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芸北分校3年による芸北活性化プレゼン発表会レポート

2019年1月30日(水)に芸北文化ホールにて行われた、加計高校芸北分校の生徒たちによる、芸北活性化プレゼンテーション発表会に参加したので報告します。
プレゼンテーション発表には5つのグループが参加しました。

「ええもんあるけー来んさいやー」
芸北の名産品である果物を使った果物狩りで人を呼び込むだけではなく、果物カフェを作ることを提案。そのカフェのメニューを、SNSの「インスタグラム」に投稿してもらえるような「インスタ映え」するものにしようという、ネット社会と言われる現代の高校生ならではのアイデアでした。

「おじいちゃん・おばあちゃん天国」
芸北地域の人口は確実に減っており、特に若者や子供の減少が顕著だが、実はシルバー世代はそこまで変わっていないからこそ、「これからはおじいちゃん、おばあちゃんの時代。そしてそこからつながる福祉が地域活性化のベースになる」。裏付けのデータを示し、強い説得力がありました。また、独自のアンケート調査も行なっており、住民の感じている芸北の良さと不便さ、これからの芸北に求めることもよくわかるものとなっていました。

「Borrower Farmer〜借り暮らしの農家たち〜」
農家+シェアハウス+インターネットでの動画配信を組み合わせて、農家の担い手不足を補おうと考えるという、斬新なアイデアでした。古民家や空き家を利用したシェアハウスは男女共同暮らしが可能で、住民同士の恋愛も可能、お見合いの意義もある。という発言には、会場内から笑いも上がっていました。

「土地を活かしたツアープラン」
サバイバルゲームを組み合わせた芸北観光ツアーを提案するものでした。広島県内には、サバイバルゲームの舞台はいくつかあるが、全て屋内で屋外コースは一つもないそうです。芸北だと夏場のスキー場を利用して、広島県初のアウトドアのサバイバルゲームコースを作れるというメリットを説明し、どれくらいの費用がかかるかも具体的に示していました。用具や他に必要なものを考えると、全部で1,700万円ぐらい。高い費用に思えるが、屋内サバゲー会場を新しく作るためには2,000万円が必要だということ。それを考えれば300万円もお得!と、ポジティブ思考に持っていく手段は高校生とは思えないプレゼンの仕方でした。

「モテるMens アウトドア」
世の中の男性は「モテたい」という願望がある。アウトドアで活躍できる男はかっこいい。そして芸北にはアウトドアで遊べる場所がたくさんある!という、身近なところに着目したアイデアでした。
このようにターゲットを設定したプレゼンの内容は大変わかりやすく、説得力もあって興味を引きました。

5つのグループに分かれてのプレゼンテーションが行われた今回の発表会。
全体を聞いていて強く感じたことは、どのグループも「芸北の良さと不便さを理解していること」「地産地消を考えていること」「今あるものを最大限に利用すること」「芸北の暮らしを少しでも良くし、そこから地域活性につなげていくこと」「現代の高校生ならではの発想」「高校生とは思えないほどのリサーチ力と解析力」を持って、堂々とプレゼンテーションに挑んでいるということでした。
素晴らしいアイデアを発表してくれた芸北分校3年生。
このような若者たちがいてくれるということは、これだけで芸北の大きな財産ではないかと思います。
今回発表してくれたアイデアのいくつかが、数年後には具体的な形となって芸北を盛り上げてくれているのではないだろうか?と、地域の明るい未来が見えたような機会でした。


独自アンケート結果を使った円グラフ。


金銭面のメリットデメリットをシミュレーションで出していたグループもあった。


芸北は不便だけれど…


いいとこもたくさんあるよね。


みなさん、高校生とは思えないほどの堂々としたプレゼンテーションを行っていました。

【活動報告】芸北地域振興協議会視察研修@大崎上島町(2019.1.29)

1月28日(月)に芸北地域振興協議会の視察研修に同行させていただきました。 目的は大崎上島にある県立大崎海星高校を視察し、高校の魅力化を高めることで地域活性化を図ろう、というものです。 20代〜80代の32名の視察でにぎやかなものになりました。 視察全体を大崎上島町の総務企画課教育の島推進室職員がコーディネートしてくださいました。

最初は役場の会議室で、教育の島推進に関する取り組みと高校魅力化の取り組みを説明していただきました。ここではしくみや理念が紹介され、体制に関わる資金などが質問に上がりました。 昼食をはさみ、大崎海星高校におじゃましました。 校長先生をはじめ、コーディネーターや地域おこし協力隊の方が出迎えてくださり、説明のプレゼンテーションもとてもわかりやすく多くのヒントをいただきました。 高校3年間を通して学ぶ「大崎上島学」のつくり方として、「地域とつながる・小さくはじめる・学びの学校」を教えていただきました。
このハウツーやステップがとても興味深く、なるほどな、まねしたいな、まねできるかも!?というヒントが詰まっていました。先生のやりたいことと、地域のやりたいことを掛け合わせてアイデアをうみだし、小さなステップの積み上げで実現していくというものが非常に具体的でした。
自分軸を据え、産業や伝統を学び、課題解決策を身につけることのできる大崎上島学はネーミングもバツグンで、魅力的に映りました。

他にも、高校見学ツアーや地域おこし協力隊の起用、コーディネーターの存在、講演で高校の入学者のPRなど、実際にやっていることから見えてくる熱量や、やり方が参考になりました。
最後に視察した大崎上島学習交流センターの寮は、とても立派な建物でした。機能的であり県外者を呼び込むにはとても説得力のある施設でした。一番存在感があったのは、ハウスマスターです。地域おこし協力隊の業務の一端とのことですが、熱心に取り組む体制や意識の高さから、「教育の島」に懸ける姿勢が伝わってきました。
地域と学校、行政をつなぐ役割をコーディネーターや地域おこし協力隊が担い、理念をしっかりと共有していることが「生徒数の増加」や「地域への理解」を深めているように感じました。

視察を終え、バスの中では振り返りを行いました。
よかったところ、参考になったところ、芸北で活かしたいところ、感想などマイクが次々と回り、熱心な発言が続きました。
進行役によって
・目的と役割分担をしてみよう
・お金をかけるには限りがあるので、人材を活用しよう
・従来の縦割ではなく横のつながりをつくり、新しい発信にトライしよう
ということでまとめられました。
刺激的な視察のおかげで、新たな力がわいてきたように思います。
丁寧な視察対応をしていただいた大崎上島のみなさん、本当にありがとうございました。
芸北でのアクションをまた報告したいと思います。

【活動報告】NPO法人西中国山地自然史研究会でのアルバイト感想(2019.1.24)

11月より作業のお手伝いに来てくれていた芸北分校3年生の感想です。
地域の中で働くこと、NPOでの仕事を見てもらうことなどいろいろな狙いはありましたが、とてもきびきび働いてもらい、高校生とのつながりも増えたことが私たちの財産になりました。
短い期間でしたが、一緒に働くことができてよかったです。
感想をぜひ読んで下さいね!

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バイトは16時~18時までの放課後の時間でやっていましたが、自分はバスを18時30分まで待たなければいけない為、時間を有効活用できたと思いました。

バイトの内容は、火曜日にあるキャリア朝礼のアンケートの入力、報告書の作成や、その他プリント類の作成をしました。学校での「情報」の授業がとても役に立ちました。自分はワープロ検定や情報処理検定を取っていたので、プリント作成に関しては特に困ることもなく、スムーズに作業が進んだと思います。プリントのレイアウトなどは自分で考えて作っていくので、そこが難しかった点ではありますが、一度作ってしまえばあとは簡単でした。

キャリア朝礼のプリントを作っている時に、生徒のアンケートを見る機会があるので、いろいろな意見があってとても面白いです(笑)。また、自分は通院とキャリア朝礼の日が奇跡的にかぶることが続き、このプリントを作っているときに講師の話を理解することが多かったです。自分が出席していない時の話をまとめるのはかなり難しいですが、良い経験になりました。

芸北分校の3年生は、早い人は5月ごろに部活を引退する人もいるし、自分のように就職する生徒は8月に進路が確定します。加えて、自分はバスで18時30分まで学校で待たないといけないので、放課後のバイトは2時間ですが効率のいい働き方ができました。また、学校で決められているバイトの時間は17時までですが、このバイトのみ18時まで許可をいただいているので安心して働くことができました。

分校長先生と平井先生に感謝です!来年もこのバイトにくる後輩がいると思いますが、自分よりも完成度の高いプリントを作って欲しいと思います。
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【活動報告】キャリア朝会「教えてセンパイ」VOL7(2019.1.22)

西中国山地自然史研究会は、芸北分校生徒会活動の一端をサポートをさせていただいています。
1月22日(火)のキャリア朝会に同行しましたので、報告します。
今回のセンパイは異文化コンサルタント Nicole Watanabe(渡邉ニコル)さん(北広島町八幡在住)です。
ニコルさんは「大草原の小さな家」の舞台であるアメリカ合衆国中西部に位置するサウスダコタ州出身で、14歳の頃に京都にホームステイしたことがきっかけで、日本に興味を持ち、日本語や文化を学ぶために日本に留学されました。
現在はビジネスシーンで「その国での当たり前が別の国では通じないギャップ」を解消したり、アドバイスする「異文化コンサルタント」として、八幡を拠点に日本や海外の企業を顧客とした個人事業主としてお仕事をされています。
高校生の頃、日本語を身につけたかったこと、そのために努力した経験や心構えなどをエピソードを交え、とてもわかりやすいプレゼンテーションにて紹介くださいました。
高校生に勧める心の持ち方として
・本気で興味を持っている方向に進む
・人とは違う道を歩む勇気
・ハードワークを惜しまない
・励ましてくれる存在を頼る
ニコルさんが感じていることとして
・ユニークな経験は価値がある
・変化に強い柔軟性がある人材
・ハードワークを惜しまない
というメッセージを送ってくださいました。
ここでいう「ハードワーク」とは「がんばること」という意味の他に、「面倒がらず困難を乗り越えること」を指すそうです。
短い時間でしたが、情熱に満ちたキャリア朝会となりました。
次回は2月12日です。

【活動報告】キャリア朝会「教えてセンパイ」VOL6(2018.12.11)

西中国山地自然史研究会は、芸北分校生徒会活動の一端をサポートをさせていただいています。
12月11日(火)のキャリア朝会に同行しましたので、報告します。
今回のセンパイは太田川森林組合の 田丸光起さん(安芸太田町土居在住)です。
田丸さんは安佐南区出身で、東京農大を卒業したあと、東京チェンソーズで林業の最初の技術を学び、多摩での山守、小笠原諸島での特殊伐採など、様々な山仕事の経験を積まれ、「地元で林業をしたい」との思いを持ち、おばあちゃんの家がある安芸太田町に引っ越し、現在は太田川森林組合で林業に従事されています。
渋谷でアルバイトをしていたアウトドアメーカー「Patagonia」では、会社のポリシーに惹かれたことに加え、「都市部では林業がどのように捉えられているのだろう」と疑問を持ち、自ら異業種に飛び込み、新たなつながりを増やしたり、山の見方の変化があったそうです。
田丸さんのお話の中で「アイデンティティとは?」という問いかけがあり、3年生折本さんが「個性」と答えました。
「君たちのアイデンティティは芸北分校だよ」との呼びかけは、芸北分校に在籍する生徒全員が個性があり、独自の性質をもっているんだよ、というエールに聞こえました。
東京チェンソーズ時代に出版された本があり、その取材をしていた編集者からかけられた言葉を紹介していただきました。
「しっかりぶれなさい」
自らの20代を振り返っての言葉でもあり、とてもシンプルに響く表現でした。
様々な経験の中でつながりをつくり大切にすることが自分を支え、誇れるものになる、という田丸さんの経験からのアドバイスは、高校生にどのように伝わったでしょうか。
最後に「森の中でまっています」という言葉で締めくくられました。
今年度のキャリア朝会は今回で終了しました。
また、来年度も引き続きお手伝いできるよう、すすめていきます。