房設備を採用しているそうです。実際に使っているというチップとペレットをも見学しました。他にもヒノキの微粉末や、それをを利用した、車の部品に採用されて、軽量化や燃費の向上にも役立っているというバイオマスプラスチックというものも見ました。良く見れば、確かに木の微粉末かな?というものが混ざっていました。このようにプラスチックに木の微粉末を混ぜ、軽量化させても強度には全く問題がないということも聞き、木の万能さに驚きを隠せません。
このように、バイオマス燃料やプラスチックに使われている木材の大部分は、以前は捨てていた木材の端材や樹皮、あるいは製品にならないからと、山にそのまま打ち捨てられていた不要だった木から作られていると聞きました。かつては不用品だったものの活用法を見つけ、価値をつけた部分は、規模は全く違うけども、間伐材や、杉などと違って木材としてあまり利用のない広葉樹を、薪や椎茸の原木などに加工している、せどやま事業と少し似たところがあるなと感じました。
いろいろとお話を聞いた後は、実際にバイオマス燃料が利用されている場所や、木からバイオマス燃料へと加工されている場所などの見学ツアー開始です。
最初に訪問したのは、真庭市役所です。市役所に到着した私たちを出迎えてくれたのは、木で作られた大きなモニュメントでした。樹齢100年近いヒノキもあるという真庭市。そのヒノキを加工して作られたものだそうで、9本ある柱は、大合併前の9町村を表しているそうで、それぞれの柱の元に「八束村」「中和村」などといった旧町名、旧村名の描かれた石板がありました。これには合併後に生まれた子供たちにも、自分たちの生まれた場所の、かつての町村の名前を知っておいて欲しいという意味があるそうで、ふるさとを大切に思うこの発想に関心させられました。
モニュメントを見学した後は、CLT(集合材)で日本初となる建造物のバス停や、市役所の冷暖房を支えているというチップボイラーとペレットボイラーの見学をしました。ボイラーが設置されているところは、イラストが描かれたガラス張りとなっており、イラストとガラス越しに見る装置とで、ボイラーによる空調装置の仕組みがとても簡単に理解することができました。市役所の中にも少し入らせていただき、空調装置が実際に稼働しているところも見学させてもらいました。上からではなく、足元から温めるという仕組みを取っており、女性には大好評だそうです。
市役所を見学し終わった後は、ちょうどお昼時。少し移動して、地元の食材をふんだんに使ったお弁当をいただきました。おいしいものばかりでしたが、ツアーがかなりぎりぎりの行程で開催されているため、30分で食べてくださいというお達しがあって、あまりじっくりと味わえなかったのが残念です。
午後に一番にいった場所は、材木を加工し、チップを生産する工場です。第一工場と第二工場があるそうですが、今は第二工場がメインで稼働中ということで、車などの安全面を考慮して、バスを降車し、現場見学をしたのは第一工場のみでした。ここで作られているチップはかつては製紙用のチップだったそうですが、針葉樹は油分で製紙工場から嫌われる傾向にあるそうで、今ではバイオマス発電施設の燃料とするチップのみを生産しているというお話でした。ちょうどチップを積みにトラックが来ており、トラックへどのようにチップを積むのか実際に見ることができました。
トラックなど車の交通が多く危険だということで、バスの中からの少しだけ第二工場を見学し、次に向かったのは、1日の発電量で、真庭市の1日の電気使用量を賄える量を発電できるという、バイオマス発電所でした。1日に使うチップの量は、なんとせどやま事業で扱われる1年分相当の木材の量=300tと同じ量!規模の大きさに驚きつつも、現場のガイドに、運ばれてきたチップの量り方や発電の仕組みなどをしっかりと教えていただきました。発電所内の見学中、チップを燃やしているところを、小さな覗き窓を通して見させていただいたのですが、燃えるチップのなんとも言えない美しさに思わず感嘆。チップを包み込みながら燃え盛る、オレンジ色の炎が本当に綺麗でした。床が、目では確認できないくらいの速度でゆっくりと動いているそうで、3つのチップ投入口から、できるだけ遠くへ飛ばされたチップが効率よく燃えるようにきちんと考えて作られているということも説明していただきました。
規模の大きさやチップと薪という違いはあれど、地元の木材が、燃料として加工され、それがきちんと仕組みとしてなりたち、地域に受け入れられているというところは、芸北のせどやま事業と似通っていると感じました。
この後、森里川海シンポジウム in 真庭も開催され、リレーフォーラムでも学びの多い1日となりました。体験したバイオマスツアーの意義やテクニックを、芸北せどやま再生事業でも活かしていきたいです。


様々なのれん。中にはこんな個性的なのれんも。


今回のツアーで使用した資料。ツアーで行く予定の場所の紹介もしっかり載ってあり便利。


バイオマス燃料に使われているピンチップ。

これがペレット。木の匂いがふわっと漂ってきた。


木粉を混ぜてあるというプラスチック。車の部品にも使われているそうだ。


真庭市役所の前には木のモニュメントが。木の杜だということが一目瞭然ですね。


市役所で使われている、チップボイラーとペレットボイラーも見学。ガラスのイラストでとてもわかりやすい。


これが市役所の暖房装置だそうだ。足元からだととてもよく温まりそう。


第一工場を見学。後ろにある大量の木のクズにみえるものは、すべてチップとなり、バイオマス発電所の燃料になるのだとか。


ちょうど、発電所にチップを運んでいくトラックがやってきた。


これがバイオマス発電所。迫力がすごい。1日で、真庭市の1日分のエネルギーをまかなえるほどの発電が出来るそうだ。


発電所のチップ置き場。ここからベルトコンベヤーで発電室に運ばれていく。そして次々とトラックに積まれて新しいチップもやってくる。


赤々と燃えるチップ。とても綺麗だった。


午後からのシンポジウムにはたくさんの人が出席。


シンポジウム後半のパネルディスカッションも、色々と勉強になりました。

【イベント報告】千町原 秋の草刈り2015(2015.11.23)

2015年11月23日.
今年で11回目の千町原の草刈りがやってきました.春の火入れがなくなり,防火帯づくりではなく低木を切ることが今回の目的となります.
いつもより少ない38名の参加となりましたが,行動力があるメンバーで,とても頼もしくあります.
高原の自然館のしらかわハカセから、目的や気をつける事項の確認があり,班に分かれ現地へ移動します.
機械班が草刈り・伐採を進める傍ら,作業班が切られた低木を集めます.
予想以上に天気がよくなり,晴天のもと気持ちよく作業が進みました.
機械を使う時,ひやっとした場面もあったので,気を引きしめ,対策の必要性も感じました.

昼までに低木の整理を終え,お楽しみの昼食です.
かりお茶屋のお母さんたちが作ってくれたはらっぱー米のおむずび,はらっぱー大根の煮物・豚汁と盛りだくさんです.このメニューには,千町原で刈り取られた草の堆肥を使って栽培された,はらっぱー米とはらっぱー大根も使われています.

力をつけた後は,千町原の草刈りでは初の試み,「茅かり」に挑戦です.
芸北中学校1年生の挑戦科の授業で,茅を集め,茅を販売する「茅金市場」の取り組みがはじまり,茅の活路が開けたのです.
※詳しくはこちら→芸北「茅金市場」2015
機械や鎌を使い,規格である180センチ以上のススキを刈ります.束にし,茅ぼうとうにしました.
わずか1時間の作業で,たくさんの茅を作ることができました.
これらが町内で茅葺されることを考えると,この11年間の歩みの最大の成果のように思います.

たくさんのボランティアさんと積み上げてきた時間を思うと,心から嬉しくてたまりません.
2015年の秋も,草刈りを無事終えることができました.当日参加した下さった方,また普段からこの活動を支えて下さっている方みなさんに感謝します.

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