- 開催日時:2013年6月29日(土) 9:30
- 集合場所:高原の自然館
- 講師:大竹邦暁・松田賢・和田秀次
- 準備:基本セット
- 定員数:30名
- 参加費:
- 一般=300円
- 賛助会員=100円
- 正会員・中学生以下=無料
霧ヶ谷湿原を歩きながら,植物や昆虫を観察します.夏の昆虫は,子どもたちに大人気の観察会です.
⇒お申し込みはこちらから
霧ヶ谷湿原を歩きながら,植物や昆虫を観察します.夏の昆虫は,子どもたちに大人気の観察会です.
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心配されていた雨も上がり,昆虫達も喜ぶ天候の中,湿原の昆虫観察会がおこなわれました.今回の講師は,昆虫の専門家である岩見先生と,松田先生です.
高原の自然館に15名が集合し,歩いて湿原へ向かいます.初めに,自然館の周辺を飛んでいたチョウを採集して観察しました.翅の裏の模様からウラギンヒョウモンだと分かりました.また,黒い体と胸部の横の白い線が特徴的なキリギリスの仲間、ヒメギスの幼虫や,ウツギとその仲間の花粉や蜜だけを幼虫のエサとするウツギヒメハナバチ,里山の妖精とも言われるチョウであるアカシジミなど,湿原までの道でも,たくさんの昆虫が見られました.「雨が続いたので昆虫達が中々活動できなかった.今日は久しぶりに晴れたので,一斉に活動を始めている様子を観察できますよ.」と先生達も嬉しそうに話されました.松田先生が車道沿いでトンボを発見しました.ヒロシマサナエです.「数年前までは湿原の中でしか見られなかったヒロシマサナエが車道でも確認されたということは,個体数が増えているのでは.」と,実物と図鑑を見比べながら話されました.
水口谷湿原では,多くのトンボが見られました.ニホンカワトンボと,ニホンカワトンボより体が小さく,生息地もより小さな川を好むアサヒナカワトンボや,三角形の黄緑や黄色の模様が美しいサラサヤンマなどを観察できました.ヤンマ科は複眼が大きく,左右の複眼が広く接していることが特徴ということを教わりました.水口谷湿原から霧ヶ谷湿原へと向かう道は,樹林との距離が近いためか,セミの鳴き声がとても大きく聞こえました.この時期に鳴いているのはハルゼミとエゾハルゼミの2種だそうで,両方とも確認できました.植物の影で休んでいる個体も見つかり,ゆっくりと観察することができました.
霧ヶ谷湿原では,ヒメシジミやヒオドシチョウ,モンキチョウにトラマルハナバチなどが,吸蜜や花粉集めなどに夢中な様子で飛び回っていました.急ぎ足の帰り道でも,観察は続きます.アスファルトの上にハバチを捕らえたムカシヤンマを見つけました,触れられる距離まで近づいても逃げる素振りを見せず,がっしりとした印象を受ける太い腹部や,捕食の様子をじっくりと観察できました.
2つの湿原を歩き,同定できたものだけで,38種類のいきものと出会え,どこに注目すれば見分けることができるかを教えていただき,湿原を歩く時の楽しみが増えた観察会となりました.[ありみつまさかず]
※観察会での採集は,広島県の許可を得ておこなっています.
「アカシジミを見つけたこと」「ヒロシマサナエ,ムカシヤンマ,サラサヤンマ等多くの昆虫の仲間に出会えた事」「ヒメシジミの色と形」「色々貴重な虫が見れたこと,それも簡単に」「先生にいろいろと説明していただけたのでとても勉強になりました」「カメムシ」「セミに似た小さな虫(ツノゼミ)」「講師の先生が図鑑を調べて,「これがヒロシマサナエです」ってなったこと」「うつぎの花粉に卵を産むウツギヒメハナバチ」
「羽化したてのチョウがいろいろいておもしろかったです」「梅雨の一休みに楽しく湿原が歩けて楽しかったです」「多くの昆虫を見れて,名前がわかり楽しかった」「たのしかったです」「自然にふれられて,子どもたちもうれしかったみたいです」「目線を変えてみれば色々な物が発見出来た」「すごく楽しかった,また参加したいです」「虫はまったくくわしくないのに,先生たちのお話がわかりやすくておもしろかった.興味が湧きました」「雨上がりと虫が多かった」
「やさしく親切で状況にあわせて説明して下さった」
「また行きたいです」
湿原の昆虫観察会
実物と図鑑の写真を見比べる.胸部の模様からヒロシマサナエだと分かった.
水口谷湿原で昆虫を観察中.木道に出ていたカナヘビも発見できた.
草影で休んでいたハルゼミ.普段は見上げるセミを身を屈めて観察する.
間近で見るトンボに視線が釘付け.
橙,黒,白の翅模様が美しいアカシジミ.
自然館前に集合してまとめをする.子ども達はまだまだ元気!
ひろしま「山の日」県民の集いの八幡高原会場で,初心者のための登山教室が行われました.霧雨が降る中,21名の参加者が山麓庵に集合して,今回の講師をされる日本山岳会のメンバーの紹介や日程のお話がありました.今回登る高岳は,急斜面が少なく,頂上までの距離も短いため,これから登山を始められる方にも向いていることや,山の中での歩き方などを説明していただきました.その後,高岳の登山道入口まで車で移動して,準備運動を終えるといよいよ登山開始です.列の前後と中央に講師が入り.ペースの調整や休憩の合図,急斜面などのすべりやすい場所では一旦止まって声を掛けるなど,ゆっくりと登りました.途中の休憩時間では,呼吸の取り方を教わりました.呼吸を乱さないくらいのペースで歩くこと,乱れた時はまずはしっかりと吐き出すと自然と吸えること,歩くリズムに合わせて呼吸をすると良いことなどを解説されました.休憩を終えてしばらく登ると頂上につきました.頂上は整備されて開けた場所になっていました.講師の方が「ここは毎年山岳会が整備をしていて,少しずつ展望を良くしている.今日はあいにくの天気だが,天気の良い日は聖湖と臥竜山,恐羅漢,聖山などを見渡すことができますよ」と,話されました.昼食を取り,一息ついた後は,下山を始めます.下山の前にストックの講習を受けました.「ストックを上手に使うと,足にかかる負荷の分散とバランス取り,滑り止めを兼ねることができ,特に下山が楽になります」と,ストックを使った歩き方を見せていただきました.山を下って登山口に着き,クールダウンをして現地での解散となりました.一緒に登った参加者と意気投合できたり,今日教わったことを活かしてまた山に登ってみようと,新鮮な発見ができた登山教室となりました[ありみつまさかず]
1列になって高だけを登る.この頃には雨がやんでいた.
配られた資料.高岳までのルートと,山での歩き方などが載っていた.
今回講師をされる日本山岳会広島支部のメンバーの紹介.
登山道入口ではヤブデマリが咲いていた.
歩くリズムに合わせると呼吸をしやすいことを聞いた.
1輪だけ咲いていたヤマボウシ.頂上では満開のものもあった.
頂上に到着.臥竜山や恐羅漢などがどの方向にあるか教えてもらった.
まだうす暗い早朝5時に,14名の参加者が臥竜山の雪霊水前に集合しました.鳥の専門家,上野先生が講師です.
雨が降りそうで気温が低い時間帯なので,鳥は活動していないだろう・・と思ったら,にぎやかなミソサザイの鳴き声が私たちを迎えてくれました.
ミソサザイは名前の通り,「味噌」の色をした小さな野鳥で,鳴き声が早口で高い声でさえずり,一度聞いたら覚えやすいような気がします.この観察会が実施された3時間の間,どの場所でもミソサザイのさえずりを聞くことができました.
アカショウビンの声も聞こえたので,しばらく観察していましたが,残念ながら姿をみつけることはできませんでした.
車道を歩き進みながら,上野先生の解説を聞きました.
参加者の方から,「トビくらいの大きい鳥がいた!」との声があがり,みんなで見ていると,確かに大きめの鳥が翼をひろげ,木の間をぬうように飛んでいました!中型の猛禽類のオオタカでした.オオタカは開けた山野に生息し,ハトなどをえさにしているそうです.
一瞬でしたが,観察できたのでとても幸運でした.
観察した場所は臥竜山の8合目あたりで,車道沿いの林床はササがほとんどなく,クロツグミなどの大型ツグミにとってはミミズなどがよく捕とれるとのことでした.
ミミズをえさにしているクロツグミもいました.フィールドスコープでクロツグミを見ると,黒い体に黄色いくちばし,アイリング(目のまわりのふちどり)が可愛らしく,何度も覗き込んだり,写真を撮ったりして,観察を楽しみました.
他にも,短い鳴き声が特徴的なクロジ,おなじみのウグイスやヤマガラ,最近増えている特定外来生物のソウシチョウなど,全部で21種類の野鳥を確認しました.
参加者の方から,「昔はおみくじ引きのヤマガラがいた」という話を聞きました.鳥と人間の関わりが興味深かったです.こういったお話を聞けるのも,観察会の醍醐味です.
今回も早朝のブナ林で野鳥を楽しむことができました.(こうのやよい)
「鳥の姿が少ないものの,声を聞くが出来て良かった.特にクロジのさえずりがめずらしい」「虫こぶ」「クロジがよく見れた」「虫こぶ」「アカショウビンの鳴き声が近くて感動」「木の穴から顔を出したミソサザイ」「雨」「虫コブ」「ホトトギスの声を初聴したこと」「クロツグミをしっかり見られた」
「雨と思ったが,以外に天候良く,見晴らしがきき良い観察会でした.でに終了時はやっぱり雨!でも良かった」「人数が多いと山の探鳥会はむずかしいことが多いですが,よく取りが出ました」「楽しかった」「葉がたくさんでていて,みえにくかったかな」「アカショウビンが見れなくて残念!」「雨もまたたのし」「寒いし,雨でしたが,クロジのさえずりが聞けたのがよかったです」「色々な鳥の声が聞くことができて楽しかった」「アカショウビンは声のみ,残念」
「鳥,植物に関する詳しい説明があり理解しやすい」「生態系を教えてもらえて,興味深い」
「また来年を楽しみにしています」「小声で個人的に話している.質問にもよく答えていただいた.」「ありがとうございました」「雨の中ありがとうございました
」
例年のごとく雨で始まる観察会となった.
鳴き声が聞こえるものの,姿を捉えるには根気が必要.
フィールドスコープと携帯電話のカメラを組み合わせて撮影にトライ.
キツツキの仲間が開けたと思われる穴.
ウスギヨウラクの花がきれいに咲いていた.
ブナの葉の上で見つけたムシコブ.きれいなピンク色だった.
毎年,霧ヶ谷湿原で行われているカスミサンショウウオの産卵調査に,9名の参加者が高原の自然館に集合しました.最初に館内で講師の内藤先生が,北広島町に生息するサンショウウオの種類や,今回調査するカスミサンショウウオの生態,これまでの調査見つかった卵塊の場所などを解説されました.卵塊の数を調べると,それを産みに来た親の数も分かり,産卵場所を記録することで湿原がどのように変化しているのかもわかるようになる,とカスミサンショウウオが湿原の指標を表すいきものであることもわかりました.解説の後は,調査に入ります.手順としては,水の流れがほとんどなく,少し深い水の溜まりを探すことから始めました.卵塊や成体を発見したら場所と数,卵塊なら中の胚の数と成長具合も調べて記録します.今回は2班に分かれて,霧ヶ谷湿原へ向かいました.私は内藤先生の班で,川の上流側を調査することになりました.調査する場所は,車道の近くのカンボクが立ち並ぶ周辺,川を渡った木道付近,そこから奥に進んだ山際の3箇所です.カンボクの周りでは見つけることができませんでしたが,木道付近と山際では卵塊を見つけることができました.どちらも卵塊を新しい場所で発見し,とくに山際に関しては「前回の調査ではここよりも木道に近い場所で卵塊が見つかり,ここでは見つからなかった,今回はその逆が起こっている.より適する場所が山際近くにできたのでそこで産卵するようになったのかもしれない」と内藤先生は話されました.カスミサンショウウオ以外にも色々なカエルの卵塊や成体を見つけることができ,卵塊の数や胚の成長具合を同様に記録していきました.変わらないように見えて,少しずつ変わっていく霧ヶ谷湿原を,文字通り肌で感じることのできた産卵調査となりました.[ありみつまさかず]
「カスミサンショウウオの親が見れたこと」「卵の中で幼生が育っていて,ちょうど生まれてきたのでおどろきました」「一番最初に卵塊を見つけたこと.あの「ムニョッ」とした感覚は忘れられないですね」「全員が卵塊を発見できた事.イバラの多さ」「落ち葉の小さな水たまりに,沢山卵?幼生が見つかったのでおどろきました.同じ所に数匹分のたまごがあるので,場所の好みが同じなんだなーと実感しました」「カスミさんしょうおをさわったこと」
「探すのが楽しかったし,色んな生き物が見れて楽しかった」「普段は入れない所を歩いて貴重な体験でした.ありがとうございました.毎年の調査で,産卵場所が広がっていることがわかり,研究大切さを感じました.」「イバラに手こずりましたが,2時間,充実した時間が過ごせました.ありがとうございました」「今年は発生が早く,親個体が見れないと思ったが,親が見れてよかった」「イバラに刺されて痛かったです.貴重な体験ができて,とても楽しかったです」「おもしろかったからまたいきたい」
「また参加してみたいです」「調査は継続することが大切ですね.また来年も参加します!!お疲れ様でした.ありがとうございました」「次回も楽しみにしています」「とても楽しかったです.また,ちょうさをがんばってください」
自然館内で座学中.カスミサンショウウオの個体毎の違いを写真で教えていただいた.
調査開始.深すぎず浅すぎず,タカハヤなどがいないところを探す.
カスミサンショウウオの卵塊を発見!2対1組で産みつけられているのが特徴.
地図を確認しながら,場所と胚の数,成長具合を記入する.
ここはどうだろう・・・?
アザミの中でじっとしていたアマガエル
成体も見つかった.産卵してから移動したのか,同じ溜まりの中では卵塊が見つからなかった.
胚の数を確認する.
自然館に戻り,今回の調査で卵塊が確認された場所を報告し合った.