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【イベント報告】雪原のトレッキング

  • 開催日時:2012年2月19日(日) 10:00
  • 講師:上野吉雄

 朝の気温は氷点下18度と低く,チラチラと雪が舞い降りる中,「雪原のトレッキング」が行われ,16名の方が高原の自然館に集合しました.講師の上野先生からお話を聞いた後,雪原を歩き始めました.週末から降り続いた雪は深さ150cm以上となり,かんじきを履いていても膝下まで沈み込むほどでした.まずは自然館の周辺を観察します.山麓庵の屋根にはテンが移動している跡が見られました.上野先生は「柱をつたって天井裏に入り,同じく屋内に移動しているネズミを探している」とテンが柱を登った時に付けた爪痕を指差しながら話されました.次に霧ヶ谷湿原へ向けて出発しました.途中にある水口谷湿原の入口に差し掛かると,ゆっくりとした羽ばたき方が特徴的であるカケスに出会いました.「カケスは冬の間は主にドングリを食べる.秋に貯食しておいたものを掘り起こして食べるが,そのまま忘れさられたものは春になると芽吹くので,植物の分布拡大に一役買っている事になる」と解説されました.霧ヶ谷湿原に入る遊歩道では,ヤドリギの実を手に取ることができました.上野先生が実を手に付けて揺らし,どれだけ粘着力があるのかを実演していただきました.普段は手の届かない高さにあるヤドリギですが,降り積もった雪の上を歩ける冬ならではの体験です.霧ヶ谷湿原内では,雪に閉ざされていない小さな池がいくつか見られました.「このような池にはカエルや両生類が捕食者のいない春の早いうちに山からやってきて産卵をする.特にヤマアカガエルは産卵をした後に山に戻り,暖かくなるまで再び冬眠する」と上野先生は話されました.この他にも,クロモジやミズメなどの冬芽や,ヒヨドリやシジュウカラの羽ばたいている姿などを観察できました.新雪のため,動物の痕跡は少なかったものの,湿原や植物,野鳥などを普段とは違う視点から観察することができました.[ありみつまさかず]

みなさんの印象に残った物

「コナラとミズナラの判明」「カケスの跳び方が平泳ぎのようでした」「新雪の白さに感動(2)」「雪の湿原」「鳥が少ないこと(2)」「雪の多さ!前回(2年前)とはずいぶん違いました(2)」

参加したみなさんの感想(抜粋)

「寒いけど楽しかった(2)」「去年より動物の跡は少なかったが面白い話が聞けた(2)」「寒くもなく新雪歩き良かった」「貴重な体験ができました」「動物の足跡がほとんどなかったのが印象的でした(2)」

写真

自然館前にうず高く積もった雪.今にも屋根に届きそう.
自然館前にうず高く積もった雪.今にも屋根に届きそう.山麓庵の茅葺き屋根を移動したテンの足跡を観察する.
山麓庵の茅葺き屋根を移動したテンの足跡を観察する.雪の付く木々は日光を美しく反射させ,参加者の目を楽しませる.
雪の付く木々は日光を美しく反射させ,参加者の目を楽しませる.クロモジの冬芽.枝はしなやかに曲がり,雪の重みでも折れにくいことを聞いた.
クロモジの冬芽.枝はしなやかに曲がり,雪の重みでも折れにくいことを聞いた.コナラの実.ミズナラの実と比べてみるとその名の通り実が小さい.
コナラの実.ミズナラの実と比べてみるとその名の通り実が小さい.看板も雪の中でじっと春を待つ.
看板も雪の中でじっと春を待つ.霧ヶ谷湿原にある水溜まり.春になると産卵のために色々な生物が集まってくる.
霧ヶ谷湿原にある水溜まり.春になると産卵のために色々な生物が集まってくる.上野先生の親指からぶら下がるヤドリギの実.多少揺らしても落ちないほどの粘着力がある.
上野先生の親指からぶら下がるヤドリギの実.多少揺らしても落ちないほどの粘着力がある.ミズメの枝を嗅いでみる.湿布のような独特の香りがした.
ミズメの枝を嗅いでみる.湿布のような独特の香りがした.

【イベント報告】冬を生きる動物たちの生態

  • 開催日時:2012年1月15日(日) 10:00
  • 講師:上野吉雄

 新年最初の観察会となる「冬を生きる動物達の生態」の観察会が実施されました.天候は曇りでしたが,高めの気温に弱い風と,歩きやすい一日になりました.高原の自然館に14名の方が集合し,講師である上野先生に今回の観察会のポイントなどを教わりました.今回は自然館の裏手から“おーいの丘”を通って千町原まで行き,道路に出て自然館の正面へと戻る,というコースを歩きます.雪の深さは60cmほどで,しばらく雪が降らなかったためか雪の上もしっかりとしていました,かんじきやスノーシューを履いて歩き始めるとすぐに痕跡を見つける事が出来ました.上野先生に見ていただくと,テンのものであることが分かりました.そのそばにはフンもあり,フンを見ると何を食べているのか知る事ができます,このテンは植物の実を食べていたことが分かりました.自然館の裏手を登っていくとウサギの痕跡を発見しました.後足と前足の跡がそれぞれ特徴的で,足跡を見ればどの方向に進んでいたか分かります.進んでいる方向には背の低い木があり,その枝には食痕がありました.ウサギが枝を食べるとその先が鋭く尖るため,すぐにウサギによるものだと分かるそうです.山道に入るとネズミの足跡を見つけました.上野先生は「足跡に混じって真ん中に一本,線が通っているのが分かる.これは長い尻尾が引きずられてついたもので,八幡の山に住む尻尾が長いネズミとなると,この足跡はアカネズミのものだろう」と話されました.アカネズミは木の根元の,雪が積もっていない場所に続いていて,昨晩はそこを寝床にしていたことがわかりました.冬に活動しているのは哺乳類だけではありません.雪の上でよく眼を凝らすと,トビムシの仲間が跳びはねているのが分かります.他には雪の上を歩き回るクロカワゲラの仲間や,ガガンボなどの小さな昆虫達を観察することができました.「食べ物が少ない冬だけど,そのかわり天敵も少なく,寒さなどに適応が出来れば以外と過ごしやすいのかもしれない」ということを昆虫達を眺めながら考えました.千町原を歩いているとどこからか鳥のさえずる声が聞こえてきました,辺りを見回してみるとツグミの群れを見つけました.「例年ならカラ類などの冬鳥がたくさんさえずっているが,今年の冬はそれが聞こえない.一昨年の猛暑で木の実ができず,その年の冬の豪雪と春の到来の遅さが重なって,木の実を主食とする冬鳥と留鳥が多く命を落とした.50年鳥の観察を続けているが,こんなに静かな冬山は初めて」と上野先生が話されました.じっと息を潜めて春を待つようなイメージがある冬ですが,実際は様々な生き物達が活動をし,またその痕跡をはっきりと見られ,生き物達の様子を理解しやすい季節であると感じた観察会でした[ありみつまさかず]

みなさんの印象に残った物

「うさぎが多いこと」「色々な足あとを見れた」「重歯目のウサギの鋭角の食痕,おしっこのあと.親ウサギは1.5m位飛んだ足跡」「鳥が非常に少なかった事.気候が大変影響する事だと思いました」「ネズミの足跡を見たこと」「テンの足が5本なのがわかりました(2)」

参加したみなさんの感想(抜粋)

「楽しかったけどつかれました」「楽しかった(3)」「テン,ウサギ,アカネズミ,ヤマドリ等の足跡の観察が良く出来た事」「鳥が一昨年の猛暑が原因で死んで,今日もほとんど見れなくて残念でした(2)」「1本の体操,頭の体操に良かったと思います」「下りがたのしかったです」

写真

雪に埋もれる山麓庵.屋根の雪が落ちて周囲に高く積もっている.
雪に埋もれる山麓庵.屋根の雪が落ちて周囲に高く積もっている.かんじきやスノーシュー,クロスカントリー用のスキー板と,雪の上を歩くための道具が勢揃いした.
かんじきやスノーシュー,クロスカントリー用のスキー板と,雪の上を歩くための道具が勢揃いした.ウサギの食痕.先端が鋭く斜めに尖っているのが特徴.
ウサギの食痕.先端が鋭く斜めに尖っているのが特徴.雪山を登る.途中では色々な生き物が活動している痕跡を発見できた.
雪山を登る.途中では色々な生き物が活動している痕跡を発見できた.八幡に自生する常緑樹の1つのエゾユズリハ.色々な生き物がその葉を食べる.
八幡に自生する常緑樹の1つのエゾユズリハ.色々な生き物がその葉を食べる.「おーいの丘」から千町原へと下る.スキー板の出番!
「おーいの丘」から千町原へと下る.スキー板の出番!実を多数残しているツルウメモドキ.実を食べる野鳥が少ないためかこのような木があちこちで見つかった.
実を多数残しているツルウメモドキ.実を食べる野鳥が少ないためかこのような木があちこちで見つかった.ヤマドリが舞い降りたあと.その足跡を辿ると,先ほどのツルウメモドキまで続いていた.
ヤマドリが舞い降りたあと.その足跡を辿ると,先ほどのツルウメモドキまで続いていた.ヤマウサギの足跡.右の参加者の足元から,中央の上野先生までの距離を一足で跳んでいる.
ヤマウサギの足跡.右の参加者の足元から,中央の上野先生までの距離を一足で跳んでいる.雪の上を歩き回るカワゲラの仲間.
雪の上を歩き回るカワゲラの仲間.トレッキング終了後に感想を言い合う.
トレッキング終了後に感想を言い合う.

産卵

自然館でお仕事中に,一本の電話が入りました.
「近くの川で,魚が産卵しとるよ」
これは見に行かねば!とカメラを担いでその場所に向かいました.

並んで泳ぐ2匹の姿.
多い時には5〜6匹程が泳いでいるそうです.
魚の種類は分かりませんでしたが,川底を掘る為に尾びれで砂をかいたり,もう片方がその周りを警戒するなど,普段はあまり見る事が出来ないものを観察することが出来ました.
                                 ありみつ
※後日,魚類に詳しい方が見に行かれて,アマゴと同定されました.

ニホンアカガエル

最近はお昼休みの時間を利用して霧ヶ谷に足を運んでいます.
開けた湿原の木道沿いは色んな動植物を間近で見ることができます.

木道の上にいたニホンアカガエル.
姿が似ているものにヤマアカガエルがいますが
目から背中にかけてある線で見分けることが出来ます.
                      ありみつ

シロヒトリ

曇り時々雨,その合間にわずかな晴れ,とはっきりしない天気が続いています.
先日も千町原を歩いている最中に雨に降られ,あわてて引き返すという出来事がありました.

草陰で休むシロヒトリ.
真っ白なはねに赤いあし,ふさふさとしたボリュームのある頭部.
見た瞬間の印象は「歌舞伎」でした.
              ありみつ