2019年8月、芸北民俗博物館にある清水庵がリニューアルオープンしました。
「芸北民俗博物館」は、1957年(昭和32年)にダム湖となった樽床村で用いられていた民具を収蔵しています。 併設されている「清水庵」はこの集落の民家(清水氏宅)を移築再建したものです。樽床の歴史を物語る両施設の存在を広く知ってもらうべく、清水庵を会場に「案内人と楽しむ樽床」と題して全3回のオープン記念イベントが企画されました。
今回はその第一弾として「いまなぜ民藝か」というテーマで、明治大学准教授で哲学者の鞍田崇先生にご講演を頂きました。 聞き手の高原の自然館の白川勝信学芸員と34名の一般参加者と共に「民藝」を糸口として、樽床村にあった暮らしへと思いを巡らせました。
鞍田先生のお話は、まさに民俗資料そのものの清水庵のなかで、柳宗悦の「民藝」と柳田国男の「民具」というふたつの概念を行き来しつつ展開されました。
民藝は民具の一部であるが、それらは共通の土壌に根差していること。さらに、岡本太郎(『忘れられた日本人(沖縄文化論)』)の言葉を足掛かりに、「民藝」「民具」「芸術」などに通底するのは“人々の生活”“命の営みそのもの”だと話が深まっていきます。 この奥底にあるものが芸術のような機会で現れる時、そこに「親しさ」を覚えると岡本太郎は言います。
実は柳宗悦が民藝の美の本質に観じ取っていったものも「親しさ-intimacy-」だったのです。 それは“愛しみ”や“悲しみを慰める悲しみ”等と言葉を変えながらも、“人間の命のいとなみ”そのものへの思いとして柳の生涯に一貫していました。
また話は、1908年(明治41年)に樽床村で後藤吾妻氏が結成した「報徳社」へも及びます。 いまは美しい聖湖・樽床ダム。
まさにこの美しさの底には、かつて樽床村にあった人々の暮らし、そして村を守ろうという報徳社の人々の想いがある。 これらの歴史と人々の想いを忘れてはいけないと語られました。鞍田先生の案内により、民藝と民俗の奥底を探っていくなかで、舞台である清水庵のあった樽床村へと思いは深まっていきました。美しい聖湖を眺めながら、生きていくという事とはどういうことかという根源的な問題にまで思いをはせる時間となりました。
今後も「芸北民俗博物館・清水庵」を私たちの暮らし・生き方を考えていくことの出来るような場としていきたいと思います。
遠方にもかかわらず、 今回のご依頼を快諾してくださった鞍田崇先生、本当にありがとうございました。
(レポート:浄謙恵照 記録:梅本雅史/ 河野弥生)
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【お知らせ】高原の自然館休館(2019.8.29)
本日8月29日、大雨警報発令のため、高原の自然館は臨時休館とします。
八幡高原でも、川の増水などが確認されます。
気をつけて安全に行動しましょう。
【活動報告】職場体験受け入れ(2019.8.21)
高原の自然館と芸北せどやま再生会議では、2012年より、芸北中学校から、職場体験の受け入れを行なっています。
今年は1名の受け入れで、3日間という短い時間でしたが、高原の自然館での館内で、情報発信や事務仕事、せどやま市場では薪づくりや販売のレポートと、多岐に渡った作業をしっかりとこなしてくれました。
最後に、中学生よりインタビューがありました。
白川学芸員は「仕事への思いや苦労」「働く上で必要な力」を問われ、「誰のために仕事をしているのか考えること」「チームワーク」が大切で、必要な力は「想像力」と回答していました。
単純に「働く場の体験」ではなく、その裏側にある意識や心構えが中学生に伝えることができ、将来への力になれば幸いです。
【活動報告】芸北中学校職場体験2日目(2019.8.20)
芸北中の上迫です。今日は、職場体験2日目です。今日は、せどやま市場に行きました。
せどやま市場で、「薪割り」「箱作り」「木に穴を開ける」作業をしました。薪割りでは、機械で大きな丸太を切りました。丸太がすごく重いので、大変でした。箱作りでは、木のパーツを準備してもらい、釘と金槌を使って箱を6つ作りました。
釘を打つ時に、安定しなかったので難しかったです。そして、釘が変な方向に行ったり、曲がったりしたので大変でした。
木に穴を開ける作業では、ドリルを使ってしました。木が、ひっくり返らないように足で支える、ということを学びました。
色々な経験ができてとても良かったです。これからの生活に、生かそうと思います。
【活動報告】芸北中学校職場体験3日目(2019.8.21)
芸北中学校の上迫です。今日は職場体験3日目です。今日は、本のコーナーをつくりました。
「キノコ」のコーナーにしました。お客様に興味を持ってもらえるように、問いかけるような文章を書きました。
まだよく知らない人も、もっと知りたい人もこのコーナーに来たら新しく知ることができます。
お仕事がお休みの時、友達と遊びに来た時などに、寄って行かれたらどうでしょう?
ぜひ、高原の自然館内の本のコーナーにお越しください。