中国新聞での報道などでご存知かと思いますが、北広島町大朝地域にコウノトリの飛来が確認されています。
スタッフでも観察に行ったところ、本日6月7日にしっかり確認できました。
「思っていたより大きい」「芸北にもこんかのー」「しばらくおるかな?」などと話をしながら、短い時間でしたが、じっくり観察することができ、みなで喜びました。
支所カフェ3回目は 北広島町 地域おこし協力隊の山口実咲隊員(実咲ちゃん)から、オーストラリアに行ってきた体験記のおはなしです。
聞き手は 白川 勝信ハカセ(芸北 高原の自然館学芸員)です。
おやつももちろんオーストラリアで買ってきてくれました。
甘いおやつと、香りよい紅茶で、雰囲気がよりいっそう楽しくなりました。
今回は15名の参加者で、芸北外からもたくさんきていただきました。
実咲ちゃんの自己紹介のあとは、ケアンズの観光について。
結論からいうと、
「ケアンズは 3日過ごせば 大満足」
だそうです。
海辺・ショッピングセンター・蟻塚・食べ物の紹介で、特に盛り上がったのは、食べたもの!
ぜひ実際にお聞きくださいね。
そして、お話のメインであるWWOOF(ウーフ)のしくみや、利用の流れを解説してもらい、聞いたことはあるけれど、もっと具体的にどんなことなのかがわかりました。
ここからは、2,000件の中からよりすぐった2軒のWWOOFでの体験を詳しく聞きます。
WWOOF1軒目のファルコンフィールドは、豚肉を売っているファミリーファームといい、276ヘクタールもある広大な農地で、7時に起きて、7時半から働いたそうです。
フェンスの整備・肉の配達・ぶたの出荷などが主なお仕事で、作業以外には、ホストファミリーと遊ぶのも大切な体験。
4人のこどもたちと、折り紙をしたりかくれんぼをしたりカヤックに乗ったり。
実咲ちゃんの笑顔でのコミュニケーションが思い浮かびました。
クラッキーポーク(豚の肌)という料理を紹介してもらったり、逆に自身の料理本の中から選んだレシピを、ホストファミリーにふるまったとか。
豆腐をいれたりんごのケーキ、おいしそうでした!
「ハッピーフライデー」という初めてきく習慣では、カルチャーショックを受けたそう。
家族との時間を大切にしている、という新しい視点も生まれたようです。
他にも、この土地での水不足では、暮らしの中で雨水を使っていたという体験も心に残ったそうです。
華やかな観光パンフレットにはない本物の体験からの感想は、心に迫るものがありました。
そして、2軒目のスクエアファミリーでの5日間の体験。
家の庭をパーティ会場としたいと建設中だそうで、熱帯植物の挿し木作業をした様子を見せていただきました。
ランブータン・マンゴスチンといった珍しい果実も食べたそうです。
やきうどんを作ったり、自身の料理本・神楽本をホストマザーに見せ、興味を持ってくれたことが嬉しかった、との感想もありました。
「また戻りたい」と思える場所になったそうです。
WWOOF(ウーフ)での体験を通じて、農作業・いきものとのふれあいなど、自分のやりたいことは国内外関係なくできる、と思い、これからの活動でも活かしていきたい、とお話は締めくくられました。
経験の共有として、この体験記をお話する機会を増やしたいそうです。
支所カフェが皮切りとなったことが、嬉しいです。
いろいろな場所で、このお話を聞いてもらいたいなぁと思いますし、価値がある体験記だと思います。
会場から質問もいくつかありました。
「ホストファミリーの受け入れってどんなかんじ?」「一番困ったことは?」「ソーセージはおいしかったか?」などなど、聞いていると自分が体験したかのように思うのが不思議です。
この体験からの学びを活かした実咲ちゃんの今後の活動にも注目です。
みんなで写真を撮って、支所カフェは終了です。
また話を聞きたい!と思うほどおはなし上手な実咲ちゃんでした。
本日は、チャレンジデーとしてしらかわハカセ(高原の自然館 白川勝信学芸員)のガイドで、北広島町民の皆様14名で雲月山(912m)へ行ってきたので報告します。
そもそもチャレンジデーとは、毎年5月の最終水曜日に世界中で実施されている、住民総参加型のスポーツイベントです。
運動した人の参加率(%)を対戦自治体と競い合います。
ルールは簡単で北広島町内なら、どこでも・どんな運動でも、連続15分以上からだを動かして報告するだけです。
今回の対戦相手は、山形県にある人口11597人の中山町さんです。
山形県のほぼ中央に位置し、町の北部には「最上川」が流れています。
農業では米やフルーツが盛んに栽培され、特にすももは東北一の生産量を誇ります。
また、中山町は芋煮会発祥の地で、毎年9月には「元祖芋煮会in中山」が開催されている町です。
準備体操を済ませ、いざ出発です。
2人組のバディー編成でしらかわハカセの解説を聞いたり、バディー同士の会話を楽しみながら歩きました。
・植物のお話(芝、ヤマウルシやヌルデ、 レンゲツツジ、マムシグサなど)
・草原のお話(牛の放牧地、牛の活躍していた風景)
・歴史のお話( 景観の作られ方、自然界と人間)
などなど、ただの山歩きではない気づきの多い山歩きでした。
私が印象に残ったのは、広島県と島根県の尾根沿い(県境)にまたがって存在する雲月山ならでは景色が見れるということです。
しらかわハカセの話の中には、『山の水は太平洋(瀬戸内海)OR日本海に流れている』とありました。
専門用語では分水嶺というそうです。
あたりまえのことではあるんですが、尾根で考える水はよりリアルで「こっちからだったらそっちへ行って、川へ繋がってるんだ、へぇ〜」という感じです。
それと同時に広島県と島根県の景色が尾根の右と左で全然異なるということです。
人の手が加わっていることで植物などの種類が多いということも、目で見て感じることができました。
参加者の方々の話では、
サルトリイバラを見ては、「これ団子つつむやつじゃね〜今年は早いね〜」
ヤマヤナギを見ては、「このわた使ってなんかつくれんかの〜」
などなど、それぞれの視点で、チャレンジデーを楽しみながら運動しました。
今回の対戦相手である山形県中山町さんもたくさんの方が運動されたのかな〜と思います。
その結果も大切ですが、個人個人で日々継続的に運動していくことが何よりも大切なのかな〜と感じました。
(安芸太田町地域おこし協力隊 うめもとまさふみ)
DCIM100GOPROG0678757.
朝から小雨の降ったりやんだりの八幡高原です。
羽織ものがあるといいような気温で、少し肌寒いですが、鳥たちのさえずりはにぎやかです。
湿原を代表する花「カンボク」も咲き始めました。
咲き始めはクリーム色でやわらかな印象ですが、咲いた姿は清楚な白色で、とても美しいです。
また、雨の中で咲く姿も気品があります。
八幡湿原を彩るカンボクの花たちは、6月中旬まで見ることができますよ。
2017年5月14日(日)に、認定NPO法人西中国山地自然史研究会のシンポジウムを西区民センターで開催しましたので、報告します。
シンポジウムのタイトルは、「再考、八幡高原の自然と暮らし」として、八幡高原の自然やいきものの調査をする研究者、八幡高原に住む住民の声を聞きながらもう一度、八幡高原の自然と暮らしを一緒に考えてみることを目的に、開催されました。
シンポジウムのナビゲーターは、芸北 高原の自然館の学芸員であるしらかわハカセにお願いしました。
中国新聞で告知していただいたおかげもあり、51名の方に集まっていただいきました。
最初に近藤理事長よりなぜ今八幡高原を考える機会なのか、という趣旨説明がありました。
副理事長でもある内藤順一氏から「八幡高原の水辺の生きもの」の講演からスタートです。
スナヤツメやカスミサンショウウオをはじめ希少な生き物が八幡高原には生息していることはよく知られていますが、これらの生きものがどう貴重なのか、その生きものの生活史がどうなっているのか、ということを詳しくお話しいただきました。
続いて「八幡高原の鳥とけもの」のテーマで理事の上野吉雄氏よりお話がありました。
クマタカやハチクマなど猛禽類と言われるこちらも希少な鳥類について、そしてコウモリのお話も教えていただきました。
鳥の分布の調査を進めるうちに、クマタカのつがいがいなくなったゾーンもあるそうで、それらの理由を解説していただきました。
休憩を挟み、日本山岳会広島支部の斎陽氏より「八幡の山を楽しむ」と言うお話を聞きました。ご自身の八幡高原との関わりや、八幡を中心とした周辺部の主な山の説明、登山の楽しみ方を、経験をもとにお話しされました。
ブナ科の木の覚え方や、山にまつわるエピソードなどを交え、とても楽しそうな斎さんのお人柄が表れた講演でした。
続いて「八幡高原に暮らす」を事務局河野が発表しました。
八幡の景色の中を、独自の暦で紹介したところ、四季の移ろいや八幡ならではの文化を皆さんが真剣に聞いてくださり、とてもうれしかったです。
プログラムの最後には、講演者全員でのパネルディスカッションです。
最近、地元にも説明があった風力発電についての説明があり、各自どのような意見を持っているかを発表しました。
自然エネルギーの推進には賛成だが、生きものや人の暮らしのことを考えると、建てる場所を考えてほしい、というのが全員の意見でした。
生き物の生息や景観だけでなく、健康被害に関する不安があることが地元住民の声です。
専門科お二人方の講演でもあったように、豊かな自然があるこの八幡高原は住民が苦労を重ねながら維持してきたものです。
このシンポジウムでは、八幡高原とは、どんなところなのか、どう大切なのかということを改めて考える機会とありました。
ご来場いただいた皆様ありがとうございました。