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【参加報告】里山・里海リレーシンポジウムIn安芸太田

認定NPO法人西中国山地自然史研究会の副理事であり、観察会の講師でもおなじみの内藤順一先生が、里山・里海リレーシンポジウムIn安芸太田において、スペシャルセッションのパネリストとして登壇しましたので、当日の様子を報告します。

2015年10月24日(土)いこいの村ひろしまにて、このシンポジウムは開催されました。
広島県の主催で、県内各地に展開されています。これは、中山間地域の価値を再認識する機会であるとともに、住民が集まり、考え、行動することにつながるシンポジウムです。
安芸太田会場では、「人と地域と森をつなぐ道づくり」がテーマとなり、内藤先生は「自然」「生き物」の専門家として発表をしました。

最初に、佐井聡さんが「アウトドアアクティビティを活用した地域資源の有効活用」という基調講演をされました。
「ロングトレイル」というツールで、地域資源(文化・自然・地域の人)を活用した「信越トレイル」の例を用いてお話くださいました。この中で、「エンブレムの使用」「トレイルエンジェル」のお話が印象的でした。自分たちのフィールドでの活用も考えたいです。

スペシャルセッションでは、ファシリテーターと内藤先生ともうひとかた健康運動指導士の松本先生をパネリストに迎え、スペシャルセッション行われました。
佐井さんが講演の中で示された5つの視点から、セッションが進みました。
▶︎信越トレイルの成功を支えた「5つの仕組み」
・「里山」という不活用資産の発見と付加価値化
・強いフィロソフィーと求心力を持ったリーダーの存在
・トレイルだけでなく、その地域の自然シアンの活用という位置付け(グリーンツーリズム)
・官民連携による行政とローカルの役割分担
・ボランティアベースのサスティナブルなメンテナンス

「里山」と価値を活かし、活動を続けていく中で苦労した点や、啓発の方法など、実践者ならではのお話が聞くことができました。

佐井さんの「活動する中で、一過性のものは“ファッション”だが継続してそこに根付くことで“文化”になる」という発言に共感しました。

私たち西中国山地自然史研究会は、「地域住民と連携し里山文化を継承し、持続可能な地域社会の実現」を目指しています。
情熱を持ち、これからも活動を継続していく再認識したシンポジウムの内容となりました。

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【参加報告】芸北小・中学校合同公開研究会

芸北小・中学校は、4年間文部科学書研究開発学校の指定を受けて、「挑戦科」を設け、「社会の中で自立して生きる力を有した子どもの育成」を実施しています。
このプログラムの3年目にあたり、公開研究会がありました。

NPO法人西中国山地自然史研究会では、「芸北ジュニアトレッキングガイド」「せどやま教室」の単元にて、ゲストティーチャーとして関わっていることもあり、この研究会に招待されましたのでm当日の様子を、レポートします。
最初に、今回の研究会の説明会があり、小学校・中学校それぞれで、公開授業が行われました。
小5のクラスをのぞいてみると、これまでの授業の振り返りと、次回の取り組みの厳密な目標設定などが行われていました。
やってみる(体験)→えがく→振り返るのプロセスを繰り返すことで、資質や能力を育成するのが、挑戦科のスタイルです。
「やってみる(体験)」の関わりでは、せどやま教室において、野外で実際に木の運び出しなどをサポートしてきましたが、「えがく」「振り返る」の部分を、この授業でしっかりみることができました。
一人づつの自覚や、仲間との協働、大人たちへの働きかけなど、通常の教科ではない学びが身についていくことでしょう。
その後、分科会に移ります。
質疑応答などもあり、県外から参加された教師からの、「型通りの発表スタイルにとらわれず、もっと自分の想いを表現できてもよいのでは」という提案にとても共感しました。
また芸北小・中の挑戦科担当の先生からの発表では、学年ごとの子どもたちの様子がムービーで紹介されたり、挑戦科の背景にあるものや、育成するプロセスの説明などがありました。

「挑戦科」を通じて、地域・学校・家庭がつながりを強くもち、それぞれの強みを活かした関わりを深めていくことの大切さもよくわかりました。
NPO法人西中国山地自然史研究会では、「自然」「自然に関わる人」のデータや情報、ネットワークを多く持っていることが強みです。
地域の未来を担う子どもたち、教育現場での支援を継続していきたいと思います。

 

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【視察受け入れ】広島大学「たおやかプログラム」オンサイト研修

2015年10月16日(金)の視察受け入れについて、レポートします。 昨年に引きづつき、広島大学の「たおやかプログラム」のオンサイト研修として、北広島町芸北が選ばれ、「芸北せどやま再生事業」の話題を中心に、「高原の自然館の活動」や「草原・湿原の保全活動」をしらかわハカセの案内で見学と講義を行いました。
参加者は、文学研究科・国際協力研究科・先端物質科学研究科・工学研究科の所属で、フィリピン・インド・コスタリカ・ベトナム・日本・中国・バングラデシュ・インドネシア・ネパールと9カ国からの学生12名、教員4名、職員2名、通訳1名と、総勢19名でした。 最初は高原の自然館の見学からです。 しらかわハカセの学芸員のしての仕事や、展示を解説を聞きながら見学します。 次は霧ヶ谷湿原へ。 湿原を再生するという自然再生事業という事例の解説を聞きながら、湿原の木道を歩きます。青空がとてもきれいで、カメラを構えて写真をとる学生が多かったです。またカンボクやマムシグサの赤い実をみたり、空を旋回していたタカ(種類は不明)も観察しました。 バスで移動して、芸北オークガーデンへ。 ここではまずランチタイムで、お弁当を食べました。芝生の上でわいわいと会話をしながら、外を楽しみました。 そして、この春に始動しはじめた薪ボイラーの見学です。職員の田村さんに説明してもらいながら、薪を投入も見学しました。 次は、芸北せどやま再生事業の市場の見学です。 上田場長による薪割りのデモンストレーションに加えて、体験もさせてもらいました。 大きな木が「ぱかっ」と割れる様子が学生のみなさんには興味を惹いたらしく、交互に薪割りを体験しました。
直接木に触れてもらいましたが、どんな感想をもったのでしょうか?
芸北支所の会議室に行き、最後はしらかわハカセによる講義です。 北広島町で行なわれている自然保全活動や、生物多様性の取り組みの紹介に続き、せどやま事業の詳しい説明がありました。 学生からは、「森林を使ってアニューズメントパークを作っては?」「広島市は旅行者が多いが芸北はどうか?」「せどやま券のコンセプトは何か」「木の需要が増えた場合、森林利用は持続可能か」「木を切ったあとは、種や苗を植えているのか?」など率直な疑問や感想も飛び出しました。 フィールドワークを通じて、芸北の自然を使った地域再生の姿がどのように伝わったのでしょうか? 次回は、大学での授業でこの訪問の報告会におじゃまする予定です。 最後に全員で記念撮影をして、見送りをしました。 学生のみなさんの学びに、少しでもエッセンスを加えることができたなら、また各国での技術開発などのヒントになってくれたとしたら、受け入れをした私たちの活動の励みになり、本当にうれしい限りです。

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【研修報告】森林づくりリーダー養成研修会(森林保育・病害虫・きのこ編)

2015年10月10日・11日に広島県森林協会が主催する研修会にスタッフが参加したので報告します。 広島県緑化センターにおいて、森林づくりリーダー養成研修会が開催されました。今回の受講は5名です。

野外活動編、観察・応急処置編に続き、今回が最後の研修となります。「森林法規」「森林づくりリーダー」「きのこ判別」「森林保育」「広島県の病害虫」について、5名の講師から講義をしていただきました。
それぞれのカテゴリーで、講師から、専門家ならではの視点で、その分野の解説を詳しくしていただきました。
実際に森林インストラクターとして活躍されている金澤先生からは、「森林づくりリーダー」として、「リーダーの基本は自らが楽しむこと」とお話されました。
キノコアドバイザーの川上先生からは、キノコの見分け方などを座学・フィールドで学びました。
また、森林法規の中で、保安林についても法律の面で注意する点などを教えていただきました。
そして、最終日。
安田林業の安田先生からは、森林、主に人工林の森づくりについて、たくさんの写真を交えて現場での作業を説明していただきました。また会社の信念や先生自身の森林への想いを聞かせていただきました。
研修生の中でも、「人工林に対する見方が変化した」というほど、経験に基づく説得力のある講義でした。
樹木医である村上先生によるナラ枯れなどの病害虫についての講義がありました。思った以上に身近な存在である害虫の知識も必要であることがわかりました。

6日間を通して、森林の成り立ちや広島県の林業などの知識、森林の現場や林業の現状、リーダーとして必要な技術などをしっかりと学ぶことができました。
この研修で学んだことを、これからの活動に活かし、森林づくりを実践していきたいと思います。

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【研修報告】森林づくりリーダー養成研修会(観察・応急処置編)

2015年10月3日・4日に広島県森林協会が主催する研修会にスタッフが参加したので報告します。 中央森林公園において、森林づくりリーダー養成研修会が開催されました。今回の受講は8名です。

前回の「野外活動編」に続いて、「植物・樹木観察」「応急手当法」「野外動物観察」「広島県の森林・林業」について、4名の講師から講義をしていただきました。
「植物・樹木観察」では、伊藤之敏先生より、森林の生態から、広島県の植物について幅広い講義を受けました。また実際に野外に出て、マルバハギ・ケネザサ・アカメガシワ・ヤブムラサキなどなどたくさんの植物を観察しました。

「応急手当法」は3時間のカリキュラムを三原市消防本部西部分署の救急隊から、説明などを受け、具体的な手当の方法を実際に手を動かし、繰り返し訓練する事で身につける意識が生まれました。

「野外動物観察」では、森林インストラクターの野田圭一先生より、広島県の野生動物について講義を受けました。こちらも野外に出て、トノサマバッタ・オンブバッタなどたくさんの種類のバッタや、きれいな色のワカバグモも観察したり、ビーディングなどの採取法を教わりました。

最後に、「広島県の森林・林業」は、広島県森林組合連合会の坂部広和先生から、広島県の森林・林業や、森林の機能について講義をいただきました。ここでは、広島県の森林の特徴や、林業の歴史などの解説がありました。坂部先生は、森林機能で一番大切にしてほしいことは「林床」であることを強調されてお話を締めくくられました。

森林づくりに必要な知識や実践を肌で感じた2日間となりました。
次回は森林法規・キノコ・森林保育についてなどを学びます。

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