活動報告」カテゴリーアーカイブ

せどやま教室出会い編@芸北小学校5年生(2017.6.9)

今シーズンもせどやま教室が始まりました。

5年生の児童がせどやまの学習をする第一歩として、薪を使ってピザを作っているところに遊びに来てくれました。 近藤さんご夫妻が、朝畑で採れたアスパラガスや新玉ねぎをふんだんに使ったピザを、自作のピザ釜で焼き児童に振舞いました。 「こんなに早く焼き上げるの?」「みんなで食べるとおいしい」との感想を口にしていました。 しらかわハカセより、石窯のしくみや、昔の生活の説明があり、児童たちはしっかりと話を聞いていました。

「薪はどこから来たんだろう?薪があるせどやま市場に見学に行ってみよう!」というしらかわハカセの提案で、せどやま市場へ行きました。 スタッフの曽根田さんが毎日やっている薪割りを体験させてもらったり、木の受け入れの様子の説明があり、木はお金になるんだーと体感したようです。

教室に帰り、本邦初公開の「せどやま森のセーラ」という紙芝居をしらかわハカセが読みました。 この紙芝居では、せどやま事業のことや、現在の森の様子、木を使ってきた文化などの理解が進んだようです。 印象に残った場面を聞くと「いきものと森の関わり」が多かったです。

「せどやまに木を持っていってみよう!」という声があがったので、次はいよいよ野外です。 どんな作業になるか楽しみですね!

※西中国山地自然史研究会では、芸北小学校と連携し、総合の学習のお手伝いをさせていただいています。

 

 

【活動報告】支所カフェ第3回 オーストラリア報告会(2017.6.2)

支所カフェ3回目は 北広島町 地域おこし協力隊の山口実咲隊員(実咲ちゃん)から、オーストラリアに行ってきた体験記のおはなしです。
聞き手は 白川 勝信ハカセ(芸北 高原の自然館学芸員)です。

おやつももちろんオーストラリアで買ってきてくれました。
甘いおやつと、香りよい紅茶で、雰囲気がよりいっそう楽しくなりました。
今回は15名の参加者で、芸北外からもたくさんきていただきました。

実咲ちゃんの自己紹介のあとは、ケアンズの観光について。
結論からいうと、
「ケアンズは 3日過ごせば 大満足」
だそうです。

海辺・ショッピングセンター・蟻塚・食べ物の紹介で、特に盛り上がったのは、食べたもの!
ぜひ実際にお聞きくださいね。

そして、お話のメインであるWWOOF(ウーフ)のしくみや、利用の流れを解説してもらい、聞いたことはあるけれど、もっと具体的にどんなことなのかがわかりました。
ここからは、2,000件の中からよりすぐった2軒のWWOOFでの体験を詳しく聞きます。

WWOOF1軒目のファルコンフィールドは、豚肉を売っているファミリーファームといい、276ヘクタールもある広大な農地で、7時に起きて、7時半から働いたそうです。
フェンスの整備・肉の配達・ぶたの出荷などが主なお仕事で、作業以外には、ホストファミリーと遊ぶのも大切な体験。
4人のこどもたちと、折り紙をしたりかくれんぼをしたりカヤックに乗ったり。
実咲ちゃんの笑顔でのコミュニケーションが思い浮かびました。
クラッキーポーク(豚の肌)という料理を紹介してもらったり、逆に自身の料理本の中から選んだレシピを、ホストファミリーにふるまったとか。
豆腐をいれたりんごのケーキ、おいしそうでした!
「ハッピーフライデー」という初めてきく習慣では、カルチャーショックを受けたそう。
家族との時間を大切にしている、という新しい視点も生まれたようです。
他にも、この土地での水不足では、暮らしの中で雨水を使っていたという体験も心に残ったそうです。
華やかな観光パンフレットにはない本物の体験からの感想は、心に迫るものがありました。

そして、2軒目のスクエアファミリーでの5日間の体験。
家の庭をパーティ会場としたいと建設中だそうで、熱帯植物の挿し木作業をした様子を見せていただきました。
ランブータン・マンゴスチンといった珍しい果実も食べたそうです。
やきうどんを作ったり、自身の料理本・神楽本をホストマザーに見せ、興味を持ってくれたことが嬉しかった、との感想もありました。
「また戻りたい」と思える場所になったそうです。

WWOOF(ウーフ)での体験を通じて、農作業・いきものとのふれあいなど、自分のやりたいことは国内外関係なくできる、と思い、これからの活動でも活かしていきたい、とお話は締めくくられました。

経験の共有として、この体験記をお話する機会を増やしたいそうです。
支所カフェが皮切りとなったことが、嬉しいです。
いろいろな場所で、このお話を聞いてもらいたいなぁと思いますし、価値がある体験記だと思います。

会場から質問もいくつかありました。
「ホストファミリーの受け入れってどんなかんじ?」「一番困ったことは?」「ソーセージはおいしかったか?」などなど、聞いていると自分が体験したかのように思うのが不思議です。

この体験からの学びを活かした実咲ちゃんの今後の活動にも注目です。
みんなで写真を撮って、支所カフェは終了です。
また話を聞きたい!と思うほどおはなし上手な実咲ちゃんでした。

 

【活動報告】シンポジウム2017開催(2017.5.21)

2017年5月14日(日)に、認定NPO法人西中国山地自然史研究会のシンポジウムを西区民センターで開催しましたので、報告します。

シンポジウムのタイトルは、「再考、八幡高原の自然と暮らし」として、八幡高原の自然やいきものの調査をする研究者、八幡高原に住む住民の声を聞きながらもう一度、八幡高原の自然と暮らしを一緒に考えてみることを目的に、開催されました。

シンポジウムのナビゲーターは、芸北 高原の自然館の学芸員であるしらかわハカセにお願いしました。
中国新聞で告知していただいたおかげもあり、51名の方に集まっていただいきました。

最初に近藤理事長よりなぜ今八幡高原を考える機会なのか、という趣旨説明がありました。
副理事長でもある内藤順一氏から「八幡高原の水辺の生きもの」の講演からスタートです。
スナヤツメやカスミサンショウウオをはじめ希少な生き物が八幡高原には生息していることはよく知られていますが、これらの生きものがどう貴重なのか、その生きものの生活史がどうなっているのか、ということを詳しくお話しいただきました。

続いて「八幡高原の鳥とけもの」のテーマで理事の上野吉雄氏よりお話がありました。
クマタカやハチクマなど猛禽類と言われるこちらも希少な鳥類について、そしてコウモリのお話も教えていただきました。
鳥の分布の調査を進めるうちに、クマタカのつがいがいなくなったゾーンもあるそうで、それらの理由を解説していただきました。

休憩を挟み、日本山岳会広島支部の斎陽氏より「八幡の山を楽しむ」と言うお話を聞きました。ご自身の八幡高原との関わりや、八幡を中心とした周辺部の主な山の説明、登山の楽しみ方を、経験をもとにお話しされました。
ブナ科の木の覚え方や、山にまつわるエピソードなどを交え、とても楽しそうな斎さんのお人柄が表れた講演でした。
続いて「八幡高原に暮らす」を事務局河野が発表しました。
八幡の景色の中を、独自の暦で紹介したところ、四季の移ろいや八幡ならではの文化を皆さんが真剣に聞いてくださり、とてもうれしかったです。

プログラムの最後には、講演者全員でのパネルディスカッションです。
最近、地元にも説明があった風力発電についての説明があり、各自どのような意見を持っているかを発表しました。
自然エネルギーの推進には賛成だが、生きものや人の暮らしのことを考えると、建てる場所を考えてほしい、というのが全員の意見でした。
生き物の生息や景観だけでなく、健康被害に関する不安があることが地元住民の声です。
専門科お二人方の講演でもあったように、豊かな自然があるこの八幡高原は住民が苦労を重ねながら維持してきたものです。
このシンポジウムでは、八幡高原とは、どんなところなのか、どう大切なのかということを改めて考える機会とありました。
ご来場いただいた皆様ありがとうございました。

【活動報告】ボディートークが持つ魅力〜心の底から笑う方法〜@支所カフェ(2017.5.8)

北広島町役場芸北支所にて、第2回目の支所カフェを開店しました。スピーカーもレポーターもインターン1年生です!

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今回は、NPO法人ひろしま自然学校からのインターン生「いくみん」こと花村育海さんが発表してくれました。参加者は9名です。

発表内容は次の通りの3つでした。

(1)花村育海はどんな人?今までの北広島町との繋がり
高校時代に、テレビや本などで環境問題を見て自分の住んでいる地域では豊かな自然があるのに、なんでこんなに問題になっているんだろう?と違和感を感じ、勉強したいと環境系の大学へ進み、学ばれて今の道を選ばれたようです。
北広島町とのつながりは、おじいちゃんの家があったり、大学の頃より、雲月山の山焼きや、千町原の草原保全活動に来てくれていたので、古いお付き合いです。

(2)NPO法人ひろしま自然学校でやっていること
様々な取り組みをされているようですが、中でも印象に残っているのは、『13泊14日の長期自然体験』でした。
多くの子供たちが、同じ場所へ集い、「自発・自立・自治」を目標に自然の中で同じ時間を過ごすという体験です。

全国各地から集まった子供たちは、最初は恥ずかしそうに時間を過ごすようですが、様々な体験や発見を通じ、子供たちが日々変化していく姿を見れるそうです。

最終的には様々な企画を自分たちで作り出し、実施運営も自分たちで行われるとのことでした。
自発・自立・自治ということを自分で気づいていける時間ってとても重要ですよね、大人もだと思います。

③ボディーワークについて:
20〜70代の全員が動作で気づける(楽しめる)魔法のワーク
『ボディーワーク(トーク)』初めて聞く言葉でした。体を使ってジェスチャートークのような感じなのかな〜と思っていましたが全然違いました。
日常では気づきづらいですが、私たちの肉体、心、精神、感情や意識、さらに私たちを取り巻く周囲の環境もすべてつながっています。
肉体的・精神的なストレスが原因で体内のコミュニケーション網が分断され、心や意識、身体の各器官の同調が上手くいかなくなると、大切な自然治癒力ががくっと落ちてしまうそうです。
それが疲れや疲労感などに繋がっているんですね。それに気づくことができるのがこのボディーワークです。
我々が普段から何気なく使っている言葉。

例えば、イライラした時に言葉で「腹がたつ」と言うと思います。この腹がたつという言葉良く考えたら、どういう意味なんだろう?と思ったことはありませんか?おなかを立たせるには動きとしてどうやったら良いんだろうと。。。このような言葉は沢山あります。
これにも意味があるようです。

イライラしている時にそんな余裕はありませんがお腹を触ってみると固くなっているそうです。
そこから「腹がたつ」という言葉が生まれました。自分では確認しにくいので、小さなお子様がいたら確認してみるのも良いかもしれませんね。

こういった体の状態を感じるためのワークを3つ実施してくださいました。
参加していた全員が笑いながら、そのワークを楽しみました。
そのワークが気になるという方は、是非いくみんに尋ねてみて下さい。いろいろと教えてくれると思います。

私が、印象的だったのは、ワークが終わった後、70代の参加者と話している時の『わしらにはこういったことが大切なのかもしれんの〜心の底から笑うことないけんの〜』という言葉です。

人は歳を重ねれば重ねるほど、楽しみが少なくなるそうです。
「明日は、田植えのあれをせんといけんけ〜めんどくさいの〜。」
「あれやるならおかーちゃんにあれたのまんといけんけんめんどくさいの〜。」
テレビに出ている裸の芸人見ても、「なんでこんなしょうもないことするんかの〜」と日々、心から笑う機会が減っていくようです。
日常の変化や感動が少なるということ、これが歳を重ねるということなのかな〜と色々と考えさせられました。

そんなことを色んな世代に感じさせられるいくみんのテクニックは素晴らしいものでした。これからも成長を続けていかれるであろういくみんの活動が楽しみです。

いくみん、ありがとうございました!!

(安芸太田町地域おこし協力隊 うめもとまさふみ)

【活動報告】NPO職員研修(2017.5.8)

西中国山地自然史研究会では、今年度インターン生の受け入れを行っています。
そのインターン生と、NPOスタッフとともに、「NPO職員研修〜NPO団体ってどんなモノ?〜」を実施しましたので、報告します。
今日のメンバーは、NPO法人三段峡-太田川流域研究会の事務局ひろみちゃんとNPO法人ひろしま自然学校の職員いくみんです。
今年度から会計スタッフを担ってくれる後藤さんも加わりました。
最初に、NPO法人西中国山地自然史研究会の職員である河野・曽根田・前田から実際にどんな活動をしているか、という事例発表をしました。
インターン生からは、「言葉での表現(スローガン)の重要性」「情報発信の大切さ」「持続可能な社会形成の考え方」「茅プロの興味深さ」などの感想が挙げられました。
次に、セブンイレブン記念財団が行う環境NPOリーダー海外研修に参加したしらかわハカセから、その研修から得た学びや情報を、わかりやすく講演していただきました。

主な項目は
✳︎NPOの顧客と満足度
✳︎NPOの持続性
✳︎NPOの活動原点(エネルギー)
その中で出てきたのは、「日本のNPOとドイツのNPOの比較」「ドネーションピラミッド」「スタッフ自身も顧客」「共感を増やす」「パートナーシップ」「論理的思考と感情的表現」「民意とガバナンス」などなど、キーワードごとの解説もありました。
NPOという組織の、活動の背景や姿勢の根本的な部分を学びました。
また、ドイツで視察した、「顧客への姿勢」「共感の作り方」「広報官の役割」「デモクラシーを重んじる国民性」「環境への配慮方法」「教育課程」「自然環境への取り組み」など、具体例からわかることを丁寧に説明していただきました。
しらかわハカセは、正解を語るのではなく、事例やその背景にあるものをたくさん見せて語ることで、メンバーそれぞれがそれぞれの立場で「NPOという組織に必要なモノ・コト・考え方」を捉えるヒントになったと思います。
最後に、受講した感想とこれからの期待を発表しました。
「顧客」と「共感」の考え方が共通して印象に残ったようです。「NPOの説明ができるようになった気がする」「ステッカーを作りたい」「自然と向き合う生活に自信を持てた」「運営にばかり向いがちだが、共感を大切にしたい」という感想もいただきました。
みなさんのこれからの活動に期待しながら、研修は終了しました。