【活動報告】第14回ハカセ喫茶「鶴見喫茶」開店♪(2017.7.14)

2017年5月、国の天然記念物であるコウノトリが、北広島町大朝に飛来してきました。
飛来を機に「コウノトリをもっと知ろう」と、「鶴見喫茶」が2017年7月14日、大朝で行なわれましたので、レポートします。

大朝地域でははじめてのハカセ喫茶「鶴見喫茶」の開店です!
会場は、大朝のわさまち通り商店街にある 福光酒造株式会社さんです。
実はまだリニューアルオープン前だそうですが、快く引き受けてくださいました。佇まいがとてのステキな空間です。
お菓子は からしろ館にお願いして、「ベルグス」のお菓子セット。
ボリュームがある塩ロールとシュークリームで甘さいっぱいの口福を感じました。

今回のハカセは、野鳥や哺乳類の専門家として観察会ではお馴染みの上野ハカセです。聞き手は芸北 高原の自然館の学芸員 白川 勝信ハカセです。
上野ハカセは、わざわざこのイベントのために、兵庫県にある「 兵庫県立コウノトリの郷公園 」にも行かれたそうで、どんなお話が聞けるのか、わくわくしながら、スタートしました。
まずは上野ハカセに、「なぜコウノトリなのに鶴見喫茶なのか?」という、疑問に答えていただきました。
昔はコウノトリとツルはよく混同されて考えられていたそうです。
例えば花札の絵に、松に舞っているツルが描かれていますが、実はこれはツルではなくコウノトリなんだとか。
ツルは「掴む」という仕草のできない足の構造上、樹上に止まるということは出来ない鳥と説明がありました。「掴む」ことができ、樹上に止まることができる足の構造をしているコウノトリが、ツルと間違われて、描かれてしまった結果、樹上に止まるツルという、本来はあり得ない構図が出来てしまったということです。
確かに、コウノトリもツルも大型の白い鳥。
遠目に見たら、コウノトリがツルに見えてしまったのかもしれませんね。
他には、ヨーロッパやアフリカにいる、「赤ちゃんを運んでくるコウノトリ」であるシュバシコウ、ちょっと頭あたりの羽毛が残念なハゲコウなど、コウノトリの仲間の写真での紹介もあり、参加者は真剣に、スライドに注目して、ハカセたちの話に耳を傾けていました。
少し休憩を挟んだあとは、大朝に飛来してくれたコウノトリの個体についての詳しい話に移ります。
日本のコウノトリは、足に足輪がはめられており、その色や順番で、一般の人にも個体識別ができます。
上野ハカセ曰く、大朝の個体J0103は、2015年に生まれた若いメスで、人間でいうと、まだまだ子供のコウノトリだそうです。お母さんは年上女房で、どちらかというとお父さんが子万能で、子育てをしっかりするカップルなんだとか。今年もこの両親の間に、J0103の兄弟が無事に生まれたという、嬉しいニュースも聞かせてもらえました。
会場からの質問に「数が少ないから、近い血同士でのカップルの心配はないのか?」というものがありましたが、なんと、巣立ちしたコウノトリはオスは近場生息し、メスは遠くへと旅立つ習性があると、上野ハカセが答えてくださいました。 近親でつがいにならないように、本能に組み込まれているんですね。
「おお〜」「自然ってすごい!」という感嘆が、あちこちからあがっていました。 このように、コウノトリの生態や生息環境を知ることで、もっと身近な生きものになったのではないでしょうか。

最後に、会場で参加者全員の集合写真を撮影しました。
福光酒造の福光さんや、協力してくださった NPO法人INE OASAIの堀田理事長からのコメントなどもあり、チャレンジされている「里山を感じる!大朝サイクリング事業」の紹介もありました。
大朝地域で初開店の「鶴見喫茶」は大いに盛り上がり閉店しました。