暖かい2月の風が,雪をすっかり溶かしてしまいました.小雨模様ながら気温は低くなく,まさに春先のトレッキングとなりました.参加者は14人.講師の佐久間先生に案内されながら,自然館を出発しました.水口谷から流れてきた小川では,ネコヤナギの新芽が雨に濡れていました.雪があっても無くても,ネコヤナギはこの時期に芽を開きます.花が咲くまでにはもう少し時間がかかりますが,八幡高原で春を予感させる植物です.雪が無くなったワタデガハラでは,冬の間にハタネズミが餌を探した溝が見えます.点々と見えるモグラ塚は,春の訪れを待っていたモグラが「ようやく土を出せる」と喜んでいる姿を想像させます.水口谷湿原の植物は,まだじっとしているようでしたが,雪解け水が多くながれていました.ミズガ垰に登っていくと,そこから霧ヶ谷湿原へと新しい散策道が続いています.カンボクとカラコギカエデのトンネルを抜けると,視界が開け,木道が伸びています.遠くには,アテツマンサクが1株,黄色い花を咲かせていました.川沿いには,もうフキノトウが出ていました.再生事業でコンクリートが撤去された水路には砂が貯まり,自然の河川のようになっていました.霧ヶ谷湿原の導水路に生き物たちの姿は見えませんでしたが,暖かくなれば,カエルの卵やタカハヤが見られる,楽しい木道になることでしょう.帰りに水口谷の山際を通るときに,僅かに雪が見られましたが,扇谷の上から見た苅尾にも,ほとんど雪がありませんでした.自然館に戻ると13時になろうとしていました.花はほとんどありませんでしたが,時間がアッという間に過ぎた,充実した観察会でした.
高原の自然館前から観察を開始.講師は佐久間先生.
ネコヤナギがひらきはじめていた.
ワタテガハラにはたくさんの「モグラ塚」.ハタネズミが雪ノ下で餌を探したトンネルも,雪が解けて溝になっていた.
水口谷湿原では,雪解けで水が豊富だった.
出来上がったばかりの,霧ヶ谷湿原の木道.
少し広い木道.車いすでも通れるようになっている.
扇谷の上から千町原を望む.191スキー場の雪も,ずいぶん少なくなった.