活動報告」カテゴリーアーカイブ

\標本撮影と作業の日/

植物と昆虫標本の整理および撮影(一部)をしました。
西中国山地自然史研究会の佐久間専門員と山岸専門員の作業に合わせて、スタッフ八木とともに標本撮影にのぞみました。
昨年度導入したものの、標本の準備に追われてなかなか撮影までたどりつけなかったのですが、やっと!トライすることができました。
日にちが経っていたため、システムの組み直しに始まり、間に合ってなかった植物標本の最終的な貼付、昆虫はピンの差し直しなどなど、ちょっとした作業を経て、いざ!
三脚の角度やレフ板の設置、カメラやPCの設置などあーでもないこーでもない繰り返しながら、15時ごろにやっと撮影に入ることができました。
撮影しながらも細かな調整が必要だったり、明るさの設定で細部の見え方が変わるなど、実施から学ぶことが多かったです。
植物標本に関しては、1枚が30秒強で撮影できることもわかり、次回の手順がスムーズになることも実証されました。
一方で、また定まっていないガイドラインや、物品もあるため、スタッフはそういった解消を、専門員は標本の準備と言う役割分担も確認できました。
貴重な自然史が記録されていく喜びいっぱいです。

\庄原市立比和自然科学博物館視察!/

芸北 高原の自然館の展示や標本管理に関わるメンバーで、視察研修を実施しました。
行き先は、 庄原市立比和自然科学博物館です。
森繁館長にご対応いただきました。
午前:解説付館内見学
お昼;地元メニューでランチ
午後:バックヤード見学と意見交換会
というとても充実した内容でした。
館内見学では、ずらりと並んだ剥製に圧倒されたり、モグラ、ネズミなどの充実した小型哺乳類コーナーや、企画展のヘビの液浸標本をじっくり眺めたり、地学分館の立派な展示に驚きつつ、中学生との本格的な調査展示にも声があがっていました。
バックヤードでは、収蔵庫におさめられた膨大な標本や剥製、古いものや市民連携で数多く集まった仮剥製などを間近で見せていただきました。
標本の受け入れ体制や保存や管理方法も細かく聞くことができました。
意見交換会では、博物館インストラクターや客員研究員の制度、来館者の層や委託システムなども聞かせていただきました。
館長、学芸員、会計年度職員の3名で大きな館をまわしていることにもびっくりしました。
精力的に出版されている比婆科学(学術誌)や友の会のこと、博物館やとりまくフィールドでの困りごとや博物館の運営方針など多岐にわたる質問にも答えていただき、視察メンバーにとって大きな学びとなりました。
博物館名誉館長であった故中村慎吾先生の偉大さにも触れ、理科教育や地域の自然史のつなぐ大切さも体感しました。
近日実施した県内の自然史ネットワークのこと、標本撮影システムのことなどは、こちらから情報提供し、有意義な意見交換となったように思います。
博物館のあと、メンバーだけで振り返りをして、印象に残ったこと、自分たちの活動で活かしたいことを共有して視察研修を終えました。
・市民からの持ち込みや情報提供を展示に活用することで知的財産を市民に還元している
・ラベルや管理の大切さ、受け入れのガイドライン
・博物館インストラクターの個性や能力
・小中学学生の調査と標本作りの質の高さと継続性
・標本の点数の多さ。アーカイブ化はネットワークで連携するのもいいのでは?
・一種のうしろにある同種の標本の多さ→研究の幅がひろがる
などが話題にあがりました。
私たちの活動のモチベーションがあがっただけでなく、県内に自然史をしっかり記録し活用している施設があり人がいる、ということに大変勇気づけられました。
今回お会いできなかった学芸員の宮永さんとはいつかお話してみたいね、とメンバーからのリクエストもありました。
快く受け入れをしてくださった森繁館長、インストラクターの大田さん本当にありがとうございました。

【イベント報告】ひろしま環境ミーティング2024 in 似島

1月25日・26日の二日間に渡り、ユーハイム似島歓迎交流センターにて、「ひろしま環境ミーティング2024 in 似島」が開催されました。2018年に広島県では江田島で行われた、NPO法人自然体験活動推進協議会(CONE)が主催する、「自然体験活動指導者集会2017 自然会見活動フォーラム in 江田島」を始まりとしたこのミーティングは、CONE、自然体験活動フォーラム実行委員会、NPO法人環境パートナーひろしまと主催者は変わりながらも、コロナ下でのオンライン開催を含めて今回で7回目の開催となりました。今回は京都からの参加者も含め、主に広島県をフィールドとして自然体験活動に関わりのある人、自然が好きな人、興味・関心がある人、大学で自然科学系を学んでいる学生、親子連れなど、老若男女、約60名の参加者が集まりました。
このミーティングは主に、初めに趣旨や概要を共有し、顔合わせをして交流を深める全体会①、それぞれ興味のある分野に集まり、活動を学んだり共有したりする分科会、最終日の最後に行われ、振り返りと分かち合いをする全体会②の、3つに大きく分かれます。今回の分科会は、1日目には分科会①(4つのテーマ)、分科会②(4つのテーマ)、2日目の分科会③(3つのテーマ)の、計11のテーマで行われました。2000年生まれの若手が主催し、参加者と共に未来を考える分科会、地域のトンボの保全活動を行っている団体の発表、広島県内の自然史関連施設による出張展示やこれからについての話し合いなど、多種多様なテーマで行われた分科会ですが、それぞれの会で新たな出会いや交流があり、盛り上がったようでした。
私が参加したものは、「分科会D:自然をより深く味わいおう(シェアリングネイチャー)」、「分科会G:江田島の利活用と、竹の恵みの未来」、「分科会I:風呂敷マスターになろう」の3つです。普段何気なく過ごしている中でも、見方を変えてみればより深く自然を感じられること、あまり身近ではないため、知る機会のほとんどなかったトピックについての新しい学び、誰にでも簡単にできそうな環境に優しい行動、それはもしかしたら世界平和と繋がっているかもしれない。という話など、たった2日間ですが、たくさんのことについて考える、学ぶ良い機会となりました。この学びはこのミーティングや分科会で、たくさんの人たちとの交流や会話がなければ知ることができなかったものだと思います。やはり、人との交流や、繋がっていくことはとても大切なものだと改めて気づくことができました。今回の「ひろしま環境ミーティング2024 in 似島」での様々な気づきや学びを、これからの活動に少しでも役に立てていければと思います。

【活動報告】チェンソー安全講習STEP2伐倒編(2024/9/28・29)

林業舎 雨と森のみなさんをパートナーに、毎年安全講習会を企画しているのですが、中級編を企画してみよう!ということになり、ひろしまの森づくり事業のご支援をいただき、STEP2伐倒編を実施しました。
今回の参加者は、せどやま市場を運営するスタッフを含めて5名です。
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参加の理由は
・仕事や自分の家庭用で薪作りをしているため、広葉樹の伐倒方を知りたい
・自宅の薪ストーブ用にせどやまを伐っている。掛かり木の処理や大きな木の伐り方が知りたい。
・地域で木を伐り玉切りにして薪作りをしている。枝が降ってきて危なかった経験がある。
・仕事で広葉樹の伐倒をしている。重心の見極めなどを知りたい。
・自宅用の薪を作っている。目立ても課題だが、樹種による伐り方の違いなども知りたい。
というもので、「薪をつくっている」という共通点がある参加者たちでした。
全員STEP1を受講しており、伐倒の経験もあり、知りたいことやお悩みが具体的でした。
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1日目は座学です。 一般財団法人セブン-イレブン記念財団の助成金を活用し、林業舎雨と森の監修で作成した力作!!のテキストを使います。
テキストの目次に添い、後藤さんが解説をしながら、田丸さんがイラストを使い補足をしてくれます。
とにかく「安全に勝るものはない」ということで、基本中の基本である、服装やチェンソーの準備から入ります。もちろん心構えも必要です。
参加者は雨と森のおふたりの経験からの注意点やアドバイスも真剣に聞いています。
どの木を伐るかという「選木」「伐倒木や周辺の観察」、そして「伐倒方向の決め方」と続きます。
安全な伐倒のためには、ロープやハンドウインチを使うことも必要で、そのレクチャーもありました。
受け口・追い口・ツルの作り方のおさらいをした後は、伐倒のポイントをいくつか聞きます。
質問の多かったかかり木についても学びました。
1日目の最後は、実習として目立てのおさらい、そして立木を固定したものに受け口・追い口をつくり、狙った方向に実際倒れるかを講師に見てもらいました。
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2日目は朝から実習です。(雨と森の藤山さん、下刈りありがとう!)
とてもユニークだったのは、まず伐倒する場所をみんなで歩いて、気づきを共有したことです。「枯れ木があった」「つるが巻いてある木があった」「けっこうな斜面だった」など口々にコメントします。そこでは、危険な植物や生き物がわからない、見たことがない、という参加者もいたので、テキストに反映したいと思います。
お手本を見せてもらったあとに、各自選木をし、伐倒します。チェーンがはずれていたり、チェンソーのトラブルがあったりもして、実際の現場でも起こりうることが体験・対処できました。
また、自分の癖や忘れがちなことも講師にコメントをもらえます。
午後は、牽引伐倒も体験しました。安全帯を身につけハシゴを使い、ロープもかけ、滑車も使います。参加者たちは真剣に取り組み、実際の現場でも使えるよう講師に質問を重ねていました。
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里山での整備作業は、毎日違う危険がさまざまなところに潜んでいます。林業のプロの視点で解説・体験できるこのSTEP2伐倒編。参加者の声は次のようなものでした。
・STEP1から待ちに待ったSTEP2でした。経験をある程度積んだことで、講習会の内容についての理解が深まった。
・少ない参加者でマンツーマンに近いことで、疑問もすぐ解決できてよかった。
・牽引を使った伐倒、重心(大きな要素)の動かし方が勉強になった
・基本が学べてよかった
・実践的でよかった
・牽引伐倒の仕方がうよかった。受追口の作り方の理解が深まった
・ロープワークをもう少し復習して欲しかった
テキストにもありますが「こう伐れば必ず安全」というものはないそうです。小さな木を伐ることからはじめて、経験を積み、毎回振り返りをしてほしい、という言葉がとても印象的でした。
これからも、芸北せどやま再生事業を進めていく上で一番大切な「安全」を講習会という形で支援・実施していければと感じた二日間でした。

【報告】自然と地域の関わりを考えたい 大学生のためのスタディーツアーin芸北

2024年9月13日・14日に受け入れをしました。
このツアーは、学生団体の「緋熊と黒潮」(通称:くましお)が運営するもので、北海道から福岡まで全国の大学から16名の大学生が2泊3日で実施され、その中の2日間を西中国山地自然史研究会が担当しました。
募集要項には「開催地となる広島県北広島町は、中国山地のふもと、広島県と島根県の県境に位置します。地域経済の活性化と環境保全を両立する「芸北せどやま事業」や、自治体による生物多様性地域戦略の策定などの取り組みが高く評価されています」という案内が掲載され、それを体験したい、学びたいという大学生が集まってくれたようです。
最初に、原さん(北広島町環境生活課)の案内で、おーいの丘、高原の自然館、霧ヶ谷湿原にてフィールドワークを行いました。土砂降りに遭い、濡れながらも八幡の自然や環境に触れていただきました。
その後、山麓庵で、学生も受け入れ側も自己紹介をします。
大学生たちの学んでいる分野は「プログラミング」「建築」「化学」「農業と観光」「都市と農村のデザイン」「地学・地理」「ライフサイクルマネジメント」「まちづくり」「グリーンインフラ」「雪崩と森林」「昆虫の行動」「理科教育」「世界遺産学」「ブナ林の回復」「景観と郷土愛」など多岐にわたって、これを聞くだけでもわくわくしました。
今回の芸北での滞在で期待していることとしては、「現代での自然資源の活用法」「里山の復興や持続性」「自然と人間の共生」「この場所のファンに会う」「湿原の生態系の復元」などがあげられてました。特に、「オオサンショウウオに会いたい」というリクエストの多さにびっくりし、その人気の高さは活動のヒントになるなぁと感じました。
こちらからは、原さん、上野理事長、スタッフ河野も自己紹介をしました。
どんなメンバーで二日間すごすのか共有したところで、原さんより北広島町の自然と環境の取り組みのレクチャーがありました。
生物多様性条例やカーボンニュートラル宣言、森林ビジョンなど北広島町の取り組みを広く紹介いただきました。
芸北での1日目は、周囲の自然環境を体験し、自治体としての取り組みを知ってもらうところで終了しました。
芸北での2日目は、芸北支所会議室からスタートしました。
受け入れメンバーが少し代わり、上野理事長・スタッフ河野に加え、スタッフ八木・山岸専門員、芸北出身大学生の河野小雪さんの5名です。
西中国山地自然史研究会の取り組みの紹介、具体的な事例として「芸北せどやま再生事業」「芸北茅プロジェクト」をスタッフ八木から説明しました。
また、専門員の役割紹介を山岸専門員(昆虫分野)が担当し、生物多様性の保全(資源の利用と循環・観光・教育・景観の保全・暮らしの豊かさ)の根拠や土台となる自然史研究を専門員が中心となって行っている、という紹介がとてもよかったです。
そして、せどやま教室や茅プロジェクトの一期生となる河野小雪さんからは、授業で学んだことの紹介がありました。小中学生だった当時の思い、そして現在振り返ってみると感じたことが等身大の言葉で紹介され、参加の大学生にも響いたようです。
座学が終わると、芸北オークガーデンにて、食事をしました。ゆっくり話せる機会で、大学で学んでいること、これからのことなど対話することができました。本気で里山の再生や地域の魅力づくりに取り組む姿、そしてその原点となる出来事などを聞くと、これからの社会で活躍する世代に期待が高まりました。
せどやま市場では、担当スタッフの曽根田が案内役となりました。「価格変動などがある中、なぜ買取額をずっと一定にしているのか?」という質問に対して「木を集めるために必要なことだし、NPOがやっているという意味がそこにあるから」という回答がありました。この言葉が一番印象に残った、という大学生もいたようです。
一通りの見学が終わると、会議室に戻り、二手にわかれて座談会となりました。最終日に、①芸北の里山の現状を踏まえた上で予想される未来と芸北の里山の理想的な未来について考える②二つの未来を比べて、そのギャップを埋めるためにしなければいけないこと、できることを施策を発表する、という時間があるそうなので、その材料になる疑問や質問を座談会形式で1時間ほど話しました。
最終日の発表は、大学生だけで行なったようですが、後日動画や成果物を見せていただきました体験したことや、自分たちの経験やアイデアを盛り込んだものとなっており、もっと深掘りして聞いてみたいなという感想を持ちました。
二日間という短い期間でしたが、芸北での取り組みや、活動を実際のプレイヤーを交えて紹介、そして交流できたことは、私たちにとっても大きな学びでした。
里山の課題はたくさんありますが、このようにフォールドワークや対話を通じて、専門的な視点、多様なアイデアを出してもらい、実践者を育てていく取り組みにも力をいれたいと思います。
今回、くましおの事務局を担う大朝出身の大学生掘田まる美さんの企画でしたが、「私の仲間たちに地元を紹介したい!」という情熱で実現したスタディツアーです。「郷土愛」というテーマをこれからもしっかり追いかけてほしいです。