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【イベント報告】大潰山の春植物観察会

  • 開催日時:2012年5月13日(日) 9:30
  • 講師:暮町昌保・佐久間智子

 快晴のおかげで,肌寒さも身を潜めた絶好の山登り日和の中,20名の参加者とともに,大潰山の春植物観察会を行いました.
 まず,佐久間先生より,大潰山の地形や歴史と大潰山で見られる野草の説明がありました.また,大潰山が昔どのように人々の生活に関わってきたのかということや,山頂に咲く花の特徴,大潰山で見られるスミレの種類とその見分け方の説明がありました.
 座学の後,車4台に分乗して登り口へ移動し,登山に入る前から,ツツジやシハイスミレが迎えてくれました.登山を開始してから,チャルメルソウ・ネコノメソウ・ハウチワカエデの花など様々な植物や,タゴガエルの卵が見つかりました.実際に触ってみたり,メモを取ったり,写真を撮影したりと,様々な形で観察を楽しみながらゆっくりと山頂を目指しました.山頂近くではニオイタチツボスミレが群生し,ダイセンミツバツツジが開花し,天気の良さと相まって華やかさが増しているように感じました.また,頂上が近づくと,昔の呼び名である「柏原山」の由来となった,カシワも目に入るようになり,歴史を感じながら山頂に着きました.
 山頂で記念撮影をした後は,西中国山地の山なみを一望しながらの昼食となりました.そして,昭和時代に植林された山々の移り変わりを聞いた後,下山を始めました.下山中も時折立ち止まっては,ヤマザクラやウワミズザクラなどのサクラの見分け方を教えていただいたり,登りでは見なかった植物を見つけては,名前を聞いたりしながらゆっくりと下山しました.下山してからの駐車場前でも,日中には葉と見間違える様なオオミズアオや,駐車場のアスファルトの隙間沿いにびっしりと一列に並んだつくしなど,最後の最後まで見る所がありました.最終的に40種類以上の植物を観察し,目的の一つであったスミレも,大半の花を観察することが出来ました.[はたもとやすひこ]

みなさんの印象に残った物

「ダイセンミツバツツジ,コシアブラ,スミレ」「ダイセンミツバツツジの美しい群落の山道を好天に恵まれ満足でした.」「スミレの種類が多いこと,ツツジの種類も多いこと.(2)」「あけぼのスミレを知った.」「アケボノスミレとカラスシキミ」「あけぼのスミレに会えてうれしかったです」「色鮮やかなダイセンミツバツツジ」「天気が良く楽しい観察でした」「たくさんのスミレとたくさんのツツジを見たこと.山での弁当を食べて気持ちよかった」「スミレ,ニオイタチツボスミレ」「スミレの花がたくさんしかもきれいに咲いていました」「スミレ」「コシアブラ 食べられる クロモジ 高級な!和菓子等についている自然と学習でき,同じような感性の皆様とご一緒で,一日を満喫できました.」「山の登り方に,楽しみながら登ることをあらためて感じました」

参加したみなさんの感想(抜粋)

「植物の名前をいろいろ覚えれました.(2)」「分類がよく分からなかったスミレについてチェックポイントを佐久間さんから詳しく教えられ,よく理解できました.」「自然を守る事の大切さを実感しました」「ニオイタチツボスミレ,いいにおいだったです.」「回数を多くしては」「現場で質問が困難でした.(一列になるので後ろの方では)後での質問はムリ「これなに?」」「芽出しのやさしさにいやされました」「天気もよく気持ちのよい日でした」「久しぶりに参加させてもらいました.大変良い勉強になりました.」「たくさんの植物を見れて本当に良かった.今後ともよろしくお願いします.」「先生の詳しい説明をきいて,植物の奥深さを感じました.」「久々に楽しい観察会でした.参加者のマナーも良くて楽しかったです.ありがとうございました.」「参加された皆様が多くをご存知でいろいろ教えていただきうれしく思います.もっと中国地方の自然や歴史について知っていきたいと思います.」「どうも有難うございました.」

写真

配布された資料を手に,スミレの見分け方を勉強中.
配布された資料を手に,スミレの見分け方を勉強中.双眼鏡を手に,ナニガミエルカナ?
双眼鏡を手に,ナニガミエルカナ?エゾユズリハが,みごとにつぼみを付けていた.
エゾユズリハが,みごとにつぼみを付けていた.山頂到着の記念撮影.
山頂到着の記念撮影.食事後の山頂勉強会。山頂にある植物の特徴や、大潰山周辺の植林の歴史を学びました。
食事後の山頂勉強会。山頂にある植物の特徴や、大潰山周辺の植林の歴史を学びました。見事に咲いたニオイタチツボスミレの群生.名前の通り顔を近づけて匂いを嗅ぐといい匂い.
見事に咲いたニオイタチツボスミレの群生.名前の通り顔を近づけて匂いを嗅ぐといい匂い.下山途中を少し離れて一枚。
下山途中を少し離れて一枚。下山途中を見上げて一枚.
下山途中を見上げて一枚.「ダイセンミツバツツジの撮影」を「撮影」
「ダイセンミツバツツジの撮影」を「撮影」下山後の駐車場前にいたオオミズアオ.草と見間違えるほどに自然と同化していた.
下山後の駐車場前にいたオオミズアオ.草と見間違えるほどに自然と同化していた.

【イベント報告】カスミサンショウウオの産卵調査

  • 開催日時:2012年4月29日(日) 9:30
  • 講師:内藤順一

 モニタリングを続けている霧ヶ谷湿原で今年もカスミサンショウウオの産卵調査を行いました.年を追うごとに産卵場所が増えていますが,さて今年はどうでしょうか?高原の自然館の中で内藤先生よりサンショウウオについてのレクチャーを受けた後,4人の小学生を含む●人で調査に向かいました.今回は岡山県からの参加者もいらっしゃいました.
 はじめに霧ヶ谷湿原の向いの実験地で「カスミサンショウウオの産卵環境」で観察し,どのような場所に,どのような状態で産卵するのかを確認し,卵塊のありそうなところ,どのように探したらよいのかを教えていただきました.卵塊を守る親も見ることができ,参加者から驚きの声があがっていました.ヤマアカガエルやタゴガエルの姿もありました.
 要領がわかった後は,霧ヶ谷湿原での調査開始です.3班に分かれて,産み付けられた卵塊を探しました.GPSを使って位置を記録し,卵塊数や状態を調査票へ記入します.私たちの班は霧ヶ谷湿原の木道付近の水辺を調査しました.例年に比べ,水がある場所が少なく,干上がったような導水路もありました.また,昨年は同じ調査地でヤマアカガエルの卵塊をたくさんみつけたのですが,今回はオタマジャクシの姿になっていたところが多かったです.他には,コオイムシやヤゴも見つけました.
 カエルの卵塊ばかりではありません.「こんなところにいそう・・」という山際で,カスミサンショウウオの卵塊を見つけました!去年は確認されていない場所です.湿原化されていることが,実感できた瞬間でもありました.それぞれの地点で調査を終え,班ごとに調査結果を発表しました.2班では越冬幼生も確認できたということでした.毎年行っている調査のおかげで,どの場所にどのように両生類が棲息しているか知ることができます.データをとっているおかげで,様々な比較ができます.これらはまた内藤先生が解析をし,発表があることでしょう.そういった調査のお手伝いができたこと,湿原の再生化を間近で感じることができたことがとても嬉しい調査となりました.[こうのやよい]

みなさんの印象に残った物

「サンショウオの卵は1個々だと思っていましたが.」「ニホンアカガエルの婚いん色がきれいだった.」「サンショウウオをさわったり,卵子をさわったりしてとても楽しかったです.(2)」「この時期の越冬幼生(カスミ)」「昨年と違って,カスミサンショウウオの卵が発見できたこと.オオコオイムシを大量に見たこと」「湿地でのカスミサンショウウオを見ることが出来,ありがとうございました.」「卵塊(カスミサンショウウオ)がたくさん見つかってよかったです」「湿原の手入れが良くされていること.多くののカスミサンショウウオの卵,成体,カエルを見ることができた.」「たまごをみつけたこと.」「たくさんのカスミと,ツキノワグマのふんを観察したこと.」「オスのハコネサンショウウオが1匹でいた事,卵を見つけられた事.」「カスミサンショウウオを見たこと(2)」

参加したみなさんの感想(抜粋)

「野イバラで大変でしたが楽しかったです(3)」「湿地が広がり,カスミサンショウウオがふえてほしい」「私の班でお一人卵子を見つけられなかったので,見つけさせてあげたかった.」「今年はあたたかく,活動しやすかったので,良かったです.」「たのしかった.」「ありがとうございました.」「湿原がいい感じに変化していってるので,嬉しいです.」「親切にわかりやすく教えていただき良かった.」「カエルがいっぱいいた.」「天候も良く,とても楽しい時間をいただきました.
岡山からやって来てよかったです!」「天候が良く観察が良くできて楽しかった.
でも野イバラには参りました.オオヤマザクラがきれいでした.」「楽しかった.(2)」

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高原の自然館内でレクチャーを受ける.
高原の自然館内でレクチャーを受ける.自然再生事業を行った霧ヶ谷湿原の概要や,カスミサンショウウオの生息環境についてお話をきいた.
自然再生事業を行った霧ヶ谷湿原の概要や,カスミサンショウウオの生息環境についてお話をきいた.最初は参加者全員で同じ場所で調査方法や注意点を教えていただく.
最初は参加者全員で同じ場所で調査方法や注意点を教えていただく.卵塊の近くにいたカスミサンショウウオの成体.
卵塊の近くにいたカスミサンショウウオの成体.オタマジャクシがいっぱい!ヤマアカガエルかな??
オタマジャクシがいっぱい!ヤマアカガエルかな??子供たちも調査に参加.足取り軽やか.
子供たちも調査に参加.足取り軽やか.あ,そこにカエルがいるよー.
あ,そこにカエルがいるよー.カスミサンショウウオの卵塊を発見!卵数は49個だった.
カスミサンショウウオの卵塊を発見!卵数は49個だった.カスミサンショウウオがいそうな環境の場所を調査.水がとても冷たかった.
カスミサンショウウオがいそうな環境の場所を調査.水がとても冷たかった.間近で観察できるのも調査ならでは.
間近で観察できるのも調査ならでは.それぞれの班の報告.どの班からもカスミサンショウウオが見つかったのはすごい!
それぞれの班の報告.どの班からもカスミサンショウウオが見つかったのはすごい!最後のまとめ.来年も継続して調査しましょう,と内藤先生から.
最後のまとめ.来年も継続して調査しましょう,と内藤先生から.

【イベント報告】山焼き後の雲月山植物観察会

  • 開催日時:2012年4月21日(土) 9:30
  • 講師:大竹邦暁・佐久間智子

雲月山の山焼きからちょうど1週間が経った4月21日.山焼き後の植物観察会へ18名の参加者が集まりました.
今回は登山の前に座学を行いました.
本日の講師である佐久間先生から,広島県で火入れがされている雲月山・深入山・千町原の生育植物数の比較,絶滅危惧種の数など,フィールドで調査をされている佐久間先生ならではのデータをもとに細かなお話を聞きました.草原にしか生育しない植物の写真や,種数の説明を聞き,参加者はとても興味深そうに聞きいっていました.
座学の後は登山です.島根県境の駐車場から先生を先頭に登り始めましたが,台風なみの強風に何度も立ち止まったり,低い姿勢で風をよけながら,なんとか最初のピークにつきました.尾根沿いを歩くときも風はやまず,進むので精一杯でしたが,そんな中でも佐久間先生,もう一人の講師大竹先生は雲月山から見える山なみや,植物の説明を続けてくれました.吹き飛ばされそうな風の中,ショウジョウスゲやショウジョウバカマはかわいらしい花をつけていました.2年前に舗装された登山道沿いを歩き,下の駐車場でお弁当を食べ,道路を通りもとの場所まで戻りました.
牛による外来種の移入があること,また火が入った後でもすぐに花をつけるショウジョウバカマの秘密があること,草原という環境ならではの貴重なお話も聞きました.また,ハタネズミの利用した穴をみたり,タチツボスミレの見分け方を教えていただいたりと,春を確かめる観察が楽しかったです.と同時に,草原の環境が保つ生物の多様性を感じた観察会でもありました.
風に負けずに歩いてよかった!そして,ツノハシバミの愛らしい雌花を見ることができて幸運な一日でした.何度も訪れたい愛着のある場所,雲月山がますます大好きになりました.

みなさんの印象に残った物

「強い風に体が飛びそう」「焼けた土の表面から出ているショウジョウバカマの花が愛おしくかわいかったです」「花が見れたこと」「風で前が見えなかったことです」「台風のような強い風」「強い風」「ショウジョウバカマと風の強さ」「山焼きの後の黒々とした山「花の名前.タチツボスミレ」

参加したみなさんの感想(抜粋)

「今年もショウジョウバカマの花に会えて良かった」「山焼きの大切さを実感しました」「楽しかった」「大変でした」「山がよく焼けていた中で,植物が強く生きている姿が見れて良かったです」「予想以上に寒かった」山に登ったのが,楽しかった」

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今回は座学から.佐久間先生から詳しく解説.
今回は座学から.佐久間先生から詳しく解説.上の駐車場から登山開始.
上の駐車場から登山開始.雲月山の頂上を望む.
雲月山の頂上を望む.吹き荒む風を受けながらなんとか歩く.左側を見ると今回焼いたところがよくわかる.
吹き荒む風を受けながらなんとか歩く.左側を見ると今回焼いたところがよくわかる.ササのなかに隠れていたショウジョウバカマ.個体によって少しずつ色が違うのがおもしろい.
ササのなかに隠れていたショウジョウバカマ.個体によって少しずつ色が違うのがおもしろい.牛の放牧と外来種の移入についての説明があった.
牛の放牧と外来種の移入についての説明があった.この登山道沿いではショウジョウバカマがよく咲き,目を楽しませてくれた.
この登山道沿いではショウジョウバカマがよく咲き,目を楽しませてくれた.新しく設置された看板の前で.北広島町では初めての生物多様性保護区域となったいきさつや,実際に保護されている種の説明を聞いた.
新しく設置された看板の前で.北広島町では初めての生物多様性保護区域となったいきさつや,実際に保護されている種の説明を聞いた.キジムシロが黄色い花をさかせていた.
キジムシロが黄色い花をさかせていた.ツノハシバミの雌花をルーペを使って観察.楽しそう!
ツノハシバミの雌花をルーペを使って観察.楽しそう!ツノハシバミの雄花もたくさん.近くでみると花粉がついているのがわかった._7610
ツノハシバミの雄花もたくさん.近くでみると花粉がついているのがわかった.