活動報告」カテゴリーアーカイブ

広島県環境学習講師専門研修 レポート(2022.11.19.参加)

11月19日(土)に、三段峡にて広島県環境学習講師専門研修の第一回目が行われました。
この研修は、広島県の環境学習に関わっている人向けに広島県が主催し、十年近く行われている研修です。今年は環境パートナーひろしまが運営し、3回に分けて開催されます。
今年のテーマはコミュニケーションです。高原の自然館の受付を担当しているものの、他人とのコミュニケーションに苦手意識を持っているのをなんとか克服できないだろうか、という目的で参加しました。
第一回目の研修は「受講者とのコミュニケーション」で、大きく座学とフィールドの2つに分けて行われて行われました。
フィールドでは、他の参加者と話し合い、協力し合いながらの自然体験プログラムを行い、座学ではコミュニケーションのスキルについて、重要なポイントを学びました。
座学で良く使われた「関心」というキーワードが特に響きました。
なぜ自分が人とのコミュニケーションを苦手と感じるのか。その理由に今回の研修を受けたおかげで改めて気がつくことができ、今までずっとモヤモヤしていたものが一気に晴れたように感じました。今回の研修で学んだことを、少しでも高原の自然館やイベントでの、人とのコミュニケーションに役立てていければと思います。
大きな気付きがあった第一回目の研修。第2回目はどのようなことを学べるのか、楽しみになりました。
スタッフM

2023年度イベント会議を行いました(2022.12.4)

2022年12月4日に、千代田の北広島町まちづくりセンターで2023年度のイベント会議を行いました。
専門員の先生が11名、事務局から4名、計15名の出席となりました。
今年度に行われた観察会や保全活動の振り返りや、来年度のイベントについての話し合いが目的の会議です。
会議中は様々な意見や発言がありました。また、欠席された先生からも、前日までに提案があり、それぞれの観察会や保全活動に向けての意気込みが感じられる、充実した2時間となりました。
来年度も様々なイベントを計画していきますので、どうぞよろしくお願いします。

【実施報告】森感ワークショップ(2022.11.2)

西中国山地自然史研究会として初の試み「自然×アート」をテーマに森を感じるワークショップを、10月30日に実施しました。
今年度から3年間かけて整備されるみどりの広場を使い、子どもから大人まで楽しめる体験を企画するにあたり、同じく北広島町で活動されているNPO法人ねきえさんを講師にお招きし、森からのめぐみである植物の葉っぱや枝、実を使ったアートに挑戦することになりました。
NPO法人ねきえさんは、今年度設立された新しい団体で、美術の専門家が多く在籍します。「地域のすべての人が芸術に関わる活動に参加することが出来る機会を提供することを通して,子どもの健全育成,社会教育の推進に寄与する」という目的を持ち、デッサンやクラフトのイベントに取り組まれています。
最初に参加者、講師合わせて15名がみどりの広場に集合し、高原の自然館の白川学芸員より「森の恵みについて二人一組で考えてみよう」というお題がだされました。「水、空気、木材、机やいす、お肉や毛皮、消臭剤・・」など様々な回答が返ってきました。
そこからわかることとして「森から得るものとして生活に使われたり、生きていく上での恵みがたくさんある。でも他にもあるんだよ」とお話しが続きます。「生物多様性がもたらす生態系サービスは、森が美しさを写真や絵の題材にする、森で遊ぶ、といったことも生態系から得られるめぐみなんですよ。今日は森の素材をつかって楽しい活動をしましょう」とアート講師である後藤聖紀さんにバトンが渡されました。
葉っぱや枝の取り方を聞いたあとは、思い思いに素材探しです。
色づき始めた葉や、虫食いの葉、形がおもしろい枝などかごいっぱいに採集します。
会場に持ち帰り、講師からのデモンストレーションを見て、各自トライです!
色合いやモチーフの活かし方にみなさんの個性が光ります。
練習後は本番用の画用紙を使い、作品を作り上げます。
小学生でもしっかり自分のデザインを考え、画用紙いっぱいに世界観を映し出します。
時間が余った参加者は、小さな端材でつくる自分だけの木っぱオブジェも作りました。
子どもも大人も時間を忘れるくらい夢中になり、森のめぐみを存分に受け取りました。
自然や生きものを大切にする気持ちや、感性が刺激される機会にもなりました。

ねきえ(Instagram)

ひろしまの森づくり事業(特認事業)地域資源保全活用事業(緑の広場整備活動)について
川小田下山地区は、平成3年に生活環境保全林整備事業で整備され、コナラの天然林やヒノキの人工林の森林が広がる緑の広場や芝広場、桜広場が整備されており、散策や自然体験活動の場として利用されています。
整備の機会がなく、森林の荒廃並びに施の老朽化が進んでいるため、令和4年度より3年間の計画でみどりの広場を中心に施設を整備し再生と利用の向上を図ります。

近藤紘史さん記念講演『西中国山地自然史研究会の20年間の取り組み』

2001年から2021年までの21年にわたり、西中国山地自然史研究会の会長を務められた近藤紘史さんの講演です。
初期メンバーとの思い出、NPO法人化、芸北せどやま再生事業のはじまりや実績に加え、これからの会の体制や自身の思いについて語っていただきました。

特別講義「森林循環による生物多様性保全と地域の魅力」に参加して

今夏、西中国山地自然史研究会でインターンを行なっている、会員でもある浜田悟志さんが、特別講義「森林循環による生物多様性保全と地域の魅力」に参加しました。
以下、そのレポートです。


特別講義「森林循環による生物多様性保全と地域の魅力」に参加して
浜田悟志

 今回の特別講義では、兵庫県立大学景観園芸学校の白川特任教授を講師に、8月20、21日の2日間の行程で、芸北の自然、せどやま市場などを見学し、「森林循環による生物多様性保全と地域の魅力」について学びました。

1日目の最初は、芸北支所で芸北の自然や芸北せどやま再生事業、茅プロジェクトについて、過去の映像を見ながら説明を聞きました。その後、フィールドの見学と説明が有りました。最初に向かったのは霧ヶ谷湿原です。湿原内を歩きながら、歴史、再生の過程、生息、生育する動植物について聞きました。次に、向かったのは貴重なブナの原生林が広がる、臥龍山です。車で8合目まで登り、天候が雨ということもあって、車を降りたときには霧に包まれていました。樹木の種類、林床やブナが残った経緯などを聞き、山を降りました。最後に、芸北の自然博物館として、動物の剥製や植物の写真を展示している、高原の自然館に向かい、館内の見学を終え、1日目を終了しました。
2日目は、せどやま市場の見学から始まりました。市場では、地域内で伐り出したコナラやスギなどの木材を受け入れ、ボイラー用や薪ストーブ用などの薪に加工し、販売しています。加工時に出る、細かい木片を着火材として販売し、無駄にすることなく利用していたり、実際にどのように運搬、保存するのか説明が有りました。次に、芸北オークガーデン向かいました。ここは、薪ボイラーを導入し、せどやま市場で作られた燃料を使っています。実際に薪ボイラーが運転する様子を見学し、仕組みについて説明を聞きました。その後は雲月山へ向かい、広島県と島根県との県境まで歩きました。
道中で「山焼き」のやり方、目的、それによって得られる効果などの説明がありました。その後、廃校になった後、茅の倉庫として使われている、旧雲月小学校へ向かい、茅プロジェクトの説明を聞きました。昼食を取った後は、2日間で印象に残ったこと、人が自然に与える恩恵、自然が人に与える恩恵を班に分かれて意見を交換し、この講義のすべての行程を終えました。
芸北には、貴重なブナの原生林や雲月山の草原には北広島町のレッドデータブックに記載されている貴重な植物が数多く、生育しています。また、薪、茅といった地元でとれたものを加工し、燃料として地元の施設や一般に販売するという一見すると普通のことではありますが経済的な面から見ると、とても画期的で効率的な使い方であると思います。
今回、この特別講義に参加して、芸北の魅力は、ここでしか見ることはできないと感じました。