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【イベント報告】カスミサンショウウオの産卵調査

  • 開催日時:2011年4月29日(金) 9:30
  • 講師:内藤順一

 今年も霧ヶ谷湿原でカスミサンショウウオの産卵調査をするため,14名の参加者が高原の自然館に集まりました.最初に講師の内藤先生よりカスミサンショウウオの生態を中心に,広島県や北広島町で生息している両生類のお話がありました.サンショウウオ類の分布や特長をしっかりと覚えて,現地に移動です.現地では3班にわかれて調査します.調査内容は地点,両生類の種名,状態,卵塊数,卵数の確認です.地点の記録はGPSで行います.私の班では道路と主水路の間が受け持ちの場所だったので,ゆっくりと歩きながら導水路の中を見て,卵塊を探します.早速ヤマアカガエルの卵塊を見つけ,記録しました.すでにオタマジャクシが出ている卵塊やヤマアカガエル,ニホンアカガエルの成体も見つけました.観察するうちに,魚がおり流れの速いようなところではなく,流れがほとんどなく水たまりの端のようなところに卵塊がたくさんあることに気づきました.道路沿いの水路でカスミサンショウウオの成体と卵を見つけることができました.山際の場所を担当した班も,カスミサンショウウオの成体や卵をたくさん見つけ,卵の数をしっかりと調査していました.
 最後のまとめでは,各班の状況を発表したり,ヤマアカガエルとニホンアカガエルの違いを内藤先生から教えていただきました.
 現場に出ての調査は,実際に生息環境を見ることができ,水の冷たさを感じたり,卵の発生をじっくりと観察することができます.
 カスミサンショウウオをはじめ,湿地に生息する両生類が増えていることは,自然再生事業の工事によってできた霧ヶ谷湿原が湿原へと回復している目安となります.
 多様な生物が息づく霧ヶ谷湿原であるよう,これからも調査を継続し,見守りたいと感じました.[こうのやよい]

みなさんの印象に残った物

「成体のオスを確認できたこと.場所によって黄条,地衣斑の違いがあること.」「例年より水が冷たかった.」「卵塊がどういう状態であるかがわかったこと.」「カスミサンショウウオの卵塊がたくさん見られたこと.」「発生段階の違う カスミサンショウウオの卵」「カエル」「初めてカスミサンショウウオの卵塊を見れて,手で触れたこと.(2)」「カスミサンショウウオの成体.雄2体.」「カスミサンショウウオの卵塊と水温の冷たさ.」「カスミサンショウウオ,卵,ともに初めて見れたこと.(2)」

参加したみなさんの感想(抜粋)

「カエルの卵を見て楽しかった.」「たくさんの卵塊が見れてよかった.」「もう少し広い範囲で探せばよかった.」「実際に発見できなかったのは残念でしたが,調査は楽しくできました.次は見つけたいですね.」「お天気がよく.春早くでないと歩けないところに入って観察できたことはよかったです.内藤先生のお話もわかりやすくてよかったです.」「例年に比べ水温が低い感じがしました.自分たちの班ではカスミサンショウウオの卵は見つかりませんでしたが,他の場所で卵を見せてもらってよかったです.」「カスミサンショウウオが見れたからよかった.」「カエルをさわったのが,たのしかった.」「水温も低く,最初は全然みつからず・・自然の生き物の不思議を知らされました.」「今年は寒いせいかカスミサンショウウオの卵がまだのう胚期だった.」「湿原がどんどんいい感じになっていてうれしいです.」「少しずつ霧ヶ谷湿原の姿が戻ってきているのだと感じました.」

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高原の自然館内でまずはお勉強.
高原の自然館内でまずはお勉強.調査の方法, GPSの使い方などを確認中.
調査の方法, GPSの使い方などを確認中.霧ヶ谷湿原へ到着後,持ち場に移動.
霧ヶ谷湿原へ到着後,持ち場に移動.ノイバラをかきわけ,調査地へ.
ノイバラをかきわけ,調査地へ.調査開始.
調査開始.山際の導水路を調査する1班メンバー.
山際の導水路を調査する1班メンバー.2班の調査風景.小学生でも大丈夫!
2班の調査風景.小学生でも大丈夫!3班の様子.
3班の様子.導水路に卵塊がいくつもかたまってあった.
導水路に卵塊がいくつもかたまってあった.ヤマアカガエルの卵塊.触ってみるとぷよぷよとゼリーのようだった.
ヤマアカガエルの卵塊.触ってみるとぷよぷよとゼリーのようだった.湿原にぽつりぽつりとあったヒメザゼンソウの若葉.
湿原にぽつりぽつりとあったヒメザゼンソウの若葉.小さなカナヘビ発見.
小さなカナヘビ発見.葉を広げ始めたバイケイソウ.黄緑が美しい.
葉を広げ始めたバイケイソウ.黄緑が美しい.卵の数をカウント中.
卵の数をカウント中.ヤマアカガエルとニホンアカガエルの違いを解説中.あごの下の模様がないのでこの個体はニホンアカガエル.
ヤマアカガエルとニホンアカガエルの違いを解説中.あごの下の模様がないのでこの個体はニホンアカガエル.アカガエルの仲間のオスは産卵時にメスにしがみつけるよう前肢の指に婚姻瘤(母瘤)があると教えていただき,確認した.「なるほど〜」
アカガエルの仲間のオスは産卵時にメスにしがみつけるよう前肢の指に婚姻瘤(母瘤)があると教えていただき,確認した.「なるほど〜」内藤先生が成体を発見.
内藤先生が成体を発見.卵を守っていたオスの成体.
卵を守っていたオスの成体.カスミサンショウウオの卵のう.
カスミサンショウウオの卵のう.近くで見ると,発生の段階がよくわかる.
近くで見ると,発生の段階がよくわかる.

【イベント報告】山焼き後の雲月山植物観察会

  • 開催日時:2011年4月24日(日) 9:30
  • 講師:大竹邦暁・佐久間智子

 二年連続で山焼きが行われなかった雲月山ですが,山焼き後の春植物の観察会は予定通り開催されました.
 天気はよいものの,強風が吹く中,17名の参加者が雲月山の駐車場に集合しました.今回の講師は,大竹先生と佐久間先生です.
 最初に草原の成り立ちや,草原がなぜ大切なのか,といった内容を大竹先生からお話しいただき,次に佐久間先生からは「広島県における管理履歴の異なる半自然草原の比較」の資料をいただき,調査データをもとに,それぞれの草原の特長や植生のお話しをしていただきました.
 雲月山が多様性に富んでいる貴重な場所だということを頭の片隅に入れて,登山を開始しました.
 観察ポイントまでは,強風に注意しながら歩きました.ヤマヤナギの芽,オオバヤシャブシの花粉,トキワイカリソウの赤い葉,カラマツの芽吹き,アセビのつぼみなどをじっくり観察しました.登山道沿いに咲いていたショウジョウバカマが目を楽しませてくれました.
 途中に見える景色の中では,たたら製鉄が行われていた跡や牛が放牧されている場所の牛道,山焼きを行っている場所とそうでない場所の違いを説明していただきながら歩きました.
 参加者の中からも,15年前の山焼きの様子や50年前の草原の様子など,地元の方ならではの貴重なお話しを聞くことができました.
 雲月山の頂上では,強風も弱まり気持ちのよいお弁当タイムをゆっくりと過ごしました.ここでも山菜の食べ方,マムシの捕まえ方など芸北ならではのお話しを聞かせてもらいました.
 戻りは下の駐車場を目指して下山しました.昨年完成した登山道が一部雪のため崩れており,少しでも早い復旧が望まれます.
 途中緑色が濃い場所があり,そこへいってみることにしました.エゾノギシギシ,コスズメノカタビラなど本来なら自生していない植物が多くありました.放牧された牛によって種子が運ばれ生育しているとのことでした.草原の管理をどうしていくか?ということを考えさせられる場所でもありました.
 最後は道路を歩き,上の駐車場まで帰ります.ニオイタチツボスミレがひとつだけ咲いており,その姿を見ることができたのがとても嬉しかったです.
 いつもの年より咲いている花が少なかったり,山焼き後の植物の姿をみることが出来ませんでしたが,草原の重要性を十分に感じ,冬から春への移ろう季節を楽しめた観察会でした.[こうのやよい]

みなさんの印象に残った物

「牛の休む場所が他と植物が違うことなど,初めて知りました.夏にしか来たことがなかったので,驚きました.」「牛が運んだ地元の植物群」「いろんな人の話を聞けてよかった.」「早春の花の観察,季節外れの残雪が印象的でした.」「車道を抜けて山に入ったときの寒さと風の強さ.まだまだ春には遠い感じがしたこと.」「アカマツとクロマツ」「地の人の話.」「牛のふんの中の様子.植生が大きくかわるのを知った.」「4/24にしては寒く,例年よりは2種間くらい遅れている.」

参加したみなさんの感想(抜粋)

「説明がとても丁寧で,わかりやすかったです.地元の方の話が聞けてとてもよかったです.」「雲月の文化史が講師の方,地元の方の話で勉強になった.」「楽しいひとときをありがとうございました.」「好天に恵まれ.快適な観察会でした.」「寒く風が強かったですが,お弁当を食べる頃は大変気持ちよく観察会ができ,よいお話を地元の人,先生方に聞けてよかったです.」「たのしかった.」「先生方だけでなく,いろんな人の話が聞けるのでよかった.」「風が強かったけど,楽しかった.」「今年の雪の多さにおどろき.」

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参加者がぞくぞく集合.やっぱり雲月山の観察会は人気度高し.
参加者がぞくぞく集合.やっぱり雲月山の観察会は人気度高し.ヤマヤナギの説明をする佐久間先生.
ヤマヤナギの説明をする佐久間先生.旧芸北町の町章のマークを背中に岩倉山頂上をめざす.
旧芸北町の町章のマークを背中に岩倉山頂上をめざす.山の中腹に残るたたら跡について説明する大竹先生.
山の中腹に残るたたら跡について説明する大竹先生.過去の山焼きについて話す地元の参加者に皆耳をかたむける,
過去の山焼きについて話す地元の参加者に皆耳をかたむける,赤茶色のハート型がめだっていたトキワイカリソウの葉.
赤茶色のハート型がめだっていたトキワイカリソウの葉.ショウジョウバカマを撮る少女.
ショウジョウバカマを撮る少女.小さいけれどマツムシソウの葉.今年の秋に花を咲かせる準備.
小さいけれどマツムシソウの葉.今年の秋に花を咲かせる準備.登山道沿いに可憐に咲くショウジョウバカマ.個体で色の違いがあるのがおもしろい.
登山道沿いに可憐に咲くショウジョウバカマ.個体で色の違いがあるのがおもしろい.キジムシロも花を咲かせていた.
キジムシロも花を咲かせていた.島根県側には芽吹きのはじまったカラマツがあった.
島根県側には芽吹きのはじまったカラマツがあった.濃い緑色の正体を確かめに,現地へ向かう.
濃い緑色の正体を確かめに,現地へ向かう.雪で崩れてしまった登山道.
雪で崩れてしまった登山道.見たものを先生にすぐ聞くことができるのが,観察会の楽しいところ.
見たものを先生にすぐ聞くことができるのが,観察会の楽しいところ.日当りがよい場所のためか,ひとつだけ咲いていたニオイタチツボスミレ.
日当りがよい場所のためか,ひとつだけ咲いていたニオイタチツボスミレ.谷筋にところどころある残雪.
谷筋にところどころある残雪.雲月山を下る.帰り道が早いのはなぜだろう?
雲月山を下る.帰り道が早いのはなぜだろう?最後のまとめ.早春の草原を感じた観察会だった.
最後のまとめ.早春の草原を感じた観察会だった.

【イベント報告】霧ヶ谷湿原の整備

  • 開催日時:2011年4月23日(土) 9:30
  • 講師:自然再生協議会

 八幡湿原自然再生協議会の委員からの呼びかけで,初めて開催された霧ヶ谷湿原の整備に参加しました.
 お天気が心配されましたが,雨も降らず作業着,長靴の装備で20名の参加者が集まりました.
 協議会の和田委員より作業手順をお話いただき,現地で二手にわかれて作業開始です.私が担当したのは,湿原の観察路をふさぐ折れた木々の整備です.うまれてはじめて持つ手ノコにとまどいながら,使い方や木の処理方法のアドバイスをもらい,作業しました.最初は難しかったけれど,使っていくうちにスムーズに木を切ることができる様になり,時間を忘れて作業しました.折れた木がきれいになり,観察路が通れる様になるのがとても嬉しかったです.
 もう一方の班は湿原の中のカラコギカエデなどの低木の伐採を行いました.
 みんなで力を合わせ,短時間ではありましたが,広い範囲の手入れを行うことができました.
 休憩中もこれからの霧ヶ谷湿原のあり方が話題にのぼりました.春を迎え,たくさんの方に訪れて欲しいなとも思いました.
 整備や管理を含め,自分たちができることを考えながら,霧ヶ谷湿原をあとにしました.[こうのやよい]

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中越会長よりごあいさつ
中越会長よりごあいさつ和田委員より,日程や作業手順の説明中.
和田委員より,日程や作業手順の説明中.雪が残る高原の自然館前で記念撮影.作業がんばるぞ〜!
雪が残る高原の自然館前で記念撮影.作業がんばるぞ〜!霧ヶ谷湿原に到着.
霧ヶ谷湿原に到着.ブルーシートを使って刈った草木を運び出す.
ブルーシートを使って刈った草木を運び出す.昼食後,委員,参加者で意見交換.
昼食後,委員,参加者で意見交換.一カ所に木を集める.
一カ所に木を集める.協力して木を運び出す.思ったよりもずっしりと重い.
協力して木を運び出す.思ったよりもずっしりと重い.運び出した木の前で記念撮影.
運び出した木の前で記念撮影.作業終了後のあいさつ.みなさんおつかれさまでした!
作業終了後のあいさつ.みなさんおつかれさまでした!