投稿者「スタッフ」のアーカイブ

広島県生物多様性人材育成講座 第六回目〜広島県の地形と地質〜

10月9日(木)に実施された講座について、レポートします。

北広島町生物多様性専門委員であり、日本地質学会や日本火山学会などに所属されている河原富夫先生が、今回の講師です。広島県域で長年フィールド調査を続けておられる専門家の河原先生から、私たちの暮らしの風土を作っている地形や地質環境について講義いただきました。
まずは地球の歴史・年代の区分の解説がありました。続いて日本列島の地体構造のお話では、断層や特徴など、資料を見ながら紹介がありました。日本地図を見ながら、断層が多いところ、少ないところがあるように見えましたが、「研究者が少ないから解明できていない場所もある」ということも聞きました。
広島県域の地質になると、受講生も身近な話題となり、所々で質問も飛び出していました。
休憩時間を使って、先生が集めた岩石に触れさせていただきました。
広島県に多い花崗岩や流紋岩にも様々な種類があることや、石によっては「磁鉄鉱」が含まれており、それを先生のお手製の道具で確かめたりしました。
その後、北広島町の地質にも触れていただき、豊平では「残丘」というめずらしい地形があったり、苅尾山や雲月山で見る岩は高田流紋岩であることも教えていただき、受講生からは「ガイド時に実践で役立つ知識だ」との感想もありました。
また先生は最近頻発している土石流や火山噴火など自然災害にも触れられ、地形や地質を知る事は、防災の面でも重要な事だと感じました。
受講生からは「早速近所の地形や地質、断層を考えながら歩いてみたい」「遠くの地形を見る目を持とうと思った」という意見もあり、「現地講義も受けてみたい」という要望もありました。
私たちいきものがすむ環境の基盤である地形や地質を理解し、大きな視点を持って暮らしを続けることの大切さを感じた講座となりました。

地形と地質について、どんなお話が聞けるのか期待が高まる受講生

地形と地質について、どんなお話が聞けるのか期待が高まる受講生

広島県の地質図。地質で色分けされ、断層も書き込まれている。

広島県の地質図。地質で色分けされ、断層も書き込まれている。

磁鉄鉱が含まれているかどうか、実験中。

磁鉄鉱が含まれているかどうか、実験中。

受講生も岩石類を手にとって間近で観察。

受講生も岩石類を手にとって間近で観察。

先生は先の土石流災害の現地にも足を運ばれたそう。

先生は先の土石流災害の現地にも足を運ばれたそう。

広島県生物多様性人材育成講座 第五回目〜霧ヶ谷湿原 秋のいきもの観察会【野外講習】〜

9月27日(土)に実施された講座について、レポートします。
第五回目は野外講座として、「霧ヶ谷湿原 秋のいきもの観察会」に同行し、講師の知識や技術をフィールドで学びました。今回の受講生は4名です。

高原の自然館から霧ヶ谷湿原まで歩く中で、見つけた生き物を観察します。 第二回と講座と同じく講師は生き物の専門家です。2班に分かれ出発しました。
今回は「危険ないきもの」の紹介がしっかりとありました。時期柄スズメバチの活動も気になります。どのように注意するかを含め、参加者全員で「スズメバチ・クマ・マムシに加えてウルシに注意しよう」ということを共有しました。
霧ヶ谷湿原の下流から歩きました。子ども達は動いているいきものが気になります。一方大人は、種名や名前の由来、環境との関わりなどの話に聞き入っています。
対象が子どもから大人までと幅広いので、講師は様々な工夫を凝らして、観察会を盛り上げてくださいました。
例えば、クイズにして答えを探したり、「おっ!」という声をあげることで、子ども達の注意をひきつけ、より深く観察をするようにしむけていました。
また「笑顔で解説する」ことで、親しみやすさや、とけこみやすさを作り出していました。
前回課題だった一列になってしまい声が聞こえにくくなる木道では、マイクの音量を大きくするといった工夫もされたようです。
専門家の講師ならではの、最近の研究状況や、植物と昆虫の密な関係、同定する時のポイントなどをわかりやすく示してくださったり、実際に触れたり匂いをかいだりすることで、よりいっそういきものが身近になり、学びが多くなりました。
受講生からは、「帰宅してからのケアの仕方」「参加者にいきものをみつけてもらう工夫」「目線を途中で変える事」が参考になった、との声がありました。
グループ分けやまとめの仕方といった課題も出ましたが、安全で参加者が楽しく知識を身につける機会になりました。
ハリガネムシ・ヤマナメクジ・エンマコオロギ・ノシメトンボ・オオカマキリ・オオヘリカメムシ、タンナトリカブト・アケボノソウ・ツリフネソウ・イズモアザミ・アブラガヤ・マアザミなどたくさんのいきものを観察しました。

カメムシの匂いを体験中。青りんごの匂いがするってホント??

カメムシの匂いを体験中。青りんごの匂いがするってホント??

サラシナショウマの花の香りは格別!

サラシナショウマの花の香りは格別!

じっくり見て自分で発見することも大切。

じっくり見て自分で発見することも大切。

ヤマアカガエルの特長はどこだだろう?

ヤマアカガエルの特長はどこだだろう?

受講生と講師で振り返りを行なった。

受講生と講師で振り返りを行なった。

中学生職場体験受け入れ

芸北中学校から、高原の自然館に職場体験にきてくれました。 その様子をレポートします。 「いきものが好き」という陸上部の男子です。 天候などの都合で5日間の活動が3日間に短縮されましたが、少しでも自然に関わるお仕事を体験してもらいたい、という思いで受け入れを行ないました。

1日目

初日は、高原の自然館の来館者対応です。 この日は「子ども農山村交流プロジェクト」のプログラムで、小学生が湿原トレッキングにきていたので、ガイドさんに同行して、湿原をまわりました。 秋の気配漂う湿原のいきものを見たり、ガイドさんの説明を聞き、記録をとりました。 少し早めに戻り、高原の自然館を見学する小学生の対応を職場体験生にお願いしました。 「こんにちは!」とあいさつをしながら、カウンターに座っていました。

2日目

高原の自然館も協力している「芸北せどやま再生事業」について、学びます。実際にせどやま市場で、場長さんに説明を聞いたり、山を見に行ったり、炭焼きを見学したりしたそうです。午後からは、薪づくり。「自然の資源を活用し、地域経済を循環する事業」について、体感してもらえたと思います。

3日目

最終日は、雲月山へ。 白川ハカセが授業を受け持つ芸北中学校1年生の「挑戦科」に同行しました。中1のみんなは、「芸北ジュニアトレッキングガイド」として、初舞台をふむための下見でした。白川ハカセがレクチャーし、それを実践するためメモし、言葉に出して本番に備えます。 職場体験生は「学芸員の助手」として、お手伝いします。 といっても、話を聞き、写真を撮り、記録をする、という内容で同行していたのですが、素晴らしい動きをしてくれました。 白川ハカセが中1のみんなに「説明のこつ」を解説していました。すると、離れていた班にその内容を伝えようと、職場体験生は動いてくれました。そして違う班の生徒にも聞いた事を説明していました。誰かに指示されたわけではなく、積極的に自ら動き、見事に助手の役目を果たしてくれました。 中1のみんなも、ガイドの練習に余念がありません。とても楽しい雰囲気の授業でした。 そして、最後のお仕事、「展示の準備」として、キャプション作りです。白川ハカセから手順の説明を受け、きっちりと作業しました。「来場者の方を思い浮かべながらやるといいよー」というアドバイスも受けていました。来月からのきのこの写真展にて、このキャプションは使われます。作業の合間に、バックヤードの見学も行ないました。資料の収集や保管について、白川ハカセが丁寧に説明していました。

まとめ

短い期間でしたが、様々な場所で活動してくれました。 「思った以上に体力が必要な仕事だったが、楽しかった!」という感想を持ったようです。 体験した事を、進路や生き方に活かしてもらえたら、私たちは本当に嬉しく思います。

高原の自然館のカウンターで、来館者の対応

高原の自然館のカウンターで、来館者の対応

高原の自然館のいきもの掲示板に書き込み中

高原の自然館のいきもの掲示板に書き込み中

芸北せどやま再生事業について、説明している

芸北せどやま再生事業について、説明している

とても大切なお話。雲月山は町内で唯一の野生生物保護区に指定されている。

とても大切なお話。雲月山は町内で唯一の野生生物保護区に指定されている。

中一のガイドさんのオリジナルネタをご披露

中一のガイドさんのオリジナルネタをご披露

職場体験生が中一に指導中

職場体験生が中一に指導中

オミナエシを匂ってみる

オミナエシを匂ってみる

キャプション作り

キャプション作り

バックヤードの標本を紹介し、博物館の役割を解説中

バックヤードの標本を紹介し、博物館の役割を解説中

 

芸北中学校より職場体験学習に来ました!Part 2

今日の職場体験は、芸北中学校1年生と雲月山に行きました。挑戦科の授業で『芸北トレッキングガイド』に挑戦し、植物や山について調べるために登りました。8月28日に町外の小学生に雲月山について、ガイドの下見をするためです。。そこで講師の白川学芸員より、「説明の三段階」を教わりました。『1.注目を集める 2.相手に考えさせる 3.説明をする』です。確かにこうすることで説明を聞きたくなるな、と思いました。僕が説明するときは「三段階」を思い出して説明するようにしていこうと思います。

☆今日観察したもの☆

ハギ・ススキ・カワラナデシコ・オミナエシ・キキョウ・クリ・サイヨウシャジン・センブリ・ヤマジノホトトギス・オトギリソウなど・・・

写真・文:佐々木

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芸北中学校より職場体験学習に来ました!

湿原をガイドする芸北トレッキングガイドの会のガイドさんに同行して、湿原を歩きました。
子どもプロジェクトで来ていた小学生といっしょに歩きながら植物について教わりました。名前を初めて知る物があり、いい経験になりました。名前を早く覚えれるようにがんばります。

☆今日観察したもの☆

ツリフネソウ

山麓の小川などの水辺に生える。花がラッパ状の帆掛け船をつり下げたような形をしている。

ツユクサ

全草を乾燥させたものはま民間薬として利用される。花弁3個のうち2個は大きく1個は小さい。

ブタナ

ヨーロッパ原産の外来種 1933年に札幌ではじめて気づかれ、その後各地に帰化している。

ビッチュウフウロ

山地の草原に生える。県内においても自生地は少ない。

オニスゲ

平地の水湿地に生える。果穂はとげとげしいが触るとやわらかい。

ミゾソバ

田のあぜや水辺などやや湿ったところに群生する。葉は卵状ほこ形で先は鋭くとがり、基部は耳状にはりだしている。

ゲンノショウコ

下痢止めの民間薬として有名。山野にふつうに見られる。

タンナトリカブト

ヤマトトリカブト群のひとつで西日本ではもっともふつう。花柄には尻毛が生える。有毒

トノサマガエル

日本に生息するカエルの中で唯一雌雄の体色が異なる。

ニホンカナヘビ

日本固有種 平地から低山地の藪や草地・庭先などにすむ。ヘビのように細長いが可愛いので愛蛇(カナヘビ)と呼ばれるようになった。

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職場体験学習で、高原の自然館に来ている芸北中学校2年の佐々木です。
3日間ですが、よろしくお願いします。

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