自然観察会」カテゴリーアーカイブ

【イベント報告】キノコ観察会

  • 開催日時:2011年10月8日(土) 9:30
  • 講師:川上嘉章

 秋晴れという言葉にふさわしい快晴の下,27名が聖湖キャンプ場に集合しました.今回の講師は川上先生です.まずは,駐車場でお話を聞きました.キノコを採取する時は,同定しやすくするために,出来るだけ根元から採ること,毒キノコでも素手で触って大丈夫だが,カエンタケと呼ばれるものには触れない事,など採取に関する諸注意を話されました.その後,それぞれに分かれてキノコを探し始めました.山の中に入ると,朝特有の冷たく澄んだ空気や,木々の間から落ちてくる木漏れ日が,参加者達を出迎えてくれました.歩き始めるとすぐに,次々と色々なキノコが見つかります.身近な場所に生えて,食用にもなるハタケシメジや,白く美しいが,とても強い毒を持つドクツルタケなどが見つかりました.途中で別の場所を探していた人達と合流し,奥へと進みました.途中でギンリョウソウが種をつけている姿も見つけました.集合場所へと移動したあとは,お楽しみの同定作業です.採って来たキノコがなんと言う名前なのか,食べられるのかどうかを,川上先生に教えてもらいます.まずはキノコをビニールシートの上に並べます.同定しやすいように,姿が似ているキノコは同じ場所にまとめました.また,キノコだけでなく,クリやヤマボウシの実を集めた方もいました.並べたキノコを,じっくりと眺め,香りを確かめ,時には図鑑を引き,同定したものは,名前を紙に書いて,その上に置いていきました.名前を書く時にも,先生の工夫がキラリと光ります.黒,赤,青と,3色のペンを使い,それぞれ,食べられる物は黒,毒を含んでいる物は赤,極微量の毒もしくは,毒は無いが,食用には適さない物は青,という意味合いを持たせ,一目でどんなキノコなのか分かるように工夫されていました.同定を終えた後は,キノコを1つ1つ手に取って解説をされました.スーパー等で売られる事もあるクリフウセンタケや,2つに切るとスッポンの頭のような中身がみられるスッポンタケ,傷を付けると赤い液が出てくるチシオタケなど,実際にその特徴を見せながら説明をされました.また見た目が似ているのキノコの名前や,それとの区別の付け方なども話されました.参加者の方は,変わったにおいをするキノコを嗅いでみたり,名前の由来について質問するなど,熱心に先生のお話を聞いていました.普段はあまり見たり,知る事が出来ないキノコの魅力に触れられた観察会になりました.(ありみつまさかず)
みなさんの印象に残った物

「大きなベニウラホテイシメジに感動しました」「冬虫夏草の発見」「スッポンダケを初めて見たのでオドロキでした.」「良いお天気」「冬虫夏草.始めて知りました.」「以外と大きいキノコが多かったこと」「大きいきのこが採れた時.すっぽんだけの輪切りした時.」「ウラベニホテイシジミ.ハタケシメジ.」「すごくたくさんの種類のきのこが身近にあること」「あんがい簡単に見つけることができてびっくりしました.」「ワサビタケとチシオタケなどおもしろいキノコ(名前が)が見つかったこと」「初めて見るものが多い.」「天気が良かった」「多くの種類のキノコが採れたこと」「説明してもらってよかった」

参加したみなさんの感想(抜粋)

「天気良くてさわやかで」「天気も良くて楽しかったです.」「色々小さなキノコの種数が多い事にビックリ」「天気も良く山歩き最高でした.」「天気が良かったので,探して歩くのが気持ちよかった.」「春先にもきのこ観察会をして欲しい.」「たくさんのきのこが見れて最高でした」「自分の知らないきのこの世界があることに驚きました.自然はすごいと思います.」「いろいろな種類のきのこが見れておもしろかったです.」「川上先生について,キノコ探しをしていろいろなキノコを見つけられて楽しかったです.」「種類が多くてわからない」「大きいのがとれなかった」「勉強になりました」「先生が優しい」「きちんと整備されたキャンプ場でのキノコ観察会は素人にも親しみやすいイベントですね」「山あるきも楽しいです」

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快晴の中で始まった今回の観察会.最初に先生のお話を聞く.
快晴の中で始まった今回の観察会.最初に先生のお話を聞く.木漏れ日の中を歩く.
木漏れ日の中を歩く.静かな山の中は,どこか厳かな感じがした.
静かな山の中は,どこか厳かな感じがした.しゃがんで見てみると,すぐにキノコを見つけることができた.
しゃがんで見てみると,すぐにキノコを見つけることができた.木の幹に生えていたキノコ.このキノコの名前は?
木の幹に生えていたキノコ.このキノコの名前は?とても辛く,毒も持っているドクベニタケ.
とても辛く,毒も持っているドクベニタケ.これもキノコ?いいえ,ギンリョウソウでした.
これもキノコ?いいえ,ギンリョウソウでした.カゴいっぱいに採れた!
カゴいっぱいに採れた!集めたキノコをシートの上に並べる.同じようなキノコはどこにあるかな?
集めたキノコをシートの上に並べる.同じようなキノコはどこにあるかな?同定したキノコを手に取って解説される川上先生.持っているのはドクツルタケ.
同定したキノコを手に取って解説される川上先生.持っているのはドクツルタケ.

【イベント報告】霧ヶ谷湿原 秋のいきもの観察会

  • 開催日時:2011年9月17日(土) 9:30
  • 講師:岩見潤治・大竹邦暁・和田秀次

 台風の接近で,天候の心配はありましたが,霧雨が少しある程度でときどき晴れ間も見られる中,高原の自然館に27名が集まりました.今回の講師は,岩見先生,大竹先生,和田先生です.今回の観察会は,八幡湿原のひとつでもある,霧ヶ谷湿原における自然再生事業の仕組みとその後の変化の観察です.
 歩き始めてすぐ,八幡の代表的な木であり,赤い実をつけるカンボク,かわいらしい花を咲かすアケボノソウ,別名,ジイソブとも呼ばれ,「じいさんのそばかす」で盛り上がった,ツルニンジンなど,湿原の外側からもたくさんの生き物を見つけました.
 霧ヶ谷湿原に入ってすぐはうっそうとした場所が続きます.ここは再生事業が行われる前からあったヤブだそうです.その中で,ハート模様を身にまとったカメムシや,長旅をしてきたアサギマダラなど,はじめましての仲間たちにもたくさん出会いました.
 木道があらわれると景色ががらりと変わります.アブラガヤやオタカラコウ,ツリフネソウ,キセルアザミなど,湿原生植物がたくさん観られるようになります.途中,参加者から,「湿原を再生する意味はあるのか?」という質問があり,その答えとして,和田先生は,「地球の生物が減少している.その原因は様々であるが,原生の自然が壊れていることは確か.湿原も同様で,生物の減少を防ぐためにも,湿原を再生させたほうがよい.」ということをおっしゃっておられました.学芸員の白川さんも,「森は多くあり,森に生きる生物は森に帰ることができるため増えている.一方,湿原は減少していて,湿原特有の生物たちはどんどん減っている.また,湿原再生は,その周辺地域の洪水を防ぐことに大いに役立つ.湿原再生は保全だけでなく,防災,今回のようなレクリエーションなどの多面的価値を生み出す.」ということを語られていました.
 帰りはアスファルトの車道の上を歩いて帰りました.普段ならただ歩くだけの道も,たくさんのことを知ってから見ると,がらっと景色の印象が変わりました.見たり触ったり匂ったり,感じながら「知る」って大事だと,わかってはいたものの,今回の観察会で改めてその大切さを知ることができました.
 今回の観察会ではいきものだけでなく,湿原における河川改修,導水路,観察路,伐採,側溝改良の5つの事業が実施された様子を見ました.その中で,植物を移動させるのではなく,環境を整え,あとは自然に生えてくるのを待つだけ,というこの再生事業の特色を実際に見て体感しました.同じ湿原でも,場所によって生息する植物が違ったりして,様々な湿原の様子を感じたのですが,この様子も年々変わっていくそうです.ここには書ききれないほどの魅力が八幡の自然にはあふれていて,まだまだ知りたいことばかりです.これからももっと感じ,知り続けていきたいと思います.[しんばらゆき]

みなさんの印象に残った物

「カンボクの実,カマキリのセンチュウ」「エゴネコアシアブラムシ」「つりふね草を触ったら中から種がはじけてびっくりしたのが印象に残っています.」「初めて出会った草花,水中生物,トンボ」「講師の先生方の誠実な説明が心に残りました.ありがとうございました.」「ツリフネ草の実がさわるとはじけること」「湿原の再生が皆さんの多くの知恵の結集で成功していてとてもうれしく思う」「霧の中での植物の観察」「湿原再生事業について」「湿原を再生したということ.」「ツリフネソウの種がはじけて飛ぶことを知った」「あけぼの草が多く自生している事」「ムカシトンボの幼虫とマアザミ,アケボノソウが一番いい時だった.」「山の天気は変わりやすい」「花がたくさんあってうれしかったです.今後もう少し勉強して,又参加したいです.」「カンボクの実が大変きれいでした.」「湿原の再生が,うまくいっている事」

参加したみなさんの感想(抜粋)

「動物,昆虫が少なかったので少し残念.次回に」「生き物のこと,再生事業のこと,いろいろ聞けてよかったです.」「植物や動物,花の全てに名前があって,そういう形になった理由もあって,”ふつうのカマキリ”,”ただの草”,”ただの咲いてる花”から見る目が変わりました!!奥が深〜〜いと思いましたー!」「年に何度か訪れていますが,湿原再生の意義について学ぶことができました.水中生物,植物などで新たな知識を得て,次回の散策が楽しみです.視野が広まりとても充実した一日となりました.」「今まで知らなかった植物や生き物の名前がわかり,目の前でその名を呼びながら観察できたのがすばらしかったです.」「ムードがとても良かった.」「先生の説明がとてもわかりやすくてよかったです.」「勉強になりました」「わかりやすい説明で楽しかったです.」「初秋の湿原を楽しく歩けました.」「地元にいながら知らない事が理解できて良かった.」「動植物との関係が一度に見れてよかった」「いろいろ勉強になりました.」「おもしろかった」「今後もう少し勉強して,又参加したいです.」「今日は霧雨の中,霧ヶ谷湿原を歩いてみて3年前,2年前,1年前と変化があって良かったです.湿原性の植物も沢山見られて良かったです.」

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高原の自然館で,八幡湿原全般の話を聞いてから出発.
高原の自然館で,八幡湿原全般の話を聞いてから出発.ツルニンジンの解説をする大竹先生.
ツルニンジンの解説をする大竹先生.霧ヶ谷湿原の入口で,アサギマダラに出会った.
霧ヶ谷湿原の入口で,アサギマダラに出会った.霧ヶ谷湿原には,タムラソウ,アブラガヤなど,湿った場所を好む花が咲いていた.
霧ヶ谷湿原には,タムラソウ,アブラガヤなど,湿った場所を好む花が咲いていた.水生昆虫の説明をする岩見先生.川底をガサガサと探ってみると...
水生昆虫の説明をする岩見先生.川底をガサガサと探ってみると...ムカシトンボのヤゴ.小さい.
ムカシトンボのヤゴ.小さい.ママと参加のチビッコも,霧ヶ谷でくつろぎ中.
ママと参加のチビッコも,霧ヶ谷でくつろぎ中.河川での工法について説明する和田先生.もとは三面張りコンクリートの水路だったが,側壁を壊し,石が置かれた.
河川での工法について説明する和田先生.もとは三面張りコンクリートの水路だったが,側壁を壊し,石が置かれた.

【イベント報告】可愛川の水生生物観察会

  • 開催日時:2011年8月7日(日) 13:00
  • 講師:内藤順一

 主にオオサンショウウオの観察と調査をする可愛川の観察会に11名の方千代田公民館へ集合しました.講師は内藤先生です.最初に同館内でオオサンショウウオについての話がありました.オオサンショウウオは世界最大の両生類で大きさは150cmを超える個体もいることや,目の前で動いているものは何でも口に入れるので,様々なものが胃袋から出てくること.生息域は西日本に集中しており,岐阜県より東にはいないことなどを教えていただきました.
 話を終えた後は,車で観察場所まで移動しました,車から降りて川の横を歩いていると,内藤先生が「あそこにおるよ」と声をかけられました.その先には,堤の端に出てきているオオサンショウウオの姿が見られました.「遡上しようとする魚が,堤に沿って横へと移動する.あそこにいればその魚を楽に捕食できる」と解説されました.川に入り,まずは上から見たオオサンショウウオの所へと向かいました.2mほどまで接近しても逃げるそぶりを見せませんでした.「これくらいまで成長すると,この付近では生態系の頂点になる.敵がいないからあまり隠れたり逃げたりしなくなる」と話されました.
 その後,5匹を捕獲して,それらの個体の調査を始めました.捕獲した個体に,それぞれ違う番号をもつマイクロチップを注射器で身体に埋め込んで放し,次の調査の時に身体を調べて,マイクロチップをつけていない個体には新たに埋め込んでいく,という方法でこの周辺の個体数を数えていきます.この方法で,現在100匹を超える個体がこの流域に生息していることが判明しています.今回の調査では5匹のうち4匹が新たに発見された個体だということが分かりました.「たくさん生息しているようにみえるが,幼体は確認されていない.今いる成体がいなくなると,ここでオオサンショウウオ見ることは出来なくなるだろう」と,繁殖場所がないことに危機感をもたなければいけないことを教えていただきました.また調査中に,イトモロコ,ギギ,カワヨシノボリなどの魚や,スジエビなども見つけることができました.
 生息しているからと安心するのではなく,繁殖場所の確保や,遡上するための道の設置など,生物がきちんとしたサイクルを送れるようにすることが重要だと感じた観察会になりました.[ありみつまさかず]※観察会での採集は,広島県及び北広島町から許可を得て行っています.
みなさんの印象に残った物

「はじめてオオサンショウウオをみたこと」「オオサンショウウオの生態」「オオサンショウウオの大きさ」「自然に生きるオオサンショウウオが見ることができたこと」「太古の生物はすごい.河川で大きさと古さで食物連鎖の大玉です」「オオサンショウウオのにおい」

参加したみなさんの感想(抜粋)

「魚を捕まえられてうれしかった」「(毎年の調査により)人になれたオオサンショウウオはおとなしく,触れることもできる観察会でした.」「初めてオオサンショウウオを見て身近に感じた.」「身近な自然に触れることができてよかった.」「川の流れは変わらないように見えるが水質はどうなのか考えさせられた」「身近にオオサンショウウオがいることがわかったこと」

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公民館内でお話を聴く.写真は北広島町内での生息域について.
公民館内でお話を聴く.写真は北広島町内での生息域について.堤の端に出ていたオオサンショウウオ.息継ぎのために水面から鼻先を出している.
堤の端に出ていたオオサンショウウオ.息継ぎのために水面から鼻先を出している.調査中に見つけた魚をみる.魚だけではなくエビも見つかった.
調査中に見つけた魚をみる.魚だけではなくエビも見つかった.川のほとりでの解説.実物を見ながらなので,自然と熱が入る.
川のほとりでの解説.実物を見ながらなので,自然と熱が入る.脱皮中の個体の前足.薄く透明な皮が,指先についている.
脱皮中の個体の前足.薄く透明な皮が,指先についている.個体識別のために埋め込んだマイクロチップを探す.見つからなければ未発見の個体として,新たにチップを埋め込んでいく.
個体識別のために埋め込んだマイクロチップを探す.見つからなければ未発見の個体として,新たにチップを埋め込んでいく.調査を終えて元の場所へと放しに行く.
調査を終えて元の場所へと放しに行く.DSCN3718
DSCN3718

【イベント報告】カワシンジュガイの観察会

  • 開催日時:2011年7月31日(日) 9:30
  • 講師:内藤順一

 少し雲がかかり,外に出るにはちょうど良い気温の中,芸北文化ホールに5名が集合しました.今回の講師は内藤先生です.最初に会場内でカワシンジュガイについて話しをしました.1986年の工事中の河川で発見され,それより前に確認されたのは15年前だったこと.芸北地区が生息域の最南端で,県や町の天然記念物や絶滅危惧種に指定されていること.アマゴに幼生を寄生させ,しばらく成長したあとに再び川底に戻ってくること.繁殖方法の判明や保護活動により,発見当初33個体だったのが,1200個体まで増えたことなどを教えていただきました.
 その後,車で観察場所に移動して,カワシンジュガイを観察することになりました.川に入って間もなく,内藤先生がカワシンジュガイを発見されました.半身を川底に埋めている姿は,芸北地域で呼ばれている「立ち貝」という別名にふさわしいものでした.川の流れは思っていたよりも早く,貝の幼生が流されてしまわないか疑問に思いましたが「殻糸(かくし)とよばれる糸状のひものようなものを出し,石につけて,流されないように固定している」と説明されました.また流れの緩やかな川のふちにはアブラボテの幼生をみることが出来ました.「アブラボテはカワシンジュガイの殻内に卵を産みつけ,稚魚を守らせる方法で子孫を残し,そのカワシンジュガイはアマゴに幼生を寄生させることで,生息場所を広げていく.釣りや漁でアマゴが減ると,この2種類も減ってしまう」と内藤先生は言われました.この他にも,カワノボリやシュレーゲルアオガエル,ヒゲナガカワトビゲラの幼生などを観察することができました.生き物は単独で生きているのではなく,様々な別の生き物とつながることで生きていて,そのつながりを自分たちも感じることができた観察会となりました.[ありみつまさかず]※観察会での採集は広島県及び北広島町から許可を得て行っています.

みなさんの印象に残った物

「自然の姿のカワシンジュガイ,アブラボテ」「現地の川にいたカワシンジュガイ,小さい貝が殻糸をだして流されないようにしていること」「事前の座学(特に質問)」「今年もカワシンジュガイに会えて感激した」

参加したみなさんの感想(抜粋)

「目的の貝だけでなく,色んな魚もみることができました」「たくさんの方に聴いてほしい講座でした」「少人数だったので思ったこと質問することができ,その上で実際の川に行く,というのは事前知識が入って非常によかった」「毎年参加し,カワシンジュガイ,アブラボテ,アマゴの共生の深さが少しずつ分かってきた」

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文化ホールの教室でお話.写真は川に生息する二枚貝の種類について.
文化ホールの教室でお話.写真は川に生息する二枚貝の種類について.山の向こうを指差す内藤先生.似たような環境の川が流れているが,あちらにはカワシンジュガイは生息していないことを聴いた.
山の向こうを指差す内藤先生.似たような環境の川が流れているが,あちらにはカワシンジュガイは生息していないことを聴いた.川に入ってカワシンジュガイを探す.
川に入ってカワシンジュガイを探す.アブラボテの幼生をみつけた.
アブラボテの幼生をみつけた.2匹のカワシンジュガイを発見!うっすらと口を開いている
2匹のカワシンジュガイを発見!うっすらと口を開いている手に取って見てみる.左右で泥の付き方が違うのは,半身を川底に埋めている証.
手に取って見てみる.左右で泥の付き方が違うのは,半身を川底に埋めている証.小さなシュレーゲルアオガエル.目の周りを見ることでアマガエルと区別が出来る.
小さなシュレーゲルアオガエル.目の周りを見ることでアマガエルと区別が出来る.腹部から産卵管を出しているアブラボテのメス.
腹部から産卵管を出しているアブラボテのメス.

【イベント報告】こども観察会

  • 開催日時:2011年7月24日(日) 9:30
  • 講師:岩見潤治・佐久間智子

 元気いっぱいの小学生4人が高原の自然館に集合しました.今年のこども観察会は霧ヶ谷湿原にて川のいきもの調査です.現地である霧ヶ谷湿原につくと,調査道具を持ち,今回の講師である岩見先生,佐久間先生と一緒に川へ向かいます.調査方法を聞いた後,二班に分かれて早速調査です.堰のところからそろりそろりと水に入ります.一人が下流側に立ち川底にしっかりと固定するように網を持ち,もう一人がその近くの石をめくり石についているものを洗い流すようにして付着物をとります.その作業を何度か行い網をあげると石や砂などに混じって小さないきものがいました.バケツへ入れてじっくり観察はあとにして,堰のところを2カ所採集しました.次は堰の所より上流にあがります.上流にいくと,川の様子が違います.牧場形成によって三面張りになった川を自然再生事業により,川底のコンクリートを壊し自然に近い形にした堰のところに比べると,昔のままの川の姿があります.水の流れも速く気をつけないと足をとられます.ここでも2カ所から採集しました.
 川からあがり.バケツに入った中身をバットに出します.その中から同じ種類のいきものを見つけ.透明の容器に入れます.最初の予想では5〜10種類くらいのいきものがいるかな?と子ども達は言っていましたが,20近くにもなりました.一種類ずつ岩見先生に解説いただきました.ゲンジボタルの幼生,シマアメンボ,石や葉でくるまったトビケラの仲間,ヘビトンボの幼生,ムカシトンボのヤゴなどがおりそれぞれの特長を交えて生活史も聞き,子ども達は真剣に聞き入っていました.
 最後に印象に残ったいきものの絵を紙コップに描きました.これで岩見先生が川の生態系タワーを作ります.いきもののつながりがよく分かり,基盤となる環境が変われば生態系も崩れてしまう,ということを学びました.川に入り,いきものを自分の手で探し,知識を得て,自然について考えるということが楽しくできた最高のこども観察会となりました.[こうのやよい]

みなさんの印象に残った物

「大きなタカハヤ・ヘビトンボの幼虫」

参加したみなさんの感想(抜粋)

「思った以上に川の中にはいきものがたくさんいるんだなぁと思った.岩見先生の丁寧な解説としかけで,川のいきものがぐっと身近になりました.」

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今日の調査方法について,レクチャーを受ける.
今日の調査方法について,レクチャーを受ける.川に入り,岩見先生にお手本を見せていただく.
川に入り,岩見先生にお手本を見せていただく.2人一組で開始.網を固定しておくのが意外に難しい.
2人一組で開始.網を固定しておくのが意外に難しい.滑らないように気をつけながら川を移動.
滑らないように気をつけながら川を移動.こちらの班も力を合わせて作業中.
こちらの班も力を合わせて作業中.ここは先生が網を使ってキャッチ!動きの早いタカハヤを見事に網へ.
ここは先生が網を使ってキャッチ!動きの早いタカハヤを見事に網へ.大きなタカハヤが網にはいった!!
大きなタカハヤが網にはいった!!上流部は流れが速く,水が冷たかった.
上流部は流れが速く,水が冷たかった.さて,どんないきものがいるのかな?
さて,どんないきものがいるのかな?バットからいきものを選び,同じ種類毎にわけていく.
バットからいきものを選び,同じ種類毎にわけていく.ゲンジボタルの幼生.大きさからいって2年目だとのこと.成虫よりも大きいようで,驚いた.
ゲンジボタルの幼生.大きさからいって2年目だとのこと.成虫よりも大きいようで,驚いた.上流組と下流組に分かれていたものを,同じいきものがどれくらいいるか合わせてみる.
上流組と下流組に分かれていたものを,同じいきものがどれくらいいるか合わせてみる.紙コップに絵を描き,川の生態系ピラミッドを使って解説する 岩見先生.子ども達は突如現れたタワーに興味津々.
紙コップに絵を描き,川の生態系ピラミッドを使って解説する 岩見先生.子ども達は突如現れたタワーに興味津々.一番下の紙コップを抜くとがらがらと倒れたピラミッド.川の環境をしっかり守ろうと思った瞬間となった.
一番下の紙コップを抜くとがらがらと倒れたピラミッド.川の環境をしっかり守ろうと思った瞬間となった.最後のまとめをする岩見先生と,真剣に聞く子ども達.川のいきものに触れてたくさん学んだ.
最後のまとめをする岩見先生と,真剣に聞く子ども達.川のいきものに触れてたくさん学んだ.