おはようございます。
今日も高原の自然館開館しました。
新緑の八幡高原は晴れ間が出ていますが、風が強く、気温が低めなので、1枚余分に着込んで来られたら安心です。
霧ヶ谷湿原では、カスミサンショウウオの産卵調査の実施です。
高原の自然館内でも、カスミサンショウウオの生態展示および、パネル展示もございます。
入館料も無料ですので、ぜひおいでくださいね。
「活動報告」カテゴリーアーカイブ
【イベント報告】千町原春の保全活動(2016.4.16)
よく晴れた4月16日,山麓庵前に51名のボランティアが集合し,広島県北広島町芸北の草原.千町原の保全活動が行われました.
去年までは火入れをしていましたが,今年から手順を少し変え,火入れの代わりに,草原で目立ち始めた樹木の伐採作業をメインにし,伐採した木はレンタルしたチッパーでチップにするという作業を行いました.
山麓庵で受付を終えたあとは各班にわかれて整列し,今回の保全活動の意義や安全面について,白川ハカセからのお話を聞きます.さぁやるぞ!と意気込んだあと作業現場である千町原に移動しました.
各班に分かれて点呼をとったあと,怪我をしないように準備体操をし,保全作業の始まりです.
機械班はチェンソーや草刈機を各々持ち,樹木の並ぶ場所へと移動を開始.
樹木収集班も,チッパー作業班に,どのように樹木を集めて置いていたらよいかと説明を受け,それぞれの場所へと散っていきました.千町バラの風景を楽しんでもらうため,道路沿いのカンボクは,印を残して残しています.
エンジン音を周囲に響かせながら,勢い良くチップを吐き出していくチッパーの姿は,やはり参加者の注目を集めており,樹木を集めている間にも「やっぱりチッパーはすごいね」「あのチップどうするんじゃろ?」という声も上がっていました.
トゲのあるノイバラに邪魔をされつつも,参加者は黙々と作業をこなしていきます.途中あまりに熱中しすぎて,休憩の合図のホイッスルになかなか気付かない人もいましたが,ところどころで休憩も挟みつつ,確実に作業は進んでいきました.
お昼休憩に参加者を待っていたのは,かりお茶屋のお母さんたち特製,具沢山の豚汁と,たくさんのおむすびでした.付け合わせのお漬物も絶品で,中には「これ持って帰りたい!」という声も.
お腹いっぱいになった昼休憩後の作業は,眠たさや午前中の疲れで,ゆっくりになるかな?と内心思っていましたが,「昼食でエネルギー補給できた!」と,作業効率は落ちずに,着々と千町原は綺麗になっていきます.終了の声がかかってあたりを見回すと「おおー」と声が出るくらい,さっぱりした姿になっていました.
最後は作業をして樹木が少なくなった千町原をバックに記念撮影.疲れが見えつつも,素敵な笑顔の集合写真ができました.
これから,千町バラの管理として,少人数で定期的に草刈り作業するチームを作ること,チッパーやハンマーナイフモアの導入の検討も提案されています.草原の風景やいきものたちのすみかを取り戻そう!と始まった活動がこれからも安全に続いていくよう,NPO法人西中国山地自然史研究会では,しっかりと取り組みを支えたいと思います.
若い人たちも大健闘!
今回初のチッパー.参加者の視線は思わず釘付け
時には参加者同士で語らいも
お茶目なポーズで「はいチーズ♪」
道具の手入れも重要な作業の一つ
お昼ご飯.おむすびも豚汁も,お漬物も最高!!
千町原に魔女出現……!?
最後は綺麗になった千町原をバックに記念撮影.
掛け声は「はらっぱー!!」
【イベント報告】千年喫茶
2016年4月14日(木)に行われた千年喫茶についてレポートします.
今回のハカセは熊本,阿蘇の草原を研究されている高橋佳孝ハカセ.聞き手は広島大学近藤ハカセです.橅森喫茶から久しぶりのハカセ喫茶の開店です.
ハカセ喫茶のお楽しみの一つである,今回のお菓子は,金城のトルティーノさんのシュークリーム.ピオーネ,カスタード,イチジク,ブルーベリーの4種類からお好みで選んでいただきます.どの味も美味しそうで,中には「どれにしよう…」と迷う人たちも.皆さんにお菓子が行き渡り,お菓子やおしゃべりを楽しみながら,ハカセの話を聞くというハカセ喫茶独特の雰囲気が会場内を包みました.
まずは高橋ハカセから「千年喫茶」の意味を教えてもらいました.
阿蘇の草原は文章として記録に残っているだけでも,千年も昔から受け継がれてきている草原だから「千年喫茶」なんだとか.そのお話を聞いて,会場からは思わずどよめきがあがります.美味しそうにお菓子を食べていた人も,思わず口を止めて聴き入っていました.
芸北にも,阿蘇と同じような人の手によって保全が続けられている,雲月山や千町原といった草原が何箇所かにあります.高橋ハカセがときどき,芸北の草原のことも交えながらお話されるため,身近なことと感じられたのか,熱心にメモを取る参加者の姿もありました.
熊本県のトップである県知事が,阿蘇の草原保全を全面的にバックアップしているというお話では「どうして県知事が興味を持ってくれたのか」という質問も出て,参加者の保全活動への関心の高さが伺えます.
高橋ハカセのお話は,芸北の草原と重ねることも出来たため,大変分りやすかったようです.
最後に恒例の集合写真を撮って,今回のハカセ喫茶も閉店です.
いつか千年の草原を見に,阿蘇に遊びに行きたい.そう思えた千年喫茶喫茶でした.
久しぶりのハカセ喫茶,ただいま開店!
今回のお菓子はシュークリーム.どの味も美味しそう……
カフェも準備万端の体制です.
二人のハカセのやりとりも醍醐味の一つ.
日本の草原は人の手が入らないと,あっと言う間に森林化する.
とてもわかりやすい写真だった.
熱心にメモを取る参加者も.
シュークリーム美味しい!!やっぱりお菓子も楽しみ♪
熱心に聞き入る参加者.高橋ハカセのお話は,とてもわかりやすく面白かった.
最後はおきまりの集合写真で閉店.草原のお話ということで掛け声は「はらっぱー!!」
【研修報告】プロ編集者から学ぶ¨伝わる¨文章を書く7つのポイント
3月19日(土)に,「プロ編集者から学ぶ¨伝わる¨文章を書く7つのポイント」に参加したので報告します.NPO法人これからの学びネットワークの主催で,合同会社耕文舎代表である赤羽博之講師による,県民文化センターで開催されました.
この研修は、大きく分けて2部構成となっており,まず行われたのは,事前に提出していた150文字の課題文を,赤羽講師に添削してもらいながらコツを学んでいくという前半です.
伝わる文章は「スッと読める」「意味・内容がしっかりとわかる」.この2つが,同時に実現されているもので,書くためのポイントが7つあると教わりました.
1:「短く書く」 日本語は,結論が最後にくる言語.文が長いほど,相手に結論を伝えることが遅くなってしまい,分かりにくくなる.
2:「重複を省く」 言葉が重複すると物理的に文が長くなる.同じ文字が繰り返されると,くどい印象になり,スッと読めない文章に.
3:「具体的に書く」 特に数字や五感を使うことで,イメージが掴みやすくなるとか
4:「文末でリズムを生む」 同じ表現だけで文末を締めくくると,単調になり読み辛い.
5:「ポイントを絞る」 色々なことを書きすぎると,どれもが印象に残らず伝わらない.
6:「句読点は考えて打つ」 意味の切れ目で使い,読みやすくするのが役目である.
7:「客観視する」 自分が書いたものを推敲するには客観視が必要.音読やプリントアウト,時間をおいてからの読み返しが効果あり.
午前中にこの7つを学び,後半は自分が書いた150文字の課題文を80文字に書き直すという実習を行いました.重複やリズムなど,習ったことをいろいろと考えながら書き上げた文章は,なるほど,確かに最初の文章よりもシンプルで,理解しやすくなっています.分かりやすい文章とはこのようなものなのだと実感しました.
また,赤羽講師曰く「7つのポイントも重要だが,¨ことばの森¨というものも,文章を書くときには必要だ.この二つが合わさると,確実に文章力は上がる」ということです.
「ことばの森」とは?それは,日本語のボキャブラリーやフレーズのこと.日本語の中には,単語と単語がセットになっているものもあります.例えば「飛行機が運休する」ではなく「飛行機が欠航する」,「行きつけの病院」ではなく「かかりつけの病院」などです.フレーズごと覚えることにより,不自然な言い回しがなくなり読みやすい文章となると学びました.
ことばの森はすぐには育ちません.長期的にじっくりと身に付けるものだそうです.お勧めの方法は新聞のコラムを音読し,書き写すことだと教わりました.
文章は読んでもらうもの.相手は自分が書いた文章を「読みたい」とは思っていない.だから,簡潔に読んでもらえる文章を書くのが重要だというまとめで,確かにその通りだと実感です.
これからは少しでも多くの人に楽しんで読んでもらえるよう,今回学んだことをしっかりと心がけて書いていこうと思います.
この研修の成果はこちらです.
お題は「好きな食べ物」
150文字(研修前)
リンツのリンドールこそ,至上のチョコレート.まんまる球形の,カリッとした外殻チョコを噛み砕いた後に,中に入っていたとろりとしたチョコが,口内で優しく広がるのだ.二つの食感を楽しみながら味わう甘さも,また格別だ.味の種類は多いが,どの味も甘すぎない柔らかな味であり,何個でも食べたくなるチョコなのだ.
80文字(研修後)
至上のチョコレート,リンドール.まんまるカリリの外側と,柔らかトロリの中身が二重に楽しい.種類は多いが,どれも甘すぎず上品で,何個でも食べたいと思ってしまうのだ.
※「まんまるカリリ」「柔らかトロリ」のリズムがいい,愛情が伝わって来ると褒めて頂きました.
赤羽講師.文章はもちろん,喋りも一流でわかりやすい.
参加者は老若男女さまざまでした.
ひとつひとつ丁寧に,しっかりと教わる.
ときには周囲の人たちと,協力しあうグループワークも.
【活動報告】もりメイト倶楽部Hiroshima 定例会
2016年2月28日(土)に,広島市内で行われた,広島市内の里山保全をメインに活動されているNPO法人もりメイト倶楽部Hiroshimaの定例会に参加したので報告します.
高原の自然館白川ハカセが講演をするということもあり,西中国山地自然史研究会からも5名,定例会に参加しました.
まず最初にもりメイト倶楽部Hiroshimaの会長さんからの挨拶があり,続いて白川ハカセによる「芸北せどやま再生会議」についての講演がありました.
堅苦しくなく,気軽に聞いてもらおうと白川ハカセ考案の講演方法は「聞き手」との会話を使ったものでした.聞き手となったのは,もりメイト倶楽部Hiroshimaの原田さん.白川ハカセと原田さんとの絶妙なやりとりに,講演は終始和やかムードで進みました.白川ハカセの講演の導入部で,同じ机に座った人たちと互いに自己紹介という時間があったのですが,この自己紹介タイムのおかげで,会場の雰囲気が和やかになった部分もあるのではないかと思います.
講演中でも,会場内から白川ハカセに向けて質問があがったり,机をかこんでの議論があったりと,もりメイト倶楽部Hiroshimaの方々の里山や山林への情熱を感じました.
白川ハカセの講演が終わった後は,広島市の職員による,広島市の自伐林業に対する取り組みと支援についての説明がありました.広島市は来年度から,自伐林業を支援する企画があるそうで,今年度から,人材を育成するなど準備を着々と進めているそうです.こちらにも,もりメイト倶楽部Hiroshimaの皆さんからかなり突っ込んだ質問や意見もあり,森林の保全や活用に対する真剣さが伝わってきました.
講演を聞いたあと,意見交換会としてこれからの課題や展望を各テーブルで話し合い,代表者による発表もあり,こちらも様々な意見や不安などが飛び交い,再び盛り上がりました.
講演会が終わった後に,懇親会にも参加しました.「若い人が動かんといけんよ!」「言うだけじゃダメだ.なんでもいいから,若い人たちに行動してほしい」といった声がかけられ,これからの心理にゃ里山の整備,そして活用法について,改めて色々と考えさせられた日となりました.
利き手の原田さんと、白川ハカセ。
まずは白川ハカセの「芸北せどやま再生事業」の講演です。
続いては広島市の職員による、これからの自伐林業への支援と取り組みについてのお話が。
広島市の山を荒山にしないため、どのような取り組みが必要なのか。
講演が終わったとには、机を囲んでの意見交換会。どのテーブルでも熱い議論が。
西中国山地自然史研究会の、理事長近藤さんによる、一言感想も。
本当にいろいろと、改めて考えさせられるきっかけとなりました。