タグ別アーカイブ: 湿原

【イベント案内】霧ヶ谷湿原の植生調査:夏

  • 開催日時:2013年6月23日(日) 9:30
  • 集合場所:高原の自然館
  • 講師:大竹邦暁・佐久間智子・白川勝信・和田秀次
  • 準備:作業セット
  • 定員数:30名
  • 参加費:
    • 一般=300円
    • 賛助会員=100円
    • 正会員・中学生以下=無料

自然再生事業地である霧ヶ谷湿原の植生を調査します.この調査を毎年夏・秋に行なうことにより,植生の変化を知ることができます.調査は専門家の講師と一緒に行ないますので,初心者でも参加できます.また今までの調査でわかった霧ヶ谷湿原の植生や,事業の解説も聞くことができます.

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【イベント報告】霧ヶ谷湿原の植生調査(夏)

  • 開催日時:2012年6月24日(日) 9:30
  • 講師:大竹邦暁・佐久間智子・白川勝信・和田秀次

 夏の霧ヶ谷湿原で,植物の調査をしました.この調査は,霧ヶ谷で実施された「八幡湿原自然再生事業」の効果を,植生の回復具合から確認するためのもので,西中国山地自然史研究会では,工事が完了した2009年以来,毎年6月と9月に同じ場所で調査を続けています.工事終了から4年目の今回は,植生調査が初めてというお二人を含む,7人で実施しました.
 現地に行く前に,湿原再生の意味やねらい,その方法などの説明を,高原の自然館で和田先生から聞きました.霧ヶ谷湿原は,かつては地域の人の草刈り場でしたが,戦時中に陸軍の演習地として買い上げられて以来,地元の人による利用はありませんでした.終戦後には,開拓団として入植した方もありましたが,長くは続きませんでした.昭和の中頃には,国が食料自給率を高めるために行った「大規模草地改良事業」の国内第1号地として開発が進められました.霧ヶ谷湿原の環境が大きく変わったのはこの時です.土地を乾燥化させるための排水路が掘られ,本線の水路はコンクリートの三面張りになったため,湿原は失われました.この牧場も,1980年頃には閉鎖になりましたが,排水路は残ったため,湿原はもとには戻りません.再生事業は,人間活動によって失われた自然のしくみを,元通りに戻すとりくみです.
 このような背景を知った上で,現地で調査を行いました.予め設置されている12プロットで,植物の種類や高さを丹念に調べていきます.今回は調査の専門家が3人も参加されているので,初めて参加された方も,花が付いていない株でも見分けることができるようになったようでした.
 植生調査は地道な調査ですが,続けることで見えてくるものがあります.今年は霧ヶ谷湿原の工事を点検する年です.これを機会に,今までのデータもまとめていきたいと思います.[しらかわかつのぶ]

みなさんの印象に残った物

「カヤの種類の多さ」「ハンノキがたくさんあったこと!」

参加したみなさんの感想(抜粋)

「初めてのことなので手間取りました.」「とても勉強になりました.またやらせてもらいたいと思います.」

写真

調査地点は木道に沿っているので,木道に座りながら記録ができる.
調査地点は木道に沿っているので,木道に座りながら記録ができる.調査区内の全ての種を記し,高さを測る.
調査区内の全ての種を記し,高さを測る.プロットを設置している様子.
プロットを設置している様子.4人で1m×1mの調査.1人は記録係.
4人で1m×1mの調査.1人は記録係.ハンノキ林の下は,マアザミ,ヌマガヤ,オニスゲ,ヒメシロネ,クサレダマなど,湿原生の種が多く見られた.
ハンノキ林の下は,マアザミ,ヌマガヤ,オニスゲ,ヒメシロネ,クサレダマなど,湿原生の種が多く見られた.初心者でも,だんだんと調査になれてくる.
初心者でも,だんだんと調査になれてくる.ミゾソバが繁茂した中に,大きなアブラガヤの株が生えている調査区.
ミゾソバが繁茂した中に,大きなアブラガヤの株が生えている調査区.湿原の植物と,ススキや外来種が一緒に生えているプロット.場所によって植生はずいぶん違う.
湿原の植物と,ススキや外来種が一緒に生えているプロット.場所によって植生はずいぶん違う.

【イベント報告】八幡湿原の植物と昆虫観察会

前日までの雨がウソのように晴れ渡った青空の下,32名の参加者の皆さんとともに八幡湿原の植物と昆虫の観察会が行われました.講師は和田先生,岩見先生です.尾崎沼の入り口のところからぐるりと1周しました.虫や花をみつけるとすぐに「これは?」「名前はなに?」と質問がとびだし,先生もすぐさま答えてくださいました.分からないものはその場で図鑑をひき,照らし合わせて名前を調べ,生態を教えてくださいました.堰堤までたっぷり1時間かけて歩き,そこからは細い道を1列に並んで歩きます.ササユリとノアザミがそこここに咲き,参加者を迎えてくれました.花と昆虫は密接な関係にあり,ノアザミとトラマルハナバチ,ミズチドリとヒメシジミ,バイケイソウとバイケイハムシ,オカトラノオとイチモンジセセリなど,様々な取り合わせを見ることができました.他にも物差しのような模様がついているモノサシトンボ,青リンゴガムの匂いのするオオヘリカメムシ,金色の目をしたシュレーゲルアオガエル,充血したような赤目のモリアオガエル,肉食のムシヒキアブ,オスがメスに餌のプレゼントをするヤマトシリアゲ,翅(はね)と後ろ足をこすりあわせて音を出すナキイナゴなどなど個性的な昆虫のオンパレードでした.植物では最初にクリの雌花と雄花のお話を聞き,秋とはまた違ったクリの姿を楽しみました.他にはかぶれの木と言われるヤマウルシ,ツタウルシの特長を教えていただいたり,ミズチドリの美しさを堪能したり,クマイチゴの実を少しだけ味わったり,日本のヘーゼルナッツと言われるツノハシバミの実を眺めたりと,とにかくたくさんの種類の植物・昆虫について教えていただきました.
個人的にはムラサキニガナの花が可愛らしく思ったことと,オオヘリカメムシの匂いをかいでみて,意外にいい匂いだったことが印象的でした.
観察会の最初に和田先生が「植物も昆虫も現地で楽しみましょう」とお話されました.この場所を訪れるひとすべてが,踏みあとをつけない,咲いているものなどを持ち帰らないという意識を徹底させることこそがこのすばらしい湿原を残していくことなんだと再認識させられました.
ハンカイソウやマアザミ,ノハナショウブが咲き,チョウ類が舞う美しい湿原の姿をいつまでも見続けたいと願い,観察会を終えて八幡湿原をあとにしました.
高原の自然館前に集合して今日の日程を聞く. お天気にも恵まれ観察会日和になった.
高原の自然館前に集合して今日の日程を聞く. お天気にも恵まれ観察会日和になった.
クリの雌花と雄花.雄花は花粉が運ばれるころには落ちる.
クリの雌花と雄花.雄花は花粉が運ばれるころには落ちる.
今回気をつけること3つのうちのひとつ. 「クマ」「ハミ(まむし)」それから写真の「かぶれの木(ヤマウルシ)」
今回気をつけること3つのうちのひとつ. 「クマ」「ハミ(まむし)」それから写真の「かぶれの木(ヤマウルシ)」
わからない種類はすぐさま図鑑で調べる.どうやらモノサシトンボの♀らしい.
わからない種類はすぐさま図鑑で調べる.どうやらモノサシトンボの♀らしい.
先生を先頭に左右に目を配り観察観察・・.
先生を先頭に左右に目を配り観察観察・・.
モノサシトンボに対抗して??ハカリノメを発見.これはアズキナシの別名で枝に白い目盛りのような模様があるため.
モノサシトンボに対抗して??ハカリノメを発見.これはアズキナシの別名で枝に白い目盛りのような模様があるため.
次なる発見を探しに進め!その前にメモメモ.
次なる発見を探しに進め!その前にメモメモ.
昆虫はじっくり見るためいったんケースに.観察後はもちろん逃がします.
昆虫はじっくり見るためいったんケースに.観察後はもちろん逃がします.
特長をよく見極めて名前を探す.ちびっこ虫博士の手にも使い込まれた昆虫図鑑が・・.
特長をよく見極めて名前を探す.ちびっこ虫博士の手にも使い込まれた昆虫図鑑が・・.
ニコちゃんマークの顔をしたマイマイガの幼虫.
ニコちゃんマークの顔をしたマイマイガの幼虫.
「芸北らしい」とりあわせ.ミズチドリとヒメシジミ.
「芸北らしい」とりあわせ.ミズチドリとヒメシジミ.
こちらはノアザミとトラマルハナバチ.このハチは後ろ足の太い毛に花粉をつけて運ぶ.
こちらはノアザミとトラマルハナバチ.このハチは後ろ足の太い毛に花粉をつけて運ぶ.
豊かな水が湿原をつくりだす.
豊かな水が湿原をつくりだす.
花が下から咲きあがるオカトラノオ.
花が下から咲きあがるオカトラノオ.
キリギリスの仲間のヒメギス.
キリギリスの仲間のヒメギス.
岩見先生,10年来の謎らしい穴.
岩見先生,10年来の謎らしい穴.図鑑片手に,先生のお話を熱心に聞くちびっこ虫博士. 何がいたのかな!?
図鑑片手に,先生のお話を熱心に聞くちびっこ虫博士. 何がいたのかな!?
道沿いにササユリがきれいに咲いていた.独特の香りが立ちこめる.
道沿いにササユリがきれいに咲いていた.独特の香りが立ちこめる.
昆虫を見る目がとても優しい岩見先生.同じ道を歩いても見つけ出すのがとても素早かった.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昆虫を見る目がとても優しい岩見先生.同じ道を歩いても見つけ出すのがとても素早かった.
翅(はね)を開いた時の模様が「逆さの八」だからサカハチチョウ.
翅(はね)を開いた時の模様が「逆さの八」だからサカハチチョウ.
擬態昆虫として有名なナナフシ.小枝のよう.
擬態昆虫として有名なナナフシ.小枝のよう.
雄が雌に食餌行動することで有名なヤマトシリアゲ. この雄はミミズをプレゼント.
雄が雌に食餌行動することで有名なヤマトシリアゲ. この雄はミミズをプレゼント.
和田先生の軽快なトークにかかると植物の生態がおもしろくなってくる.
和田先生の軽快なトークにかかると植物の生態がおもしろくなってくる.
熱心な質問にも熱心に答えて下さる岩見先生.片手にはトンボかな!?
熱心な質問にも熱心に答えて下さる岩見先生.片手にはトンボかな!?
トゲがでている木.オオウラジノキ.八幡名はヤマナシ.果実も見ることができた.
トゲがでている木.オオウラジノキ.八幡名はヤマナシ.果実も見ることができた.
林内にはハンカイソウが花盛り.緑に映える黄色の花がとてもきれいだった.
林内にはハンカイソウが花盛り.緑に映える黄色の花がとてもきれいだった.
おもしろい形のオニスゲの実.触ってみると思ったほど痛くない.
おもしろい形のオニスゲの実.触ってみると思ったほど痛くない.
こちらはつり下がった実が目立っていたゴウソ.
こちらはつり下がった実が目立っていたゴウソ.
池のほとりにはモリアオガエルの卵が何カ所もあった.
池のほとりにはモリアオガエルの卵が何カ所もあった.堰堤をわたりきり,見上げた先にはイワガラミが咲いていた.
堰堤をわたりきり,見上げた先にはイワガラミが咲いていた.
やっぱりこれを聞かないと.「全開でもハンカイソウ」.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やっぱりこれを聞かないと.「全開でもハンカイソウ」.
最後に集合して本日のまとめ.今日観察して一番印象に残ったものをひとりずつ発表.
最後に集合して本日のまとめ.今日観察して一番印象に残ったものをひとりずつ発表.
ちびっこ虫博士から,あこがれのトンボのカードをもらった岩見先生.いつか見られるといいね!!
ちびっこ虫博士から,あこがれのトンボのカードをもらった岩見先生.いつか見られるといいね!!
最後の堰堤のところでモウセンゴケの花を見つけて観察.
最後の堰堤のところでモウセンゴケの花を見つけて観察.

【イベント報告】湿原の観察ー八幡湿原と自然再生事業ー

梅雨明けが待ち遠しく,雨が降ったり止んだりのなか,参加者22名で観察会が始まりました.毎年人気の湿原の観察会ですが,今回は自然館付近の水口谷湿原と,自然再生事業地である土嶽地区の湿原で観察会を行いました.講師は高原の自然館の白川と,自然再生協議会委員で土木の専門家の野村先生です.
最初に自然再生事業の概要などの話を聞いてから,自然館前を出発しました.水口谷湿原をめざして歩いていると,アサギマダラを発見しました.この蝶の食草はイケマというガガイモ科の植物であることや「旅をする蝶」という特長があると知りました.優雅に飛び,蜜を吸う姿はとても可憐でした.水口谷湿原では,前回(6/24)に行われた観察会では見られなかった植物たちが花を咲かせていました.ハンカイソウ,サワヒヨドリ,ミゾソバ,オカトラノオ,ビッチュウフウロ,チダケサシ,トモエソウ,クサレダマなどなどです.マムシグサ,ウリハダカエデ,カンボク,カラコギカエデ,イスノキ,ヤブデマリなどは,既に実をつけていました.そして昆虫も,スジグロシロチョウ,イカリモンガ,ツマグロキチョウ,ミヤマカラスアゲハなど様々なものが見られました.森の名歌手クロツグミの声も聞くことができました.この湿原はハンノキ林があることが特徴で,光が林の中にも充分にあたるので様々な植物が見られるそうです.一口に湿原といっても,環境によって生息する植物や動物が違い,現在でも変化を遂げているそうです.
そんな中,土嶽地区で八幡湿原自然再生事業が始まり,時間をかけて様々な調査が行われてきました.次はこの調査地を道路沿いから見学しました.先ほどと違い,山際にはアカマツやコナラといった木が見えます.皆さんが熱心に観察していたミズチドリ,チゴザサの可愛らしさも印象的でした.もう少し進むと少し開けた場所となり,ウスバキトンボが数多く飛んでいました.ちょうどお盆の頃にたくさん飛ぶので,ご先祖様が帰ってきたと考え,「ショウリョウトンボ」との別名があるそうです.最後に再生予定地の中を歩き,どんなところかを実際に見ることができました.湿地だったところが牧場となり,また放置され・・という変化を遂げてきたこの湿地は,牧草地にある植物(例えばハルガヤ)と湿地にある植物(例えばミズゴケ)が一緒に生息している場所でもありました.ノジコが観察できる場所があるというので行ってみましたが,今回は姿を見ることができませんでした.残念!!
再生事業は,この場所に流れている水路の水の量を調整することで,湿原の復元を計る計画です.野村先生は,「今ある自然,元の自然,どう変わるかプロセスも大切に事業をすすめたい」と話され,どのように工事を進めるかという具体的なこともお話しされました.
途中途中で白川が「ここは八幡では昔○○という地名だった.」という話をしていました.何十年も前の八幡の姿を頭の中で描くことができる,大変興味深い話でした.地球の温暖化や様々な社会構造の変化の中で,八幡湿原がどんな形で存在するべきか,考えさせられる観察会でした.

集合して話をきく.今日行くのは,水口谷湿原と自然再生事業地である土嶽地区.
集合して話をきく.今日行くのは,水口谷湿原と自然再生事業地である土嶽地区.
オオマツヨイグサやブタナなどの帰化植物が多く見られる.
オオマツヨイグサやブタナなどの帰化植物が多く見られる.
カラコギカエデの実に近づいて,じっくり観察.
カラコギカエデの実に近づいて,じっくり観察.
プロペラのような形が,遠くまでとばす役割をしている.
プロペラのような形が,遠くまでとばす役割をしている.
カモガヤやオオアワガエリなどの牧草を観察中.
カモガヤやオオアワガエリなどの牧草を観察中.
木道にはいり,湿原の土壌についての話.湿原には長い長い歴史がある.
木道にはいり,湿原の土壌についての話.湿原には長い長い歴史がある.
ハンカイソウを発見!ハンノキ林の中で,一番めだっていた.
ハンカイソウを発見!ハンノキ林の中で,一番めだっていた.
一列になって進む.たくさんの花を見ることができた.
一列になって進む.たくさんの花を見ることができた.
野村先生のお話を聞きながら,ちょっと一休み.
野村先生のお話を聞きながら,ちょっと一休み.
自然再生事業の工事について,お話.動物にも優しい設計になるように,との心くばり.
自然再生事業の工事について,お話.動物にも優しい設計になるように,との心くばり.
ハンカイソウの蜜を吸う,ミヤマカラスアゲハ. 羽の色が美しい.
ハンカイソウの蜜を吸う,ミヤマカラスアゲハ. 羽の色が美しい.
この日はたくさんの種類のトンボやチョウを見ることができた.
この日はたくさんの種類のトンボやチョウを見ることができた.
道路沿いに咲いていたミズチドリ,チゴザサを観察.
道路沿いに咲いていたミズチドリ,チゴザサを観察.
湿原の水位で,湿原の環境が大きく左右されるそう.
湿原の水位で,湿原の環境が大きく左右されるそう.
道路をはさんで左右の湿原も,それぞれに特性の違った場所であることがわかった.
道路をはさんで左右の湿原も,それぞれに特性の違った場所であることがわかった.
自然再生事業で工事する予定の水路.雨が続いた後だったせいか,水量が多かった.
自然再生事業で工事する予定の水路.雨が続いた後だったせいか,水量が多かった.
自然館に戻り,最後のまとめ.自然再生事業についても,実際に現場をみることができ,多くの知識を得ることができた観察会だった.
自然館に戻り,最後のまとめ.自然再生事業についても,実際に現場をみることができ,多くの知識を得ることができた観察会だった.